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米流時評

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ゲイツは本気だ。アジア防衛サミット声明

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   ||| 北の核で開いた地獄の釜のふた |||

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 ゲイツ国防長官、シャングリラ防衛サミットで北の核とミサイルの脅威を警告
「北の核保有は、アジア地区だけでなく、世界に『暗黒の未来』をもたらす前兆」


ゲイツは本気だ。アジア防衛サミット声明_d0123476_3532373.jpg前号「半島危機・北、核ミサイルまでの時間は?」からの続き
今回の半島危機に関しては、党派の左右に関係なくブログ編集人の多くが、事態の深刻さを正面から受け止め、エントリで本音を吐露している。また個々のエントリからそのTB元へとたどって得られた、昨日のこかげさんのブログ『緑の木陰のつぶやき』のような、専門家の貴重な意見を伺えるチャンスに恵まれたりもする。

昨日翻訳した本文記事では、米国の国防総省はゲイツ長官が公表したように、
危機感の焦燥を冷却させるような抑制論を前面に出す一方で、
ケイシー陸軍総司令官のように「やるなら見ておれ」的に、
北の恫喝には威圧で反撃、と主張する制服組も併存する。
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トップの写真:ついに地獄の釜のふたが開いた?米国時間で2日、アラスカのフォートグリーリー基地を訪れ地下に格納してあるミサイルをチェックするゲイツ長官 /上:典型的官僚体質のロバート・ゲイツ国防長官(左)と戦略ブレーン型軍人のトップ、マイク・マレンCSJC米統合参謀本部議長

分裂とまではいかないが、
北朝鮮の核実験以降、ペンタゴンの中での強硬派と穏健派の間に、
はっきりと距離が見えてきたのは確かだ。

お膝元の米国のメディアに上がらなかった米軍サイドの話題で
『よく考えよう』のHbarさんのエントリ「米国は本気か」があり、
非常に的を得た論旨なので、この下に紹介させていただく。

【米国時間2009年5月31日『米流時評』ysbee】
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ここから下は Hbarさんのブログ『よく考えよう』
5/30のエントリ「米国は本気か」からの抜粋です


エラ通信さんの記事によると
「リアルタイム090530 米政府 韓国駐留米軍家族の退避を命令・勧告」
の見出しで 朝鮮半島の危険度が大幅に上昇したのが、
本日付の米政府の命令・勧告を見ると これまでとは様相が異なる。

よく考えてみれば、只でさえと言うか 海外から食料さえ買えない程、
外貨の不足している国で、中国やロシアからの援助があれば別だが、
6ヵ国協議と言うテーブルにおいて 顔を潰された国が援助するか
と言うのが普通の考えであるので 援助は得られるとは考えられない。

多分、オバマの原則主義から考えれば、
次のミサイル発射で北朝鮮に容赦はしない と考えるのが普通だ。
それに、この経済危機で米国の産軍複合体の産が大きく力を毀損しているのに
北朝鮮攻撃ほど効果的なものは無い。

多分、北朝鮮が次に何か挑発するとなれば、米国は切れるに違いない。
切れると言っても怒り心頭で切れるのでなく、
緻密な計算の元で切れると言う事だ。
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イラク北部ティクリットの米軍駐留基地を訪れはっぱをかける、ジョージ・ケイシー陸軍総合司令官


北朝鮮の選択肢は、直接米軍及び韓国軍の基地に対して
中距離弾道ミサイルを発射するか否か の所まで来ていると感じる。
もし、今までのような挑発しかしないのであれば、
金正日は平和ボケしているだけだ。

さて、米軍のスカッドミサイルやイージス艦からの迎撃で
被害がどの程度に収まるかも問題だが、
それと同時に ブッシュがイラクでやったのと同様の攻撃もなされるはずだ。
挑発でさえそのつもりで、
本日付で 米政府「韓国駐留米軍家族の退避を命令・勧告」をしたのであろう。
何も無く、ピョンヤンが平和裏に6ヵ国協議で譲歩する事を願う。

以上『よく考えよう』より抜粋 5/30号「米国は本気か」で全文を読む
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   MAY 31, 2009 | 『米 流 時 評』 |  時事評論ブログ雑誌・デイリー版  2009年5月31日号
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 ASSOCIATED PRESS | B R E A K I N G
  ゲイツ国防長官、アジア防衛サミットで「北の核がもたらす暗黒の未来」と警告
  米国時間 2009年5月30日午後4時25分 | AP通信・シンガポール発 | 訳『米流時評』ysbee

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朝鮮の古都、開城市は南北統一運動のシンボルとして韓国からの資本投下で共同プロジェクトが展開していたが…


Gates: N. Korea’s Nukes Point to a ‘Dark Future’
North’s efforts pose the potential for an Asia arms race, defense chief says
MAY 30, 2009 | Associated Press — BREAKING | Translation by ysbee

1. 'Harbinger of a dark future'
SINGAPORE, Malaysia — North Korea's progress on nuclear weapons and long-range missiles is "a harbinger of a dark future" and has created an urgent need for more pressure on the reclusive communist government to change its ways, U.S. Defense Secretary Robert Gates said Saturday at an annual meeting of defense and security officials.
北の核は「暗黒の未来の前兆」
前号「警告!北、長距離ミサイル発射の照準は?」からの続き
マレーシア・シンガポール発 |「北朝鮮の核兵器と長距離ミサイルの開発計画の進歩は、世界にとって『暗黒の未来を予兆するもの』であり、北がその進路を変えない限り、東アジアの孤立した共産主義政府に対して緊急に圧力をかける必要性ができてしまった。」
米国のロバート・ゲイツ国防長官は、世界の防衛安保責任者が一堂に集う年次恒例の防衛サミットの基調講演で、米国の北朝鮮に対する現況の意向をこう語った。
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シンガポールのシャングリラリゾートでアジアの防衛のトップを集めて開催された「シャングリラ・ダイアローグ」

2. 'Past efforts only emboldened North'

The Pentagon chief said past efforts to cajole North Korea into scrapping its nuclear weapons program have only emboldened it.
「過去の外交努力は北を増長させただけ」
ペンタゴンの総司令官ゲイツ長官は、30日の防衛サミットの基調講演で、北朝鮮に対して強い姿勢へと変化する米国の対応を明確にした。「(6カ国協議では)北朝鮮に核兵器開発を放棄させようとしてご機嫌をとってきたが、その結果北をますます増長させ、より大胆な核開発を許してしまったため、過去の外交努力はすべて水泡に帰した。」
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26日核の地下実験成功を祝って、平壌で開催された数万人の人民集会 最前列は人民軍幹部将校 金は姿を見せず

3. 'Not a direct threat to the U.S., though'

He said the North's nuclear program does not "at this point" represent a direct military threat to the U.S. and he does not plan to build up American troops in the region. But the North's efforts pose the potential for an arms race in Asia that could spread beyond the region, he added.
「米国に対する直接的軍事脅威ではないが」
ゲイツ長官は、北の核兵器開発は現時点では米国に対する直接的な軍事上の脅威とまではならず、当該地域での駐留米軍の員数を増強するつもりはないことを明らかにした。しかしながら、北がアジア地域での(核の)軍拡競争を加速するのに一役買う可能性は免れない、とも付け加えた。
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左:板門店基地に駐留する米軍の陸軍地上部隊装甲車 /中:半島エリアの米軍責任者ウォルター・シャープ司令官
右:ソウルのミリタリーミュージアムで屋外に常設展示されている南北朝鮮軍の各種兵器 右奥はスカッドミサイル


4. 'Renege on Six-Talks promises'

North Korea's yearslong use of scare tactics as a bargaining chip to secure aid and other concessions — only to later renege on promises — has worn thin the patience of five nations negotiating with the North, Gates said.
「裏切られた6カ国協議の約束」
「北朝鮮は、国際的な経済援助や他の協力事業を確保するための取引条件として、何年もの間こうした恫喝手段をもちいてきました。しかも後段になって、そうした約束はすべて裏切られたし。北と我慢強く交渉を続けてきた6カ国協議の相手国である五カ国にとって、北に対する国際的信頼は辛抱の限界にきています。」
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数年かけてこぎつけた6カ国協議の採択「北の核への野心放棄」は、代償の援助金を掠めとられて水泡に帰した

5. 'North's scaring tactics by crisis'

"I think that everyone in the room is familiar with the tactics that the North Koreans use. They create a crisis and the rest of us pay a price to return to the status quo ante," he said in a question-and-answer session after his speech at the Shangri-La Dialogue.
「危機感をあおって恫喝する北の手口」
「この席にいらっしゃる方々は、みな北の常套手段に手こずらされた経験をお持ちだと思う。(今回のような)危機をつくった張本人は彼らであり、たとえ残りのわれわれがその代償を払ったとしても、ひたすら元の木阿弥に帰するだけでしょう。」シンガポールで開催された「シャングリラ・ダイアローグ」防衛サミットで、ゲイツ長官は基調講演の後の質疑応答で、集まった防衛関係者にこう語った。
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「発射実験視察」という題の日付のない写真だが、痩せ方をみると今年のもの? 右側後方の壁にかかったカレンダーの日付を見ると、14日が土曜になっているので今年3月か2月の写真と思われるが、病状の時期を察するに3月か?

6. 'Not buying the same horse twice'

"As the expression goes in the United States, 'I am tired of buying the same horse twice.' I think this notion that we buy our way back to the status quo ante is an approach that I personally at least think we ought to think very hard about."
「現状維持では元の木阿弥」
「アメリカ流の俗な表現で言うなら『同じ馬を2度も買うのはたくさん』ってところでしょうか。ここが肝心なんですが、われわれがまた現状復帰を重ねるだけのために骨を折るなら、私個人としては、少なくともそうする(6カ国協議に復帰する)べきかどうか?というきわめて根本的な問題を、じっくり考えるべきだと思うんですよ。」
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常に各国防衛相との交流を怠らず、情報交換と親交に務める外交官僚的なゲイツ国防長官 ハンガリー訪問の際

7. 'Other ways to get the North to change'

"There are perhaps other ways to try and get the North Koreans to change their approach," he said. "President Obama has offered an open hand to tyrannies that unclench their fists. He is hopeful, but he is not naive," Gates said in his speech.
「北の姿勢を変える別途手段を」
「北朝鮮の連中のやり方を変えようとするなら、きっと今まで通りではない何かまったく別の方法を講じなけりゃいけなんじゃないですかね。オバマ大統領は独裁者に対しても、鉄拳をゆるめてオープンマインドで忌憚なく話し合おう、と呼びかけていますけどね。彼はたしかに希望が持てるけれど、決してナイーブなだけじゃないですよ。」ゲイツ長官は(ソマリア海賊の米人船長誘拐事件の解決法のように)米国は必要であれば武力行使も手の中にある事を、あらためて強調した。
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30日シャングリラ防衛サミットで歓談するかつての敵同士、米太平洋艦隊のキーチング提督とベトナム人民軍の将軍

8. 'We will not stand idly'

"Likewise, the United States and our allies are open to dialogue, but we will not bend to pressure or provocation. And on this count, North Korea's latest reply to our overtures is not exactly something we would characterize as helpful or constructive.
「米国は指をくわえて看過しない」
「また同様に、米国と友軍関係にある国はもちろん「外交の対話」を重視しますが、(北朝鮮のように)軍事的威圧や挑発行為に走ったりはしません。この意味合いにおいて、北朝鮮の昨今の対外的行動は、協力的とか建設的といった性質のものでは決してありません。したがってわれわれは、北朝鮮がアジアにおけるいかなる攻撃目標に対しても、万一壊滅的被害を及ぼす能力を獲得した場合には、決して黙って看過するようなことはないでしょう。」
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環太平洋防衛で4月に米国とのユニラテラルな軍事協定をあらためて結束したオーストラリアのケヴィン・ラッド首相

9. 'Capability to reach any target in Asia, U.S.'

"We will not stand idly by as North Korea builds the capability to wreak destruction on any target in Asia — or on us. At the end of the day, the choice to continue as a destitute, international pariah is North Korea's alone to make. The world is waiting."
「アジア全域と米国の一部が射程距離内に」
「その標的は今やアジアばかりでなく、わが国米国もすでに北の保有する長距離ミサイルの射程距離に入っています。結局のところ、北朝鮮が国際的にのけ者にされる貧窮国家としての存在であり続けるかどうかという選択は、ひとえに北自身の判断と選択にかかっているわけで、世界はただその結果を待っているだけにすぎません。」  >次号へ続く

【 米国時間 2009年5月31日 『米流時評』ysbee訳 】
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米陸軍ジョージ・ケイシー総司令官 /海上接触が懸念される半島西岸の黄海 /オーストラリア海軍軍港

ゲイツは本気だ。アジア防衛サミット声明_d0123476_17133139.jpg◀ 予告「北の世襲三代目披露 次世代金3.0は正雲」
◀ 次号「北のICBM アラスカ・ハワイ・グアムも射程距離」
▶ 前号「半島危機・北、核ミサイルまでの時間は?」
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ゲイツは本気だ。アジア防衛サミット声明_d0123476_16472783.gif記事リンク http://beiryu2.exblog.jp/9812214/
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by ysbee-2 | 2009-05-31 14:50 | トンデモ北朝鮮
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