テヘラン大学の虐殺 バシジ=イランの虐殺親衛隊

||| イランの虐殺軍団バシジ |||


ほかにも、イランの争乱情報をネットのポストから集約して翻訳編集しているメディアブログが3〜4サイトあるので、このところ回って読んでいるだけで日が暮れてしまう(勝手に隠居にした身分に感謝)しかし、現地の情報が一番集約されていて状況がよくつかめ、しかもファルシ語からの英訳も早いので、今日は彼が特約しているハッフィントンポストのブログから。
トップの写真は、12日夜にテヘラン大学の学生寮にバシジ軍団が乱入し、無惨に殺された罪もない学生たちへの鎮魂

イランの騒擾に関する情報ブログとしては、投票日直後から注目度が高く、このところハッフィントンポストのトップページになっている。情報が分刻みでログされる(時間系列で古い順にスレッドが立つ)ので、その中からさらにめぼしいものをピックアップしました。原文は非常に平明な英語で、他に紹介したい記事もあるので、とりあえず本文の訳抜きですがアップします。

しかし、こういう司令を出している大元が、アフマディネジャドであり、彼を支持するハメネイなのだと思い当たるとき、イラン人がなぜこれほどまで命がけで、自分たちの票を、つまり民主主義とその先にある自由な社会を守ろうとしているのか、という気持ちが切実に伝わります。
【米国時間 2009年6月22日『米流時評』ysbee 】

米国東部時間で午後4時半頃、首都ワシントンDCの地下鉄で正面衝突事故発生
首都圏のメトロのラッシュアワー時間帯に、フルスピードの対向路線で、片方の車輌が反対方向の車輌に乗り上げる形で正面衝突。現在まで判明した情報では、死者2名、負傷者46名と首都警察から発表……イラン情勢をウォッチング中、CNNのウルフ・ブリッツァー『Situation Room』での報道から、とりあえず速報でした。そう言えば、アラスカでM4.5の地震も発生したし、なぜか今日は、アメリカの大厄日のようです。
*読者の皆さんへ、先々週から連載しているイランの大統領選後の弾圧と虐殺の報道ですが、
日本へは詳しく伝えられていない事実を知ってもらうために、コピーで広めてください。
写真の転載も「米流時評から」と、キャプションかリンクをつけてくだされば結構です。


H u f f i n g t o n P o s t
Iran Updates: Live-Blogging The Uprising
JUNE 22, 9:31 a.m.–4:36 p.m. | Nico Pitney — Huffington Post | Translation by ysbee
イランの虐殺軍団バシジ 首都テヘラン大学で学生射殺司令の凶行
米国時間2009年6月22日月曜 | ニコ・ピトニー/ハッフィントンポスト | 訳『米流時評』ysbee

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4:28 PM |デモ隊が負傷した警官を介抱
このビデオは数日前にネット上にあがっていたものだが、わずか2000ビュー/ヒットしかなかったので今日まで気がつかず、まだあまり広範には見られていないものと思われる。
このクリップは他のビデオでも見られたのと同じようなケースで、逃げ遅れた武装警察の一警官が頭部をかなりひどく怪我しており、止血のために(改革派が身につけていたらしいグリーンの)布きれを包帯代わりに頭部に巻いて、デモ隊の一団に保護されて群衆から連れ出されるところ。
(守らなければリンチにあってしまうので)
You-Tube ビデオ http://www.youtube.com/watch?v=557K4f92DMY
4:17 PM |John McCain addresses Neda on Senate floor
"Today, I and all America pays tribute to a brave young woman who was trying to exercise her fundamental human rights and was killed in the streets of Tehran."
4:17 PM |ジョン・マケイン、上院でネダの死に遺憾を表明
「今日、私はもちろんアメリカ全体が、基本的人権(fundamental human rights)を行使していただけでテヘランの路上で殺されてしまったひとりの勇敢な若い女性に対して、心から哀悼の意を表すものです。」

3:54 PM |Iran scraps certain punishments
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3:54 PM |イラン政府、いくつかの刑罰を撤廃
しかし、それにしてもこの奇妙なタイミングはひっかかる。イランの国営ニュースIRNAが月曜に発表した内容だ。「イラン国会は、従来からイスラム法の刑法にあった(不倫・公序紊乱に対する)石打の刑や(窃盗罪への)手首切断などの刑罰を廃止する」

3:43 PM |Journalists say conditions worse than during Iraq-Iran war
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3:43 PM |現地ジャーナリスト談「状況はイラク・イラン戦争時よりも悪化している」
イラン国内で放送されている米国資本のラジオ局ラジオ・ファルワの報道によると、取材不可能な厳しい報道規制に抗議して、180名のイラン人のジャーナリストが、今日抗議文に署名した。報道によると、今や広範な報道記事に対して検閲と許可が必要となっていて、こうした検閲体制は過去のイラク・イラン戦争の長い期間よりもさらに弾圧が強化された状況になったと伝えている。

3:41 PM |Italy gets "testy"
"In a sign of testiness with Iran, Italy said Monday it will consider Iran's G-8 invitation rejected if the country does not reply by the end of the day."
3:41 PM |「様子見」にまわったイタリー
イタリー政府は月曜「イランの弾圧に対して非難の声をあげる国際社会への対応が伺える兆候として、イランが今日中に出席と返事をしなければ、G8のオブザーバーとしての招待を拒否したものとみなせるだろう」と公表。

3:25 PM |What Iranians are seeing in the papers
The front page of Kayhan News, a major Iranian newspaper. The splash headline: "$400 Million CIA Budget For Creating Riots After The Election." A couple readers have said that the article is based off a piece by Paul Craig Roberts, likely this one.
3:25 PM |イラン人が新聞で読んでいる記事
イランの大手新聞カヤンニュース一面トップのけたたましい大見出し。「CIAから選挙後の暴動工作費400億円」これを読んだ数人は、陰謀論者のポール・クレイグ・ロバーツのでっちあげを元にした記事だと一蹴している。たしかにそんな感じだ。

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3:13 PM |オバマ、果敢なデモ隊に「感動した」
(毎日午後の記者会見で)ホワイトハウスのギブズ広報官から、たった今オバマ大統領に関して。
「私たちも(イランの状況を)テレビで見てましたが、私の見るところ、大統領も心を動かされたようです。特に(不正に対して)声を上げて聞いてもらうために、デモに立ち上がったイランの女性たちの姿に感動していたと思います。大統領はイランの大統領選の運営管理体制について疑問視しており、今後もさらに注目してくつもりです。」
MSNBCの Rachel Maddow Show でも他のビデオと一緒に紹介された警官対市民の白兵戦
一般市民が逆襲に転じる白昼の市街戦の圧倒的な戦闘シーン。なぜか「いくさ」という言葉を思い浮かべてしまうほど、原初的な生の闘争の姿に圧倒されます。映画『300』のようなこうした白兵戦とは、やはり武器がなくて素手でも闘志で勝つものなんでしょうか。ただひたすら凄い。
3:07 PM |'Iran to release box-by-box vote count'
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3:07 PM |イラン国営放送「投票箱ごとの開票結果を発表する」
真偽はともかく、イランの国営メディア ILNA がそう報道している。以下はそのコンテンツ:
「イラン大統領選で敗北した一候補者(ラフサンジャリ元大統領)から訴えられた「不正開票」の申し立てを受けて、内務省の選挙管理局長は、投票所ごとの開票結果を公開すると発表した。
「イスラム共和国(イランのこと)における選挙期間中、投票箱単位の得票結果は極秘事項であり、この種の情報は関係者の中でも、きわめて限られた人物だけが実際の数値を知っている。」
日曜20日の段階で、内務省選挙対策本部のアリアスガル・シャリフィラッド局長は、こう表明していた。しかしながら、その後のシャリフィラッド氏の談話によると、マフムード・アフマディネジャド現大統領の地滑り的勝利に疑問が集中した混迷に決着をつけるため、投票箱ごとの得票結果を公開することに決定したのだという。

イランの大統領選では50%以上の過半数でなければ再選挙となるが、その場合はムサビに65%集中となる
2:47 PM |Warning: Graphic video
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2:47 PM |警告:虐殺の実態
このビデオは今日ユーチューブに投稿されたものだが、いつ撮影されたのか説明がついていない。(多分6/15のバシジによる大学寮乱入虐殺の時点と思える)これを見ると、二人の男性(明らかに学生)が見ての通り負傷し、ひとりは大腿部の上の方を、もうひとりは頭部を撃たれ、この男性はかなりひどい重傷で、多分いずれも銃の発砲によるもの。(音声には繰り返し銃の発射音)
テヘラン大学の寮に乱入したバシジ(政府お抱えの暴力団)が学生を射殺していくビデオ
画面の背後で、絶え間なく銃声が聞こえます。
2:32 PM |Karroubi criticizes Guardian Council, calls for new election
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2:32 PM |評議会批判のカルービ候補、やりなおし選挙を主張
いつも素晴らしいNIACの投稿から。投票日に不正が判って以来、ムサビ候補を支持して一緒に抗議運動を展開している、別の候補者のひとりから出てきた声明:
カルービ候補は評議会議長に宛てた公開状の中で、投票数が全有権者数を越えた地区について、審議を申し立てている。カルービ候補の説明によると、イラン全土でそういったありえない得票数を出した地域が200以上あるそうである。
「しかし面白い事には、問題はこうした地域に限らず、閣僚による監査が行われるはずの評議会でなぜこれほど広範な地域で堂々と行なわれた不正選挙の事実を、投票日当日に報告しなかったのかという点です」
カルービ候補は、水増し投票が明らかな得票の数え直しをしても時間のムダにすぎないので、今回の投票を無効にして、再度投票をやり直しするべきだと主張し、その理由を「国家を甚大な危機から守るため」と説明した。

2:19 PM |Mousavi fever spreads to volleyball
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2:19 PM |バレーボール大会でもムサビコール
読者から(ニコ・ピトニーの)当ブログへ送ってきたビデオファイルは、見てわかる通り、昨日デュバイで行なわれた[ペイカン対アレラル]両チームのバレーボールのゲームを撮ったものだったが、イラン人チームは、たまたまムサビという名前のゼッケンナンバー4の選手を中心に、全員グリーンを身につけていた。
ファルシ語バージョンのDiggのようなBalatarinというSNSを読んでいたら、その試合の様子が書かれていた。投稿によると、スタジアムに警官が現れて「ムサビ」という名前を叫ぶのは禁じられていると言う。そこでスタジアムの観客は、ムサビ候補の妻の名前「ラハナヴァード!」と叫んだ。アタマにきた警官は「試合を見たいのなら、特定の名前は叫ぶな」と命令した。
すると今度は、観客たちは「嘘つき、嘘つき、その名は言えない」とか「言っても良い? 言おう言おう。勝者はブルー? いえいえ。勝者は赤? いえいえ、勝ったのはグリーン。グリーン、グリーン!」「ドクター(皮肉をこめたアフマディの呼称)は出て行け!」とか、言いたい放題。しまいには、両手を上げて数分間ネダに黙祷を捧げたり……

2:03 PM |Iran's citizen journalism
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2:03 PM |イランのネットジャーナリズム
このところのトゥイッターのポストの中でもニュースバリューのあるものは、イランのトゥイッターユーザーの中でももっとも信頼のおけるひとりである。もちろん、当局に身柄がばれるから名前は言えない。
しかし、政府が活動不可能に近い報道規制をしいたおかげで、逆にイランのトゥイッターの中でもキーグループが、いかにその情報の空白部分を埋めていったかということを思うに、きわめて感慨深い。しかも、そういった怒濤のような投稿はみな未確認情報であり、発信者の信頼性や消息すら不明だと言うのに。

2:03 PM |Combatant Clerics strongly support Mousavi
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評議会有力メンバーがムサビ支持
「ジャアムジャムとメラットパークで衝突発生。民兵は催涙弾を使った。カラメ新聞社を民兵(バシジだが政府にキーワードで逆探知されるので)が襲撃、数人の記者を拉致/#Iranelection」
「病院情報:これまで少なくとも千人が負傷/ストリート・ガバメント」
「病院情報:これまで少なくとも47人が死亡/ストリート・ガバメント」
「今やテヘランは息を吹き返した、人々の声で。アラー・アクバル。独裁者に死を」
「反体制派の僧侶グループは、ミア・ホセイン・ムサビ候補を強力に支持する/コム」
「今日ムサビ候補は、数人のハイランクの僧侶たちと会議を終えたところだ/コム」 <了>

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by ysbee-2
| 2009-06-22 12:30
| イランのグリーン革命