「独裁者!」訪英中の温首相にケンブリッジの靴辱抗議
||| 温家宝にケンブリッジの「靴辱」|||
バグダッドでWに投げつけられた靴は、独裁者に対する示威行動のシンボルとなりつつある。イスラエルのガザ侵攻に抗議して、イスラエル大使館に靴が投げられた現象は世界各国の首都で見られ、「独裁権力の横暴」に対する抗議のスタンダードとして定着した感がある。
今回の Throwing shoe はイギリスのケンブリッジ大学で起きた。しかも投げつけられた相手は、中国の温家宝首相である。靴は今回も命中しなかったが、当たらずとも遠からずとは、まさにこういう状況だろう。「靴投げ」という行為そのもので、投げつけらる対象は民衆の立場から「横暴な独裁者」の烙印を押されるのだから。温家宝に1足なら、胡錦濤へは百足あっても足りない。
だが、願わくばこの先やたらに濫用されないことを祈る。万人が見て明らかに「独裁者・虐殺王」とみなされる人物に限ってほしい。例えば、自分の首相選挙戦に優位に働くよう、やみくもにガザ侵攻を推進したイスラエルのリブニ外相のような、冷酷無比の独裁指向の政治家に限ってほしいものである。
【米国時間2009年2月2日『米流時評』ysbee】
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FEBRUARY 2, 2009 | 『米 流 時 評』 | 時事評論ブログ雑誌・デイリー版 2009年2月2日号
Associated Press | B R E A K I N G
訪英中の温家宝中国首相に、ケンブリッジ大学で「靴辱」抗議
米国時間 2009年2月2日午後0時50分 | AP通信・ロンドン支局発 | 訳『米流時評』ysbee
'How can you listen to this unchallenged,' protester says during his speech
FEBRUARY 2, 2009 | Associated Press — LONDON | Translation by ysbee
CAMBRIDGE, England — A protester threw a shoe at Chinese Premier Wen Jiabao and called him a dictator as he delivered a speech on the global economy in England on Monday. The shoe missed Wen, landing about three feet away from him.
当たらずとも遠からず
英国・ケンブリッジ発 |2日月曜、一連のヨーロッパ訪問旅行の中国の温家宝首相は、最後の旅程地である英国を訪問中、東部のケンブリッジ大学で講演した際に、聴衆のひとりから「独裁者!」という叫びとともに靴を投げつけられた。靴は温首相には命中せず、ステージ上の3フィート(1メートル弱)ほど離れた床に「着地」した。
2. 'How can prostitute with this dictator'
The protester was sitting in the crowd and threw the shoe after standing and shouting, "How can you listen to this unchallenged?" The protester, who was held by university security guards, blew a whistle and then shouted, "How can the university prostitute itself with this dictator?"
「独裁者に迎合する大学」
今回の靴投げ事件の抗議者は聴衆の中にいて着席していたが、温首相の講演の途中でいきなり立ち上がり、「How can you listen to this unchallenged?=なんでこの独裁者の話を聞けるんだ?」と叫びながら、履いていた靴の片方を壇上の温首相目がけて投げつけた。
抗議者はただちに大学側の警備員によって取り押さえられたが、拘束される間も口笛を吹き「How can the university prostitute itself with this dictator?=どうすれば大学はこの独裁者とつるむことができるんだ!」と叫んだ。
YAN-Cさんのブログ『RE: SUKI』2/3号もこの話題がテーマで、ケンブリッジでのビデオも紹介しています。▶「ブッシュ元大統領に続き中国首相が靴を投げられる」
Wen hesitated for a few moments before continuing speaking. University officials bundled the protester out of the building and security guards fanned out across the stage. After the protest, Wen continued his speech, saying: "We come in peace. This is not going to obstruct China-UK friendships. History shows harmony will not be obstructed by any force, so would you let me continue."
「中英の友好関係を遮るものではない」
壇上で靴を投げられた温首相は、ほんの一瞬躊躇したが、すぐにまたスピーチに戻って講演を続けた。その場に居合わせた大学側関係者が、抗議者をとりおさえて講堂の外へ連行する一方で、大学警備員がステージ上に並んでそれ以上の不祥事に備えた。温首相はそのまま講演を続けたが、この「投靴事件」が起きた直後こう語った。
「われわれ(中国と英国)は平和を目的にする点で一致しています。今回のできごとは、中国と英国の友好関係を損なうものではありません。いかなる力をもってしても相互調和を阻むことはできないという真理は、歴史が証明しています。ですから、私の話を続けさせてください。」
4. Anti-China protesters followed after Wen
Police said the man, who has not been identified, was arrested. About 80 people, both supporters and critics of China, had earlier gathered outside the venue. Also groups of anti-China protesters, including pro-Tibet campaigners, have followed the Chinese premier during his visit to Britain. However, there was a large police presence in the city and security guards within the building.
温首相の訪問先各地で反中国デモ
現地のケンブリッジ警察がこの男を逮捕したが、身柄は明らかにされていない。この講演に先立ってケンブリッジ大学の講演会会場周辺では、親中派および反中派双方から約80名のデモ隊が集まっていた。また、フリーチベット運動を含めた反中国派のデモ隊は、温首相が英国を訪問の間中、ずっとその後を追って抗議活動を続けていた。
5. Huge security against anti-China groups
However, there was a large police presence in the city and security guards within the building. On Sunday, police arrested five pro-Tibet demonstrators after they broke through police lines as Wen arrived at the Chinese embassy in London.
反中国デモに備えて警備陣大動員
しかし、ケンブリッジ市内には警備の警官が大動員され、会場の講堂への入場は大学側の警備員が警戒にあたっていた。この事件の前日1日日曜に、温家宝首相はロンドンへ到着し市内の中国大使館へ向かったが、この際にも道路の両側に並んだ警官のバリケードを破って道路へ飛び出したチベット支持の抗議活動家5名を、ロンドン警察は逮捕している。
写真はロンドンの大英博物館前で、英中貿易協会主催の晩餐会に出席する温首相を迎えるチベット人虐殺抗議デモ。
▶英中貿易協会/China-Britain Business Council 英語版公式サイト: http://www.cbbc.org/
6. Shoe-throwings demonstrate against dictators
The incident follows a similar one on Dec. 14 when an Iraqi journalist threw both his shoes at then President George W. Bush during a press conference in Baghdad.
「靴投げ」は独裁者への抗議のシンボル
今回のケンブリッジ大学での靴投げ事件は、元々は昨年12月14日に米国のジョージ・W・ブッシュ前大統領がイラク訪問の際に、バグダッドのグリーンゾーン内でアルマリキ首相と共同会見を行った際に、現地報道機関のイラク人記者が履いていた靴を1足ずつ投げつけた来歴に因んだもので「独裁者/侵略者」に対する抗議のシンボルでもある。 <了>
▶次号 緊急特報「半島危機再び/金の一声で南北統一から一転して戦争へ?」へ
記事リンク http://beiryu2.exblog.jp/9287874
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