人気ブログランキング |

米流時評

beiryu2.exblog.jp ブログトップ

アルカイダとオバマ/パキスタン諜報部 ISIのCHANGE

f0127501_128435.gif

   ||| アルカイダとISIのCHANGE |||

d0123476_137236.jpg
 パキスタン陸軍諜報機関ISIにもCHANGE、動揺するアルカイダの内部対立
 政府軍の米軍協力討伐作戦強化で、アフガン東部の国境地帯へタリバンが逆流


d0123476_18552829.gifパキスタン、核、アルカイダ。この3つの危険なファクターをつなぐ赤い糸が、パキスタン諜報部のISIである。ソ連のアフガン侵攻の時代から、隣国アフガニスタンの不穏化に利する騒擾要素としてアルカイダを泳がせてきた ISI司令部。

しかし、オバマの米国外交政策の根本的CHANGEの高波は、テロ戦争の焦点がイラクからアフガニスタンへと転換されたのにともなって、中央アジアの高原にまで押し寄せてきたようだ。
d0123476_17482161.jpg
アフガニスタン第2の都市カンダハール郊外で、タリバンの収入源となるアヘンを没収し焼却する治安部隊

親米の方針を隠そうともせずパキスタンの地政学的立場を商品化して、英米への売り込みに余念のないザルダリ政権と、これまではイスラマバードの中央政府に反抗的だったラワルピンジに本部を置く政府陸軍諜報部の ISI。アフガン・パキスタン国境地帯のパシュトゥン民族自治州。この急峻な山岳地帯を照準に据え直したオバマのテロ戦争戦略の指針を受けとめて、米国とパキスタン政府の両者が方向をいつにして、画期的方針転換を図るテロ戦争の戦略転換の実相。
d0123476_1749392.jpg
昨年夏にはカンダハールが包囲されるほどタリバンが猛威をふるった 道路の赤いマークはその名残りの地雷

前号に引き続き、イスラマバードを活躍の場とするサミ・ユサフザイ記者が現地パキスタンから、またNewsweek レギュラーのマイケル・ハーシュ、マーク・ホーゼンボール、ロン・モロー各氏も、ワシントンの国務省やペンタゴン、ラングレーのCIAの各省高官から聴きだした、両国の軍事諜報協力体制の変化をレポート。昨日のエントリー「パキスタンとオバマ/タリバン最前線の共闘戦略」の後編を引き続いてお届けする。

【米国時間2009年2月7日『米流時評』ysbee】

__________________________________________________________________
FEBRUARY 7, 2009 | 『米 流 時 評』 |  時事評論ブログ雑誌・デイリー版  2009年2月7日号
f0127501_457513.gif

  N E W S W E E K | B R E A K I N G
オバマ新政権とパキスタン テロ戦争タリバン最前線の共闘戦略
サミ・ユサフザイ現地取材 / マーク・ホーゼンボール / マイケル・ハーシュ / ロン・モロー / ジョン・バリー
Newsweekコラムニスト 共同執筆編集・ニューズウィーク 2009年2月9日号掲載 | 訳『米流時評』ysbee

d0123476_17551917.jpg
アフガニスタンのカブール郊外でタリバンの隠れ家から押収された大量のアヘンのパッケージ 時価数億円相当

Predators on the Hunt in Pakistan
By Sami Yousafzai, Mark Hosenball / Edited with Michael Hirsh, Ron Moreau, John Barry
NEWSWEEK — FEBRUARY 9, 2009 issue | Japanese translation by ysbee

5. 140 pro-Islamist officers mustered out of ISI
Since September, 140 pro-Islamist officers have been mustered out of ISI, according to a senior diplomatic official in Washington, asking not to be named on such a sensitive topic. Islamabad has good reasons to work with the Americans.
ISIからイスラム原理派シンパ140名放逐
昨年の9月以降、パキスタン政府陸軍諜報部 I S I では、イスラム原理主義派シンパの将校140名が解雇された。この情報は、ワシントンの米国政府国務省の一高官が匿名という条件の下に明らかにしたものである。この一件から察しても、イスラマバードのパキスタン中央政府は米国政府に対して、軍事・諜報両面でも協力的に動くように根本的な方向転換をした形跡が伺える。
d0123476_15181737.jpg
秘密主義で裏でアルカイダとの癒着体制が囁かれたムシャラフ政権下のパキスタン陸軍諜報機関 ISI カリミ司令官

6. $15 billion/10-yr package from U.S.

For one thing, Washington is considering an aid package worth as much as $15 billion to Pakistan over the next 10 years.
米国から10年間で150億ドルの援助資金
パキスタンが重い腰を上げ方針を急旋回した理由のひとつとして、米国からの資金援助が挙げられる。パキスタンは(テロ戦争でのブッシュ・ムシャラフ共闘態勢の見返りとして、これまでの8年間にも100億ドルにのぼる軍事資金援助を受けていたが)これから先の10年間も150億ドル(約1370億円)相当の総合的な資金援助を継続するかどうか、国務省が検討中だからである。
d0123476_13183543.jpg
ザルダリ新内閣の閣僚代表として昨夏ワシントンを表敬訪問し、ライス国務長官と歓談したクレシ外相

7. Allegation on ISI's link with Mumbai terror

In the midst of that debate, Islamabad is trying to undo the harm to its international image from the ISI's alleged links to the December terrorist rampage in Mumbai.
ムンバイテロ事件との関連疑惑
特にパキスタン政府が懸念しているのは、昨年11月末にインドのムンバイで同時多発テロが起きたが、その犯人であるテロ組織とパキスタン諜報のISIの間に隠された関係があるのではないかという疑惑が、同国政府の国際的イメージを著しく傷つけることを怖れ、米国との交渉を続行するために外交的信頼の失地回復を試みた結果でもある。
d0123476_14302471.jpg
▶『米流時評』2007年11月「速報!インド・ムンバイで同時多発テロ発生」
08/11/28「ムンバイ テロの決算・タージホテル陥落」
08/12/02「スクープ!米国務省レポート・ムンバイコンフィデンシャル」
08/12/03「ムンバイテロの黒幕・パキスタン諜報 ISIとテロ組織ラシュカレタイバ」
d0123476_10284397.jpg
昨年12月にインドのムンバイで起きた同時多発テロ事件では、外国人を含む一般市民200名以上が犠牲となった

8. 'Terror is our enemy, not India'

But beyond those details, Pakistanis finally seem to be figuring out that Al Qaeda and its friends are not merely America's problem. "We may be crazy in Pakistan, but [we're] not completely out of our minds," ISI chief Ahmed Shuja Pasha recently told the German magazine Der Spiegel.
「我々の敵はインドでなくテロリスト」
しかしながら、こういった一連の表面化した動きから憶測するまでもなく、アルカイダおよびそのシンパは単にアメリカにとっての問題であるだけではない、という状況がパキスタン政府にもやっとわかってきたようである。
「現状のパキスタンでこういうことを言うと馬鹿げて聴こえるかも知れないが、完全にいかれているわけではない。」ISIのアハメド・シュジャ・パシャ司令官は、つい最近ドイツのシュピーゲル誌のインタビューに応えて、次のように語っている。
d0123476_15195795.jpg
パキスタン国内でも昨年のイスラマバードマリオットのテロ爆破事件をはじめ各地で自爆テロや爆破テロが横行

9. 'U.S. are partners against terrorism'

"We know full well that terror is our enemy, not India." Husain Haqqani, Pakistan's ambassador to the United States, confirms that Islamabad is working with the Americans. "Pakistan and the United States are partners in the effort against terrorism, and our broad-based effort includes sharing intelligence," he told NEWSWEEK last week.
駐米パキスタン大使「テロ戦争で共闘を」
こうしたパキスタンの軍事外交姿勢の変化に関して、ワシントン駐在のフセイン・ハッカニ パキスタン大使は、先週ニューズウィークのインタビューに応えて次のように語った。
「われわれの敵はインドではなくテロリストだ、ということは充分承知しています。パキスタンと米国は、諜報情報の共有も含めて広範な分野で協力しテロに対抗する戦略上のパートナーです。」
d0123476_1214912.jpg
左から米軍三軍総司令官のミューレン海軍大将と一人おいてパキスタン政府軍カヤニ総司令官、パシャISI司令官

10. Zawahiri wants to destabilize Pakistan

Taliban sources say Islamabad is right to worry what Al Qaeda is up to. The group's No. 2 leader, Ayman al-Zawahiri, wants to destabilize the "apostate" Pakistani government. The Egyptian-born doctor has been promoting fellow Egyptians and other allies to replace senior Qaeda members who have been killed or captured, Taliban sources say.
パキスタンの不穏化を目論むザワヒリ
タリバンの消息筋が語るところによると、イスラマバードのパキスタン中央政府がアルカイダの動向を心配するのも無理はない、とタリバン側では受け止めているようだ。特に、テロ組織アルカイダの指導者ナンバー2、アイマン・アルザワヒリは、宗教心のないパキスタン政府を根本から動揺させたいと思っているらしい。
エジプト生まれの医師でもあるザワヒリは、母国のエジプトは元よりイスラム系の諸国から志願してきたアルカイダの戦士の中から、テロ戦争で戦死したり捕虜になったリーダー格の地位を次ぐ者を募り育成してきたと、消息筋は語った。
d0123476_15254484.jpg
ランディコタルのコンボイ爆破テロ タリバンゲリラの爆破目標は討伐作戦強化のパキスタンを逃れアフガン東部へ

11. Bin Laden fears blowback from Pakistan

Bin Laden is said to oppose Zawahiri's scheme, fearing blowback from Pakistan, but he hasn't shown up at planning meetings in years. (U.S. intelligence sources say they see no signs of a rift between the two leaders.) The attacks are creating turmoil in the tribal areas.
得策ではないと諭すビンラディン
一方アルカイダのトップであるビンラディンは、パキスタンをターゲットとするザワヒリの計略を、イスラマバードの政府とラワルピンジの軍部双方から反撃を食うだけだと懸念している。ただしビンラディンは、この数年間というもの作戦会議にも姿を見せておらず、真偽のほどは確認しかねる。(米国諜報機関のCIAの消息筋によると、ビン・ラディンとザワヒリのふたりの指導者の間には、これといった著しい対立は生じていないようでもあるが)
しかし、アルカイダ指揮下のタリバン兵士の襲撃が、国境地帯の少数民族の辺境自治区で頻発しているために、戦乱を逃れて地域住民が難民化する現象が顕著になってきている。
d0123476_13271453.jpg
パキスタン北部ケッタ州もイスラム原理主義の勢力が強く、中央政府の出先機関に対する爆破テロは日常茶飯事

12. Qaeda's relocation to eastern Afghanistan

A witch-hunt against suspected spies has resulted in the deaths of at least a dozen people in North Waziristan, many of them by beheading. And Naqib Khan, a Taliban intelligence operative, says some Qaeda fighters and their jihadist friends from Pakistan have been relocating to quieter places in eastern Afghanistan.
ワジリスタンからアフガン東部へ移動
北ワジリスタン州ではアルカイダ配下のタリバンゲリラが、中央政府へ情報を通報した住民を、政府側のスパイとして拉致し、これまでに少なくとも12名以上が惨殺されたが、そのうちの数人は見せしめの公開斬首刑に処されている。
タリバンの諜報スパイであるナキブ・カーンから洩れてきた情報によると、アルカイダの外人部隊とパキスタン人の地元のジハディスト(聖戦戦士)は、中央政府軍の厳しい掃討作戦が展開されたため、北ワジリスタン州から国境を越えてアフガニスタン東部の、比較的追求の手の届かない地域へ移動したと伝えている。
d0123476_1803677.jpg
パキスタン政府軍の国境警備隊 しかしトラックの荷台に乗っているのではタリバンの標的になりに行くようなもの

13. Current Qaeda report to Obama

Even so, the Americans should postpone any plans for a victory party. "Reports that Al Qaeda is on the decline have been frequent in the past—and always inaccurate," says former CIA analyst Bruce Riedel, who advised Obama transition team on Pakistan issues. But the Americans aren't giving up yet either.
オバマ新政権へのアルカイダレポート
アルカイダとタリバンがパキスタンからアフガンへ移動したという情報がたとえ事実であっても、米軍が勝利のパーティーを開く予定はさらさらない。
「アルカイダの攻撃が減り退潮だという報告は、過去に何度も繰り返されてきた。(だがそれは、一時的な鎮静にすぎなく、時をおいてまた攻勢をかけてくるだろう。)」
一見退却に見えるアルカイダの動向を、CIAの諜報アナリスト、ブルース・リーデル氏はこう分析する。彼はオバマ新政権が就任準備段階の期間中、パキスタン問題担当スタッフの顧問役として、この地域とテロ組織のレクチャー役を務めたスペシャリストである。しかしアメリカ人もまた、彼らテロ組織の討伐を諦めないのも事実である。 <了>

【 米国時間 2009年2月7日 『米流時評』ysbee訳 】
d0123476_15313997.jpg
アルカイダとタリバンの掃討作戦が国境山岳地帯の奥地へと進むにつれ、軍民双方の戦死者のリスクも高くなる

◀前号「パキスタンとオバマ/タリバニスタン最前線の共闘戦略」
▶次号「テロ戦争の内幕/ビンラディンとブッシュの危険な関係」へ
d0123476_1023580.jpg

d0123476_16472783.gif記事リンク http://beiryu2.exblog.jp/9316156
TBリンク http://beiryu2.exblog.jp/tb/9316156

__________________________________________________________________
いつもご愛読いただきまして大変ありがとうございます。ワンクリックがブログのエネルギーです!
d0123476_12465883.gif


 おかげさまで5位になりました。クリックでもう一歩!
ブログランキング・にほんブログ村へ  ブログ村の国際政治部門ではおかげさまでトップです。変わらぬ応援に感謝!





d0123476_14321612.jpg
米流時評 特集 ||| オバマの時代 |||
第1章 オバマ時代開幕 Road to White Housed0123476_19284774.jpg
▶11/01(1)世界が待ち望む オバマ時代の夜明け
▶11/02(2)世界危機に挑戦する 21世紀のニューリーダー
▶11/04(3)アメリカの再生を賭けた明日へのカウントダウン
▶11/07(4)オバマの第一声「アメリカの大いなる挑戦」
▶11/13(5)オバマの初仕事・ホワイトハウスの組閣人事
▶11/14(6)オバマ紳士録・後編 クリントンが国務長官?
▶11/16(7)オバマのチャイナフリーFDA改革・禁中国汚染食品!
▶12/08(8)ウォール街復活? オバマのNewニューディール効果


第2章 オバマの百日革命 Revolutionary Road
▶1/19(1)勝者なき闘い・ガザの終りとオバマの始まり
▶1/23(2)ブッシュとオバマ/スーパーマンの仕事始め
▶1/24(3)カストロとオバマ/キューバとアメリカの新しい海峡
▶1/25(4)旧体制とオバマ/レボルーショナリーロード
▶1/27(5)中東とオバマ/カウボーイ外交からピース外交へ
▶1/28(6)アラブとオバマ/アルアラビアTVインタビュー対訳d0123476_1936736.jpg
▶2/01(7)金正日とオバマ/狼少年の歓迎のテポドン
▶2/03(8)テロ戦争とオバマ/アフガン戦線と東欧MD計画
▶2/04(9)メドベージェフとオバマ/ユーラシア防衛とキルギスタン
▶2/05(10)アフガンとオバマ/カイバー峠の戦場にかける橋
▶2/06(11)パキスタンとオバマ/タリバン戦線の共闘戦略
▶2/07(12)アルカイダとオバマ/パキスタン ISIのCHANGE
▶2/08(13)ビンラディンとブッシュ/テロ戦争内幕の危険な関係
▶2/09(14)イスラエルとオバマ/タカ派三つ巴のイスラエル総選挙
▶2/10(15)ネタニヤフとリブニ/イスラエルの2月体制
▶2/11(16)タリバンとオバマ/首都カブール同時多発テロ攻撃
▶2/12(17)カルザイとオバマ/アフガン増兵とアフ・パキ戦線
▶2/13(18)クリントンと日本/拉致被害者家族と東京で会談
▶2/14(19)クリントンと北朝鮮/核と平和のアメとムチ
▶2/15(20)パレスチナとオバマ/絶望と希望のはざまで
▶2/17(21)アフマディネジャドとオバマ/テヘランの春
▶2/18(22)IAEAとオバマ/イラン核外交のCHANGE


||| 『米流時評』 特集シリーズ |||
次世代冷戦時代  |  グローバルウォー  |  イラク戦争  | テロとスパイ陰謀d0123476_1746245.jpg
アルカイダ2.0 核のテロ | パキスタン戒厳令の季節  |  アフガン・タリバンの復活
中東のパワーラビリンス | プーチンのロシア | ユーラシアの回廊 | ダイハード中国
2008年米大統領選 | ブッシュと米国政治 | サルコジのフランス | トンデモ北朝鮮
ビルマの赤い川革命 |  欧米の見る日本  | 世界不思議探検 | グローバルビジネス


by ysbee-2 | 2009-02-07 14:24 | アルカイダ2.0核のテロ
line

世界の動きがよくわかる!激動する国際情勢を、欧米メディアでディープに読む…世界の「今」と真実探求に関心ある知的冒険者へ送るグローバル情報満載ブログ


by ysbee-2
line
クリエイティビティを刺激するポータル homepage.excite
カレンダー
S M T W T F S
1 2 3 4 5 6 7
8 9 10 11 12 13 14
15 16 17 18 19 20 21
22 23 24 25 26 27 28
29 30