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タグ:テロ戦争 ( 15 ) タグの人気記事

第2章 テロ戦争「核の闇取引」の恐怖

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   ||| テロ戦争「核の闇取引」の恐怖 |||
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実在するブラックマーケット テロ戦争での「核の闇取引」の恐怖
核の盗難紛失を防止する国際協力体制の実態と今後に残された課題


マイケル・ハーシュ時事評論 | ニューズウィークサイト独占掲載 | 『米流時評』ysbee 訳
前号「テロ戦争黙示録 第1章 スロバキア濃縮ウラン密輸事件」からの続き
しかし現在でもなお、テロリストが原爆を造るのに必要な総量になるように、あるいはもしかしたら小型の「Dirty Bomb=核汚染爆弾」を製造する意図で、微量の濃縮ウランを徐々にだが集めている可能性はある。今回の事件で表面化した大きな懸念のひとつは、今までに摘発された密輸犯人たちの多くが、ただ単に小金目当てに「核の密売人」になっている事実である。
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The Reality Check on the Threat of Loose Nukes
The fact: Nuclear terrorism remains the No. 1 threat to U.S. national security
By Michael Hirch | NEWSWEEK — Web Exclusive | Translation by ysbee
Continued from the previous issue — Still, it is possible that terrorists are slowly trying to accumulate the necessary amount, or intend to use it to create a small "dirty bomb." One big remaining worry is that many of the culprits who are caught are would-be sellers just out to make a buck.


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DECEMBER 16, 2007 | 米 流 時 評 | ブログ雑誌『 楽園通信』デイリー版f0127501_6213945.jpg
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N E W S W E E K | W E B E X C L U S I V E

テロ戦争黙示録 第2章 テロ戦争での「核の闇取引」の恐怖
マイケル・ハーシュ国際時評 | ニューズウィーク・サイト独占掲載 | 『米流時評』ysbee 訳


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8. More ordinary criminals than terrorists
One big remaining worry is that many of the culprits who are caught are would-be sellers just out to make a buck. "What worries us is we see very little of the buyer end of the market," says Hoskins. Even so, investigators believe that those who do get involved in this illicit business tend to be more ordinary criminals than terrorists. "There are very few incidents that involve terrorists," Hoskins says.
テロリスト以前に存在した密輸犯罪
「何が一番恐ろしいかと言って、我々の目にとまった核の闇取引きにおける購入者は、氷山のほんの一角にすぎないという事実です」ホスキンス氏はこう言って、潜在する真の恐怖を語る。
たしかに実際そうだろう。捜査官たちは、今回の禁じられた取引にかかわった関係者は、テロリストよりもむしろ通常の犯罪者である傾向が強いと見ている。「テロリストが介在している取引は、現在のところ非常に稀です。」
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黄昏のブラチスラバ旧市街 東欧は現在どの国もユーロ経済の恩恵に与って西側からのツーリストブームである

9. Hidden hints of how to deal with terrorism
Part of the good news here is that beneath the ongoing ideological disputes that dominate the headlines—about how to deal with terrorism—there is an extraordinary degree of international cooperation over stopping loose nukes. The Bush administration, after a slow start and an excessive focus on missile defense, is catching up with this wave as well, according to proliferation experts such as Harvard's Bunn.

テロ戦争の実践的方法論への鍵d0123476_10191483.jpg
今回の事件発覚で唯一の朗報と言えば、連日ニュースの見出しを独占している観のある、現在進行中の思想論争の陰に隠れた事実である。つまり「いかにしてテロリズムと闘うか」という方法論である。
「現実世界では、核の流出を防止するために国際間での著しく高度な協力がなされている」という現状認識は、注目に値する。
ブッシュ政権は、東欧のミサイル防衛に余りにも焦点を合わせすぎていたきらいはあるが、遅ればせながらこうした時流の波をつかまえつつあるようだ。これは先述のハーヴァード大のバン博士のような、核拡散防止問題の専門家たちの意見である。
ブラチスラバ名物 古くから愛される市庁舎の時計台

10. Tracking and detectors at the borders
"There's a lot more tracking going on," he says. "A lot more detectors are being put in place—there are now over 100 national border crossings" with radiation detectors. And all of the crossings in Russia—where the largest amount of unsecured nuclear material still lies—are supposed to be monitored by 2011. "The Russians are going to pay for half of them, which is a new thing as well," says Bunn.
追跡調査と国境での検問体制
バン氏は最近の核拡散防止に関する現状に対して、次のように解釈している。「以前に比べて随分沢山の放射能検知器が、要所要所に設置されるようになりました。現在では世界で100カ所以上の国境の検問所に、放射能探知機が装備されています。」
とりわけ、ロシアから他国へ抜ける国境の全ての検問所に設置されているそうである。なぜならロシアこそ、冷戦時代のソ連の核兵器の膨大な素材がそのまま残存しており、ソ連崩壊後のずさんな管理体制がもっとも心配される国だからである。これらの核の材料は、2011年までにIAEAの管理下におかれる予定である。「ロシア政府は、その計画にかかる経費の半分を負担する予定です。それもまた以前にはありえなかった新しい動きですよ」とバン氏は報告する。
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首都ブラスチラバの旧市街区にある聖エリザベート大寺院 壮麗なゴシック様式の教会建築はスロバキア人の誇り

11. U.S.-Russia cooperation on interdiction
Alexander Pikayev, an expert with the Carnegie Endowment's Moscow Center, says that despite the tension between Washington and Moscow over issues like Iran's nuclear program, the two countries are cooperating nicely on interdiction. Still, it's a little disturbing that there's so little discussion about continuing these interdiction efforts—especially by candidates for the 2008 presidential nomination.
核禁止をめぐる米露間の協調
米国カーネギー財団モスクワセンターのロシア・東欧研究のエキスパートであるアレクサンドル・ピカイェフ氏は、イランの核開発問題をめぐって米国とロシア両政府の間で交わされている緊張した論争にもかかわらず、禁じられた核の密輸防止に関しては両国ともきわめて協力的である、と述べている。しかしそれでもなお、こういった核の禁止事項を継続するについての論議はほとんどなされておらず、特に両国の2008年の大統領選候補者たちが、誰ひとりとしてこの問題について触れないのは、誠にお寒い限りである。
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郊外に残る13世紀の城塞遺蹟 東欧は先住ヨーロッパ民族と東から侵攻する蛮族が絶え間なく交錯する戦場だった

12. Presidential campaign on nuclear database
In the 2004 campaign Bush and his Democratic opponent, John Kerry, could seem to agree on only one thing: that nuclear terrorism was the No. 1 threat to U.S. national security. Yet nearly four years later, Hoskins notes, there still is no comprehensive database keeping track of the origin of weapons-grade nuclear material so that, in the event of a theft, it can be traced back.
大統領選と核のデータベース
先回の2004年の大統領選では、共和党候補のブッシュと民主党候補のジョン・ケリーは全てにおいて対立していたが、たった一点だけ同意できる論点があった。
それは「核のテロリズムこそが米国の安全保障を脅かす最大の脅威である」という事実である。しかし、ホスキンス氏は次の点を事実認識すべきだと強調する。
「それから4年経った現在でもなお、核兵器に使用できる純度の素材や関連資材の出自に関して、万一盗難事件が起きても、核物質の生産された場所やその後の経路をチェックできるような、総合的データベースがいまだに作成されていないのは重大な問題です。」
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スロバキアは四方を山に囲まれた高地の農業国 ソ連崩壊後は徐々にEU寄りに変化しつつある政治的過渡期の国家

13. Nightmare scenario of 'Nuclear Apocalypse'
"There's a lot more to be done," Bunn agrees. "We're still treating this as an important but not urgent activity. It remains true that there is no one in the U.S. government who has overall charge of all the pieces of trying to keep nuclear bombs out of terrorist hands."
Nuclear apocalypse could still become a reality some day if we're not vigilant. But, thankfully, it's not nearly as imminent as some alarmists would have us think.

悪夢の筋書き「核のアポカリプス」
先述のバン氏も、この件に関しては同意見である。「核の総合的データベースに関しては、より多くのことがすでになされているべきだった。われわれはいまだにこの件について、事の重要性は判るけれども緊急の措置が必要な案件ではないかのように処理している。ひとつだけ確実に言えるのは、米国政府内の誰ひとりとして、テロリストが核爆弾を手中に収めないように努力するための、核関連のすべての部署を統合的に総括管理する人物がいない、という事実である。」
こうした実態を背景にして、万一我々が警戒深くなかったら「核のアポカリプス/黙示録」はいまだに、ある日現実となってこの世界に出現しかねない。幸いそれは陰謀小説家が発する警告ほどは今日明日のことではないが、それでもいつか近い将来には起こりうるシナリオである。[了]

【米国時間 2007年12月16日 『米流時評』ysbee 訳】
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»» 次号 テロ戦争黙示録 第3章「核のセールスマン・サルコジ」へ続く

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»» 米流時評 特集「ポスト・プーチンのロシア」
d0123476_1746245.jpg序 章 「プーチンの過ぎゆくままに」米国とロシアの『戦争と平和』
第1章 「メドベージェフ登場」プーチン次期後継者を指名
第2章 「明日のプーチン」メドべージェフ、プーチンを首相に逆指名
第3章 「ユーラシア連邦の野望」ポストプーチン時代の予測
第4章 「クレムリンの暗闘」プーチン王朝内部のパワー闘争
第5章 「プーチニズムの踏襲」次世代ロシア時代の到来


»» イラン問題緊急特集「NIE衝撃の諜報レポート」d0123476_1023580.jpg
時 評  「NIEレポートで暴かれたブッシュの大嘘」
Part-1 「嘘から出た真実 さらば、イラン戦争」
Part-2 「暴かれたブッシュ政権の戦争体質」
Part-3 「大統領選にまで波及するNIEシンドローム」
Part-4 「米外交のUターン・金宛ブッシュ親書の謎」
Part-5 「半島平和?ブッシュ最終章外交の突然変異」


||| 『米流時評』 特集シリーズ |||
次世代冷戦時代  | グローバルウォー | イラク戦争 | 中東のパワーラビリンス | テロとスパイ陰謀
ユーラシアの回廊 | プーチンのロシア | ブッシュと米国政治 | サルコジのフランス | EUとNATO
アルカイダ2.0 核のテロ | パキスタン戒厳令の季節 | アフガン・タリバンの復活 | ビルマの赤い川革命
ダイハード中国  | 欧米の見る日本  | トンデモ北朝鮮  | 世界不思議探検 | グローバルビジネス

by ysbee-2 | 2007-12-16 09:45 | テロとスパイ陰謀

英語を教えたアフガン少年をタリバンが虐殺

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 ||| タリバン・時代に逆行するアナクロ蛮族 |||
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南部国境地帯でタリバンが「英語を教えた」とアフガン中学生を射殺

アフガニスタン・コースト発 |15日木曜、アフガニスタン東南部で「英語を教えている」という理由で16才の少年がタリバンゲリラに射殺されたと現地警察から発表された。近年タリバンゲリラは、イスラム教の教えに反すると過激派が解釈する「男女共学」の公立の学校に通っているというだけの理由で、一般人の教師や生徒を殺害している。
Taliban Kill Afghan Boy for Teaching English
Teen dragged out of school in southeastern Afghanistan and shot dead
NOVEMBER 15, 2007 | REUTERS — AFGHANISTAN | Translation by ysbee
KHOST, Afghanistan — Taliban militants shot dead a teenage boy in southeastern Afghanistan for teaching English to his classmates, police said on Thursday. Taliban militants have killed a number of teachers and students in recent years for attending government-run schools, taking part in classes for girls or what the hardline Islamist militants consider un-Islamic subjects.


d0123476_18552829.gifトップの写真は爆撃を受けた廃墟のようですが、これでも現役の学校です。アフガニスタンは回教国であるため、元来イスラム教の僧院「マドラサ」が「学校」に該当する教育施設でした。しかし9.11以降のテロ戦争第一波のアフガン侵攻で、イスラム強硬派(Islam fundamentalists)のタリバン政権が駆逐され、2002年にカルザイの親米政権が誕生しました。以来教育システムにも民主化・中央集権化が導入され、タリバン体制下では禁じられていた婦女子の教育も復活し、男女共学が実現しました。

またアフガニスタンに対しては、米国だけでなく自由主義世界各国から戦後復興資金への助成金が送られてきました。しかし、米軍がその主力をイラク戦争に投入してからは、アフガンの防衛体制も手薄となり、歴史的に自治意識の強い辺境地区では昨年来タリバン勢力の復活が著しく、せっかく民主化が進み男女共学が実現したにもかかわらず、新設の公立小中学校がテロ攻撃の対象になってきています。アフガニスタンでは、テロ戦争はまだ終わっていません。むしろパキスタンとの国境地帯では、2001年開戦の年に次ぐ戦死者を数え、戦闘状態は日々激化しているのが現状です。
【米国時間 2007年11月15日 『米流時評』ysbee 記】


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NOVEMBER 15, 2007 | 米 流 時 評 | ブログ雑誌『 楽園通信』デイリー版f0127501_6213945.jpg
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 R E U T E R S | M S N B C . c o m

タリバン「英語を教えた」とアフガン少年を教室から連行し射殺
米国時間 2007年11月13日 | ロイター通信/アフガン特派員 | 『米流時評』ysbee 訳


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1. Killed just because teaching English
Armed men arrived at the school in the Sayed Karam district of Paktia province and grabbed a 16-year-old student and dragged him outside. "Taliban militants took the boy out and killed him outside the school just because he was teaching English to his classmates," said General Esmatullah Alizai, the police chief of Paktia province.
英語を教えたと言う理由で殺害
アフガニスタン東南部パキタ州サイード・カラム地区の学校に武装した数人の男が乱入し、16才の学生を捕まえて校舎の外へ引きずり出した。「クラスメートに英語を教えていたからという、たったそれだけの理由で、タリバンのゲリラが少年を表に連行して校舎の外で殺した。」パキタ州軍警察の署長エスマチュラ・アリザイ司令官は、こう発表した。
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文盲率の高い地域で文字を覚えるのは学習の第一歩 黒板だけが備品の教室で文字を書くアフガン少女

2. Gun battle killed 2 policemen, 2 militants
he said. Although a Taliban spokesman denied the group was involved in the killing, the militants often deny carrying out unpopular actions. The Taliban are divided into a number of factions with no unified command and individual units act with a high degree of autonomy.
銃撃戦で警官2名ゲリラ2名が死亡
記者発表で伝えるところでは、その後通報を受けた現地の警察が学校に駆けつけ銃撃戦となり、警官とゲリラ双方に2名の死者を出した。タリバンの広報官はこの少年殺害に関してかかわっていないと発表したが、タリバンはしばしば世間に嫌われるような行動を否定する前例がある。タリバンは、数多くの派閥に分かれ、命令形態が一本化しておらず、個々のグループは国境地帯の民族自治区の長老と連合している。(辺境各自治区の傭兵化)
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シートを寄せ集めて造った「教室」米国からアフガン政府への膨大な復興助成金は正しく使われているのだろうか

3. To overthrow pro-Western government
Afghanistan has suffered from two years of steadily rising violence as the Taliban have reignited their campaign to overthrow the pro-Western Afghan government and eject foreign troops. Taliban insurgents suffer heavy casualties whenever they engage with foreign troops, but there are few signs they are suffering from a shortage of recruits. Both the number of clashes and their geographical range has gone up this year.
親米カルザイ政権支持者を虐殺
アフガニスタンはこの2年間、急激に復活してきたタリバン勢力の襲撃事件が頻発している。彼らの戦略上の最終目的は、西欧寄りのカルザイ政権を放擲し、米軍主導NATO連合軍を国外に追い出すことである。外国軍部隊との戦闘のたびに、タリバン勢力は手ひどい戦死者を出してきたが、新兵を募集するにあたっては何の影響も及ぼしていない。むしろ、戦闘回数と彼らが制圧した地理的領域は、今年に入って逆に急増している。
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小さな「学校」の校庭で遊ぶアフガンの子供たち 手前の黒い物体はテロよけの雷管 やはりまだ戦時中

4. 7,000 Afghans killed in this period
On Wednesday, a British soldier was killed in an explosion in the Sangin district, further north in Helmand province, the British Defence Ministry said. More than 7,000 people have been killed in that period, the bloodiest since Afghan and U.S.-led forces toppled the Taliban for refusing to give up al-Qaida leaders in the wake of the September 11, 2001 attacks on the United States.
今年に入ってから死者7千名
同じく14日水曜、ヘルマンド州の西院北部サンギン地方で爆発があり、英国兵1名が死亡したと、英国防衛相から発表された。
アフガニスタンでは、今年に入ってからタリバン側に7千名の戦死者を出している。これは、2001年9月11日の米国同時多発テロ事件以降、アルカイダ幹部と断絶することを拒否したタリバン政権が、アフガン・米軍の共闘戦線の攻撃で陥落して以来最大の戦死者数である。
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パキスタンとの国境地帯ラシュカルガールで先月起きた自爆テロの現場 毎日どこかが襲撃されている

【米国時間 2007年11月15日 訳『米流時評』ysbee】

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by ysbee-2 | 2007-11-15 12:48 | タリバニスタン最前線

米流時評:パキスタン・戒厳令の季節

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   ||| 時評:パキスタン 戒厳令の季節 |||
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米流時評: 世界で最も危険な国パキスタンで展開する最悪の政情

d0123476_18552829.gif私のブログにはジンクスがあって、「何かやけにひっかかる題材を書いていると、数日後にその記事に関連した国で、本命のどでかい事件が起きる」という変な因縁である。ニュースウォッチャーとしてはありがたい嗅覚なのだが、大概がテロとか戦争に関連した事件や「事変」なので、戦争という大地震を本能的に感知する情報ナマズのひげのような塩梅で、予感が的中すると心臓にはあまりよろしくない。

ドバイ・コネクションd0123476_11534119.jpg
先週は文化の日をはさんだ連休なので、日本の方へいつものニュースとは趣向を変えて読み物風の記事をと思いドバイを中心に暗躍する核密輸ネットワークの暴露記事「ドクター・カーンの核コネクション」を連載でお届けした。予定では3部に分けて週末2日分の予定だったのが、訳しているうちにエントリーの字数制限を超えてしまい、結果的に4部に分割しないと納まらなくなった。
また例によって「良い写真はないかな」と探しているうちに、ドバイの強烈なツーリズムPRの網にひっかかってしまい大変な寄り道に嘆息しながらも、結果的には膨大な数のパブリシティ用の写真を手に入れる事ができた。

パキスタン2度目のクーデターd0123476_12444484.jpg
その中から掲載する写真を選択し1枚ずつフォトショップで編集調整して翻訳をしている間に、とんでもない「事変」が起きてしまった。その記事のテーマ「核のネットワーク」の発祥地パキスタンでの、ムシャラフ将軍自身のクーデターである。いや、彼はすでに7年前に無血クーデターで大統領の座に就いているので、この言葉は矛盾撞着している。だが戒厳令を発し軍隊と警察の軍事力を行使して、テレビ局・電話回線・インターネットサービスを遮断してしまったのだから「実質的な軍事クーデター」と言った方があてはまる状況だろう。

ムシャラフの軍事独裁体制d0123476_11525533.jpg
しかしながら、彼自身が大統領の座にすでに就いている現在、一体誰に対してのクーデターなのだろうか。
これは、パキスタンの政情をウォッチしてきた方ならうなづけると思うのだが、実は「パキスタン国民に対するクーデター」なのである。
ムシャラフ自身は今回の暴挙を「叛徒制圧のための非常手段」と称しているが、実状は来年1月実施の大統領選挙で選出される候補に、現行の大統領職を譲るのを拒否した行動である。要するに、自らが大統領でかつ将軍である現在の軍事独裁体制を継続したいがために、ただひたすらそのために、戒厳令発令の2日前にあったと伝えられる米国務省ライス長官からの警告も振り切って、国家スケールの我がままを通したに過ぎない。

ドクター・カーンふたたびd0123476_1611581.jpg
欧米自由主義各国は早速抗議声明を発したが、何しろパキスタンは先回のシリーズでも詳説した通り「核の父」ドクター・カーンの故国で、アジアでは近隣の中国・インドや北朝鮮と並んで、数少ない核兵器(原爆)保有国のひとつである。人口も1億6千万人を数え、国家スケールから見ても決して無視できない存在だ。こうした背景があるので、この国の主権がまかり間違ってタリバンと徒党を組むイスラム過激派の手中に落ちたなら、想像するに恐ろしいグローバルな領域での「核の脅威」が出現する。イラクやイランよりも米国にとってはパキスタンが「現在もっとも危険な国」と指摘されている理由もここにある。こうした危惧は米国では民主・共和の別なく、外交問題に腐心する議員の間でも語られてきた。

国境地帯タリバンの復権d0123476_15554571.jpg
アフガニスタンとパキスタンの国境地帯。昔から中央政権の手の届かない民族自治区的な色合いの濃いこの地域は、米国のメディアに聡い連中の間では、いわゆる「タリバニスタン」と俗称されるほど、昨今タリバン勢力の復活が著しい。その影響で「米軍はイラクよりもアフガンに兵力を集中すべき」という議論も大統領選の論点に上るほど米国の軍事外交面での焦点になってきていた。
ムシャラフのテロ対策の不徹底、パキスタンの治安劣化、タリバンの台頭、ワジリスタン自治区統治の軍閥への委譲、そして自爆テロの頻発・・・こうした一連の悪循環をめぐって交わされた、オバマ対ヒラリーの論戦も記憶に新しい。その矢先に起きたのが今回の突然の暴挙としか思えない、ムシャラフ・クーデター政権による、民主化を否定する「逆噴射クーデター」である。

軍政の亡霊・恐怖政治の悪夢d0123476_1156217.jpg
このところのミャンマーの弾圧といい、今回のパキスタンの戒厳令といい、軍人が全権を掌握すると恐怖政治が始まる。言論の自由も集会の自由も禁止。政府に反対する者は即逮捕投獄。裁判さえ国家の意のままだ。
アフリカは元より、アジアのあちこちで個人の自由が押しつぶされるとき、われわれが今テレビの画面で見ているのは、19世紀の圧政の亡霊なのだろうか。
それともグローバルな新しい権力闘争の開幕を象徴する「暴力的な時代」の悪夢のプロローグなのだろうか。

【米国時間2007年11月3日 『米流時評』ysbee 記】

»» このエントリーから特集「パキスタン・戒厳令の季節」を連載でお届けします。
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by ysbee-2 | 2007-11-03 12:48 | パキスタン戒厳令の季節

時評 第三次世界大戦はもう始まっている

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||| 時評:第三次世界大戦はすでに始まっている |||
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ブッシュの第三次世界大戦発言とイランへのカスピ海サミット効果
中国孤立化と親米NATO拡大軍 VS ユーラシア連邦の対立が顕在化


d0123476_18552829.gifまたもやアフマディネジャド! 白髪三千丈ならぬ「ミサイル1万1千発」を1分以内に発射してみせるという剛胆な威嚇発言。昨年はイラクのマフディ軍の首領、ムクタダ・アルサドルが中東のデビルキングだったが、今年はイランのアフマディネジャド大統領が、雑魚を寄せ付けず赤い核の気炎を吐いている。

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写真上:昨年夏レバノン侵攻でのIDFイスラエル陸軍兵/左:パキスタンのバス爆破テロ/右:イラクのキルクック

プーチンの「カスピ海サミット」効果
アフマディは、先週のカスピ海沿岸諸国サミットでロシアのプーチン大統領と密接に会談したが、多分「反米反NATO路線で共闘」という確約が両国間にできたのであろう。今週は近来にまして強気で、昨日はどちらかというと穏健派でEUの核対策に協力的なイランの核・情報担当相ラリジャーニが辞任している。ラリジャーニとアフマディとの意見の相違は以前から取り沙汰されてきたが、カスピ海サミットにラリジャーニが欠席したことから、辞任は時間の問題と噂されていた。その直後の辞任劇からは、ロシア=イランの結束と対欧米攻略の強化が、否応なしに読み取れる。

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アルカイダのテロ抗争:アラビア半島イエメンで2月に100人死亡/北アフリカアルジェリアのアルジェでも爆破テロ

ブッシュの「第三次世界大戦」発言
さらにNATO拡大軍に対抗するところのロシア=イラン=中国=北朝鮮の「大ユーラシア連邦」の対立の構図をさらに鮮明にする発言が、米国時間で18日木曜にブッシュ自身の口から発せられた。「第三次世界大戦」..... 米国のメディア消息筋では昨年から囁かれていた予兆だが、大統領自身の発言となれば、これはもう歴史的認証として記録されたエポックな定義付けと言えるだろう。

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アフガニスタン・カブール空港でのアルカイダ爆破テロ/トルコとイラク国境のクルド独立派ゲリラPKKの爆破テロ

大戦への予感と米外交姿勢のシフト
図らずも『米流時評』では17日水曜に、あまりにも多発する今週の世界各地の戦雲をかき集めて「ユーラシア大連邦と第三次世界大戦」というタイトルで私自身の大戦への予感を時評として書いた。そのまさに翌日にブッシュの発言がもたらされたので、正直言って驚いた。ブッシュの意見に共鳴できたのは、2000年の大統領就任以来今回が初めてだからである。側近のカール・ローヴが辞任して以来、ブッシュはライスの外交政策を重視して、それまでの好戦的態度が軟化したように見受けられる。パパブッシュの指針に従い、2期目のレーガン政権よろしく、ペンタゴンの装甲車から国務省の黒塗りベンツへ乗り換えて「軍事より外交優先」の和平政策へ転換したのだろうか。

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ソマリア紛争ではブラックホーク事件を契機にクリントン政権下の米軍撤退 モガディシュはその後の戦闘で荒廃

中国の「人権蹂躙大国」環境
しかし、これだけお膳立てがそろうと、対立の険悪化を否定する方が難しい。ほんのここ数カ月ほどの米国対中国の確執も、見過ごせないファクターである。今春以来の中国汚染製品問題。中国人ノーマン・シューのネズミ講献金詐欺事件。ダルフール虐殺の陰にスーダンへの中国の武器供給。ミャンマー軍政の弾圧を擁護する中国政府への非難。ゴアのノーベル平和賞受賞でクローズアップされる中国の環境汚染。ダライラマへの下院褒賞で中国のチベット弾圧の歴史が再浮上.....
どれもみな、中国を敵視するサイドに立てばミサイル級の攻撃材料である。しかも、国際社会では「虐殺五輪」のレッテルが貼られた来年の北京オリンピックを控えている。

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88年天安門前広場の血の粛清に象徴される人権蹂躙国家の代表中国 その弾圧と圧政に耐えるチベットの首都ラサ

偶然の集積か、計画的陰謀か
これら一連の中国への攻撃的展開は、果たして陰謀論者の唱えるように、米英の深謀策略なのか、それとも単なる偶然の帰結なのか? 偶然だとしたら、これだけのマイナスファクターが集積すれば、紛争の火種となるには充分すぎる。策略であるならば、内政・外交全域を網羅した見事な時系列のタイムセッティングで、テロリストも恐れ入る爆破装置というほかない。しかも、相手は自省力の乏しい新世代チャイニーズである。つつけば自爆する。

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大陸中国の飛躍的に拡大する軍事力と拡張指向に対抗して 侵略防止の抑止策として軍備拡充を重ねる台湾

偏在する大戦への引き金
果たして、来年の北京五輪は、ヒットラーのベルリンオリンピックと同様の、大戦へのプレリュードになるのだろうか。その答えは䋖に、大会への各国の参加の是非にかかってくるだろう。しかしすでにそれ以前に、米国対イランの「核の抗争」が紛糾すれば、米中関係のみぞが急激に深くなるだろう事は疑うべくもない。このイッシューにはさらにイスラエルとシリアが絡んでくる。その延長線上には北朝鮮とロシアが待ち構えている。認めたくはないが、誰もが否定できない予測だ。

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レバノン戦争はイスラエルの勝利には終わらなかった/ダルフール:中国の武器輸出先は軍事独裁政権が跋扈する

第三次世界大戦のプレリュード
Gathering Stormとはよく言ったものである。「大戦」とは、一発の大暴風雨を待つまでもなく、そこかしこに瞬発しているつむじ風の集大成として、ある日突然に命名される。おそらく、最前線のメディア記者と象牙の塔の史学者たちの、双方が同時に頷かざるをえない、歴史の大河に渦巻く暴力的な時間への総称なのだろう。

【米国時間 2007年10月20日 『米流時評』ysbee】

d0123476_12434412.jpg記事リンク http://beiryu2.exblog.jp/6414445
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次号予告:イラン、ミサイル1万1千発瞬時発射と豪語/ミャンマー軍事政権に日本も制裁/オルメルト提案:ユダヤとアラブのエルサレム二都物語/アルメニア人虐殺問題でトルコ、米と決裂

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d0123476_8345660.jpg序 章 中東核戦争前夜?急浮上するシリア対イスラエル核紛争
第1章 戦争挑発行為?イスラエル爆撃機のシリア領空侵犯
第2章 シリア対イスラエル 中東核戦争の危機は本物か
第3章 新・ジェリコの闘い イランのミサイル報復作戦
第4章 核のターゲットは駐留米軍 国連とEUの経済制裁
第5章 消された記事『中東代理戦争・シリアvsイスラエル』
第6章 囁かれる中東核戦争
   中東核戦争6.1 ホワイトハウスのウォーゲーム
   中東核戦争6.2 2008年核戦争の冬・チェニーのウォープラン
   中東核戦争6.3 復讐の世紀・中東戦争「核のアルマゲドン」
   中東核戦争6.4 暴かれた大謀略・イスラエルとネオコンの中東核の戦略
第7章 驚愕!原爆搭載機 B-52飛行事件は米空軍内のクーデターか?


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ミャンマー特集・シリーズ「ビルマの赤い川 」d0123476_136221.jpg

10/12 ネオコンの民主化政策とビルマの自由化運動の相克
10/12 他民族国家ビルマは民主化で第2のイラクとなるか
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10/9 ネルソン・マンデラ、ミャンマー弾圧に非難表明
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10/6 ガキの使い無能な特使と無機能な国連安保理
10/5 米流時評アピール「ビルマの声はわれわれの声」
10/4 ビルマの圧殺・独裁政権の嘘と「僧侶狩り」続く
10/3 ヤンゴンで恐怖の人間狩り・取引停止へ動くEU
10/2 ビルマの殺戮・数千人の僧侶を焼き殺す弾圧
10/1 黙殺するな!消えた六千人の僧侶、大虐殺か?
9/30 許すな末世の法、ミャンマー軍事独裁政権の圧殺
9/29 国連特使、ミャンマーでスーチーさんと初会見

by ysbee-2 | 2007-10-20 11:15 | グローバルウォー

日本にとってテロ戦争とは何か?特措法、日本のとる道

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     ||| 日本が向き合うテロ戦争の明日 |||
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時評:日本の平和とテロ戦争との見えない距離をさぐる特別措置法

d0123476_3532373.jpgアメリカがくしゃみをすると日本が風邪を引く。これが戦後日本が否応無しに座らされた「自由主義社会」と言う教室での位置である。アメリカの政権が共和党と民主党の間でドッジボールを繰り返す間も、日本では「戦後日本の復興」を旗印に、自民党が常に国会の優位を占め長期安定の国勢をリードしてきた。野党連合が一時期主導権を握った動乱期もあったが、自民党は与党一党としての優位性を何とか継承し続けてきた。

d0123476_6585868.jpgしかし、この夏の参院選では、民主党と言う政界のさざ波を寄せ集めた津波もどきに押し寄せられ、安倍政権の自民党は参院での優位を失い、国会の政局は今後混迷の度を深めて行くに違いないと予測されていた。安倍首相が提唱した数々の戦後政治体制の抜本的改革案の中でも特に国家のスタンスを根底から変えるもっとも重要な提案。それが憲法改定であることは、左右両派を問わず異論のないところであろう。

この「戦争放棄」をうたった憲法第九条に手をつけるや否やは、国民の世論をまっぷたつに引き裂くほど、インパクトの大きい案件である。すでに何年も論争が繰り返され、結論が出るまでには今後もまた数年を要するかもしれない。議論は徹底したほうがよい。しかし、ここで緊急問題として浮上してくるのが「テロ戦争特別措置法案」の期間延長問題である。

イラク戦争は石油権益が目的の「ブッシュの侵略戦争」という定義が確立した感があり、当初参戦していた友軍も、スペインが抜け、日本の自衛隊が帰国し、先月は英軍が南部の拠点であるバスラから撤退した。一方、オサマ・ビンラディンのアルカイダとアフガニスタンのタリバンを討伐するという「テロリスト征伐」の大義名分を掲げるアフガン戦線は、まるで21世紀の桃太郎の鬼退治のように、いまだに国際社会でも広汎に支持されている。9/11の仇討ちという感傷的な見地以上に、地球のあちこちでこの6年間ますます増加勃発してきている「グローバルなジハディストのテロ攻撃に対する正当防衛」と解釈されているからであろう。
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安倍首相はテロ戦争に対峙する姿勢としては、小泉政権から引き継いだ「米国主導の連合軍支援」という航路を踏襲してきた。しかし派兵というダイレクトな戦線参加ではなく、インド洋上の連合軍艦隊への給油という「内助の功」的役割を問われ、協力期間延長の可否を決断しなければいけない11月の締切が迫っている。この時点で先ず第一に討議すべきは、テロ戦争とは何ぞやという基本定義であろう。野党にあっても、これを抜きに単なる政争の道具として処理すると、のちのち絶対に後悔する事態を招く。これは国民ひとりひとりの毎日の平和と安全にかかわってくるからだ。

このグローバルな戦争への加担を、単に米国ブッシュ政権の覇権への合意と短絡してしまうと、将来に必ずや禍根を残すだろう。なぜならテロリストがターゲットとしているのは、アメリカ人だけでなく、われわれ自由主義社会に暮らす市民全員であるからだ。しかもこの敵は、宣戦布告なしに日常生活の一瞬のスキをついて突然襲ってくる。そうした、テロリズムと言う概念の究極の習性も熟知した上で、事前の防衛を検討しなければならない。ニューヨークで、バリで、マドリッドで、ロンドンで.... 一瞬にして人生を奪われたテロの犠牲者たちを無駄死にに終わらせないためにも。

【米国時間 2007年9月12日『米流時評』ysbee】
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残 暑 お 見 舞 申 し 上 げ ま すd0123476_15185391.jpg

ご愛読たいへんありがとうございます。まだまだ残暑が続きますが、
皆さまも暑さに負けずブログを更新されていることと存じます。
米国では9月第1週の Labor Day Weekend の連休が明けて、
学校も一般の会社も、そろって新しい年度を迎えました。

▶風光明媚なアドリア海に面したクロアチアの初秋のはしけ



f0127501_12134737.gifブログ村では国際政治部門でただいま2位です。感謝!
f0127501_1040831.gif11〜15位あたりです。10位入賞まであとひと息、ぽちっ!
f0127501_10375846.gif政治部門にチャレンジしました。道のり遥かですが、一歩一歩ぽちっ!
d0123476_10141436.gifおかげさまで、ニュース部門で1位をキープできてます。ありがとうございます!
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by ysbee-2 | 2007-09-13 07:17 | グローバルウォー
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世界の動きがよくわかる!激動する国際情勢を、欧米メディアでディープに読む…世界の「今」と真実探求に関心ある知的冒険者へ送るグローバル情報満載ブログ


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