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ウォール街の真冬はいつまで続くのか?米国アナリストの分析予測

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 ||| ウォール街の真冬と世界経済の底冷え |||

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 不況が社会問題化する前に、7870億ドルの超大型再生予算の効果は現れるか?

ウォール街の真冬はいつまで続くのか?米国アナリストの分析予測_d0123476_18552829.gif相変わらずオバマの仕事のスピードは早すぎて、追いつくのにやっとだ。
もっともブッシュが8年間に掘り続けた世界規模の落とし穴を、
わずか100日で埋めようとすること自体が、土台人間業ではできない、
巨大な物理的・財政的なスフィンクスなのだから、無理もない。

  しかし、オバマはチャレンジしている。
  しかも一見何の躊躇もなく、目標を掲げ、責任者を任命し、
  各省の全スタッフに気合いを入れている。
  というよりも、お役所全体が腕まくりして、難局に挑戦している印象を受ける。
  リーダーの頭をすげ替えるだけで、同じスタッフが在職しながら
  こんなにも頼りがいのある「お役所」に代わるのか!と唖然とするほどである。
  まるで、モーゼに率いられて紅海をわたるユダヤの民のようだ。
 (あくまで聖書的意味合いで、現今のイスラエルとは一切関係なく)
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ホワイトハウスのオフィシャルサイト:キャンペーン時のオバマのサイトカラーを踏襲して実に見やすい。しかし構造がディープである。アメリカの大統領制を学ぶには最高の資料で、じっくりあちこち開けて見ても飽きない。
http://www.whitehouse.gov/


  毎日新しい政策が発表され、そのほとんどが何十年も待ちこがれていた斬新な改善策である。
  アメリカ人の誰もが、必須だ、とわかっていながら真剣に対処せずあきらめ続けてきた政策。
  たとえば、全員加入の国民保険。
  たとえば、男女無差別の賃金体制。
  たとえば、高卒学歴の徹底と大学卒業率の向上(現在のアメリカの大卒率はわずか40%)
  たとえば、政策と予算案の徹底公開(すべてネットで読めるガラス張り行政)
  そしてついに、CIAの暗黒部分にもメスが入れられた。

  昨日のニュースでは、ブッシュ時代のスキャンダルの根源だった
  一般市民に対する、問答無用の「拉致と拷問」の摘発に踏み切ると、司法長官が発表した。
  米国史上初の黒人司法長官となったエリック・ホルダーは、
  就任挨拶の冒頭で「もはやアメリカに拷問は存在しない」と断言し、
  ブッシュ時代の暗黒部分に挑戦する姿勢を、明確に打ち出した人物だ。
  9/11以来テロ戦争の屁理屈で、ネオコンが欲しいままにいじってきた法解釈を、
  健全な合衆国憲法の正常な適用へと戻す作業である。
  もちろん、オバマの信条を法務省の立場で実行に移しているのは、言うまでもない。
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The Blog: 写真入りで毎日のオバマの動きがブログ形式で読める。 http://www.whitehouse.gov/blog/

  オバマが違法行為の摘発に真面目に取り組む態勢が見えたので
  CIAでは大慌てで、拷問ビデオの消却やら、ブッシュの秘密メモの隠匿に忙しい。
  しかし、いずれはすべて暴露され、カール・ローブもチェニーも
  戦争犯罪か国家反逆罪で、連座するかもしれない。
  リベラルの夢物語だった「内部悪の枢軸」の摘発が、連日のニュースで伝えられている。

  ブッシュ時代から180度転換して、矢継ぎ早に発表されるガラス張りの公明正大な政策は、
  どれもみな オバマが予備選の当初から主張し続け、
  国民の同意を集め続けてきた要望を、政府の立場で実現した結果である。
  彼は当選後も 公約のすべてを忘れず、就任式の翌日の朝一から、
  立て続けに法案化し、約束を実現しているのである。
  私の(ちょっとだけ)長い人生でも、こんな政治家は初めてだ。
  うれしくなるというよりも、本当に存在したのかと驚いているのが実情だ。
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ホワイトハウス公式サイトのスライドショー キャンペーン中のサイトと同様に写真や動画などビジュアルも豊富 
http://www.whitehouse.gov/blog/slideshows/


  しかし、経済不況の奈落は暗く深い。
  昨日のNY市場の底値記録は、ただでさえ厳冬の吹雪が吹き荒れる
  東部のアメリカ人を暗澹とさせるには充分だった。
  吹雪の写真を探していたら、ちょうど120年前の1888年の3月にも
  東部一帯を襲った大寒波があって、電柱が埋まるほどの大雪を記録していた。
  だが、どんな厳しい冬にも雪解けがある。いつかは春がやってくる。
  それが自然の摂理だ。経済にも摂理があるはずだ。 
  (*このysvoiceは次号の冒頭へ続きます)

  【米国時間2009年3月3日『米流時評』ysbee】

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MARCH 3, 2009 | 『米 流 時 評』 |  時事評論ブログ雑誌・デイリー版  2009年3月3日号
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 NBC/MSNBC/CNBC | BREAKING
米国の市場アナリストが予測する、放任主義経済の終焉と景気の氷河期
米国時間 2009年3月2日午後4時25分 | NBC/MSNBC/CNBC ニュース速報 | 訳『米流時評』ysbee

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オバマ政権の財務省の新しい顔 ニューヨークの連邦銀行頭取から抜擢されたティム・ガイトナー財務長官(中央)

When and How to Recover the Economy
Recession is exacerbating problems, recovery will take for years to come

MARCH 2, 2009, 4:25 PM | MSNBC News — BREAKING | Translation by ysbee
Continued from the previous issue |NEW YORK — A recovery will also require signs of health among financial companies, but so far in 2009, it is clear that banks and insurance companies' losses are multiplying despite hundreds of billions of dollars in government help.


>前号「ウォール街ブリザード!ダウ平均6千ドル台の底値へ急落」からの続き
注入金に反して悪化する金融市場
ニューヨーク発 |景気回復はまた、金融業界が健全化する兆候が見られなければ無理である。しかしながら2009年の段階での市況を見る限り、銀行や保険会社などの金融関連会社は、連邦政府がこれまでに注ぎ込んだ数千億ドル(数十兆円)の財政援助金(Bail out money)にもかかわらず、四半期の決算ごとに一様にマイナス計上を重ねている。
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株価は下がったがドルと米国国債は回復。ドル交換目的で韓国の空港内の外国紙幣両替所に並んだ長い列。

8. Financial sector worsens against injection

While the root of financial firms' problems lie with the bad bets they made on mortgages and mortgage-backed securities. Now the recession is exacerbating their problems as it also forces millions of job cuts. Sean Simko, head of fixed income management at SEI Investments, is analyzing as follows.
社会問題を悪化する深刻な不況
金融業界に累積する問題のそもそもの原因は、住宅や車などの大型消費材購入ローンや、ローン関連の保険などの金融商品に対して、不良債権に転落するのが目に見えていながら悪質融資を重ねてきた点に、深く根ざしている。
今や米国の経済不況は社会問題を悪化させる一途で、連日大手メーカーや大会社が相次いで雇用削減を発表し、昨年秋以来すでに数百万人が失業した。SEIインベストメント社で(年金受領者の投資など)固定収入管理部門を司るショーン・シムコ氏は、次のように断言する。
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ブッシュ政権下の自由放任主義経済で野放しにされた金融業界のバブルは、不良債権の山で自己崩壊しつつある

9. Analysts read mostly grim by slide

"The economy definitely has deteriorated since November. It's just the fact that we haven't seen signs of improving or stabilizing, per se, which is adding to the morass of the market," Simko said. The economic readings have been mostly grim, adding momentum to the market's slide. Even when they show some room for optimism many investors have been quick to write them off as aberrations.
市場アナリストは一様に暗黒時代を予測
「経済は昨年11月以来どうしようもなく悪化していることは否定のしようがない。実際のところ景気が好転する兆候とか落ち着く気配すら見えていないのは事実でして、お先真っ暗なものだから、その不安が余計に市場の泥沼化に拍車をかけている、というのが現状です。」
どのアナリストから出る経済予測でも、その大方は暗い読みで、市場株価の転落を浮き彫りにする分析ばかりだ。たまに少しばかり楽観的な先読みが出たとしても、投資家のほとんどはその評価を「眼鏡が曇った証拠」と一瞥して、耳を貸そうともしない。そうしたところへ月曜の暴落である。
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都市型インテリジェント層が顧客だったスターバックスも不況には勝てずついに1ドルのインスタントコーヒーを販売

10. Predictable severe financial reports

A trade group said manufacturing contracted in February for the 13th straight month, but at a slower pace than expected. More, and possibly unnerving, economic data are expected later in the week, including the government's report on unemployment and job losses during February.
第2四半期の財務報告:ビジネス厳冬期
ディーラーグループは、工業セクターが2月で13か月連続の下落を記録したと報告しているが、予測よりもスローペースだったようだ。それよりもむしろ今週後半に政府から発表される、2月期の失業率や失業者数に関する数字が含まれる多分頭の痛くなる経済データが、新しい判断材料として待望されている。
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カリフォルニア州クパチーノと言えばアップルの本社所在地 昨年8月の火事騒ぎはやはり不吉な前兆だったのか?
iTune 発表以来下り坂を知らなかったジーニアスカンパニーも、最終四半期で初めて前年同期比でマイナスを計上


11. Next bubble: Credit card sector?

Analysts are looking for indications that businesses and consumers are starting to boost spending after months of cutting back. Last week the Dow and the S&P 500 index fell below their Nov. 20-21 lows, reached at the height of the credit crisis. Many traders had hoped would mark the market's low.
次にはじけるのはクレジットカード業界?
市場分析の専門家たちは、ここ数ヶ月消費や投機を控えていた個人や法人がそろそろ買いの傾向に動くのではないかという兆候を必死に探しているが、一向にその気配はない。トレーダーの多くが11月の底値で下落の限界は過ぎ、もうこれ以上悪くはならないと分析していたにもかかわらず、先週2月最後の週にはダウ主要銘柄とS&P500銘柄の平均株価が、11月20・21日の段階まで再下落したからだ。これで市場アナリストの信頼度も、一挙に地に堕ちた。  >>次号・第3章へ続く

【 米国時間 2009年3月3日 『米流時評』ysbee訳 】
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Bubble Burstで金融業界がはじければ、当然その波打ち際であるクレジットカード各社が緊急財政事態に陥る

  3/04 「新自由主義経済の終焉と景気の氷河期」オバマのマンモス再生予算
  3/03 「ウォール街の真冬はいつまで続くのか?」米国アナリストの分析予測
  3/02 「ウォール街にブリザード!」ダウ平均株価6千ドル台の底値へ急落
  3/01 予告:対訳「ウォーレン・バフェット2009年の託宣」(ただ今翻訳中)
  2/23 「9億ドルの同情/米国のガザ復興援助」 パレスチナとオバマ(未掲載)

  2/22 「自由への厚い扉/エジプト側の国境再開!」 エジプトとガザ
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ウォール街の真冬はいつまで続くのか?米国アナリストの分析予測_d0123476_16472783.gif記事リンク http://beiryu2.exblog.jp/9415033
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緊急特集 ||| ウォール街の真冬 ||| 経済危機
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第1章「ウォール街にブリザード!」 ダウ平均6千ドル台の底値を記録
1. Dow ended at another misery milestone 売りの猛吹雪で悲惨な底値を記録
2. Dow ended at another misery milestone 97年来初めて7千ドルの大台を割る
3. Long term recovery for the great loss 大巾な損失回復には長期を覚悟
4. Zombie bank AIG still draw loans ゾンビーバンクAIGに追加注入金300億ドル
5. HSBC earning dropped 70% in 2008 欧州最大の金融機関HSBCの利益7割減
6. Game-changer: housing market 好転の鍵はハウジング市場に


第2章「ウォール街の真冬はいつまで続くのか?」 米国アナリストの分析予測
7. Financial sector worsens against injection 注入金に反して悪化する金融市場
8. Recession is exacerbating problems 社会問題の元凶となる深刻な不況
9. Analysts read mostly grim by slide 市場アナリストは一様に暗黒時代を予測
10. Predictable severe financial reports 第2四半期の財務報告:ビジネス厳冬期
11. Next bubble: Credit card sector? 次にはじけるのはクレジットカード業界?


第3章「新自由主義経済の終焉と景気の氷河期」 オバマのマンモス再生予算
12. Mixed signals in different industries 業界によって異なる現況
13. U.S. Dollar, Treasury Bond prices surged 国債と米ドルは急騰
14. Psychology of 'Dow-Down syndrome' 「ダウ・ダウン症候群」の心理克服を
15. Has it reached to the bottom yet? どこまで続く?不況の猛吹雪
16. Anatomy of the past recovery 過去の不況の症状診断と回復療法


by ysbee-2 | 2009-03-03 15:24 | グローバルビジネス
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世界の動きがよくわかる!激動する国際情勢を、欧米メディアでディープに読む…世界の「今」と真実探求に関心ある知的冒険者へ送るグローバル情報満載ブログ


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