ザイトゥン虐殺事件の真相・イスラエルの戦争犯罪生残りの証言

||| ザイトゥン虐殺事件の真相 |||

AP通信記者が探し当てた生存者が語る虐殺の真相、国連人権委が調査開始

Probe Israel for Shelling Gaza Site, U.N. Says
Survivors allege Israeli soldiers directed them to building that was later hit
JANUARY 10, 2009 EST | Associated Press — BREAKING | Translation by ysbee
JERUSALEM — With fighting all around them, Israeli troops knocked on the door of the Samouni clan in Gaza City last weekend and told them to leave, directing them to the building owned by a relative. Twenty-four hours later, three shells slammed into the structure where dozens of people were huddling, according to survivor accounts Friday.

米国時間 2009年1月9日 | AP通信 エルサレム発特別レポート | 訳『米流時評』ysbee
ガザ市郊外のザイトゥン地区に住むサムーリ一族。何十人もの大家族が一緒に住むその住まいは、イスラエル軍のガザ侵攻が始まって以来戦火のただ中にあったが、先週末(1月4日)イスラエル軍が侵攻して来て、そのドアを叩いた。地上軍の兵士は彼らにただちに家を離れるよう命令し、サムーリ家の親戚のひとりが所有する建物へと誘導した。
それからちょうど24時間後、イスラエル地上軍の戦車から3発の砲撃が、その建物めがけて発射された。生き残った者の証言では、砲弾が命中したときその建物には一族110人が閉じ込められていたと言う。(この下へ続く)
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JANUARY 10, 2009 | 『米 流 時 評』 | 時事評論ブログ雑誌・デイリー版 2009年1月10日号

ASSOCIATED PRESS | BREAKING
ザイトゥン虐殺事件の真相 AP記者が探し当てた生存者の証言
米国時間 2009年1月10日午前8時20分 | AP通信・ガザ戦争特別レポート | 訳『米流時評』ysbee

On Monday, AP interviewed survivor Salah Samouni at the hospital. He said the family had been ordered to go to the building Sunday by Israeli forces to avoid nearby fighting. As he spoke, Samouni was distraught, banging his head in mourning for of his three nephews whose bodies he brought to the hospital.
虐殺に生き残った者の証言
7日の月曜に、現地ガザ駐在のAP通信記者は、ザイトウン(ゼイツーン/Zeitoun)の虐殺事件で生き残ったひとりであるサラー・サムーニさんに入院中の病院でインタビューした。彼の話では、そもそもの始まりは4日日曜にイスラエル軍の兵士がやって来て、家の近くでの戦闘を避けるために、サムーニの一族全員に、ある一軒の建物に避難するようにと命令した.....
サムーニさんは、事の顛末をつまびらかに記者に語ったが、彼が死体を病院へ運び込んだ3人の甥について語る段になると、悲しみのあまり言葉をつまらせ、激昂して頭を病室の壁に打ちつけたりする場面もあった。

2. Reasonable doubt by witnesses' account
The U.N. report differed in detail from an account to the AP on Friday by Ahmad Samouni and from Meysa Samouni, who told her story to the Israeli human rights organization B'Tselem. But they all concurred that Israeli troops directed dozens of members of the Samouni clan into at least one building, which was shelled the next day.
3人の証言で共通する事実
9日に発表された国連人権理事会の報告書では、同じ一族のアーマド・サムーニさんを救出した赤十字が聴き取った証言と、それとは別個にイスラエルの人権擁護団体 B'Tselem が聴取したメイサ・サムーニさんの証言を元にしていた。報告書での二人の証言内容は、AP通信が聴き取った真相とは詳細な部分で多少の食い違いはあった。しかし、すべての証言に共通していることは、次のような事実である。
「一族がまとまって住んでいるサムーニ家の住居にイスラエルの軍隊がやってきて、110人もの一族全員をひとつの建物の中へ避難するよう指示したが、その建物は翌日イスラエル軍によって砲撃された。」

3. Shells hit 110 members of Samouni clan
Ahmad Samouni, 23, said Israeli troops forced him and his extended family to leave their three-story home on Sunday. Once on the road, another squad of soldiers told them to go into another building belonging to Wael Samouni — and stay there.
サムーニ一族全員110人に直撃
23才のアーマド・サムーニさんの証言「日曜にイスラエルの軍隊がやってきて、私と家族全員に対して3階建ての自宅を離れるよう強制したのです (forced to leave)。一家全員おもての道路へ出ると、イスラエル軍の別の一隊がやってきて、一族の親戚であるワエル・サムーニが所有する別の建物へ行くように、そしてそこでじっとしているようにと命令しました。」

4. Missile slammed into the door
He said at least 60 people were in the building, while the U.N. said 110 people were inside when the shells hit. He said at least 60 people were in the building, while the U.N. said 110 people were inside when the shells hit. Ahmad Samouni said a missile slammed into the door. The explosion threw him to the ground and he heard another two loud bangs, he said.
避難した建物をミサイルで直撃
アーマドさんの証言では、その建物の中にいたのは60人ぐらいと語ったが、国連の報告書の証言では、砲撃された時点では総勢110人がその中にいたと記録されている。アーマド・サムーニさんの話では、「ミサイルがドアを突き破ってきた」と証言した。そしてミサイルが爆発した際の爆風で彼は床へ吹き飛ばされ、そのあと耳をつんざくような爆発音が2回あったと語っている。

5. Shouting to those still alive to follow
With the dust still swirling, he recalled fleeing in terror from the building, shouting to those still alive to follow him and leaving behind the bodies of his mother and at least eight other relatives. In Meysa Samouni's account, the clan stayed there Sunday night without food or drink.
死体とともに一夜を過ごす
爆発による猛煙と埃が舞い上がる中、彼は自分の母親と、そのほか一族郎党のうち少なくとも8人が死体になって倒れているのを見た。彼は恐怖にかられたあまり、壊れたビルから抜け出そうとして、かろうじて生き残った仲間に向かって、遺体はそのままにしてともかく自分のあとについてくるよう叫んだ。
もうひとり、メイサ・サムーニさんの証言では、110人いた一族のうち、生き残った者たちは食糧も水もないまま、日曜の夜を徹して爆破された建物の中にとどまった。

In the morning, two relatives opened the door to search for other family members. "The moment they left the house, a missile or shell hit them. Muhammed was killed on the spot, and the others were injured from shrapnel," she said, according to the transcript. "My husband went over to them to help, and then a shell or missile was fired onto the roof."
人間を標的にミサイル発射?
翌朝、夜が明けてからメイサさんの親戚がふたり、そこにいない家族のメンバーを探すために、建物の入口のドアを開けて外へ出た。メイサさんの証言の供述によると、その直後に次のような事態が起きた。
「彼らがその家を離れた途端に、ヘリからのミサイルか戦車からの砲弾かどちらかが飛んできて、ふたりに命中しました。そのうちのひとりムハッメドはその場で即死し、他の者たちも砲弾の破片で怪我をしました。私の主人は表で倒れたふたりを救い出そうと駆け寄りました。ちょうどその時に砲弾なのかミサイルなのかわかりませんが、砲撃が飛んできて屋根に命中し炸裂しました。」

7. Gruesome bloodbath
Ahmad Samouni said that when he lifted his head, he saw a gruesome sight: his mother's face was ripped off, his cousin was burned beyond recognition, and his sister-in-law's back was ripped open. Other relatives lay in heaps. Samouni said he counted nine unmoving bodies.
一族大量虐殺の惨劇
アーマド・サムーニさんの証言:
「ミサイルの爆発が起きてからしばらくして顔を上げてあたりを見回すと、実に凄惨な場面が目の前にありました。私の母親の顔は吹き飛ばされ、従兄弟は見る影もなく焼けこげ、義妹の背中は引き裂かれて内部が露出していました。親戚のほかの連中も、瓦礫が山になったあちこちに倒れていました。その中で動かなくなった死体を数えたら、9人いました。」

8. 40 survivors left the site
His face covered with blood and dust, Samouni said he stood and screamed. "Whoever is alive, come outside. If we raise our hands up, they won't shoot us, but we have to go." Samouni said about 40 relatives walked out, many with hands raised.
生き残りのうち動ける40人が現場を離れる
アーマドさんの顔は爆撃で舞い上がった埃と血にまみれたが、立ち上がって生き残った者たちにこう呼びかけた。
「いいか、みんな。生き残った者は外に出よう! 両手を上げて降伏すれば、やつらは我々を撃たないだろう。ともかく、助けを求めに行かなくては!」アーマドさんのあとに、生き残って歩ける者40人が続き、みな両手を挙げて彼について表へ出た。

He said Israeli forces, watching them from nearby rooftops and positions on the ground, allowed them to pass, neither helping nor attacking them. They made their way to the center of town, to the hospital or to other relatives.
砲撃の犠牲者を放置したイスラエル軍
アーマドさんたちがぞろぞろと外へ出て、両手を挙げたまま歩き始めるのを、イスラエル軍の兵士は近くの建物の屋上や地面で、射撃の体勢を取ったまま見送った。彼らは撃たれることもなく無事に兵士たちの前を通り抜けたが、兵士たちは助ける訳でもなく攻撃もしなかった。一行は病院や親戚の家を目指して、徒歩でガザ市の中心へ向かった。

The bodies of at least one Samouni man and his three children killed in the explosion were found in a Gaza City hospital. Desperate relatives pleaded with doctors to send rescue teams to find their kin in the rubble. The Israeli military said it is closely cooperating with international aid groups to assist civilians caught in the crossfire.
3人の幼子の亡骸を病院で発見
ようやくたどりついたガザ市の中央にある病院では、爆撃で殺されたサムーニ家の犠牲者として、男性ひとりと幼い子ども3人の遺体がみつかった。瀕死の家族をあとに置いてきたサムーニ家の男たちは、医師に向かって何としてでも家族を瓦礫の中から救い出してくれと、必死で懇願した。
・・・以上が、イスラエル軍の砲撃による一族虐殺の惨劇で生き残った、サムーニ家の体験者たちの証言である。

11. Totally opposite IDF's account
"The Israel Defense Forces are engaged in a battle with the Hamas terrorist organization that has deliberately used Palestinian civilians as human shields," a military statement said. "The IDF in no way intentionally targets civilians and has demonstrated its willingness to abort operations to save civilian lives and to risk injury in order to assist innocent civilians."
事実と反するイスラエル軍の釈明
一方イスラエル軍から発表された今回の砲撃虐殺事件に関する声明は、以下のようなものだった。
「イスラエル防衛軍は、パレスチナ市民を人間の盾として使う、ハマスのテロリスト組織との戦闘を展開した。イスラエル防衛軍は、一般市民を意図的に攻撃対象とすることはありえない。市民の命を救うためであれば、あえて作戦を中断して救助するだろう。また無辜の市民を救援するためならば、多少の危険を冒すことも厭わないはずだ。」 <了>
【 米国時間 2009年1月10日 『米流時評』ysbee訳 】


▶次号「ガザは大戦末期の日本なのか? イスラエル極右タカ派の見る共通性」へ


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NBC ナイトリーニュース |イスラエル軍、国連学校砲撃の事実を認める 1/12/2009

Israel admits killing 40 civilians in U.N. school last week. Martin Fletcher reports.
12日月曜、イスラエル軍は先週起きたアルシファの国連学校砲撃事件で40名のガザ市民が死亡した件に関して、戦車砲撃の「流れ弾=stray mortar」が命中した事実を認めた。
ガザの現地で取材した Newsvine のビデオを、イスラエルとガザの国境で中継する NBCニュースのマーチン・フレッチャー中東特派員が、イスラエル軍のガザ侵攻開始以来連日レポート。
NBC Today Show ニュース |イスラエル軍ガザ市内へ侵攻・白リン弾多用 1/11/2009

As Israeli forces close in on Gaza City, harsh operation escalates.
アメリカの朝のワイドショー番組の首位を独走する NBCの「Today Show」でも、毎朝ガザ戦争の惨状を番組のトップで報道。
11日日曜イスラエル軍地上部隊はガザ市を包囲し市内侵攻が近い情勢。ガザ地区内へは取材陣立入禁止となっているため国境地帯に設けられた特設メディア中継所から、イラク戦争従軍歴8年のベテラン NBCニュース国際部長リチャード・エンゲルがレポート。
NBC ニュース |マーチン・フレッチャー レポート「ガザの子どもたち」 1/10/2009

Gaza violence takes terrible toll on children, leaving deep scars both physically and mentally.
ガザの現地で取材した Newsvine のビデオを、イスラエルとガザの国境で中継する NBCニュース中東特派員のマーチン・フレッチャーがレポート。中東各国駐在歴十数年のベテラン特派員。
ビデオの最後で、少年が幼なじみの従兄弟が殺されたとつぶやくのには考えさせられる。イスラエルが猛攻を繰り返すほど、復讐を誓うパレスチナ人が増え、イスラエルへの戦意を高めるだけだ。
MSNBC ニュース解説 |ブルゼジンスキー「イスラエルの自滅外交」 1/09/2009

Zbignew Brzezinski, one of Obama's diplomatic brain team, concerns irreversible destruction in Gaza, as well as on diplomacy of Israel.
オバマ次期政権の外交ブレーンの重鎮、ズビグニュー・ブルゼジンスキーが分析解説する、ガザ侵攻がもたらすイスラエル外交戦略の致命的失敗と、ブッシュの中東和平外交の最終的破綻。
ブルゼジンスキーは、NBCネットワークの論説委員で、欧州・中東外交のベテランでもある。
緊急特集 ||| ガザ戦記 |||

▶12/29(1)「ガザ空爆エスカレート」 凄惨!死者364名 負傷者1400名以上
▶12/30(2)「ガザの最終戦争宣言」ついに全面戦争へ突入するイスラエル(未掲載)
▶12/31(3)「ガザ空爆はジェノサイド!」反イスラエル抗議運動世界へ拡大(未掲載)
▶ 1/1 『米流時評』年頭のメッセージ「2009年のワルキューレ」ブログの砦の同志たちへ
▶ 1/2 (4)中東戦局分析「イスラエルのエンドゲーム」ガザ侵攻の最終目標は中東大戦争?
▶ 1/2 (5)中東戦局分析「イスラエルのエンドゲーム」後編(未掲載)
▶ 1/3 (6)号外!「ついに地上侵攻開始」イスラエル恐怖のガザ市街戦へ突入!
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▶ 1/5 (8)イスラエルの大罪・ガザジェノサイド
▶ 1/6 (9)イスラエルの巨大な棺ガザ
▶ 1/7 (10)中東平和への墓標ガザ(未掲載)
▶ 1/8 (11)虐殺の砲弾・地上軍のガザ国連学校砲撃で死者40名(未掲載)
▶ 1/9 (12)ガザのホロコースト/イスラエル軍の戦争犯罪を赤十字が暴露!
▶1/10(13)ザイトゥンの虐殺/イスラエルの戦争犯罪目撃者の証言
▶1/13(16)ガザは大戦末期の日本なのか?イスラエル・タカ派の見る共通性
▶1/14(17)戦争終結の最終兵器・イスラエル極右タカ派と核使用の危険性
▶1/15(18)「オバマのアウフヘーベン/米国のスマートパワー外交」(予告)