「投げられた卵」村上春樹とイスラエル-2
||| 「投げられた卵」村上春樹とイスラエル-2 |||
このブログ『米流時評』を始めた当初からおつき合いいただいている方々がいる。「かたがた」と言うのもてれくさいようなポン友なのだが、忌憚なくほめたりけなしたり、冗談を言いあったりできる、ありがたい存在である。
しかしその中には、ある日突然更新が止まったり、
あるいは、こちらからのアクセスが効かなくなったりしたブログもある。
ちょうど実社会で、行きつけの店が ある日行ったら閉店していたり、
同僚が突然転勤して引っ越したような、そんな感触と似ている。
非常に残念ではあるが、それが人生さ、と歩き続けるしかない。
長野で塾を運営してらっしゃるmeixiさんがいる。
先生で、主婦で、高校生・中学生のお母さんで、
なによりもしっかりした個人の意見を言い合える、素敵な女性である。
ときどき披露する「うっかり」体験もご愛嬌。
彼女も主に英文記事の翻訳で、海外情報を伝えてくれている。
なぜか、中国とトルコに興味をお持ちである。
私のブログが、殺伐としたテロや戦争の記事が多いのに比べ
彼女のピックアップする題材は、
いつもヒューマニズムの感性にふれる 暖かい記事が多いのも特徴。
現地の英字新聞の全訳とともに、エントリを上げられた。
記事が長いので、前後編2編に分けての掲出である。
ぜひ、ご一読をおすすめする。
たとえ彼女と友だちでなかったとしても、多分、読んで良かったと思える記事なので。
【米国時間2009年2月17日『米流時評』ysbee】
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FEBRUARY 17, 2009 | 『米 流 時 評』 | 時事評論ブログ雑誌・デイリー版 2009年2月17日号
B E I R Y U | C U R R E N T
meixiさん〜Jerusalem Post紙掲載「村上春樹エルサレム賞受賞」記事の紹介
米国時間 2009年2月17日 | By meixi『英文記事を読む』前後編 | 転記『米流時評』ysbee
meixiさんのブログ 2/19号「村上春樹氏、ガザ攻撃を批判」より
村上春樹氏がエルサレム文学賞を受賞したことで、
イスラエルでの授賞式へ行かないように との世論が巻き起こりましたが、
彼は迷った末に、「沈黙するより、述べることを選んだ。」と述べ、
受賞講演で イスラエルを直接名指しはしませんでしたが、
イスラエルを批判するスピーチを行いました。
村上氏は「私たちを守るはずの体制が、組織的に人を殺すことがある。」と述べ
その体制を「高い壁」に例え、
守られなければならない人々を「壊れやすい卵」に例え、
その体制と戦うために 一人ひとりが団結しなければならない
とメッセージを送りました。
イスラエルへ行き、イスラエル政府高官も出席する式典にて、
イスラエル批判のスピーチをした村上氏の その勇気と行動に感銘を受けました。
彼のメッセージをどう受け止めたかは 人それぞれでしょう。
しかし、彼のスピーチ後半の部分の意味を理解できた人は、
「自分に何が出来るか?」そう問いかけ、行動することで、
彼のメッセージを本当に理解できた と言えるのではないでしょうか。
私はJerusalem Postの記事を訳してみました。
記事の見出しは、『村上氏、ガザ攻撃を批判』としたかったのですが、
イスラエルのメディアの記事なので、英文の意味そのままで日本語に訳しました。
日本で発表されたスピーチの内容と、
Jerusalem Post が発表した彼のスピーチを比べると、
明らかに イスラエルに都合が悪いことは削られていることが分かり、残念です。
では、記事の訳を。
(以下全文対訳の中から一部抜粋。あとはぜひ元記事でご一読を)
"Israel is not the egg"— Murakami, in trademark obscurity, explains why he accepted Jerusalem award
『村上氏、独特の難解さで、受賞理由を説明』
「だから、私はエルサレムに来ました。作家としてきたのです。
それは、嘘の紡ぎ手としてということです。
作家だけが嘘をつくのではありません。
政治家も(申し訳ありません、大統領。)、そして外交官も嘘をつくのです。
しかし、作家は他の人たちと区別されます。
作家はその嘘がもとで 起訴されることもありません。むしろ賞賛されます。
そして 嘘が大きければ大きいほど、賞賛されるのです。
私たち作家の嘘と 彼らの嘘との違いは、
作家の嘘は 真実をもたらすことを助ける ということです。
真実の全てをはっきりさせることは 難しいことです。
だから作家は それをフィクションの分野へと 置き換えるのです。
しかし、はじめに、私たち作家は、
自分の中のどこに真実があるのか、はっきりさせなければなりません。
今日、私は真実を語ります。
嘘を言うこととは係わりを持たない日、
つまり真実を語るという日は、一年に数日しかありません。
今日が その真実を語る日なのです。
>>このあとにも、記事の対訳が続き、前後編に分かれています。
meixiさんのブログで「村上春樹氏、ガザ攻撃を批判」全文を読む
>2/17 「投げつけられた卵」 村上春樹とイスラエル-2
<2/18 「沈黙の壁を越えて」 村上春樹とイスラエル-3
記事リンク http://beiryu2.exblog.jp/9370284
TBリンク http://beiryu2.exblog.jp/tb/9370284
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by ysbee-2
| 2009-02-17 12:16
| イスラエル・ガザ戦争