テロ戦争の内幕/ブッシュとビンラディンの危険な関係
||| ブッシュとビンラディンの危険な関係 |||
テロ戦争に関しては、イラク戦争と違ってオバマは100%反対ではない。というよりもむしろ、タリバンの残党とアルカイダのトップ2、オサマ・ビンラディンとザワヒリが棲息すると見られる、アフガニスタンの東とパキスタンの西の、いわゆるタリバニスタンと俗称される地域にある本拠地をピンポイントで攻撃すべきであると、2007年の段階から主張していた。
▶『米流時評』2007年8月9日号 「オバマの『パキスタン派兵』発言とイラク戦争批判」
オバマ上院議員「ブッシュのイラク戦争は米国を誤った方向へ導いた」とズバリ指摘
大統領選民主党ライバル候補のクリントンはオバマ発言を「ナイーブ=稚拙」と酷評
2007年8/9号「オバマのパキスタン派兵発言とイラク戦争批判」より一部抜粋:
「もし自分が総司令官 (commander in chief/軍事行動の最終権限をもつ米国大統領の別称) であれば、軍隊をイラクから引き揚げて、彼らをテロ戦争の本来の戦場であるアフガニスタンとパキスタン (の国境付近) に配備します。特にアフガニスタンへは、少なくとも現在よりも2大隊増やして配属するほか、救済資金としてアフガンの国庫に10億ドル (約1,200億円) の非軍事的一般予算援助金を投与します。」
オバマ氏はさらに抜本的なテロ戦争対策として、グローバルなインテリジェンス(諜報機関)のネットワークと(情報交換の)インフラを構築する計画を明らかにした。
「またインドネシアからアフリカに至るテロリストのネットワークを撲滅するために、全世界的規模で友好国と諜報機関の情報をシェアできる計画を実現する用途で50億ドル (約6000億円) をかけ3年がかりで、新しいインテリジェンスネットワークを構築します。」
右:親米の立場でテロ戦争での友軍体制を固めたアフガニスタンのカルザイ大統領とパキスタンのザルダリ大統領
2年間の長い選挙戦で公約に謳い続け見事に当選、大統領に就任したからには、公約通り「イラクはイラクの元へ」納めて米軍撤退が本筋。しかし当初から主張してきたように、9/11の元凶でテロ戦争の本来のターゲットであるアルカイダと、イスラム原理主義のプロパガンダを拡大するタリバンへは追及の手をゆるめない。したがって、彼らの本拠地であるアフガン・パキスタン国境地帯のテロ組織の基地に対しては、両国政府軍の掃討作戦への協力と援助を惜しまない。
これが、オバマのテロ戦争戦略を簡略化した骨子である。
▶『米流時評』2007年7月「アルカイダ 2.0 核のテロ」
07/7/22「アルカイダ2.0 タリバンの逆襲」
07/7/23「アルカイダ2.0 核目的のパキスタン戦略」
Newsweek特約 サミ・ユサフザイ+ロン・モロー 共同取材書き下ろし/翻訳 by ysbee
・アフガニスタンとパキスタンの国境地帯でタリバン勢力が再生復活
・アルカイダのNo.2 アル・ザワヒリをめぐるテロ集団の内部派閥抗争
▶ドバイ-パキスタンの核コネクション『米流時評』2007年11月
英国エージェントが暴露する核取引の闇市場とドバイネットワーク
〜グローバルな核の時代を許したドクター・カーンの恐怖の構図
07/11/01 第1話「ドクター・カーンのグローバルな核のブラックマーケット」
07/11/02 第2話「英米 » ドバイ » パキスタン » リビア の核の密輸ルート」
07/11/03 第3話「グローバルな核の時代を許した恐怖の構図」
07/11/04 第4話「北朝鮮とイランの核所有はカーン発ドバイ経由」
【ブッシュとビンラディンのテロ戦争のネットワーク】
下のチャートは、陰謀マニアには垂涎ものの「ブッシュ家とビンラディン一族の相互関連図」。米国では俗に「Bush Co.」と呼ばれる構造で、ネオコンタカ派の主唱した「ニューワールド政策」の元にグローバルな戦争を推進。軍産複合のネットワークで数兆円稼いだ資金はカーライルグループに蓄積。
他にも関連産業としては、チェニーがCEOだったハリバートン、イラクで悪名の高い警備保障会社のブラックウォーター、戦車製造メーカーのアームストロング、死体処理産業のKenyon……など、いずれもブッシュが州知事だったテキサス州が本拠地。当然石油財閥のExxon Mobile(ライス国務長官も取締役)や戦闘機納入のボーイング社など、枚挙にいとまがありません。
テロ戦争関連の記事は『米流時評』を2007年に開始して以来、ほとんど毎日と言っていいほど掲載してきました。さらにそれより以前には『楽園通信』というパーソナルサイトでも、記事を書いてきました。そうした過去のエントリーは以下のカテゴリーアーカイブで、それぞれの地域のテロ戦争に関連した記事が、日付の新しい順にまとめてお読みいただけます。
【米国時間2009年2月8日『米流時評』ysbee】
◀前号「アルカイダとオバマ/パキスタン諜報部 ISIのCHANGE」
▶次号「ネタニヤフとオバマ/イスラエルの2月体制」へ
記事リンク http://beiryu2.exblog.jp/9321222
TBリンク http://beiryu2.exblog.jp/tb/9321222
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米流時評 特集 ||| オバマの時代 |||
第1章 オバマ時代開幕 Road to White House
▶11/01(1)世界が待ち望む オバマ時代の夜明け
▶11/02(2)世界危機に挑戦する 21世紀のニューリーダー
▶11/04(3)アメリカの再生を賭けた明日へのカウントダウン
▶11/07(4)オバマの第一声「アメリカの大いなる挑戦」
▶11/13(5)オバマの初仕事・ホワイトハウスの組閣人事
▶11/14(6)オバマ紳士録・後編 クリントンが国務長官?
▶11/16(7)オバマのチャイナフリーFDA改革・禁中国汚染食品!
▶12/08(8)ウォール街復活? オバマのNewニューディール効果
第2章 オバマの百日革命 Revolutionary Road
▶1/19(1)勝者なき闘い・ガザの終りとオバマの始まり
▶1/23(2)ブッシュとオバマ/スーパーマンの仕事始め
▶1/24(3)カストロとオバマ/キューバとアメリカの新しい海峡
▶1/25(4)旧体制とオバマ/レボルーショナリーロード
▶1/27(5)中東とオバマ/カウボーイ外交からピース外交へ
▶1/28(6)アラブとオバマ/アルアラビアTVインタビュー対訳
▶2/01(7)金正日とオバマ/狼少年の歓迎のテポドン
▶2/03(8)テロ戦争とオバマ/アフガン戦線と東欧MD計画
▶2/04(9)メドベージェフとオバマ/ユーラシア防衛とキルギスタン
▶2/05(10)アフガンとオバマ/カイバー峠の戦場にかける橋
▶2/06(11)パキスタンとオバマ/タリバン戦線の共闘戦略
▶2/07(12)アルカイダとオバマ/パキスタン ISIのCHANGE
▶2/08(13)ビンラディンとブッシュ/テロ戦争内幕の危険な関係
▶2/09(14)イスラエルとオバマ/タカ派三つ巴のイスラエル総選挙
▶2/10(15)ネタニヤフとリブニ/イスラエルの2月体制
▶2/11(16)タリバンとオバマ/首都カブール同時多発テロ攻撃
▶2/12(17)カルザイとオバマ/アフガン増兵とアフ・パキ戦線
▶2/13(18)クリントンと日本/拉致被害者家族と東京で会談
▶2/14(19)クリントンと北朝鮮/核と平和のアメとムチ
▶2/15(20)パレスチナとオバマ/絶望と希望のはざまで
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by ysbee-2
| 2009-02-08 15:45
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