中国の新彊ジェノサイドに アルカイダが復讐宣言
||| 少数民族、復讐するは我にあり |||
トルコ「ジェノサイド」、中国製品ボイコット、アルカイダ「在外中国人に復讐」
チベット、ウイグルと、中国政府の目に余る辺境自治区弾圧政策。
その軋轢に対する憤懣が、ついに暴発した、新彊ウルムチの動乱。
それに続く、漢族中国人の自警団による、ウイグル人の拉致虐殺。
辺境の少数民族に対する、あまりにも明白な弾圧と民族殲滅政策。
チベット人は敬虔な仏教徒として、ダライラマ法王の提唱する
「独立ではなく理想的自治」への平和的進展を、辛抱強く待っているが、
ウイグル人はそうはいかない。彼らはイスラム教徒である。
彼らの宗教と文化を奪う者は、神を恐れぬ聖戦の敵となる。
オスマントルコ帝国の支配者、テュルク系民族の発祥の地でもある。
民族闘争の戦士としての血は、中央アジアの高原で覇権を競ってきた
騎馬民族の彼らの悠久の歴史とともに、いまだ熱く脈打っている。
現代の中国政府をとりしきる 漢族中国人が、
民族の歴史と誇りだけが残された 辺境の少数民族を圧迫すれば
(単に経済的・社会的軋轢ばかりでなく、物理的な弾圧・迫害)
窮した鼠は、当然 猫を噛む。
しかも彼らの後方には、イスラム教の同胞である
中東アラブ諸国や、アフリカの新興諸国が控えている。
ただし、今回の中国のウイグル弾圧に関しては、
イスラム国家の反応はまちまちだ。
どの国も、経済大国中国との借款の絆は断ちがたいと見える。
民族的に血のつながるアナトリアの要衝国家、トルコである。
この国の英邁なるエルドガン首相は、今回の弾圧を、
いみじくも「新彊ジェノサイド」と言い切った。
彼は、今春のイスラエルのガザ侵攻の際も、
国際会議の公式の場で、軍事大国イスラエルを
唯一正面切って「虐殺者」と非難した、
いまどき希少な 覇気あるサムライである。
トルコは、数千年の遥かな時の砂漠を越えて
アナトリア=小アジア半島という
西洋と東洋の 文明の交差点に位置しながらも
覇者に統合されずに独立を保ってきた、数少ない独立国家である。
国民の信望厚いエルドガン首相としては、
大国が軍事力をかさに着て 少数民族を弾圧する暴虐に対して
どうしても本能的に見過ごしには出来ない……
そういう政治的感性が、ストレートに共鳴したのだろう。
しかし昨日はついに、アルカイダのアフリカ戦線が、
「中国に対する聖戦」を宣言した。
これはもはや、中共政府が望んでいるような「内政不干渉」
などという、幼稚な論理の盾では 納まらない展開だ。
国内政策だけでは攻防しきれない局面まで、世界の論調を逆撫でしてしまった
中国自身の暴虐の態勢が掘り返した墓穴に、
自らの足下をすくわれた状況に他ならない。
今となっては いかなる方策も遅きに失した感はあるが、
できれば一刻も早く、より解放され独立した本格的自治体制を認め、
自由と民主主義を求める少数民族との、和解と理解に徹することだ。
中華思想の蒙昧なる民は、いったい何度自滅の道をたどれば目が覚めるのか。
4千年の王朝の興亡の歴史から、少しは学んできたはずなのに。
【米国時間 2009年7月13日『米流時評』ysbee 】
日本語でのウイグル情報は日本ウイグル協会のホームページで >>>
http://uyghur-j.org/main.html
Muslim Nations Mostly Silent on China Unrest
Ethnic clashes, crackdown on Uighur minority draws muted reaction
JULY 13, 2009 | MSNBC.com— BREAKING | Translation by ysbee
「復讐するは我にあり」 方針転換するイスラム国家の対中国政策
米国時間 2009年7月13日午後3時13分 | AP通信・ニュース速報 | 訳『米流時評』ysbee
1. Muted responses from Muslim nations
CAIRO, Egypt — The riots in China's Xinjiang region and subsequent crackdown on the Muslim Uighur minority have drawn a muted response from many Muslim countries — they may be warying of damaging lucrative trade ties with Beijing or attracting attention to their own attitudes toward political dissent.
イスラム圏国家の多くが沈黙
エジプト・カイロ発 |中国西域の辺境、新彊自治区で起きた、イスラム教の少数民族ウイグル人住民の "暴動"とそれに続く中国政府の弾圧。(イスラム同胞の危機であるにもかかわらず)世界の大半のムスリム国家は、この事変に対しては沈黙を守っているように見える。
各国とも北京の中国政府との有益な交易の絆にダメージを受けるのを恐れての、沈黙なのかも知れない。さもなければ、この機に乗じてあえて政治的に保留の態度を取ることで、中国政府の気を惹く意図なのかも知れない。
2. Turkey has special ties with Uighur
字数制限のため英文省略
トルコ人とウイグル人の民族的絆
しかし、イスラム圏ではあるがアラブ圏ではないイランとトルコは、中国に対して非難の声を挙げた数少ない国家である。とりわけイランは、大統領選の開票をめぐる紛争でテヘラン政府自体が弾圧体制を糾弾されている最中にもかかわらず、他国の弾圧は指摘できるとみえる。
一方トルコは、中国国内では辺境自治区少数民族のウイグル族であるが、歴史的にみてテュルク系の同民族という絆を尊重している。しかしながら両国はごく稀な例にすぎず、中近東アラブ諸国の大多数の国家が、中国西域での虐殺弾圧に関してはほとんど反応を示していない。
3. Arab regimes in the same boat with China
"Arab regimes couldn't criticize the attacks on Chinese Muslims because they themselves have no democracy," said Labib Kamhawi, a Jordanian political analyst. "They're in the same boat as the Chinese government."
アラブ世界も中国と呉越同舟
こうしたアラブ世界の冷めた反応を、ヨルダンの政治アナリスト、ラビブ・カムハウィ氏はこう分析する。「アラブ諸国の旧体制政権は、中国政府が彼らのイスラム同胞に対して弾圧を加えても傍観するしかない。なぜなら彼ら (アラブ諸国) の自国内ではいまだ民主主義が存在しないからだ。彼らもまた、中国政府と同じ穴のムジナに過ぎない。」
不満の声が高まり、抗議の反乱を恐れた中国政府は直前に厳重警戒下にゲートを開いて信者の礼拝を許可した。
4. China's severe ethnic violence in decades
字数制限のため英文省略
中国建国以来最大の少数民族弾圧抗争
中国政府は、西域の辺境自治区新彊の治安出動で、ここ数日間の間に数万人(メディア発表では3万人)の軍隊を出兵した。特に先週日曜以来180名以上の死者と1,680名の負傷者を出し、いまだに不穏な空気が残る、自治区首府のウルムチ市とその周辺地区に対しては(戒厳令に近い)極端に厳しい統制下におく体制をとっている。
一方先祖代々ウルムチの地元民であるウイグル人は、ここ数年でウルムチ市の人口の過半数を占めるまで急増した中国本土から移住してきた漢民族が、ウイグル人に対して人種差別をし、共産党政府は彼ら独自の言語であるトルコ語と、独自のウイグル文化を抹殺しようとしていると、衝突以前から危機を訴えていた。
5. Major trading partner for many Arab nations
China is a major trading partner for many Arab countries including Sudan, Saudi Arabia and other oil-rich Gulf nations. It is Jordan's third-largest largest trading partner, following Saudi Arabia and the United States. Jordan also is seeking to attract Chinese investment in projects such as renewable energy, railroads and water desalination.
中国資本投下を期待するアラブ諸国
中国は、アラブ諸国の多くにとっては最大手の交易相手であるが、その中にはスーダンやサウジアラビアほか、湾岸地域の石油産出国が含まれている。
一例をとれば、ヨルダンにとって中国はサウジアラビア、米国に次ぐ第三の交易国であり、ヨルダン自体は、次世代エネルギー産業や鉄道事業、海水の無塩化灌漑事業などの国家的プロジェクトに対して、中国資本を導入しようと躍起になっていた最中でもあった。
6. Iran, Turkey speak out of crackdown
字数制限のため英文省略
イスラム圏ではイランとトルコが弾圧批判
イランは、イスラム圏の中では数少ない、中国の弾圧に批判の声を上げた国のひとつである。虐殺事件から1週間経った12日日曜、イラン国営放送のIRNAは、マヌシェール・モタキ外相が「民族抗争についてイスラム諸国間が共有する遺憾の意」について、中国側の外交担当官と電話で討論したと報道している。
7. Opposition Grand Ayatollah denounce
字数制限のため英文省略
改革派の高僧「許しがたい弾圧」
イスラム教シーア派の高僧、グランド・アヤトラ・サアネイ師は、イランの政局を決定する護憲評議会のメンバーとして、アフマディネジャド政権に対して中国へ非難声明を出すように要求したひとりである。「民衆に対して振るわれたあのような暴虐な弾圧に対して、沈黙を守って旧態以前に固執する態度は、決して許されるべき道ではない。」
8. Strong concern with human rights issue
字数制限のため英文省略
人権問題に真っ向から抵触
周知の通りイランでは、6月12日の大統領選投票にまつわる不正をめぐってイスラム革命以降最大規模の抗議運動が起こり、これに対してイラン政府側は暴力的弾圧を下した。サアネイ師はまた、自国の民主化運動を圧殺しようとするアフマディネジャド政権の弾圧に対しても、厳しい批判の声を上げている改革派運動推進者のひとりである。
イランの首都テヘランをはじめ、イスファハンや主要都市で展開された民主化を求める抗議運動に対して、現行のアフマディネジャドディ政権が強行した暴力的な弾圧もまた多数の犠牲者をもたらし、西側諸国や人権問題の国際的組織の厳しい糾弾の的となった、近々の状況がある。
9. Turks condemns 'ethnic cleansing'
字数制限のため英文省略
トルコ人「民族殲滅」と抗議デモ
しかしながら、イスラム世界におけるもっともパワフルな反論は、トルコから上がってきた。トルコでは中国政府のウイグル人虐殺以来、連日抗議デモが展開しているが、特に10日日曜にイスタンブールで行なわれた抗議デモには、5千名以上の市民が参加した。(注*アネモネ氏の『東アジア黙示録』によると、朝日新聞はトルコのデモ参加者を300人と過小報道)
北京政府の辺境自治区異民族弾圧虐殺に抗議して、首都アンカラの中国大使館や交易都市イスタンブールの中国領事館へ押し掛けたデモ隊は、トルコの自国政府に対しても、中国国内の悲惨な状況を阻止するために、民族問題として介入するよう要請した。トルコの抗議運動では、中国の弾圧政策を、はっきりと「ethnic cleansing=民族殲滅政策」と呼んでいる。
10. Call for boycott of Made-in-China
字数制限のため英文省略
メイド・イン・チャイナをボイコット
トルコ人は、テュルク語系民族であるウイグル人とは共通の民族の絆で歴史的につながっている。したがって、中国のウイグル人虐殺が報じられて以来、トルコ国内ではほとんど毎日のように抗議デモが展開されてきた。しかしながら、日曜のデモはこれまでの最大規模となった。
デモ隊はおもに中国政府外交部の施設である、アンカラ駐在の中国大使館とイスタンブール駐在の中国領事館を取り囲んでシュプレヒコールを繰り返したが、その中の数人は、中国の五星紅旗をやメイドインチャナ製品を燃やしたりして、過激な示威行動に出る者も出現した。
11. Erdogan: 'Xinjang genocide'
Turkey's prime minister, Recep Tayyip Erdogan, has compared the situation in Xinjiang to genocide. The foreign minister has conveyed Turkey's concerns to China, and Turkey's industry minister has urged Turks to stop buying Chinese goods. The government, however, has no plans for an official boycott.
エルドガン首相の直言「新彊ジェノサイド」
トルコのエルドガン首相は、今回の新彊自治区の惨状を、いみじくも「genocide=ジェノサイド/大量虐殺」と直言した。また工業相も、中国政府の弾圧に対するトルコの懸念を表明し、彼個人の見解としてトルコ人に中国製品不買運動を呼びかけた。しかしながら、トルコ政府としては「中国製品ボイコット」を、国家として公式宣言する予定はない。
12. Relations with Muslim world
In the Arab world, two extremist Islamic Web sites affiliated with al-Qaida called for killing Han Chinese in the Middle East, noting large communities of ethnic Chinese laborers work in Algeria and Saudi Arabia. "Chop off their heads at their workplaces or in their homes to tell them that the time of enslaving Muslims has gone," read one posting.
アルカイダ系過激派「中国人に復讐」
アラブ世界では、アルカイダ系列の2つのイスラム過激派グループが、そのサイトを介して「中東地域にいる漢族中国人を殺害する」という警告を発した。その声明文の中では、特に具体的にアルジェリアとサウジアラビアの現場に従事している中国人労働者を対象にすると書かれ、次のように威嚇していた。
「ムスリム(イスラム教徒)を奴隷化する時代は終わったということを思い知らせるために、職場であれ家庭であれ、奴ら(中国人)の首を斬り落としてみせるから覚悟せよ。」
13. Hamas, 'Not harm relations by harming Uighurs'
字数制限のため英文省略
ハマス「ウイグル人はイスラムの同胞」
一方中東では、イスラム強硬派の武装集団で政党のハマスが支配するガザ地区で、アハメド・ユセフ外相が、中国のウイグル弾圧に対するハマス政権の見解を表明し、ウイグル自治区の騒擾は中国とイスラム世界との関係を著しく損なうだろうと、次のように警告を発した。
「われわれは(基本的には)中国政府が新彊地区のイスラム教徒との関係を改善するよう望む。間違っても、ウイグル人に危害を及ぼすことで双方の関係を損なうことのないよう希望する。」
>次号につづく
【 米国時間 2009年7月13日 『米流時評』ysbee訳 】
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by ysbee-2
| 2009-07-13 19:10
| フリーウイグル