人気ブログランキング |

米流時評

beiryu2.exblog.jp ブログトップ

クリントンと金正日/核と平和のアメとムチ

f0127501_128435.gif

    ||| クリントンの半島対処外交 |||

d0123476_15525074.jpg
クリントン国務長官「オバマ政権は半島問題解決に向けて直接対話の用意」

d0123476_18552829.gif前回の記事の中では、きわめて重要な転機が記されていた。クリントンのアジア外交方針の演説の中で、特に中国よりも日本を「アメリカの友軍として再確認する」と断言している点である。ブッシュ時代の中国朝貢外交は、ユダヤ資本の中国投入を無制限に許していた。

毎年2桁の経済成長を重ねた中国は、グローバル経済の潮流の最先端で、世界の工場と化し国富を蓄積。一党独裁政権下にあっては、国益はそのまま軍備に回る。おめでたい話だが、世界が諸手を上げて中国の軍備拡張を手伝っていたようなものだ。オバマの新しいアジア外交政策では、そうしたビジネス偏重の盲目的旧体制を一蹴し、戦後以来の歴史ある日米友好関係の重大さを、あらためて再評価しているように受け取れる主張である。
d0123476_9361583.jpg
以前にも書いたが、オバマは中国がグローバルな紛争国の弾圧体制側やテロ組織へ、承知の上で武器を輸出取引していることを問題視しており、いずれはっきりした摘発、あるいは抗議の姿勢をとるのではないかと、私は期待している。少なくとも、これまで彼を初めから支援してきたリベラルのブログでは、長年敵視されてきたグローバル経済の汚辱の部分だからである。

とりあえず、クリントン国務長官が講演で明らかにした、日本との新しい関係に関する部分を前編で紹介したが、後編では北朝鮮との新しい外交関係についての翻訳である。ブッシュ時代には石油がらみで中東外交に重きが置かれたが、オバマ政権の元では、各地域の特殊性を十二分に知り尽くしたベテランを、それぞれ任命した。
d0123476_9182857.jpg
戦争から平和へと、グローバルな潮流を変えようとしているオバマ新政権。特にアジア地域に対しては、友軍であってほしいという願望が顕著である。北朝鮮に対しても、頼りないヒル特使任せだったブッシュ時代とは打って変わって、クリントン長官自身が直接対応する用意もできていると、平和的なメッセージの中にもすでにその強い姿勢をしっかり打ち出しているので、今後の金の対応と半島外交の展開が楽しみではある。

【米国時間2009年2月14日『米流時評』ysbee】

__________________________________________________________________
FEBRUARY 14, 2009 | 『米 流 時 評』 |  時事評論ブログ雑誌・デイリー版  2009年2月14日号
d0123476_17164267.gif

 A s s o c i a t e d P r e s s | B R E A K I N G
クリントン長官:核開発廃絶と経済援助・国交回復・平和条約を交換条件に
米国時間 2009年2月13日午後11時51分 | AP通信・ニューヨーク支局発 | 訳『米流時評』ysbee

d0123476_9202274.jpg
Clinton Warns N. Korea: No 'Provocative' Moves
She outlines priorities for Asia trip, including crucial issues in China, Japan
FEBRUARY 13, 2008 | Associated Press — BREAKING | Translation by ysbee
NEW YORK — Secretary of State Hillary Rodham Clinton, making her first major policy speech, urged North Korea Friday not to take any "provocative" actions that could undermine peace efforts.

クリントンから金へ「挑発行為はダメよ」
ニューヨーク発 |13日金曜ニューヨークで開催された、アジア・ソサエティ主催のフォーラムへ出席したヒラリー・ロッダム・クリントン国務長官は、米国の外交方針に関する就任後初の講演を行なったが、その中で北朝鮮に対する方針にふれ「東アジア和平への努力をむなしくするような、いかなる『戦争挑発行為』を取らないように」そ平壌政府に促す発言をした。
d0123476_9211732.jpg
昨年暮れに行なわれた北朝鮮建国60周年記念式典に出席しなかった金正日 その直後から健康危機説が流れた

2. China: Priority on environmental issue

Climate change will be another diplomatic priority, Clinton said, especially because of China's fast-growing industries. "Climate change is not just an environmental nor an energy issue, but also has implications for our health, our economies and our security," she said.
中国へ:環境汚染問題の解決策を
クリントン長官はまた、アジアの外交問題のもうひとつの優先事項は「地球温暖化問題」になるだろうとし、その理由は、特に温暖化の原因が中国の急速な工業化にあるからだと語った。
「地球温暖化問題は、ただ単に環境汚染やエネルギー問題に根ざすだけでなく、われわれの健康や経済・治安とも深く関わってくる問題です。」
d0123476_9254971.jpg
中国の急激な経済成長は、グローバル経済の潮流に乗って「世界の工場」としての立場を確立したからであるが、今や中国の垂れ流す公害は地球温暖化に拍車をかけ、東アジア全域の大気汚染の元凶となっている。

3. Call to give up N. Korea's nuclear programs

Amid press reports that North Korea might be preparing a long-range missile test, Clinton pledged to hold the communist regime to its commitments to give up its nuclear programs in return for international aid and political concessions. "We will need to work together to address the most acute challenge to stability in northeast Asia: North Korea's nuclear program," she said.
北朝鮮へ核兵器開発廃絶を呼びかけ
北朝鮮が長距離ミサイルの発射実験を準備中という報道に関しては、クリントンは厳しい姿勢を見せ、次のように明言した。
「国際的経済援助や政治的会談が可能であることの見返りとして、北朝鮮の共産党政権に対しては核開発計画を放棄するという取り決めを守らせます。われわれ(米国とアジアの友好国)は、北東アジアの安定化に対するもっとも厳しい試練『北朝鮮の核開発』に対して、ともに協力して働きかける必要があるでしょう。」
d0123476_92758.jpg
上院議員時代から核廃絶問題に取り組んできたオバマは、旧ソ連盟邦国などの管理の杜撰な国からアルカイダなどテロ組織が核を入手する危険性を、世界にとって最大の脅威であるとこれまでにも口をすっぱくして警告してきた。

4. 'Opportunity to move discussions forward'

On North Korea, Clinton said the Obama administration is committed to working with the reclusive country through the framework of six-nation talks that produced the nuclear agreement. "We believe we have an opportunity to move these discussions forward," she said.
「和平への対話を前進させる可能性」
クリントン長官は、オバマ政権の北朝鮮核問題に対処する方針として、次のように述べた。
「東アジアにおける核に関する協定を結ぶための六カ国会談の枠組みを通して、孤立した北朝鮮とも協調して問題解決にあたる覚悟です。われわれは直接の話し合いを通して、お互いに問題解決へと前進する可能性をもっていると信じます。」
d0123476_928197.jpg
昨年末の建国60周年記念式典に姿を見せなかったため、一時は「死亡説」の流れた北朝鮮政府の金正日総書記

5. U.S.: To normalize relations with N. Korea

"But it is incumbent on North Korea to avoid any provocative action and unhelpful rhetoric toward South Korea." The United States is willing to "normalize" relations with North Korea, Clinton said, but only if the regime in Pyongyang agrees to abandon its nuclear weapons programs and accept a program of verification.
米国は北朝鮮との国交回復も検討
「しかし、いかなる挑発的行為も韓国に対する問題発言も避けることは、北朝鮮にとって(国際的に承認されるための)必須条件です。米国は北朝鮮との国交正常化に対する意向はありますが、ただしそれは、平壌政府が核兵器開発計画を放棄して(国連 IAEAの)立入検査を受け入れてクリアした場合に限ります。」
d0123476_930423.jpg
夫君のビル・クリントンは90年代に大統領を2期務めた経歴をベースにクリントン・グローバル・インスティチュートを設立。主に開発途上国の国家開発や産業振興のコンサルティングやエイズ撲滅などで世界を飛び回っている。

6. U.S. aid economy with 'De-Nuking' North

She suggested the United States could provide energy and economic aid and sign a peace treaty to formally end the Korean War. The 1950-53 conflict ended with a truce, and the two Koreas face each other across one of the world's most heavily armed borders.
核を放棄すれば米国から経済援助
クリントン長官はまた、米国側から北朝鮮への援助条件も示唆し(核放棄をクリアすれば)米国はエネルギーと経済援助を供与するとし、さらには半世紀以上停戦状態のままになっていた朝鮮戦争を、最終的に正式に終結するための平和協定(相互不可侵条約)を結ぶこともできると語った。
1950年から53年まで闘われた朝鮮戦争の結果、朝鮮半島は38度線の非武装地域をはさんで南北に二分され、世界でももっとも重装備の軍備が敷かれた地域のままである。
d0123476_9314812.jpg
朝鮮半島の38度線の国境を廃絶して南北統一を、と訴える民族統一を悲願とするソウルの統一運動のデモ

7. Peninsula to reach permanent peace treaty

"If North Korea is genuinely prepared to completely and verifiably eliminate their nuclear weapons program, the Obama administration will be willing to normalize bilateral relations, replace the peninsula's long-standing armistice agreements with a permanent peace treaty, and assist in meeting the energy and other economic needs of the North Korean people," Clinton said.
半島問題:休戦から恒久平和条約締結へ
「北朝鮮が核兵器開発計画を、完全に確認できる形態で放棄する用意を真摯に行なう場合には、オバマ政権は米国と北との二国間の外交関係をすすんで正常化するつもりです。その際には、長年一時休戦の協定で停滞していた半島平和の問題を、恒久的平和条約締結へと進められますし、北朝鮮の民衆が切望しているエネルギーと経済援助を見返りとして供与できるでしょう。」
クリントン国務長官は、米国と北朝鮮の新しい外交関係の可能性について以上のように講演した。
<了>
【 米国時間 2009年2月14日 『米流時評』ysbee訳 】
d0123476_931545.jpg
左:北朝鮮政府の要職に就く金正日の義弟/中:中国からの親善使節を迎える金正日/右:韓国の統一推進担当相

◀前号「クリントンと日本/拉致被害者家族と東京で会談」
▶次号「ガザ戦争終結へ!ハマスが1年半の停戦をついに受け入れ」
▶予告「アメリカの大いなる脱出・超大型活性化予算ついに成立!」
d0123476_1023580.jpg

d0123476_16472783.gif記事リンク http://beiryu2.exblog.jp/9352250
TBリンク http://beiryu2.exblog.jp/tb/9352250

__________________________________________________________________
いつもご愛読いただきまして大変ありがとうございます。ワンクリックがブログのエネルギーです!
d0123476_12465883.gif


かなり凹んでます。クリックで挽回に応援をよろしくお願いします!
d0123476_6362575.gif
  ブログ村の国際政治部門ではおかげさまで2位です。変わらぬ応援に感謝!





d0123476_14321612.jpg
米流時評 特集 ||| オバマの時代 |||
第1章 オバマ時代開幕 Road to White House
▶11/01(1)世界が待ち望む オバマ時代の夜明けd0123476_19284774.jpg
▶11/02(2)世界危機に挑戦する 21世紀のニューリーダー
▶11/04(3)アメリカの再生を賭けた明日へのカウントダウン
▶11/07(4)オバマの第一声「アメリカの大いなる挑戦」
▶11/13(5)オバマの初仕事・ホワイトハウスの組閣人事
▶11/14(6)オバマ紳士録・後編 クリントンが国務長官?
▶11/16(7)オバマのチャイナフリーFDA改革・禁中国汚染食品!
▶12/08(8)ウォール街復活? オバマのNewニューディール効果


第2章 オバマの百日革命 Revolutionary Road
▶1/19(1)勝者なき闘い・ガザの終りとオバマの始まり
▶1/23(2)ブッシュとオバマ/スーパーマンの仕事始め
▶1/24(3)カストロとオバマ/キューバとアメリカの新しい海峡
▶1/25(4)旧体制とオバマ/レボルーショナリーロード
▶1/27(5)中東とオバマ/カウボーイ外交からピース外交へ
▶1/28(6)アラブとオバマ/アルアラビアTVインタビュー対訳
▶2/01(7)金正日とオバマ/狼少年の歓迎のテポドン
▶2/03(8)テロ戦争とオバマ/アフガン戦線と東欧MD計画
▶2/04(9)メドベージェフとオバマ/ユーラシア防衛とキルギスタンd0123476_1936736.jpg
▶2/05(10)アフガンとオバマ/カイバー峠の戦場にかける橋
▶2/06(11)パキスタンとオバマ/タリバン戦線の共闘戦略
▶2/07(12)アルカイダとオバマ/パキスタン ISIのCHANGE
▶2/08(13)ビンラディンとブッシュ/テロ戦争内幕の危険な関係
▶2/09(14)イスラエルとオバマ/タカ派三つ巴のイスラエル総選挙
▶2/10(15)ネタニヤフとリブニ/イスラエルの2月体制
▶2/11(16)タリバンとオバマ/首都カブール同時多発テロ攻撃
▶2/12(17)テロ戦争とオバマ/タリバンの復活とパキスタン戦線
▶2/13(18)クリントンと日本/拉致被害者家族と東京で会談
▶2/14(19)クリントンと北朝鮮/核と平和のアメとムチ
▶2/15(20)ハマスとイスラエル/絶望と希望のはざまで・ガザ停戦
▶2/16(21)パレスチナとユダヤ/永遠に奪われし土地ガザの悲劇
▶2/17(22)グローバル不況とオバマ/史上最大の活性化予算成立!
▶2/18(23)ニューディール政策とオバマ/米国の21世紀型ルネッサンス
▶2/19(24)カルザイとオバマ/米国のアフガン政策に参画
▶2/20(25)アフマディネジャドとオバマ/テヘランの春
▶2/21(26)IAEAとオバマ/イラン核外交のCHANGE


||| 『米流時評』 特集シリーズ |||
次世代冷戦時代  |  グローバルウォー  |  イラク戦争  | テロとスパイ陰謀d0123476_1746245.jpg
アルカイダ2.0 核のテロ | パキスタン戒厳令の季節  |  アフガン・タリバンの復活
中東のパワーラビリンス | プーチンのロシア | ユーラシアの回廊 | ダイハード中国
2008年米大統領選 | ブッシュと米国政治 | サルコジのフランス | トンデモ北朝鮮
ビルマの赤い川革命 |  欧米の見る日本  | 世界不思議探検 | グローバルビジネス


by ysbee-2 | 2009-02-14 10:08 | トンデモ北朝鮮
line

世界の動きがよくわかる!激動する国際情勢を、欧米メディアでディープに読む…世界の「今」と真実探求に関心ある知的冒険者へ送るグローバル情報満載ブログ


by ysbee-2
line
クリエイティビティを刺激するポータル homepage.excite
カレンダー
S M T W T F S
1 2 3
4 5 6 7 8 9 10
11 12 13 14 15 16 17
18 19 20 21 22 23 24
25 26 27 28 29 30 31