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米流時評

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2007年 09月 03日 ( 1 )

地の果てへの旅・序章「戦場のジャーナリスト」

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 ||| 戦場のジャーナリスト ロッド・ノードランド |||
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  米国きっての行動派、戦場のジャーナリストが書き下ろす、
  アフガン戦争の大地トラボラ再訪の手記『地の果てへの旅』


d0123476_18552829.gifロッド・ノードランド。この名が『米流時評』に上るのはこれが初めてではない。昨年の『楽園通信』5月26日号が最初だった。彼は、米国を代表する時事週刊誌『ニューズウィーク』の、当時は中東支局長だった。紹介の記事は「アルマリキ政権初のイラク再建案スクープ」という内容で、国家再建への約束を国民と世界に向けて発表した、イラク民主化の一里塚を刻む画期的なニュースであるはずだった。

はずだったというのは、その後シーア派のマフディ軍団とイラクアルカイダと組むスンニ派の攻防が激化して、季節をひとつ越した頃にはすでにご存知の通り、血みどろの市民戦争と化してしまったからだった。03年のバグダッド陥落からマリキ政権成立までの動乱の時期を、バグダッド支局で日夜見届けてきたノードランドは、その後ローマへ赴任し、現在はヨーロッパから中東までを管轄する国際支局のデスクを務めている。

彼の原文を読めば英文学好きの方には一目瞭然なのだが、米国ジャーナリズム特有のハードボイルドで潔ぎよい文体が、ヘミングウェイの随筆を彷彿とさせると感じるのは、文学が専門畑ではない私の思い過ごしだろうか。しかし、簡潔で歯切れのよい文章でありながら、繊細な言の葉の感性がしっかりと脈打っているので、頭の中で朗読してみると流麗な音楽のように心地よく、筆者が幾万と言う書物をかいくぐって、こうした詩情を自然に織り込める文才を磨いてきた事が伺える。
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アメリカは、9/11で深く傷ついたその年の11月には、すでにアフガンへ侵攻し長いテロ戦争の火ぶたをきった。米軍が侵攻する先々の、大昔聞いた覚えがあるような異国情緒たっぷりの地名。パキスタンのイスラマバードから、アレキサンダー大王の遠征路でもあったカイバー峠を越えて、茫漠としたアフガンの平原へ。そしてカブール、マザリシャリーフ、カンダハールへ...... そうした往年のシルクロードの都の名前が、米国の一般家庭の食卓で戦死者の数字とともに日常の会話にはさまれてきた頃、随行の戦時記者ロッド・ノードランドの目をみはるように生き生きとした臨場感溢れる戦場レポートも、アフガンの土埃や硝煙とともに伝わって、愛読されてきた経緯がある。

爾来ノードランドは米国の向かう戦場へ数万の兵士とともに趣き、毎回秀逸な記事をものにしては本国へ送ってきた。今回はそうした21世紀の戦場ジャーナリストの代表とも言える彼が、最近復活してきたタリバンの、トラボラの古巣を再訪する手記である。原題は『Return to Bin Laden's Lair』。本来「Lion's Lair」というのは、険しい山地の「獅子の住処」を指すが、ノードランドは Lion を Laden に差し替えている。トラボラの高峻な絶壁に立つ隠れ家を住処としていた孤高のテロリスト、オサマ・ビンラディンの姿が彷彿とするタイトルである。
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今回もご多分に漏れず前書きが冗長で、ない方がましな駄文なのは百も承知ですが、この戦場のジャーナリストの真価を少しでも多くの方に読んで頂くため、拙訳で伝えきれないのは覚悟の上で、あえて紹介させていただきます。アメリカ人の中にも、現場に生きる知性と人生のロマンを綴れる感受性を、痛々しいほどの迫力で仕事に開花させている男がいる、という実証でもあります。また、淡々とした旅行記の体裁をとってはいるものの、戦争をある程度達観し、悲痛な告発を込めた目で見ている点も見逃せません。かなり長い手記なので、今日から4〜5回に分けてお届けします。よろしく!
【米国時間 2007年9月2日 『米流時評』ysbee】


d0123476_539242.gif記事リンク http://beiryu2.exblog.jp/6081609
TBリンク http://beiryu2.exblog.jp/tb/6081609

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米流時評 特集 【 次世代アルカイダのグローバルウォー 】

7/22 アルカイダ2.0 前編 タリバンの逆襲
赤のモスク反乱制圧への復讐テロ、パキスタン各地で勃発、死者150名
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7/23 アルカイダ2.0 後編 核目的のパキスタン戦略
ザワヒリを巡るアルカイダの内部抗争とア・パ国境地帯のタリバン復活

8/28 時評:韓国人人質解放とタリバンの復権
韓国軍撤退が及ぼす日本のテロ戦争協力体制・特措法延長への影響は?

8/30 最後の人質解放で終結 韓国のテロ対応に非難の声
韓国政府のテロ対応に非難の声:タリバン側増長・誘拐拉致増加か

8/31 時評:人質成功で図に乗るタリバン勢力
人質解放と同日にパキスタン軍の輸送トラック部隊を襲撃拉致

8/31 タリバン、パキスタン兵300名を誘拐拉致
パキスタン陸軍のトラック部隊をタリバンが襲撃、300人を誘拐拉致

9/01 連合軍、誘拐犯のタリバン70人を殲滅
米軍主導の NATO-アフガン連合軍による合同掃討作戦が奏功

9/02〜 米流時評特集「地の果てへの旅・トラボラ再訪」
序章「戦場のジャーナリスト ロッド・ノードランド」

9/03〜第1章「ジハディスタン」(予告)
アフガンニスタンとパキスタンの国境地帯に復活したタリバン勢力
なぜビンラディンは捕まらないのか/NATOのタリバン掃討作戦/アフガン政府内部レポート/元CIA諜報部員の激白


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▶ポルトガルのコースタルリゾート、ポンタ・ド・ソルの初秋



f0127501_12134737.gifブログ村では国際時事部門でただいま2位です。感謝!
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by ysbee-2 | 2007-09-03 09:25 | タリバニスタン最前線
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世界の動きがよくわかる!激動する国際情勢を、欧米メディアでディープに読む…世界の「今」と真実探求に関心ある知的冒険者へ送るグローバル情報満載ブログ


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