ブッシュのカウボーイ外交から、オバマのピース外交へ

||| 米国外交のエージェントPeace |||

オバマはアメリカと世界の国々を和解させる友好の触媒「エージェント・ピース」

すでに既刊エントリーで、キューバのカストロ(弟)大統領が国交回復への門戸を開きそうな気配だとレポートしたが、その他にも北朝鮮の金正日主席やイランの穏健派からも、従来のブッシュ体制への敵対感を過去の遺物として葬り、新たな国交関係を結びたい意向を打診してきている。

中東の微妙な権力の迷宮をめぐって各国間のバランスを保つには、ブッシュ流の黒か白かのオセロ外交では決して解決できない、複雑な民族抗争と宗教戦争の歴史的タピストリーのもつれた糸を、ひとつずつ解いて織り直すような、緻密で透徹した理解力と、強靭で気長な交渉力を要求される。


オバマが外交問題における当面の最重要事項と捉えている、中東外交を一任されたジョージ・ミッチェル特使の人物像、過去の来歴を、YAN-Cさんがわかりやすく解説。単に「クリントン政権時の外交官」で一蹴する新聞とは大違い。

どちらの国にも、タカ派とハト派と中道穏健派が存在し、国内でのそれらの勢力の覇権のせめぎ合いで、ふたつのコマがジャイレーションを起こし、双方のタカ派が衝突すれば、コマのエッジである国境で火花が散る結果となる。恒久とまではいかないまでも、両国間の長期平和の安定を図るには、トンネルの空爆で兵器の廃絶を図るよりも、積極的に復旧援助事業を率先し、敵意を鎮静することの方が効果的であり、持続するだろう。

<一部引用>………「この「ミッチェル原則」、日本国憲法第九条と非常に近い内容に見える。この精神は、アメリカのような強大な力を背景にして発動されるときには、きわめて大きな和平化の力を発揮するだろう。 それは悪いことではない。………』

このインタビューで、オバマはアラブ・イスラム諸国に向かってはっきりと「Americans are not your enemy=アメリカ人はあなた方の敵ではない」と断言した。「私にはイスラム教徒の家族がいる」とも。(父親違いの妹と二度目の父[インドネシア人・故人]さらにその親戚縁者)

また何度も「Respect=尊敬/敬意」というキーワードを使った。その反響は大きい。アラブ・イスラム諸国では、ブッシュのイスラム蔑視から180度転換した、オバマの友好的な外交姿勢は極めて好意的に受け止められ、ハマス側からは外交の窓口を開く可能性さえ出てきた。
世界にソフトショックを与えたその会見の詳報は、後続のエントリーで紹介する予定だが、その前にガザの現況報告で遅れていた分を、後付けだが掲出する。国連の人道援助委員UNRWAのガザ支部がイスラエルの空爆や白リン弾の砲撃に遭い、保管していた食糧を始めとする支援物資が全焼した事件は、先述のエントリーでも紹介した。

エジプトとの国境ラファにあるその施設の被害状況検分と、さらには激甚戦災地の被害状況調査で、国連本部の人道支援事務局長が実地調査を開始した。以下はその報告の記事である。

(タイムラグで日付が錯綜していますが、後ほど1/22のポジションに移行します)
オバマの中東政策と、ガザ・イスラエル戦争の終結に対する外交方針に触れる前に、どうしても一度ガザの悲惨な被害状況をまとめてお知らせしておきたかったので、翻訳も未了で掲出日と元記事の日付にタイムラグがあることをご了解いただいた上で、この次にエントリーする次第である。
【米国時間2009年1月27日『米流時評』ysbee】



▶ 次号「'Extremely Shocking' ガザ壊滅に国連調査団も呆然!」
▼ 予告 オバマの中東外交:ガザのハマス・左岸のアッバースとイスラエル
▶「ハマスの本音"CHANGE" ガザの戦後/絶望と希望のはざまで」
▶「パレスチナの"HOPE" パレスチナ恒久平和/長いトンネルの向こう」


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第1章 オバマ時代開幕 Road to White House

▶11/01(1)世界が待ち望む オバマ時代の夜明け
▶11/02(2)世界危機に挑戦する 21世紀のニューリーダー
▶11/04(3)アメリカの再生を賭けた明日へのカウントダウン
▶11/07(4)オバマの第一声「アメリカの大いなる挑戦」
▶11/13(5)オバマの初仕事・ホワイトハウスの組閣人事
▶11/14(6)オバマ紳士録・後編 クリントンが国務長官?
▶11/16(7)オバマのチャイナフリーFDA改革・禁中国汚染食品!
▶12/08(8)ウォール街復活? オバマのNewニューディール効果
第2章 オバマの百日革命 Revolutionary Road
▶1/19(1)勝者なき闘い・ガザの終りとオバマの始まり
▶1/23(2)ブッシュ vs オバマ/スーパーマンの仕事始め

▶1/24(3)カストロ vs オバマ/キューバとアメリカの新しい海峡
▶1/25(4)旧体制 vs オバマ/レボルーショナリーロード
▶1/26(5)アフマディネジャド vs オバマ/中東最強の挑戦者
▶1/27(6)中東 vs オバマ/カウボーイ外交からピース外交へ
▶1/28(7)アラブ vs オバマ/アルアラビアTVインタビュー対訳
▶1/29(8)ネタニヤフ vs オバマ/イスラエルの2月体制
▶1/30(9)パレスチナ vs オバマ/絶望と希望のはざまで
▶2/4(10)テロ戦争 vs オバマ/アフガン戦線と東欧MDS計画
▶2/5(11)メドベージェフ vs オバマ/ロシアのアフガン回帰
by ysbee-2
| 2009-01-26 22:16
| オバマの時代