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米流時評

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ブッシュのカウボーイ外交から、オバマのピース外交へ

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   ||| 米国外交のエージェントPeace |||

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オバマ・マジックの真価を発揮する外交の大転換で、長年の宿敵が友好国に一変
オバマはアメリカと世界の国々を和解させる友好の触媒「エージェント・ピース」


ブッシュのカウボーイ外交から、オバマのピース外交へ_d0123476_18552829.gifブッシュのカウボーイ外交からオバマのガンジー外交へ。20日の大統領就任式で正式発足したオバマ新政権は、ブッシュ政権から180度の大転換をあらゆる政策で実行し、わずか1週間で米国と世界各国の外交関係もめざましく急変している。

すでに既刊エントリーで、キューバのカストロ(弟)大統領が国交回復への門戸を開きそうな気配だとレポートしたが、その他にも北朝鮮の金正日主席やイランの穏健派からも、従来のブッシュ体制への敵対感を過去の遺物として葬り、新たな国交関係を結びたい意向を打診してきている。
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その中でも、特に紛争の焦点となっている中東外交に対しては、任命直後のミッチェル中東特使が現地に飛んで、ガザ侵攻の当事者イスラエルは元より、関連諸国のウェストバンク=左岸、エジプト、ヨルダン、シリアを訪問し、和平交渉への前提条件を煮詰めている最中である。

中東の微妙な権力の迷宮をめぐって各国間のバランスを保つには、ブッシュ流の黒か白かのオセロ外交では決して解決できない、複雑な民族抗争と宗教戦争の歴史的タピストリーのもつれた糸を、ひとつずつ解いて織り直すような、緻密で透徹した理解力と、強靭で気長な交渉力を要求される。
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オバマ政権は、そうした地域的特性を充分理解し、北アイルランド/フォークランド紛争の実地経験とその調停解決で成功を収めた功績をもつ、ジョージ・ミッチェル外交官を中東特使に任命した。数千年の相克の歴史をもつイスラエル(ユダヤ民族)とガザ(パレスチナ人=パリサイ人)との抗争は、たかだか1・2年の折衝で折り合いのつくような尋常な紛争ではない。

ブッシュのカウボーイ外交から、オバマのピース外交へ_d0123476_1294714.jpg▶ブログ『RE: SUKI』1/25号「ジョージ・ミッチェル中東特使の人物像」
オバマが外交問題における当面の最重要事項と捉えている、中東外交を一任されたジョージ・ミッチェル特使の人物像、過去の来歴を、YAN-Cさんがわかりやすく解説。単に「クリントン政権時の外交官」で一蹴する新聞とは大違い。
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ジェバリヤの国連学校に投下された白リン弾の残片。酸素がある限り燃焼し続けるので、10日以上経ってもまだ燃え続けている。これが人体に付着した場合を考えたら、これ以上残忍な兵器はない。肉のある限り燃え続けるのだから。

どちらの国にも、タカ派とハト派と中道穏健派が存在し、国内でのそれらの勢力の覇権のせめぎ合いで、ふたつのコマがジャイレーションを起こし、双方のタカ派が衝突すれば、コマのエッジである国境で火花が散る結果となる。恒久とまではいかないまでも、両国間の長期平和の安定を図るには、トンネルの空爆で兵器の廃絶を図るよりも、積極的に復旧援助事業を率先し、敵意を鎮静することの方が効果的であり、持続するだろう。

ブッシュのカウボーイ外交から、オバマのピース外交へ_d0123476_1294714.jpg▶gujinさんのブログ1/25号の「ミッチェル原則」で詳しく解説してあります。
<一部引用>………「この「ミッチェル原則」、日本国憲法第九条と非常に近い内容に見える。この精神は、アメリカのような強大な力を背景にして発動されるときには、きわめて大きな和平化の力を発揮するだろう。 それは悪いことではない。………』

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紛争解決のエキスパートだからといってミッチェル特使を送り放しにせず、オバマは外交交渉の援護射撃に回った。26日に大統領就任後初めての独占インタビューを行なったのだが、そのテレビ局は通常のケーブルニュースネットワークのCNNでもMSNBCでもFox Newsでもなければ、3大ナショナルネットワークのNBC、ABC、CBSでもなかった。オバマの初めての本格的な単独インタビューは、アラブ・イスラム圏にネットワークを持つアルアラビアTVだった。

このインタビューで、オバマはアラブ・イスラム諸国に向かってはっきりと「Americans are not your enemy=アメリカ人はあなた方の敵ではない」と断言した。「私にはイスラム教徒の家族がいる」とも。(父親違いの妹と二度目の父[インドネシア人・故人]さらにその親戚縁者)
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ベイトラヒヤの国連学校も空爆の心配がなくなったため1カ月ぶりで再開したが、子どもたちの顔から恐怖は消えない

また何度も「Respect=尊敬/敬意」というキーワードを使った。その反響は大きい。アラブ・イスラム諸国では、ブッシュのイスラム蔑視から180度転換した、オバマの友好的な外交姿勢は極めて好意的に受け止められ、ハマス側からは外交の窓口を開く可能性さえ出てきた。

世界にソフトショックを与えたその会見の詳報は、後続のエントリーで紹介する予定だが、その前にガザの現況報告で遅れていた分を、後付けだが掲出する。国連の人道援助委員UNRWAのガザ支部がイスラエルの空爆や白リン弾の砲撃に遭い、保管していた食糧を始めとする支援物資が全焼した事件は、先述のエントリーでも紹介した。
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ガザ地区北部は特にイスラエルの攻撃がひどかった。度重なる空爆と戦車からの砲撃で立ち残った建物は皆無である。数日前までは自宅のあった場所で残骸の暖炉をこしらえ、焚き火で暖をとる少年。地中海沿岸でもやはり冬は寒い。

エジプトとの国境ラファにあるその施設の被害状況検分と、さらには激甚戦災地の被害状況調査で、国連本部の人道支援事務局長が実地調査を開始した。以下はその報告の記事である。

ブッシュのカウボーイ外交から、オバマのピース外交へ_d0123476_14302471.jpg▶米流時評 次号「'Extremely Shocking' ガザ壊滅に国連調査団も呆然!」
(タイムラグで日付が錯綜していますが、後ほど1/22のポジションに移行します)

オバマの中東政策と、ガザ・イスラエル戦争の終結に対する外交方針に触れる前に、どうしても一度ガザの悲惨な被害状況をまとめてお知らせしておきたかったので、翻訳も未了で掲出日と元記事の日付にタイムラグがあることをご了解いただいた上で、この次にエントリーする次第である。

【米国時間2009年1月27日『米流時評』ysbee】ブッシュのカウボーイ外交から、オバマのピース外交へ_f0127501_6213945.jpg

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空爆が止んで人間らしい生活に戻りつつある証拠?野良猫を拾って帰るガザの少年。停戦が終戦になりますように。

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▶ 次号「'Extremely Shocking' ガザ壊滅に国連調査団も呆然!」
▼ 予告 オバマの中東外交:ガザのハマス・左岸のアッバースとイスラエル
▶「ハマスの本音"CHANGE" ガザの戦後/絶望と希望のはざまで」
▶「パレスチナの"HOPE" パレスチナ恒久平和/長いトンネルの向こう」
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ブッシュのカウボーイ外交から、オバマのピース外交へ_d0123476_11564496.jpg記事リンク http://beiryu2.exblog.jp/9273652
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米流時評 特集 ||| オバマの時代 |||
第1章 オバマ時代開幕 Road to White Houseブッシュのカウボーイ外交から、オバマのピース外交へ_d0123476_19284774.jpg
▶11/01(1)世界が待ち望む オバマ時代の夜明け
▶11/02(2)世界危機に挑戦する 21世紀のニューリーダー
▶11/04(3)アメリカの再生を賭けた明日へのカウントダウン
▶11/07(4)オバマの第一声「アメリカの大いなる挑戦」
▶11/13(5)オバマの初仕事・ホワイトハウスの組閣人事
▶11/14(6)オバマ紳士録・後編 クリントンが国務長官?
▶11/16(7)オバマのチャイナフリーFDA改革・禁中国汚染食品!
▶12/08(8)ウォール街復活? オバマのNewニューディール効果


第2章 オバマの百日革命 Revolutionary Road
▶1/19(1)勝者なき闘い・ガザの終りとオバマの始まり
▶1/23(2)ブッシュ vs オバマ/スーパーマンの仕事始めブッシュのカウボーイ外交から、オバマのピース外交へ_d0123476_1936736.jpg
▶1/24(3)カストロ vs オバマ/キューバとアメリカの新しい海峡
▶1/25(4)旧体制 vs オバマ/レボルーショナリーロード
▶1/26(5)アフマディネジャド vs オバマ/中東最強の挑戦者
▶1/27(6)中東 vs オバマ/カウボーイ外交からピース外交へ
▶1/28(7)アラブ vs オバマ/アルアラビアTVインタビュー対訳
▶1/29(8)ネタニヤフ vs オバマ/イスラエルの2月体制
▶1/30(9)パレスチナ vs オバマ/絶望と希望のはざまで
▶2/4(10)テロ戦争 vs オバマ/アフガン戦線と東欧MDS計画
▶2/5(11)メドベージェフ vs オバマ/ロシアのアフガン回帰


by ysbee-2 | 2009-01-26 22:16 | オバマの時代
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世界の動きがよくわかる!激動する国際情勢を、欧米メディアでディープに読む…世界の「今」と真実探求に関心ある知的冒険者へ送るグローバル情報満載ブログ


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