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ガザ侵攻分析・イスラエルの最終目標は何?

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  ||| イスラエルのエンドゲーム・前編 |||

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イスラエルのガザ侵攻、その最終目標は何か? 中東大戦争へ発展する可能性は?
NBCニュース中東スペシャリストが解析する、イスラエルとガザのエンドゲーム


米国時間2009年1月2日 | マーチン・フレッチャー/中東分析 | 訳『米流時評』ysbee
イスラエル・テルアビブ発 | 今回のガザの壁内部への大規模な空爆に際しては、イスラエルの目指すガザとの戦闘の最終目標=ultimate aim は、いったいどこにあるのか?という疑問が噴出し、様々な憶測が飛び交った。さらには、イスラエルがハマスに対して「この戦争は苦い結末を迎える」という最終宣告を突きつけた時点で、こうした疑問がさらにエスカレートして、中東全域を巻き込む大規模な戦争へと拡大するのではないか?という新たな懸念もまた湧き上がってきた。
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What Is Israel's End Game in Gaza?
Escalation of assault spurred worry about resurfaced regional Mideast war
DECEMBER 29, 2008 | Martin Fletcher/NBC Mideast— ANALYSIS | Translation by ysbee
TEL AVIV, Isrrael — As Israel vows a war "to the bitter end" against Hamas, the surge in violence has spurred worries about another regional Mideast war as well as speculation about Israel's ultimate aim with its broad assault on targets inside the Gaza Strip. On the former question, there's not a chance. Who would fight it?

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JANUARY 2, 2009 | 『米 流 時 評』 |  時事評論ブログ雑誌・デイリー版 2009年1月2日号
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 N B C N E W S |  A N A L Y S I S
NBC中東スペシャリストが解析する、イスラエルのエンドゲーム
米国時間 2009年1月2日 | マーチン・フレッチャー/NBCニュース中東支局 | 訳『米流時評』ysbee

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06年夏に今回と同じくイスラエルの空爆と地上侵攻で徹底的に痛めつけられた、レバノン南部の町ダヒイェの広場を埋め尽くした「空爆反対・ガザ支援」の反イスラエル大集会。広場の上に翻る旗は、パレスチナ国旗。

1. Arab leaders probably delighted

Apart from the usual suspects — Iran, Syria and their Lebanese proxies, Hezbollah — most Arab leaders are probably delighted that Israel is taking apart Hamas fighting ability. Most pleased, some of my regular Fatah sources tell me privately, is the West Bank Palestinian leadership of Fatah, which saw Hamas obliterate its own power structure in Gaza in a few violent days 18 months ago.
事態をむしろ歓迎するアラブ諸国?
イランとシリア、彼らのレバノンの同胞ヒズボラ。こうした一連のイスラエルの宿敵は別にして、多分中東のアラブ諸国の指導者たちは、今回のイスラエルのガザ攻撃をハマスの戦闘能力を叩くものとして、むしろ歓迎していることだろう。私(中東駐在のNBCマーチン・フレッチャー記者)がいつも取材ソースとしているパレスチナ左岸のファタハの消息筋は、あくまで個人的な情報という前提の元で、こんな意見をよこした。
「アラブ諸国の中でも、今回のイスラエルのガザ攻撃をもっとも歓迎しているのは、パレスチナ左岸のファタハの指導者だよ。彼らは1年半前に、ハマスによってガザの政権の座から無理矢理追放された当時の恨みを、これで復讐できると思ってるからね。」
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ユダヤ人のシンボル「ダビデの星」に加えて、ナチスドイツのハーケンクロイツ(スワスチカ=鍵十字)が今やイスラエルのシンボルになってしまった。ナチスのホロコースト、600万人大虐殺で歴史の辛酸をなめたはずのユダヤ人国家イスラエルが、半世紀以上経った現在「イスラム教徒ジェノサイド」の首謀者になるとは、誰が想像できただろう。

2. Payback time for Fatah

This is payback time, courtesy of Israel. Palestinian President Mahmoud Abbas and other Fatah leaders, after calling for an urgent cease-fire, blame Hamas for provoking Israel by its refusal to continue the six-month truce, and its repeated rocket attacks into Israel.
左岸アッバース政権には復讐の時
今回のガザ攻撃は、ウェストバンク(左岸のパレスチナ)だけでなく、イスラエル自身にとっても復讐の好機である。欧米から国連で国家として承認された、パレスチナ左岸の元首マムード・アッバース大統領と、彼を取り巻くファタハの軍事外交の指導者たちは、空爆直後に緊急の休戦提案声明を出した後で、今度は一方的にガザのハマス側を非難し始めた。その言い分は、まずハマスが半年間の一時停戦協定の継続を破棄したことと、イスラエル領土内に対するロケット攻撃を繰り返したことを上げている。
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06年夏にハマスの軍事力でガザから追放され、左岸パレスチナに欧米傀儡政権を樹立したアッバース首相のファタハは、イスラエルと米国の支持をとりつけている。今回のガザ空爆とハマス攻撃で、アッバースは溜飲を下げた。

3. Open fire on pro-Hamas protesters

Just as pleased is Egypt, which fears that its own fundamentalist Muslims will be encouraged by Hamas' success in Gaza. A bloody nose for Hamas fits Egypt's needs perfectly. Just as Palestinian police in the West Bank opened fire on pro-Hamas protestors on Sunday, so did Egyptian police on their border with Gaza.
ガザ支援デモに発砲した左岸とエジプト
一方、ガザとイスラエルの南隣の国エジプトでも、ハマスがガザの実権を掌握して以来、エジプト国内のイスラム原理主義者の蜂起を恐れているために、ハマスが弱体化することを喜ばしいことと受け止めている。ハマスに血の粛清を取るイスラエルの態度は、まさにエジプトが臨んでいた状況そのものだからだ。空爆開始から2日目の28日日曜、パレスチナ左岸の警察機動隊がハマス支援のデモ隊に対して発砲したように、エジプト国内の警察もガザとの国境で同様の威嚇に出た。
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ガザ国境の町ラファーからエジプト側へ越境しようとしてエジプト警察に逮捕されたガザのパレスチナ人

4. People protest, but governments not fight

Just as Palestinian police in the West Bank opened fire on pro-Hamas protestors on Sunday, so did Egyptian police on their border with Gaza. Likewise, pro-Hamas demonstrations in Arab capitals like Amman and Baghdad will not force any military moves against Israel by their governments.
国民は抗議しても政府は動かず
しかしながら、パレスチナ左岸の首都ラマラーやエジプトのカイロと同様に、ヨルダンの首都アマンやイラクのバグダッドでも、一般市民によるイスラエル抗議運動の波が広がり高まっても、各国政府の指導者は、国家形態での軍事行動でイスラエルに対抗するという動きには出ていない。
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06年にイスラエルの空爆地上侵攻で千人以上の犠牲者を出したレバノンでは、ハマス支援イスラエル抗議のデモ

5. Iran is too far, and Syria has done it

And Iran, apart from its ability to support and encourage Hezbollah and Hamas, is a thousand miles away. The most Syria can do is to call off its indirect peace talks with Israel, which it has already done.
近くて遠い同胞国イランとシリア
また普段からレバノンのヒズボラとガザのハマスを援助する立場をとり、他のアラブ諸国とは一線を画すテヘランのイラン政府は、ガザからは何千マイルも離れた地理的に不利な位置にある。イランの友好国家でハマスに対しても好意的なシリア政府がとった、最大限の反イスラエル的デモンストレーションは、せいぜいがイスラエルとの間接的和平交渉をキャンセルすることであり、しかもその状況はすでに既成の事実だった。
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空爆の中でサバイバルするガザ市民を支援するために、イランの首都テヘランの街角で始まった献金運動のボックス

6. Will Hezbollah join in the front?

So there are only two ways the fighting could spread. One way is if Hezbollah, or Palestinian groups, in southern Lebanon open a second front by firing rockets into Israel. But Hezbollah leader Hassan Nasrallah's lukewarm call to arms did not include his own men.
レバノンのヒズボラは戦線に参列するか?
中東諸国がおしなべてこんな具合なので、今の段階では戦闘状態にあるのは戦争の当事者であるイスラエルとハマス政権下のガザだけである。そこで、今後戦線が拡大するケースとして、ふたつの事例が想定される。ひとつは、一昨年イスラエルに痛めつけられたレバノンか、レバノン国内のパレスチナ人グループがイスラエルに対してロケット砲攻撃などで戦火の口火を切れば、対イスラエル戦線はレバノン国内にまで容易に拡大する。しかし、ヒズボラの指導者ハッサン・ナスララが発した武装蜂起のかけ声は、あくまで当事者のハマスに対する支援声明だけという腰くだけに終り、自軍のヒズボラ兵士に対する出動命令ではなかった。
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爆撃で瓦礫と化したアパート群から焼け残った家財道具を馬車で運び出すガザ市民。爆撃の被災地では、電気はもちろん上下水道も破壊され使えないので、一挙に原始的生活を余儀なくされる悲惨な状況

7. Nasllarah's reference of Lebanon War

He said, "I join my voice to the voices of other Palestinian leaderships that have called for a third intifada in Palestine." In other words—you guys do it.
レバノン戦争で懲りたヒズボラの指導者ナスララ
ナスララは数百万を数えるヒズボラ支持者に対して、テレビを通じてこう訴えた。
「今回のイスラエルとの戦闘に対しては、ガザの地で闘うパレスチナ人同胞の指導者たちと声を䋖(いつ)にする。これは、パレスチナで起きた3度目の聖戦・インティファーダだ。」
しかし実際には、戦闘に参列する出兵の号令ではないので、元をただせば「お前たちの戦争なのだから、お前たちで闘え」と言っているに等しい。
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米国国務省ではテログループに認定されているヒズボラだが、レバノン南部では圧倒的に支持を受ける。やはり中央政府が腐敗したり地方の治安や福祉を疎かにしている弱体の国家では、ローカルの実権を握る軍閥が福祉厚生や公安・裁判まで代行してしまうので、宗教力とも相まって軍閥が統治力を持つ結果になってしまう。

8. Stoning resistance against Goriath

And although there have been some protests at home, Israeli Arabs, as well as Palestinians in the West Bank, have limited themselves to highly-publicized but small-scale protests that include throwing stones at soldiers, but nothing worse.
現代のゴリアテ・イスラエルに投石で反撃
イスラエルの強敵はまた、そのお膝元にも棲息する。イスラエル国籍のアラブ人である。彼らは左岸のパレスチナ人と同様、純然たるユダヤ人とは異質のマージナルな存在であるため、その言動が常に注目の的となるは致し方ないところである。そこで、彼らが少しでもことを起こそうものなら俄然メディアの耳目を集める結果となるのだが、いかんせん治安部隊に立ち向かう武器と言うのがせいぜいのところ「投石」なのであるから、これでは戦闘以前の段階でお話しにならない。
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左岸の町ラマラーでも、同胞パレスチナ人の虐殺に抗議して機動隊に投石をするレジスタンス運動が始まった

9. Considering the thin red line

If Israeli soldiers kill Israeli Arabs, that could provoke a much wider revolt. But because of the killing in October 2000 of Israeli Arabs by soldiers, which led to two months of violence by Israeli Arabs, Israeli soldiers today do not use live bullets in confrontations with their own citizens.
国内のアラブ人に気を使うイスラエル
もしもイスラエルの兵士が、自国内のイスラエル国籍のアラブ人を万が一にでも殺したら、どういうことになるか? その時こそ現在以上の広範な人民蜂起を引き起こすことは、最近の事例を振り返れば間違いない。2000年の10月に、イスラエル兵士によって数名のアラブ系イスラエル人が殺された事件が引き金となって、その後2か月の長きにわたってアラブ系の武装蜂起が続いたのは、まだ記憶に新しい。それ以来今日にいたるまで、イスラエル兵士はデモなどの抗議行動で自国民と(たとえアラブ系であっても)対峙せざるをえない時には、発砲に際し実弾ではなく、ゴム弾を用いることが義務づけられている。 >> 続く
【 米国時間 2009年1月2日 『米流時評』ysbee訳 】f0127501_6213945.jpg
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エルサレムでガザ空爆反対の気勢を挙げるアラブ系のイスラエル国民。きわめて少数派だが無視できない存在。

▶次号「イスラエルのエンドゲーム・後編」へ続く: 11. イスラエルの真意と今後の動き/12. タカ派の支持で強気のバラク防衛相/13. ガザを熟知したファタハからの諜報情報/14. イスラエルとガザ双方に大きな犠牲/15. レバノン戦争でのナスララの後悔/16. バラク防衛相「ハマスに苦い最期を」/17. 圧倒的な軍事力の差から見える結末

d0123476_10423115.jpgNBC ニュースビデオ — JAN. 1 | イスラエルのガザ空爆拡大
Airstrikes intensify— NBC's Tom Aspell reports on the death of Nizar Rayan and the possibility of an Israeli ground assault.
新年を迎えてますます激しさを増すイスラエルのガザ空爆。6日目の1日月曜も容赦なく狭いガザ領土内へ空からの爆撃を続行するイスラエルに対し、すでに中東アラブ国家から世界各国のムスリムまで戦争反対の抗議デモを展開している。

緊急特集 ||| ガザ戦記 |||
▶12/26 ガザ戦争 序章「イスラエルの最終戦争」
▶12/29(1)「ガザ空爆エスカレート」 凄惨!死者364名 負傷者1400名以上
▶12/30(2)「ガザの最終戦争宣言」ついに全面戦争へ突入するイスラエル(未掲載)
▶12/31(3)「ガザ空爆はジェノサイド!」反イスラエル抗議運動世界へ拡大(未掲載)
▶1/1 『米流時評』年頭のメッセージ「2009年のワルキューレ」ブログの砦の同志たちへ
▶1/2(4)中東戦局分析「イスラエルのエンドゲーム」ガザ侵攻の最終目標は中東大戦争?
▶1/2(5)中東戦局分析「イスラエルのエンドゲーム」後編(未掲載)
▶1/3(6)号外!「ついにガザ地上侵攻開始」イスラエル恐怖のガザ市街戦へ突入!
▶1/4(7)緊急レポート・ガザの死闘で長期戦を覚悟するイスラエル
▶1/5(8)イスラエルの巨大なる棺ガザ・前編
▶1/6(9)中東平和への墓標ガザ・後編(予告)
▶1/7(10)虐殺の砲弾・地上軍のガザ国連学校砲撃で死者40名!(予告)
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米流時評 総論「ガザの悲劇」4千年の中東民族抗争


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1/24 第2部 ポスト・ジェリコ ガザの壁崩壊が中東に及ぼす波紋
1/25 第3部 ガザ・ゲットー ガザの壁崩壊による窮乏からの脱出

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「イランが危ない!」中東大戦争の可能性
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1  戦争挑発行為?イスラエル爆撃機のシリア領空侵犯
2  中東核戦争の危機は本物か
3  「新ジェリコの戦い」イランのミサイル報復作戦
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||| 『米流時評』 特集シリーズ |||
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by ysbee-2 | 2009-01-02 10:48 | イスラエル・ガザ戦争
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