潮目となるか?テヘラン決死の5千人デモ
||| 潮目となるか?テヘランモスクデモ |||
潮目となるか?6.28 モスクデモ:弾圧にめげず結集した群衆が機動隊と衝突
テヘランで新しいデモあり。参加者3千人とも5千人とも。デモや抗議活動に関して「3人以上の集会は政府への謀反行為とみなす」と一切御法度になっている状況下の、民衆の必死の抵抗。もちろん、政府お抱えの自警団/暴力団であるバシジから、虐殺の襲撃を受けることは承知の上での決行。
アフマディネジャドの旧体制側では、相変わらずCIAの仕組んだ陰謀とかボイス・オブ・アメリカの煽動の結果だとか、自己反省の片鱗も見せず、冷戦時代の古典的な陰謀説に固執しております。かと思うと、今回矢面に立っている英国に対して、とんでもない横暴な行為に。テヘラン駐在の英国大使館に勤務する現地イラン人の職員8名を逮捕。かなり自棄になっている兆候。
6/20 イスファハン大学寮の虐殺 テヘラン大学寮と同じくバシジの襲撃による惨劇
もうこうなると、北朝鮮の金体制と大して変わりない、因縁つけ放題の暴力団的体質を暴露しつつあります。いまだに拘留中の学生や市民2千名、拉致されたきり行方不明になった市民が数百名・・・・・ある中東専門家が、現行のアフマディ政権の全体主義的警察国家体制は、弾圧国家として中国と北朝鮮の中間あたり、と分析していたのがむやみに納得できる惨状。
今日もまた、ハッフィントンポストのニコ・ピットニー『イラン蜂起』ブログからお届けします。
【 米国時間2009年6月28日『米流時評』ysbee 】
*読者の皆さんへ、6/10から連載しているイランの大統領選後の弾圧と虐殺の報道ですが、
日本へは詳しく伝えられていない事実を知ってもらうために、コピーで広めてください。
写真の転載も「米流時評から」と、キャプションかリンクをつけてくだされば結構です。
H u f f i n g t o n P o s t / I R A N
The Uprising: Iran Updates — Live-Blogging
JUNE 28, 11:20 a.m.–2:35 p.m. | Nico Pitney — Huffington Post | Translation by ysbee
米国時間2009年6月28日日曜 | ニコ・ピットニー/ハッフィントンポスト | 訳『米流時評』ysbee
11:27 AM |Solidarity ボンジョビ、イランに応援歌『スタンド・バイ・ミー』吹き込み
読者シャルザッドからのメール「イランとアルメニアの混血歌手アンディ・マダディアンが、米国ロック界の大御所ジョン・ボンジョビとマイクの前に並んで『スタンド・バイ・ミー』のレコーディングを……ふたりのミュージシャンが連帯してこの歌を(イランの公用語、ファルシ語で)歌ってる様子は、まさに感銘を受ける」
「今週早々、ボンジョビとバンド仲間のリッチー・サンボラは、イランのスーパースター、アンディ・マダディアンと共演で、B.B.キングのポップの名曲『スタンド・バイ・ミー』をファルシ語で吹き込んだ。彼らのミッション:昨今の大統領選をめぐる紛糾と抗議の渦に巻き込まれたイランのひとびとへ、グローバルな連帯のメッセージを送ること。(TVガイドのサイトでは、トップページで紹介: http://www.tvguide.com/News/Bon-Jovi-Iran-1007447.aspx)
11:30 AM |テヘラン市内で数千人が静かなるデモ決行 --- CNN
「3人以上の集会はデモとみなす/デモ参加者は反逆罪/指導者は死刑」など厳罰を設定され禁止されていた集会条例で、28日日曜モスクへの礼拝だけは許可が出たため、テヘラン市の山の手にあたる北部のゴーダモスクへ、およそ5千名前後の群衆が行進し集まった。〜〜CNNの現地プロデューサレポート
当局側では武装警察のバイク部隊を行進の両脇にぴったりとつけ、ゴーダモスクまでの行程のデモ警備に当たった。厳戒令のため、群衆はモスクまで声を出さず無言で行進したが、モスク周辺では一斉に歓声が上がった。
http://cnnwire.blogs.cnn.com/2009/06/28/thousands-demonstrate-silently-in-tehran/
11:50 AM |逮捕されていたムサビ陣営のスタッフ、釈放される
いつもとても助かっている現地のニュースサイトGooyaが伝える、ムサビ陣営に関する報道:
「アヤンデ記者のレポートによると、ムサビ候補の選挙事務所のリーダー、ゴルバン・バハザディアン-ネジャド氏を筆頭に、ムサビ候補のキャンペーン新聞『Kalameh Sabz (Green Words/緑の言葉)』の制作スタッフで、先週逮捕され今日まで拘留されていた25人のうち23人が釈放された。しかしながらムサビ氏のウェブサイトの制作者は、いまだに拘束されたままである。」
Twitterの投稿からいくつかの未確認情報によると、膨大な数の武装警察がデモ隊の行進する両側にそって動く密着警備態勢。以下各トゥイッターの投稿から:
「デモ隊 (ppl=people)と機動隊の頭上でヘリが飛び交ってる... 機動隊がデモ解散を命じ集会キャンセル!でも誰も通りから立ち去らない」
「ムサビに関する情報皆無... だがみんな集まってくる... その中の数人が路上に座り込んだ... 座り込みがどんどん増えてる... その数未確認」
12:57 PM |First video of Ghoda mosque モスク周辺デモの最初のビデオ
読者の一人が明らかに今日のデモと思われる最初のビデオを送ってくれた。以前から聞きなじみのあるスローガンを叫んでいる。「ヤー・ホセイン!ミア・ホセイン!」
6/28 テヘラン市北部ゴーダモスク市民デモ
読者の説明だと、最初のフレーズは「ホセイン、われらを助けたまえ」で、この場合のホセインはイスラム教の開祖、預言者マホメッドの孫でイマム・アリの息子にあたるホセインを指す。2番目のフレーズのホセインは、もちろん現体制反対派の指導者ミア・ホセイン・ムサビのファーストネームである。
12:00 PM |More from the AFP さらにAFPのニュースから
28日日曜、EUはテヘラン駐在の英国大使館員8名が逮捕された事実で、イラン政府を非難し、次のような声明を発表。
「イラン政府外交官のいかなる "いやがらせの発言" に対しても "断固とした意思統一" で対応する……(後略)」
12:08 PM |イラン政府官憲が英国大使館員8名を逮捕
当以下国営メディアの報告内容:
イラン警察は、テヘラン駐在英国大使館のイラン人職員8名を「イラン国内での選挙後の煽動行為」疑惑で逮捕。このニュースは、28日日曜イラン国営のファルシ語のニュースメディアで報道された。……(中略)……
一方、この報を受けた英国側では現地時間で日曜、デヴィッド・ミリバンド外相がイラン政府に対する非難声明を発表。「わが国のテヘラン駐在大使館に勤務する8名の勤勉な職員を逮捕したイラン政府の行為は、"いやがらせ/harassment" であり "恫喝/intimidation" である。」ミリバンド外相はまた、土曜起きたこの大使館員逮捕事件に関しては、英国政府からイラン政府に対して公式の抗議声明を渡したと公表。
外相は日曜ギリシャのコルフ島で開かれているOSCE/欧州共同防衛機構の会議で、外交面のオブザーバーとして基調講演を行なったが、その中でイランで現在展開している争乱の実態(弾圧虐殺)は「きわめて承認しかねる」と意思表明し、次のように発言した。「現在わが国の最優先事項は、テヘラン駐在英国大使館に勤務する地元イラン人職員の身の安全にあり、一刻も早く彼らが無事解放され勤務に戻れることを望むものであります。」
12:14 PM |ラフサンジャニ、長い沈黙をやぶって声明……AP通信記事から
イラン政界に多大な影響力をもつ元大統領、アクバル・ハシェミ・ラフサンジャニ氏は、不正選挙問題で激化するアフマディネジャド現大統領の体制派とムサビ元首相の反体制派の分裂を、両派の間に立って和解させることのできる唯一の人物と、イラン分析の専門家からは評価されてきた。
国営メディアISNAが報道する内容によると、ムサビ氏が申し立てている不正開票の疑惑をクリアするために、最高指導者ハメネイ師が護憲評議会に対して一部の票の読み直しを指示したことを、ラフサンジャニ氏は高く買っていると伝えている。(国営メディアの報道は、すべてアフマディ=ハメネイ体制側に都合の良い提灯記事が大勢を占める)
「私は今回の合法的異議申し立てに対して、公明正大な調査が完結し、正しい結論が下されることを望んでいる。」ラフサンジャニ氏はこう所存表明した。今回の公式発言は、投票日以降初めて沈黙を破って表明された氏の意見である。氏は投票日以降の一連の騒擾は、国民とイスラム体制を分断するべく仕掛けられた疑惑の要素に満ちた陰謀であると捉えており、その目的は政府に対する国民の信頼をくつがえすことにあったのでは、と答えている。
ラフサンジャニ氏は、79年イスラム革命後のイスラム共和国の建国以来、護憲評議会の中心的人物として常に重要な地位を占めてきた人物である。今回の大統領選では、娘のファエゼ・ハシェミとともにムサビ候補のキャンペーンを支援したため、全国放送のテレビ討論会でアフマディネジャドが猛烈な批判を下し、現行大統領の再選をいぶかる要素をつくるのにひと役買った経緯がある。
12:43 PM |イラン官憲、テヘランデモの弾圧開始……AP通信の速報ニュース
テヘランで展開中のデモの目撃者情報によると、テヘラン市内北部にあるゴーバモスク周辺に集まった3千名近いデモの群衆に、機動隊が襲いかかったと伝えている。警察は群衆を追い散らす目的で催涙ガス弾を発射したが、デモ隊の一部は「Where is my vote? 票を返せ」とシュプレヒコールを上げて反撃に出た。
目撃者がAP通信に(携帯で)伝えた内容では、デモ隊のうち数人が日曜のゴーダモスクのデモ弾圧による機動隊との衝突で、腕や脚を骨折した者が出た模様。また、機動隊が(警棒で)老女を殴打したのを目撃したデモ隊の若者が叫び声を上げて機動隊にとびかかっていった、とも伝えている。イラン国内での厳しい報道管制のためジャーナリストの現場取材は禁じられており、この報道は未確認情報である。
6/28 「バイバイ、独裁者!」とシュプレヒコールを上げてゴーバ通りを行進するデモ隊
2:14 PM |More video reportedly from today 今日のデモのビデオ、続々アップ
読者のアリ経由で、メヘディ・カルービ候補が群衆に囲まれてデモに参加している信じられないビデオが浮上。カルービは、今回の大統領選に立候補した改革派候補のひとりだが、投票日の不正が明らかになって以降は自らムサビ氏を支援する立場を表明した存在。このサイトの情報によると、カルービ氏とファエゼ・ハシェミ女史の今日のデモ参加に加えて「アヤトヤ・ガファリ氏とムスタファ・マリクヤン氏も式に参加。運動の指導者ムサビ氏は(自宅拘禁の身柄なので)電話を通じて集まった群衆に呼びかけた」とある。
6/28 デモ参加のカルービ師を「カルービ、カルービ!」と歓呼で迎える群衆
2:20 PM |現地イラン人のトゥイッターのひとりは次のように投稿:
「機動隊のバンがシャリアティ通りに向かった モーセニ広場でデモ隊と衝突」
別の読者からの情報では、Facebook のムサビのページに、ファエゼ・ハシェミ女史のメッセージが投稿され、今日のデモに参加中と載っている。ファエゼは、ムサビ候補の支援者で(イランの護憲評議会の主要メンバーでハメネイ師に対しても発言力をもつイラン政界の重要人物)ラフサンジャリ元大統領の娘である。(下の写真は投票日前のテレビ映像からファエゼのムサビ支援演説)
【 米国時間 2009年6月28日 『米流時評』ysbee訳 】
◀ 次号「イラン・革命のレミニッセンス 序章・前編」
1. 革命のレミニッセンス
2. イスラム旧体制への致命傷となるか
3. 中東石油産出国30年の繁栄
4. 近代国家社会変革の三大要因
5. ソビエト連邦の壮大なる崩壊
6. カラー革命よりも複雑な社会背景
7. 隠れたもうひとつの意外なシナリオ
8. 現体制崩壊の鍵を握る重要人物
◀ 予定 6/29「すべてはCIAの陰謀?イラン政府の真っ赤な大嘘」
▶ 前号 6/26「BEAT IT ! 打倒イスラム狂信派 /ニコブログ・イラン蜂起」
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7/02 テヘラン・自由への行進 革命のレミニッセンス第1章
7/01 イラン 革命のレミニッセンス 序章・前編
6/29 すべてはCIAの陰謀?イラン政府の真っ赤な大嘘『蜂起』6.29(未掲載)
6/28 潮目となるか?テヘラン決死の5千人デモ『イラン蜂起』6.28
6/26 BEAT IT ! 打倒イスラム狂信派 ニコのブログ『イラン蜂起』6.26
6/25 マイケル・ジャクソン急逝!享年50才 R.I.P.
6/24 イランの民衆弾圧と虐殺の実態 バシジ白昼の凶行(未掲載)
6/23 革命の殉教者ネダ バシジに射殺されたイラン女性の身元解明(未)
6/22 テヘラン大学の虐殺 イランの殺戮親衛隊バシジ
6/20 6.20 テヘラン血の土曜日 イランの命運を決した日
6/19 6.19 ハメネイの宣告 抗議運動には死を覚悟せよ(未)
6/18 6.18 テヘラン大行進 君は再び革命の川をわたる(未)
6/17 革命と弾圧の最後通牒 イラン・アルティメイタム(未)
6/16 ついに犠牲者7名!テヘランの市民蜂起と血の弾圧(未)
6/15 「グリーン革命の怒れる若者たち」タイム記者現地レポート-2
6/14 「略奪されたイランの大統領選」タイム記者現地レポート-1
6/13 米国ブロガーが見たイランの天安門事件・続編 (未)
6/13 6.13 テヘランの天安門事件 イランの流した血と汗と涙
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6/11 テヘランの民主化革命なるか?イラン大統領選の行方(未)
6/10 中東に民主化革命の波 レバノンとイランの民主化選挙
6/01 北の引き裂かれたカーテン・一触即発にF15待機
5/31 ゲイツは本気だ。アジア防衛サミット声明
5/30 半島危機・北、核ミサイルまでの時間は?
5/29 警告!北、長距離ミサイル発射の照準は?
5/27 北の宣戦布告「軍事行動もあり」
by ysbee-2
| 2009-06-28 14:35
| イランのグリーン革命