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ハマスとイスラエル/絶望と希望のはざまで・ガザ停戦

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  ||| ガザ停戦・絶望と希望のはざまで |||

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ガザ地区のハマス政権、エジプトの仲介でイスラエルとの1年半の停戦協定を承諾
和平交渉役エジプトは、国境再開・捕虜交換・左岸とのパレスチナ統一政権を提案


d0123476_18552829.gif昨年暮れのイスラエルのガザ侵攻以来、3週間の戦闘期間、米流時評でも連載で米国の記事・情報を翻訳してお伝えしてきた。空爆や戦車からの砲撃の凄まじさは、写真で見るだけでも壊滅的だった。ましてや、目の前で親兄弟・子供を惨殺されたパレスチナ人の悲しみは、凡人の思いの及ぶところではない。

イスラエル側では、2006年のレバノン侵攻の時と全く同様に、体よく兵器を「消費」し、敵国の犠牲者の数が千を超したところで停戦に踏み切った。今回のイスラエルのパレスチナ人に対する周到な「戦略的虐殺」を、メディアを介してではあるが連日見聞きし伝えてきて、私にはガザのひとびとが「ユダヤの虐殺者」と呪っていた憎しみが、半分わかったような気がする。
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国連の人権擁護委員会が、茫漠たる荒野と化したガザの現地で、非人道的兵器白燐弾や劣化ウラン弾の使用をはじめ、凄絶な大量虐殺の実態を「戦争犯罪」として調査報告している。憎しみからは破壊しか生まれないが、虐殺を命じた者・手を下した者には、それ相当の処罰があってしかるべきだと思う。そのための国際法であり、そのためにハーグの国際裁判所が存在するはずなのだから。

折しも、危うかった一時的停戦が、やや長期の協定となって成立しそうな気配である。エジプトが仲介しての停戦協定に対して、イスラエルが先に承諾し、翌日ハマスからも了解の回答が出たようである。ともかく折り合えるうちにまとまってほしい。ガザは今でも隔絶された壁の中で、瀕死の状態なのだから。

【米国時間2009年2月15日『米流時評』ysbee】

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FEBRUARY 15, 2009 | 『米 流 時 評』 |  時事評論ブログ雑誌・デイリー版  2009年2月15日号
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Associated Press | B R E A K I N G
エジプトのガザ停戦案:国境再開・捕虜交換・ハマスと左岸のパレスチナ統一政権
米国時間 2009年2月12日午後6時21分 | AP 通信・カイロ支局発 | 訳『米流時評』ysbee

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Report: Hamas Agrees to Long-Term Truce
Egypt news agency says deal with Israel over Gaza to be announced soon

FEBUARY 12, 2009 | Association Press — BREAKING | Translation by ysbee
CAIRO, Egypt — The deputy leader of Hamas said Thursday night that the Islamic militant group agreed to an 18-month truce with Israel for the Gaza Strip, the official Egyptian news agency reported. Moussa Abu Marzouk told MENA that Egypt's government, which has been mediating between Hamas and Israel, would announce the truce in two days after consulting with other Palestinian factions.

エジプト仲介の停戦協定へ
エジプト・カイロ発 |12日木曜夜、ガザ地区のハマス軍団の指導者は、ガザ地区に関してイスラエル政府と18か月の停戦協定を結ぶことに合意すると発表したと、エジプトの国営放送MENAから報道された。報道の内容によると、ハマスとイスラエルの間に立って和平交渉を進めてきたエジプト政府は、他のパレスチナの政体(西岸地区のファタハ政権と、シリアに亡命中のハマス指導者を指す)の助言を受けたあとで、2日以内に正式に停戦を発表する予定であると公表した。
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度重なる爆撃で完全に破壊されたアルシファモスク跡。瓦礫を取り除いた跡地で礼拝するガザ地区のイスラム教徒。

2. No comment by Olmert administration

Earlier in the day, Egyptian and Hamas officials reported progress in truce talks, which included Hamas' strongman from Gaza, Mahmoud Zahar, and Egypt's top mediator, intelligence chief Omar Suleiman. In Jerusalem, Prime Minister Ehud Olmert's office said the Israeli government had no comment on the report.
オルメルト政権はノーコメント
同日12日の朝には、エジプト政府とハマス政権双方の広報担当官から、和平交渉は大巾に進展したと報告された。交渉の話し合いには、ガザの政権を握るハマスの有力者であるマフムード・ザハールと、エジプト政府の交渉使節団長で諜報部長官のオマール・シュリーマンの両者が出席し、直接話を詰めた模様である。
この新しい停戦協定のニュースに際して、エルサレムにあるエフド・オルメルト首相の執務室からは「イスラエル政府はその報告に関してはノーコメント」と無言を保っている。
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イスラエルの空爆開始とともに真っ先に第一弾が投下された、ガザのハマス政権付属のイスラミック大学女子学生棟

3. 1,340 killed, 4,000 more injured in 22 days assault

字数制限のため英文省略
22日間の総攻撃で死者1340名、負傷者4千名以上
イスラエル政府軍のガザ侵攻は、昨年12月27日の空爆に始まり、その後壁の中に封鎖された狭いガザ地区に対して、爆撃機からの空爆と地上軍戦車隊からの砲撃、さらには海軍戦闘艦からの砲撃という、陸海空三軍による無差別全面攻撃で徹底した破壊と殺戮を22日間連日連夜繰り返し、1月17日にイスラエル、ハマス双方から別個の停戦勝利宣言が出されて一時的終結をみた。
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イスラエル三軍の無差別爆撃で徹底的破壊が3週間休みなく繰り返され、ガザのめぼしい建物はすべて瓦礫と化した

4. Hamas, Israel refuse to negotiate directly

Egyptian diplomats have been working as go-betweens to try to arrange a truce deal between Hamas and Israel to solidify a cease-fire that ended Israel's devastating 22-day offensive in Gaza last month. Hamas and Israel refuse to negotiate directly. Marzouk told MENA that the Egyptian-brokered deal it agreed to calls for Israel to reopen six border crossings into the Gaza Strip.
直接交渉を拒否したハマスとイスラエル
それ以来エジプト政府の外交使節が、敵対する両者の間を行きつ戻りつしながら、和平交渉の折衝を繰り返し、ガザ・イスラエル間の停戦あるいは平和協定へこぎつけるよう努力してきた。ハマスとイスラエルが、ともに直接交渉を拒絶したためである。
エジプト側交渉団のマルズーク氏が国営放送MENAに語った内容によると、エジプト提案の協定案の骨子は、ガザ地区へと通じる6カ所の国境関門を再開するようイスラエルに対して呼びかける提案であり、この点に関する諸条件をハマスが了解したものだという。
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パレスチナのもうひとつの政権、左岸地区に掲げられた巨大なアッバース首相とPLOの故アラファト議長の看板

5. Gaza Ghetto by Israeli borders closing

Hamas leaders centered its truce demands on reopen of the tiny coastal territory's borders enclosing Gaza have been largely sealed by Egypt and Israel since Hamas gunmen seized control in Gaza in 2007.
イスラエルの国境封鎖によるガザゲットー
地中海のへりに細長くへばりついたような狭いガザ地区と、それを取り巻くイスラエルとエジプトとの国境。2007年の総選挙でハマスが政権の座に就き、その後対抗勢力のファタハ(アッバース首相を党首とする政党および軍団)をヨルダン川左岸地区のウェストバンクへと追放して、ガザ地区を完全掌握した。
それ以来、ガザを取り巻く国境とその関門は、ファタハを支持しハマスを敵対視するイスラエルとエジプト両国により、完全封鎖されてきた。
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22日間昼夜の別なく続けられたイスラエル軍の空爆と砲撃で、ガザ地区のめぼしい建物は瓦礫に帰した。

6. Re-installment of reopening Rafah crossing

Earlier Thursday he told Al-Jazeera television that Egypt had previously agreed to work with Israel to forge new arrangements for reopening Gaza's crossing into Egypt.
エジプトとの国境ラファ再開の再提案
ハマスの指導者たちは、この和平協定におけるガザ側の要求で最優先する焦点を、封鎖された国境関門の再開に絞っている。12日木曜のアルジャジーラとのインタビューでもマルズーク氏は、氏の率いる交渉団はエジプトとの国境関門だけでも再開を許可するよう、イスラエルに対して強要するべく集中努力することをすでに了解していると語った。
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地中海に沿って狭く細長く伸びたガザ地区は、イスラエルによって完全封鎖された巨大な檻=ゲットーと化している。

7. Halting military activities of Hamas

Israel, in turn, insisted that any cease-fire must include an end to militants firing rockets from Gaza into southern Israel and a halt to Hamas arms smuggling. In talking to MENA, Marzouk did not discuss details.
イスラエルの要求:ハマスの軍事攻撃の廃止
一方国境再開の見返りとしてイスラエル側では、ハマスの軍事攻撃を一切やめることが条件として盛り込まれなければならないとしているが、その活動にはガザ地区からイスラエル南部へ撃ち込まれるロケット砲撃から、地下の秘密トンネルを経由して搬入される武器密輸までが挙げられている。MENAのインタビューでは、マルズーク氏はそれ以上の詳細条件は明らかにしなかった。
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すべてを破壊された市民は棒切れとシーツのテントに住む。国際人権機関アムネスティが被害の実地調査を実施

8. Egypt as a broker for prisoner exchange

Marzouk said a deal for the release of a captured Israeli soldier Gilad Shalit held in Gaza would be negotiated later, according to MENA. Egypt has been trying to broker a prisoner exchange between Israel and Hamas. Hamas is holding Shalit, who was abducted more than two years ago in a cross-border raid from Gaza into southern Israel.
捕虜交換の交渉代理人エジプト
さらにイスラエル側から出されている要求には、ガザの捕虜となって以来、対パレスチナ紛争で常に国内世論の焦点となってきたイスラエル兵ギラッド・シャリットの解放があり、この問題はパレスチナ人で現在イスラエルの囚人となっている多くの捕虜との交換条件として、後日双方との交渉で話し合われる予定だと、マズーク氏はMENAのインタビューで明らかにした。
イスラエルのガザ侵攻よりも随分以前から、エジプトはこれまでにも数回イスラエルとハマスとの間に立って、捕虜交換交渉を進めてきた実績がある。イスラエル兵シャリットは、2年以上前にイスラエル南部でガザから越境したハマス兵士によって捕獲され、捕虜になったままである。
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左:イスラエルの捕虜になっているガザのパレスチナ人は1万人以上といわれ、総人口わずか140万のガザ市民は、何らかの形で捕虜の家族と関連がある /中:パレスチナの国旗 /右:ガザのハマス政権指導者、イスマイル・ハニエ

9. Reconciliation to form a unity government?

Besides mediating a truce for Gaza, Egypt also is trying to bring Hamas and its Palestinian rival, President Mahmoud Abbas, into talks on reconciling and forming a unity government that can move ahead with peace negotiations with Israel. Egypt hopes to host a reconciliation conference Feb. 22.
ハマスと左岸のパレスチナ統一政権?
ガザのハマス側との和平交渉を煮詰めるかたわらで、エジプトはパレスチナの正統権を争うハマスの宿敵であり、ウェストバンク/左岸パレスチナのファタハ政権元首であるマムード・アッバース首相を、ハマスとの和解のテーブルへと引っ張り出そうという案を画策している。
その意図の究極的ゴールは、イスラエルとの恒久平和を成立することであり、それにはどうしてもガザと左岸が元通りに一体化する「パレスチナ統一国家」としての政府を樹立することが前提条件だからである。エジプトはこの画期的な和解の会談を、2月の22日にエジプト国内で主催する予定である。
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左のグリーンの旗がハマス、右の黒・白・グリーンに赤い三角がパレスチナの国旗、しかし国家は現在左岸が代表

10. Palestinian refugee arrested

An Egyptian security official said Egypt had arrested a Palestinian who sneaked into Egypt through a tunnel from Gaza and was trying to purchase weapons in Egypt. The official, who spoke on condition of anonymity, said the man and two Egyptians who were sheltering him were arrested in the coastal city of El-Arish on Wednesday.
パレスチナ人の不法越境者を逮捕
12日水曜のガザ国境関連の事件としては、ガザ地区と国境を接するエジプトの海岸沿いの町、エルアリシュでの越境事件が報告されている。これは、ガザ地区のパレスチナ人住民が、エジプト国内で武器を購入しようとしてガザ地区からトンネルを経由してエジプト国内に密入国し、エジプト側の警備兵によって逮捕されたと、軍部高官が匿名の条件の下に明らかにしたものである。この事件では、越境したパレスチナ人男性と、彼をかくまったエジプト人2名が逮捕された、と伝えられている。 <了>
【 米国時間 2009年2月15日 『米流時評』ysbee訳 】
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ガザ地区北部のベイトラヒヤ難民キャンプも、もっとも被害の甚だしかった地区のひとつ。難民がさらなる難民へ

  >2/14 「核と平和のアメとムチ」 クリントンと北朝鮮
  <2/16 「ガザの壁と命の卵」 村上春樹とイスラエル-1
  <2/17 「投げつけられた卵」 村上春樹とイスラエル-1
  <2/18 「沈黙の壁を越えて」 村上春樹とイスラエル-3
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▼米流時評 特集『ガザ戦争』記事リストへ続く
by ysbee-2 | 2009-02-15 20:25 | イスラエル・ガザ戦争

現地速報・ガザの死闘で長期戦を覚悟するイスラエル

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  ||| イスラエルのガザ地上侵攻・続編 |||

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ガザ死守を誓うハマスにイスラエルは長期戦を覚悟、難航する中東和平外交

d0123476_18552829.gif『米流時評』07年6/19号「ガザの悲劇・4千年の民族抗争」より
イスラエルとガザの抗争を理解するために一部抜粋して掲載
イスラエル建国とパレスチナ分割

第二次世界大戦におけるナチスホロコーストに対する代償として、1948年に米国のトルーマン大統領以下の牽引でイスラエルとして建国、翌年国連に加盟し正式に主権国家として承認される。
戦前からユダヤ人の入植地「キブツ」は点在しており、46年当時この大パレスチナ地域にはユダヤ人が70万人、パレスチナ人が130万人居住していたが、国連の決議でユダヤ人の新生イスラエルに2/3の土地を譲与した。パレスチナの地に先祖代々住み着いていたパレスチナ人は、イスラエルを中に挟んで地中海沿岸のガザ地区とヨルダン川西岸のウェストバンクに二分され、両地区とも生地を追放されたパレスチナ人の巨大な難民キャンプと化した。

テロリストの温床
それ以来のイスラエル対パレスチナの攻防は、常に世界を震撼とさせる恐怖のテロ事件で、国際ニュースのトップを頻繁に埋めてきた。しかしながら近年においては、一時期クリントン大統領の時代に、イスラエルのエフド・バラク首相と PLO パレスチナ解放戦線のヤッサー・アラファト議長が、大統領別邸のキャンプデービッドへ招聘され、前代未聞の和解の握手をするまでに漕ぎ着けたが、最終的には和平協定の調印にまではいたらなかった。
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中東和平外交の挫折
その後アラファトは死去、04年にはイスラエルのアリエル・シャロン首相が、ガザ地区からのイスラエル軍の全面撤退とキブツ入植者撤去という思い切った政策を実行し、タカ派リクード党ベンヤミン・ネタニヤフがこれに抗議して蔵相を辞任。06年には、そのシャロン首相も脳卒中に倒れ、5月にオルメルト首相が後任に選出された。

レバノン侵攻の失敗
オルメルト政権が誕生して間もなく、イスラエルは7月にレバノンに侵攻。レバノン戦争のイスラム軍団ヒズボラとの熾烈な死闘の末、レバノンの一般市民に2千名近い犠牲者を出して終結。この「3週間戦争」と呼ばれるレバノン侵攻でも、イスラエルはついにヒズボラを全面降伏させることはできず、人口密集地であるベイルートへの無差別爆撃という暴挙が、人道的見地から国際的非難の対象となるに終わった。以来オルメルト首相・リブニ外相・バラク防衛相の現イスラエル政権首脳は、シリアの核疑惑施設爆撃をはじめ、タカ派の先制攻撃をアラブ諸国に対して繰り返したが、国際外交面でも国内政治面でもその評価は地に落ち、現在の支持率わずか14%の死に態である。

以上がイスラエル建国から2007年6月までの、きわめて大雑把な概略です。
もっと詳しく、古代からの全文を読みたい方は「ガザの悲劇・4千年の民族抗争」へどうぞ

【米国時間2008年1月4日『米流時評』ysbee】

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JANUARY 4, 2009 | 『米 流 時 評』 |  時事評論ブログ雑誌・デイリー版 2009年1月4日号
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 Associated Press |  B R E A K I N G
ガザ死守を誓うハマスに対して、長期戦を覚悟するイスラエル
米国時間 2009年1月3日午前7時00分 | AP 通信・ニュース速報 | 訳『米流時評』ysbee

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Israeli Launched Ground Invasion — Part 2
Operation follows a week of airstrikes against Hamas targets

JANUARY 3, 2009, 2:00 p.m. | Associated Press — BREAKING | Translation by ysbee
GAZA CITY, Gaza Strip — Gun battles could be heard, as troops crossed the border into Gaza. Local TV networks broadcast images of troops marching single file. The troops were also backed by helicopter gunships. Hamas sent their message in Hebrew to the soldiers of IDF, saying "the Zionists started approaching the trap which our fighters prepared for them."

ガザ地上侵攻現地速報・続編
イスラエル自衛軍の地上部隊が国境を越えてガザ地区の領土内へと侵攻した時点で、銃撃戦の音が聞こえた。地元テレビ局のライブ中継では、暗闇の中をイスラエル軍が一列縦隊で行進して行く映像が放映された。頭上から戦闘ヘリが援護射撃をする中、地上部隊は侵攻を進める。一方ハマス側では、侵攻して来るイスラエル自衛軍の兵士たちに向けて、ヘブライ語でこんなメッセージを流し始めた。「われわれパレスチナ人が仕掛けた罠へと、シオニストたちの死の行進が始まった」
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06年夏のイスラエルのレバノン侵攻同様、地上での白兵戦になれば地の利に明るいゲリラ側に有利

11. Objective is not reoccupation Gaza

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ガザ侵攻戦略「占領が最終目的ではない」
イスラエル防衛軍消息筋の情報によると、地上侵攻作戦はこのまま続行する見込みだが、その最終目的は「ガザ占領」ではないと伝えられている。またどの程度の兵力でどこまで侵攻するのかという点に関しては「戦闘と同時進行で行われている和平調停の外交いかんによるとイスラエル側では観測している」と消息筋は語った。
イスラエル政府高官がNBCニュースに伝えるところによると「今回の作戦の最終目標は、ハマス組織の壊滅」であり、作戦完了までは長い期間を要すると語っている。
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「Operation Cast Lead/鉛の棺作戦」と命名されたガザ攻撃戦略をプレゼンするイスラエルのリヴニ外相

12. Ehud Barak: not easy and not short

字数制限のため英文省略
バラク防衛相「ガザ侵攻は長期化する」
一方、イスラエルのエフド・バラク防衛相からは、土曜から突入した地上侵攻戦に関して、国営テレビを介して次のような声明が発表された。
「イスラエルのガザ攻撃作戦は、容易でなものではなく短期では終わらないだろう。わが国は好んで戦争を求めた訳ではないが、ハマスからの(ロケット砲)攻撃が続く限り、われわれ(イスラエル政府)はその状態を放置してイスラエル国民を危険にさらすことはできない。」
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6日間戦争の立役者で現大統領のシモン・ペレスと、エフド・バラク防衛相のタカ派コンビ

13. Livni, 'no choice but to move on the ground'

文字数制限のため英文省略
リブニ外相「地上侵攻以外選択の余地なし」
イスラエルのツィッピ・リブニ外相は、今回の地上軍の侵攻作戦が始まる直前に、テレビのインタビューに応えて、イスラエルの意向を次のようにほのめかしていた。
「イスラエルは地上作戦へと進む以外、選択の余地がないかもしれません。空爆でやっつけられる(can be done)ターゲットと、不可能なターゲットとがありますから」リブニ外相は、チャンネル2の取材に対して、こう答えていた。
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今回のガザ侵攻直前にパリのエリゼー宮へサルコジ大統領を訪れたリブニ外相 笑ってる立場ではないはずだが

14. Objective: Destruction of Hamas foundation

字数制限のため英文省略
「戦略の最終目標はハマス組織の根絶」
リブニ外相はまた「イスラエルの戦略目標は、ガザのハマス兵士がイスラエル南部へロケットを撃ち込むのを止めさせようとするものだけではなく、それよりももっと大きな目的がある」とも明言した。インタビューで彼女が語ったのは、次のような軍事戦略である。
「ハマスの幹部を殲滅するのは『イスラエルの戦略目標』であることは間違いないのですが、その目標を達成するためでさえ、わが軍の攻撃は一度ならず必要となるわけです。私からすれば、ガザのテロ組織によって支配されている国家というのは、承認できません。」(注:つまり、現行のガザ政権であるハマスの組織を根絶するまで、闘争を続けるという意味に解釈できる。)
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空爆で殺されたハマスの軍事的指導者ラヤンと家族の葬儀に参列するガザの一般市民

15. Toughest situation for the Mideast diplomacy

字数制限のため英文省略
中東和平外交にとって最大の難関
地上侵攻作戦が進む一方で、和平への道を模索するための深刻な外交会議も持たれている。その一端として、フランスのサルコジ大統領は、来週(1月5日以降)中東の問題の地域を訪れる予定である。また米国では、ブッシュ大統領と国連のバン・キムン事務総長の両者とも「国際的管理下での和平条約案」を推している。
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30日パリに緊急召集され開かれた、イスラエルとガザの和平調停を話し合うEU各国の外交代表会議

16. Israel's call for international monitors

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イスラエルは国際的監視団を要請
ガザ地区のハマス軍団によってイスラエル領土内に撃ち込まれるロケット砲の攻撃が、クリスマスに激増した状況への反撃として、イスラエルは先月27日に大規模な空爆によってガザに対する総攻撃を開始した。しかしまたその一方で、イスラエルは外交的解決の道も模索していると弁明する。
イスラエルは、すでに国際的監視団の設定を要請したと公表していた。しかし、ハマスがこうした国際機関の管理体制に対して合意するかどうかは不明である。ハマスは、2007年6月にパレスチナ人の選挙によって政権執行者として選出されて以来、ガザ地区を統治してきた、言わば「イスラム急進派による軍事政権」である。
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ハマスの軍事部指導者ラヤンを殺害するためにイスラエルは1トン爆弾を自宅へ投下、当然近隣住民も多数死亡。

17. Hamas rejected any arrangement

字数制限のため英文省略
ハマス側は一切の妥協を拒絶
国際監視団を立ててこの地区を監理するという提案に対して、ハマス政権が政府広報官を介して3日土曜に公表した最初の反応は、次のようなものだった。
「ハマスはガザの地においては、イスラエルであれ国際的第三者機関であれ、いかなる者との妥協も受けつけないことを明言する」しかしながら、広報官は話し合いでの解決への道はまだ残されている、とも明らかにした。
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空爆で家を破壊され、車は炎上、イスラエルに復讐を誓うガザ地区エルヘルヴェのパレスチナ人

18. Hamas threatened 10,000 troops of IDF

"Anyone who thinks that the change in the Palestinian arena can be achieved through jet fighters' bombs and tanks and without dialogue is mistaken," he said. "Be prepared for a unique surprise, you will be either killed or kidnapped and will suffer mental illness from the horrors we will show you," the message said.
1万名のイスラエル自衛軍を威嚇
「パレスチナ地域の変革が、相互の話し合いもなしに、戦闘ジェット機の爆撃や戦車からの砲撃で達成できると思っている者は、間違っている。イスラエル軍の兵士には、われわれのユニークな歓迎が待ち受けていることを心せよ。お前たちは殺されるか捕虜になるかのどちらかだ。われわれの手に落ちたら、恐怖で気が狂うような目に遭わせてやるから覚悟しろ。」ハマスはイスラエルの兵士に向けて、ヘブライ語でこうした脅しのメッセージを軍のラジオ向けに流している。
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19. 'Zionists started approaching the trap'
文字数制限のため英文省略
「シオニストが罠にはまりに来る」
ハマスはこれまでにもイスラエル兵士に直接あてた脅しのメッセージを、イスラエル自衛軍のラジオと同じ波長で流してきており、その内容もイスラエル兵士を殺すか捕虜にする、という脅迫だった。今回、ハマス組織の軍事部門であるイゼディーン・アルカッサムによって送られたのは、次のような恐怖のメッセージだった。「わが軍の兵士たちが用意した罠にはまるために、シオニストたちがのこのことやって来始めた……」 <了>
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▶次号「イスラエルのエンドゲーム・後編」へ続く: 11. イスラエルの真意と今後の動き/12. タカ派の支持で強気のバラク防衛相/13. ガザを熟知したファタハからの諜報情報/14. イスラエルとガザ双方に大きな犠牲/15. レバノン戦争でのナスララの後悔/16. バラク防衛相「ハマスに苦い最期を」/17. 圧倒的な軍事力の差から見える結末
【 米国時間 2009年1月3日 『米流時評』ysbee訳 】f0127501_6213945.jpg
12/27/2008 アルジャジーラ | イスラエル空軍、ミサイル空爆でガザ攻撃を開始
これは27日にイスラエルが空爆を開始した直後の映像です。今日のCNNのニュースでは、現在はこの3倍もの頻度で被害を被っていると、ガザの病院の医師が電話で伝えていました。
しかし、この現地で放映されている映像を見ると、やはり欧米のメディアは「消毒」されていることがわかります。戦争の映像を見慣れた米国ではそれほどでもありませんが、日本の方にはちょっとショックかも。気の弱い方は見ないで下さい。




緊急特集 ||| ガザ戦記 |||
▶12/26 ガザ戦争 序章「イスラエルの最終戦争」
▶12/29(1)「ガザ空爆エスカレート」 凄惨!死者364名 負傷者1400名以上
▶12/30(2)「ガザの最終戦争宣言」ついに全面戦争へ突入するイスラエル(未掲載)
▶12/31(3)「ガザ空爆はジェノサイド!」反イスラエル抗議運動世界へ拡大(未掲載)
▶1/1 『米流時評』年頭のメッセージ「2009年のワルキューレ」ブログの砦の同志たちへ
▶1/2(4)中東戦局分析「イスラエルのエンドゲーム」ガザ侵攻の最終目標は中東大戦争?
▶1/2(5)中東戦局分析「イスラエルのエンドゲーム」後編(未掲載)
▶1/3(6)号外!「ついに地上侵攻開始」イスラエル恐怖のガザ市街戦へ突入!
▶1/4(7)緊急レポート「ガザの死闘」長期戦を覚悟するイスラエル
▶1/5(8)「イスラエルの巨大なる棺ガザ」前編
▶1/6(9)「中東平和への墓標ガザ」後編(予告)
▶1/7(10)「虐殺の砲弾」ガザの国連学校に砲撃!死者46名(予告)
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by ysbee-2 | 2009-01-04 14:25 | イスラエル・ガザ戦争

ガザ空爆エスカレート 死者364 負傷者1400以上

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  ||| イスラエルのガザ空爆エスカレート |||

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イスラエルのガザ空爆エスカレート、2日間で300発以上の無差別爆撃
ガザに空前の被害、生命線のトンネル爆破。死者364負傷者1400以上


ガザシティ発 |27日土曜夜のガザ空爆開始以来3日目を迎えた29日月曜も、イスラエルは空軍爆撃機によるの過酷な爆撃作戦の手を緩めず、ガザ市内に散在するハマスの本部や関連施設を空から破壊し、徹底的な破壊をもたらした。
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More Than 364 Killed After 3-Day Barrage
Death toll spiked by Israel's airstrikes targeted Hamas power in Gaza
DECEMBER 29, 2008 EST | Associated Press — BREAKING | Translation by ysbee
GAZA CITY, Gaza Strip — Israel turned the force of its punishing Gaza campaign toward Hamas field operatives on Monday, sending warplanes to bomb their houses in a sweep meant to tear at the roots of the militant organization.


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DECEMBER 29, 2008 | 『米 流 時 評』 |  時事評論ブログ雑誌・デイリー版 2008年12月29日号
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  A S S O C I A T E D P R E S S
イスラエルのガザ空爆エスカレート、死者364名 負傷者1400名以上
米国時間 2008年12月29日午後3時02分 | AP通信・ニュース速報 | 訳『米流時評』ysbee

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1. Tree-day toll: 364 killed, 1,400+ wounded
Yet even with their senior leadership in hiding, the battered Islamic militants managed to fire dozens of rockets at southern Israel on Monday. A tough-talking Israeli defense minister promised them a "war to the bitter end," as the three-day death toll in Israel's shock-and-awe offensive rose to 364.
3日間で死者364名 負傷者1400名以上
翻訳中
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2. Airbombing University, gov. compound
One Israeli strike destroyed a five-story building in the women's wing at Islamic University, one of the most prominent Hamas symbols in Gaza. Other attacks ravaged a compound controlled by Preventive Security, one of the group's chief security arms, and destroyed a house next to the residence of Ismail Haniyeh, the Hamas prime minister.
ガザ市内の大学、政府建物も爆撃
翻訳中
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3. Targeted homes of Hamas officials
One of the strikes against field operatives targeted a house in Jebaliya refugee camp, killing seven people, but the Hamas activist was not there. Another hit the Jebaliya home of Abdel-Karim Jaber, a Hamas political figure, though not widely known.
ハマス政権高官の自宅をターゲット
翻訳中
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4. Chipping away Hamas' foundation
Jaber, a senior administrator at Gaza's Islamic University, was not at home at the time and it wasn't immediately clear if anyone was hurt in the strike. In another air assault, an Islamic Jihad commander was killed as he was walking near his house. The targets Israel chose to strike on Monday revealed an intention to chip away at Hamas' foundation.
ハマスの施設全滅を意図した爆撃
翻訳中
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5. Israel released precision-missile video
The targets Israel chose to strike on Monday revealed an intention to chip away at Hamas' foundation. Israel carried out five separate strikes on the houses of field operatives, though there has been no confirmation that any of them were killed. And in grainy surveillance video from an overhead drone released by Israel's military, several men are seen loading a pickup truck with what the military said were medium-range Grad rockets. Moments later, a large explosion from a missile strike envelops the image.
高照準ミサイルの爆撃ビデオ公開
翻訳中
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6. Seven killed in Jebaliya refugee camp
Late Sunday, Israeli aircraft attacked a building in the Jebaliya refugee camp next to Gaza City, killing five children and teenagers under age 17 from the same family, Gaza Health Ministry official Dr. Moaiya Hassanain said. In the southern town of Rafah, a toddler and his two teenage brothers were killed in an airstrike aimed at a Hamas commander, Hassanain said. In Gaza City, another attack killed two women.
ガザ近隣の難民キャンプへ爆撃拡大
翻訳中
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7. Unprecedented destruction in Gaza
Gaza's nine hospitals were overwhelmed. Hassanain, who keeps a record for the Gaza Health Ministry, said that some of the over 1,400 wounded were now being taken to private clinics and even homes. Abdel Hafez, a 55-year-old history teacher, waited outside a Gaza City bakery to buy bread. He said he was not a Hamas supporter but believed the strikes would only increase support for the group. "Each strike, each drop of blood are giving Hamas more fuel to continue," he said.
ガザ、前代未聞の壊滅的打撃
翻訳中
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8. Most dramatic attacks on tunnels
The airbombings have cut off a lifeline that had supplied Hamas with weapons and Gaza with commercial goods. The influx of goods helped Hamas defy an 18-month blockade of Gaza by Israel and Egypt, and was key to propping up its rule. Across Gaza, families pitched traditional mourning tents of green tarp outside homes. Yet the rows of chairs inside these tents remained largely empty, as residents cowered indoors for fear of new Israeli strikes.
ガザの生命線、地下トンネル40カ所爆撃
翻訳中
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9. No end in sight of Israel
Israeli Prime Minister Ehud Olmert said it was unclear when the Gaza operation would end but told his Cabinet was "liable to last longer than we are able to foresee at this time." Hundreds of thousands of Israelis live in cities and towns in Gaza rocket range. Schools in communities in a 12-mile radius from Gaza were ordered to remain closed beyond the weeklong Jewish holiday of Hanukkah which ends Monday.
イスラエルに戦闘終結の意志なし
翻訳中 <了>
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【 米国時間 2008年12月29日 『米流時評』ysbee訳 】f0127501_6213945.jpg
d0123476_3263737.jpgNBC ニュースビデオ — Dec. 29 | イスラエルのショック&オウ
Israel's 'Shock and Awe' — Death toll by air assaults spike up to 360, no ends in sight./空爆開始から3日目の29日月曜も容赦なくガザの爆撃を継続するイスラエル。国連の即時停戦要請を無視し、攻撃範囲は難民キャンプにまでますます拡大。イスラエルは当分停戦の意志なしと断言した。ガザは中東でも有数の人口密集地であり、そうした地域への絨毯爆撃というのは、ジェノサイド以外の何者でもない。


▶12/26 ガザ戦争 序章「イスラエルの最終戦争」
▶12/29 ガザ戦争-5「ガザ空爆エスカレート 死者364 負傷者1400以上」
◀12/30 ガザ戦争-6「ガザの最終戦争宣告・全面戦争へ突入するイスラエル」
◀12/31 ガザ戦争-7「ガザ空爆はジェノサイド!抗議運動世界へ拡大」
◀ 1/1 「2009年のワルキューレ/ブログの砦の同志たちへ」
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『米流時評』中東問題 特集記事リンク
by ysbee-2 | 2008-12-29 18:48 | イスラエル・ガザ戦争

ポスト・ジェリコ ガザの壁崩壊が中東に及ぼす波紋

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  ||| ガザの壁崩壊が中東に及ぼす波紋 |||
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ガザの壁崩壊、物資補給でイスラエルのパレスチナ鎖国状態に風穴
活気づくハマス、エジプトと左岸アッバースにガザ緊急会談を提案


米国時間 2008年1月23日午前0時10分 | AP通信・ガザシティ〜エジプト・ラファー国境発
前号からの続き | 境界線の崩壊は、一時的な現象とはいえハマスを活気づけた。壁の崩壊で一時的に物資が補給できたために多少息を吹き返した。さらにはこの一件で、イスラム過激派のハマス軍団は国境封鎖の状況に、新しい提案を起こす可能性も出てきた。またそれと同時に、エジプトとイスラエル間に新たな緊張を生んだことも否めない。イスラエルは今回の境界線の壁崩壊で、イスラム叛徒が武器をたずさえてガザへ大量に流入する事態を怖れている。
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Gazans Exodus — Part 2: Post Jericho's Wall
Hamas called for an urgent meeting with Egypt and Fatah in West Bank
Continued from the previous issue |RAFAH, Egypt — The collapse of the border, although likely temporary, is a boon to Hamas. It briefly eases the international blockade of Gaza. and gives the Islamic militants possible leverage in demanding new border arrangements. At the same time, it will likely raise tensions between Egypt and Israel, which fears militants and weapons will flood Gaza in growing numbers.
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JANUARY 24, 2008 | 米 流 時 評 | ブログ雑誌『 楽園通信』デイリー版f0127501_6213945.jpg
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  A s s o c i a t e d P r e s s

ポスト・ジェリコ ガザの壁崩壊が中東に及ぼす波紋
米国時間 2008年1月23日午前0時10分 | AP通信・ガザ-ラファー国境発 | 『米流時評』ysbee 訳

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8. Hamas leaders responses
Hamas supreme leader Khaled Mashaal said from Syria that Hamas was willing to work out a new border arrangement with Egypt and the rival Fatah, led by moderate Palestinian President Mahmoud Abbas. In Gaza, Hamas Prime Minister Ismail Haniyeh called for an urgent meeting with Egypt and Fatah to work out a new shared arrangement for Gaza's border crossings.
ハマス指導者からの新しい提案
シリアに亡命しているハマスの最高指導者カレド・マシャール師は、ハマスは新しい国境境界線の建設/計画を、エジプトともまた宿敵のファタハとさえも積極的に模索するつもりであると声明を発表した。ファタハは昨年まで同じガザ市内にいたパレスチナ穏健派のマフムード・アッバース政権を支持するパレスチナ左岸地区の政党である。一方ガザのハマスでは、イスマイル・ハニイェ首相がエジプトとファタハに対して、ガザ周辺の国境設備の設定に共同で新しい提案を模索する緊急会談を持つよう呼びかけた。
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破壊される前のガザ-エジプト間国境の壁 パレスチナ人が無傷でこの壁を越える日が来るとは誰が想像しただろうか

9. Abbas denounces Hamas's proposal
He suggested that Hamas would be prepared to cede some control to the Abbas government in the West Bank. "We don't want to be the only ones in control of these matters," Haniyeh said. But Hamas' position was swiftly denounced by Abbas' government. Ashraf Ajrami, a Cabinet minister, said Haniyeh's call for participation was meant to sidestep Abbas' demand that Hamas return all of Gaza to his control.
左岸アッバース、ハマス提案を即刻却下
ハニエ首相はこの声明の中で「われわれはこのガザ境界線の問題を、ハマスだけにかかわる問題としては処理したくない」と表明し、左岸のアッバース政権に対してハマス側がある程度の発言力を与える用意があると示唆した。
しかし、新しい境界線設定を呼びかけるハマスの提案は、パレスチナ左岸のアッバース政権によってただちに却下された。左岸アッバース政権のアシュラフ・アジラミ内相は「問題解決に左岸にも参加を呼びかけるハマスのハニエ首相の提案は、アッバース政権が提唱している『ガザ奪還による全パレスチナの掌握』の路線を逸脱させる意図で発せられたものである」と非難した。
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破壊された箇所をさらにガザ側からブルドーザーが出動し地ならし 車や馬車まで通行できる国境の風穴となった

10. 'It's a problem, not a solution'
"Everything Haniyeh is saying is simply to exploit this situation to win political gains. ... It is a part of the problem, not the solution," Ajrami said. Hamas seized control of Gaza by force in June, routing pro-Fatah security forces. Israel and Egypt sealed their border crossings with the coastal territory in response, and Abbas established another government in the West Bank. The two bitter rivals have not had formal contact since.
「ハマス提案は解決ではなく問題の種」
「ハニエの言っている事は、すべて今回の事態から政治的優位を引き出そうと問題を利用しているに過ぎない・・・彼の提案は解決ではなく問題をふやすだけだ」とアジャミ内相は結論づけた。
ハマスは武力抗争によりアッバースの率いる親ファタハ自衛軍を駆逐して、昨年6月にガザ地区での覇権を確立した。爾来親米政権のイスラエルとエジプトは、イスラム過激派の勢力拡大を怖れ、陸路と海上の国境線を完全封鎖して、左岸に遁走したアッバース政権のパレスチナ代表権を公式に承認した。ハニエ首相率いるイスラム過激派のハマス政権のガザ地区と、アッバース大統領率いる親米穏健派のファタハ政権の左岸地区。パレスチナを二分するこの二つの対立政権は、昨年以来公的な接触は皆無の抗争状態にある。
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ローマ帝国の属領統治の黄金律「分割して統治せよ」がそのまま当てはまる、イスラエル建国によって生じたパレスチナ分割。エジプトに近い地中海岸のガザ地区とヨルダン川西岸のウェストバンクとに二分され、昨年アッバース政権がパレスチナの正式政府として西側に公認されるまでは「ガザ地区」「左岸地区」と呼ばれ、国家ですらなかった。

11. Israel and the West boycott aide
Israel and the West imposed an aid boycott on the Palestinian government after Hamas won a parliamentary election and set up a government in early 2006. The sanctions have cut off roughly half of the estimated $1 billion in foreign aid and tax transfers from Israel. Since June, the West has been supporting Abbas and Gaza has received little direct foreign aid beyond the existing programs for Palestinian refugees there.
イスラエル主導で西側がガザ支援を拒否
イスラエルと西側諸国は、2006年初頭にガザで行なわれた議会総選挙でイスラム過激派のハマスが大勝して以来、それまで続いていたパレスチナ政府への経済援助を放棄した。この経済封鎖によって、海外基金とイスラエル税収からの譲渡金の推計10億ドル(約1140億円)の経済援助の半分が削減されてしまった。しかも昨年6月からは、西側諸国は左岸に樹立したアッバース政権のパレスチナ代表権を認めたため、パレスチナ難民の多くがガザ地区に居住しているにもかかわらず、国連の難民救済基金からの直接の経済援助はほとんど皆無に等しい状況となった。
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昨年6月ガザの覇権でハマスとの武力闘争に破れパレスチナ左岸に敗走したファタハを率いるアッバース政権は、西側諸国の支持をとりつけ正規のパレスチナ政権として承認された。しかしアッバース左岸政権は、あたかも「中東のヴィシー政府」のようで、パレスチナ人の自主独立を放棄して傀儡政権として米英の傘下に下ったようにしか見えない。

12. Israel concerns breach of security
Israel expressed concern that militants and weapons might be entering Gaza from Egypt amid the chaos, and said Egypt is responsible for restoring order. Israel also is in a difficult situation. It cannot be seen as criticizing Egypt too strongly for fear of alienating one of the few Arab countries it has a peace treaty with.
国境保安の欠落を指摘するイスラエル
イスラエルは、今回のガザの壁崩壊の混乱に乗じて、イスラム過激派の叛徒と武器がエジプト側から国境を越えてガザへ流入するかもしれないと危惧しており、エジプトが元通りの国境警備体制を復活する責任があると指摘した。しかし、イスラエルもまた難しい状況に立たされていることは間違いない。万一治安責任でエジプトへの糾弾が厳しくなり過ぎると、中東でイスラエルと平和条約を結んでいる数少ないアラブ諸国の一国を疎外する攻撃的態度と受け止められかねないからだ。
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国境を遮断され鎖国状態におちいったパレスチナ 物資補給を全面輸入に頼るガザ地区では物資が底をつき困窮状態に

13. Border control is on Egypt, not Israel
"Israel has no forces in Gaza or Egypt, and the Egyptians control the border, and therefore it is the responsibility of Egypt to ensure that the border operates properly according to the signed agreements," said Arye Mekel, a spokesman for Israel's Foreign Ministry. "We expect the Egyptians to solve the problem," he added. "Obviously we are worried about the situation. It could potentially allow anybody to enter."
「国境警備はイスラエルでなくエジプトの責任」
ガザ-エジプト間の国境警備に関して、イスラエル外務省のアリエ・メケル広報官は次のように主張する。「ガザにもエジプトにもイスラエル軍は駐屯していないし、ガザとエジプトの国境はエジプト政府の管轄にある。従って、イスラエル-エジプト間の安保条約で決められた協定にそって妥当な国境警備が実施されるよう確認する責任は、ひとえにエジプトにある。イスラエルとしては、エジプト政府が今回の問題を順当に解決するよう望んでいる。もちろん我が国は事態の進展を非常に懸念している。壁が崩壊した状況のままでは、誰でもガザに容易に侵入する怖れがあるからだ。」
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グリーンの旗はガザの軍団ハマスのシンボル イスラエル国境付近ではロケット砲や銃撃戦の抗争が絶えない

14. Weapons easier to find than Coca-Cola
In Egyptian Rafah, a market stall selling pistols and ammunition clips for Kalashnikov assault rifles had no customers Wednesday. Weapons are generally brought into Gaza through smuggling tunnels under the Gaza-Egypt border. An off-duty Hamas policeman, who only gave his first name as Abdel Rahman, said there was no need to buy weapons from Egypt. "You can buy weapons in Gaza, guns and RPGs," he said, adding that they were easier to find than Coca-Cola.
武器には不自由しないガザ
d0123476_1516928.jpgエジプト側の国境の町ラファーでは、ガザとの国境の壁が崩壊した23日水曜の段階では、AK-47カラシニコフ銃の銃弾や拳銃を販売しているショップには、ガザからの客は現れなかった。ガザに持ち込まれる武器弾薬の類いは、通常はガザ-エジプト間の国境の地下に掘られたトンネルを経由して密輸されている。
勤務時間外のハマスの警官は身の安全のためアブデル・ラーマンというファーストネームしか明かさなかったが、ガザのパレスチナ人はわざわざエジプトから武器を買ってくる必要はないと言う。「銃だろうがRPGロケット弾だろうが、手に入れたければ誰でもガザ市内で武器が買えるよ。」そして彼はこう付け加えた。「ガザで武器を買うのはコーラを見つけるより簡単だよ。」

【米国時間 2008年1月24日『米流時評』ysbee 訳】
»»「ガザ・エクソダス 第3部」へ続くd0123476_1023580.jpg

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■ 必読 ■ 中東の歴史と現状を理解するために
米流時評 総論「ガザの悲劇」4千年の中東民族抗争
■ 特集 ■ アナポリス中東平和会議 全4章
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「イランが危ない!」中東大戦争の可能性
「中東大戦争前夜?」急浮上するシリアとイスラエルの核紛争
1  戦争挑発行為?イスラエル爆撃機のシリア領空侵犯
2  中東核戦争の危機は本物か
3  「新ジェリコの戦い」イランのミサイル報復作戦
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6-1 ホワイトハウスのウォーゲーム
6-2 「2008年核戦争の冬」チェニーのウォープラン
6-3 復讐の世紀「核のアルマゲドン」中東戦争
6-4 暴かれた大謀略・ネオコンとイスラエルの中東「核の戦略」
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急接近する北朝鮮とイラン、二国同盟に初調印
ブレアの再出発・中東平和外交代表
イラン警告:1分間で1万1千発ミサイル発射可能
衛星写真が証明 シリア核施設空爆後の証拠隠滅


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by ysbee-2 | 2008-01-24 08:56 | 中東のパワーラビリンス

永遠なる難民パレスチナ人のガザ出国記

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 ||| 永遠なる難民パレスチナ人のガザ出国記 |||
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内戦状態のガザを逃れて国外へ脱出する、パレスチナ人数十万人の暗黒の未来
パレスチナ難民のさらなる難民化、ハマスの勝利で欧米が資金援助を打ち切り


ニューズウィーク米国版 6月25日号『ガザ特集』
By ケヴィン・ペレイノ N.Y./ジョアンナ・チェン イエルサレム/ヌハ・ムスレー ウェストバンク/ダン・エフロン ワシントン | 訳『米流時評』ysbee
前号からの続き |しかしながらこれまでのところ、パレスチナでハマスとファタハのどちら側に付くかという立場を選ぶのは容易なことではなかった。昨年の総選挙でハマスが勝ってからというもの、米国やヨーロッパはパレスチナ政府への援助金を打ち切り、その代わりに敵対政党ファタハのアッバース大統領の事務所へ直接資金を流し込んだ。

GAZA Special 2 — Back to the Stone Age
Newsweek — June 25, 2007 issue | By Kevin Peraino from New York/Joanna Chen from Jerusalem / Nuha Musleh from West Bank / Dan Ephron from D.C. | Translation by ysbee
7. Western cut aid money
However picking sides in Palestine hasn't worked so well thus far. After Hamas's electoral wins, the United States and other Western countries cut aid money to the Palestinian government, instead funneling resources directly to Abbas's office. What seems certain is that Hamas-run Gaza is doomed to greater isolation and misery.

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JUNE 21, 2007 | 米 流 時 評 | ブログ雑誌『 楽 園 通 信』デイリー版f0127501_6213945.jpg
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    ||| 永遠なる難民パレスチナ人のガザ出国記 |||
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内戦状態のガザを逃れて国外へ脱出する、パレスチナ人数十万人の暗黒の未来


8. 'U.S. pushed confrontation'
Some observers accuse Washington of baldly encouraging rivalry between the two camps. In a confidential report leaked last week, United Nations envoy Alvaro de Soto wrote that "the U.S. clearly pushed for a confrontation between Fatah and Hamas." De Soto recounts listening to a U.S. official declare "I like this violence" twice at an envoys' meeting in Washington recently. "The U.S. fanned the flames of this internal Palestinian conflict," says Haim Malka of Washington's Center for Strategic and International Studies. State Department spokesman Sean McCormack dismissed de Soto's remarks as "the views of an individual."
「米国はハマスとの抗争を望んだ」
今回のファタハとハマスのガザ攻防戦の一部始終を見ていた者の中には、米国政府が二者の間の敵意を増長するように、意図的に焚き付けた節があると非難する者もいる。先週メディアに漏洩した極秘情報の中で、国連代表のアルヴァロ・デソト氏はこう述べたと伝えられている。「米国は明らかにファタハとハマス間に衝突が起きるよう後押しした。」デソト氏は、ワシントンで最近行われた会合で、米国政府高官が二度も「こういう武力衝突は大好きだ」と漏らしたのを耳にしたと語っている。
「米国は、今回のようなパレスチナ内紛の火に油を注いだ。」こう見るのはワシントンにある国際戦略研究センターのハイム・マルカ氏である。一方、国務省のショーン・マコーミック広報官は、デソト氏の意見に対して「一個人の勝手な見解に過ぎない」と無視した。
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昨年選挙で勝利したハマスの指導者イスマイル・ハニイェ(右)/パレスチナ大学の卒業式が6月上旬にあったばかり

9. Doomed to greater isolation, misery

With the Islamists in control, Israel may intensify its campaign of airstrikes on Hamas rocket teams and other militants. Some Israeli analysts point out that a strong Hamas leadership in Gaza could have its advantages; at least someone would be in control there. But that is a minority view. "There's no common ground [with Hamas]," says Ephraim Sneh, Israel's deputy Defense minister. Dialogue, he says, is almost certainly a nonstarter. "Listen to them, for God's sake!" he says. "Gaza will be worse than Mogadishu. Our Apache [helicopter gunships] will talk to them."
孤立と窮状を深めたガザ
イスラム強硬派の覇権で、イスラエルはハマスのロケット攻撃や他の過激派グループの叛徒に対する空爆作戦を強化するかも知れないと見られている。ガザにおけるハマスの強力な指導態勢は、少なくとも誰かがガザで采配を振るえば、逆に敵が一団となったので攻撃しやすくなったという意味で、イスラエル評論家の中には「イスラエルにとって攻撃の好機到来」と捉える者もいる。
しかしそれは今のところ、まだ少数意見に過ぎない。イスラエルの防衛相エフレイム・スネヘ氏は次のように語っている。「イスラエルとハマスとの間では、共通の足場は皆無だ。彼らが言ってるとんでもないことを聞けば判るじゃないか。ガザはモガディシュよりもひどい事態になるだろう。そうなれば我が軍の攻撃用アパッチヘリコプターがモノを言うだろう。」
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ガザからイスラエルへ抜ける国境では、ガザ地区を制圧したハマスの武装兵が旅客をチェックする戦時体制

10. Palestinians' Exodus

It is no wonder, then, that so many Palestinians like the Dahmans are trying to get out. Over the past year, thousands of Gazans have fled to Europe, Canada and Arab capitals like Cairo and Amman. In the past 12 months, 88,320 people have left Gaza for Egypt through the Rafah crossing, and only 76,176 have come in — a net loss of some 12,000 people. Many more would leave if they could. Ahmad Hanun, the director of the Shaml research center in Ramallah, says roughly 45,000 Palestinians applied to emigrate from Gaza and the West Bank in 2006. A travel agent in Gaza City, who didn't want to be identified for safety reasons, says he takes 50 calls each day from Gazans trying to wangle fake visa papers.
パレスチナ人のエクソダス
道理で、冒頭に述べたダハマン一家のように、あまりにも多くのパレスチナ人が国外へ脱出しようと必死になる訳である。昨年1年だけでも何万人ものガザ市民が、ヨーロッパ、カナダやエジプトのカイロ、ヨルダンのアマンなどの近隣諸国の首都へ亡命した。過去1年の間に88,320名がラファハの国境を通過してエジプトへ出国したが、それに反して入国者は76,176名である。つまり1万2千名が行ったきりになっている。状況が許せば出国者は多分それ以上の数になるだろう。
西岸地区の首都ラマラーにあるシャムル・リサーチセンターのアハマン・ハヌン部長が行った2006年度の調査結果では、ざっと見ても4万5千人のパレスチナ人がガザからウェストバンク(西岸地区)へ移住申請を申し込んだと出ている。ガザ市内の旅行代理店職員が匿名で語る所によると、偽のビザを入手してくれと懇願する電話が1日当たり50件を下らないという。
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今回の紛争のきっかけはイスラエルのガザに対するミサイル攻撃/戦闘前のファタハ警備兵と爆撃を受けた車

11. 'Going back to the Stone Age'

Anecdotal evidence suggests that the vast majority of those who manage to escape are the young, wealthy and well educated. Many of those who are leaving are technocrat types who work for organizations like the United Nations and foreign NGOs with global reach. Khaled Abdel Shafi, the director of the United Nations Development Program's Gaza office, says he recently lost 10 percent of his employees, including many of the best. He says another 10 percent are trying to go, but can't get visas. "The big brains are leaving Gaza," says Sana Dahman. "We're going back to the Stone Age."
「石器時代に逆戻りの状況」
以上のような断片的な個人の見解をつなぎあわせてみると、国外へ脱出できた者の大半は、若くて裕福な高学歴者という実像が浮かび上がる。亡命者の多くは、国連やグローバルに活動するNGO法人のような組織に勤務していた官僚タイプである。国連開発機構ガザ事務所の所長カレド・アブデル・シャーフィ氏は、最近だけでも職員の1割が辞め、優秀な者ほど率先して亡命しているようである。その上さらに1割がビザを申請中という実状らしい。「頭脳流出の最たるものです。ガザは石器時代に戻るでしょう。」先述のサーナ・ダハマンさんはこう嘆く。
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学校も紛争で焼き討ちに合い焼失、教師も国外へ脱出/爆撃で荒廃したガザ 破壊された車で遊ぶ難民の子供たち

12. Refugees from the refugee camps

The irony is that the bulk of Gaza's 1.4 million residents are already from refugee families, mostly from Israel's 1948 War of Independence. Israeli historian Benny Morris, author of the seminal "Birth of the Palestinian Refugee Problem," says that a similar brain drain preceded that conflict. "The well educated fled first," says Morris. "It left the vast majority of the population leaderless." When fighting broke out, Palestinians "didn't have anyone to say 'Stay'," he says. "They were like chickens without heads." Some 700,000 Palestinians ended up fleeing or being driven from their homes, a quarter million of them to neighboring countries.
難民キャンプからの難民化現象
皮肉な現実だが、140万人を数えるガザ全人口の大方は、すでにパレスチナ難民としてこの地に流れ着いた者たちである。そのほとんどは、1948年のイスラエル独立戦争時にユダヤ人に生地を追われてやってきた。イスラエルの歴史研究家で隔年刊『パレスチナ難民問題の誕生』の著者ベニー・モーリス氏は、この「難民の難民化現象」によって、前述と同様の頭脳流出現象が紛争の起きる前からすでに発生していたと説明する。
「高学歴者ほど先に国外へ脱出します。その結果大多数の一般市民が、指導者のない状況に置き去りにされます。紛争が勃発した時点では、すでにパレスチナ市民に向かって『とどまれ』と指示する者が存在しなかった訳ですよ。親鳥を失ったひよこの群れのようなものです。」
かくしてガザ地区住民のうち70万人以上のパレスチナ人が国外へ脱出、あるいは自宅から非難することを余儀なくされた。そのうち25万人は、近隣諸国へ流出する難民と化すという結果を招いた。
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ガザ市内は完全にハマス勢力の制圧下に/紛争に巻き込まれ負傷した市民が担ぎ込まれる病院も流出で医師不足

13. Last resort UNRWA

Now, with Gaza exploding into violence, even the United Nations-operated refugee camps have become unsafe. Militants have stormed several of the food-distribution centers run by the United Nations Relief and Works Agency (UNRWA), searching for high ground as the fighting raged. Two UNRWA workers were shot to death during gun battles, and two more were wounded. As a result, the agency announced it would temporarily suspend service at most of its Gaza health clinics and food-distribution centers. Refugees contacted by NEWSWEEK said they expected to run out of food within days. "If they don't get our food, they don't have food," says John Ging, UNRWA's director of Gaza operations. "We are their last resort."
最後の頼みの綱 UNRWA
いまや戦乱の巷と化してしまったガザでは、国連運営の難民キャンプですら危険な状況に陥ってしまった。ハマスの武装叛徒は、市街戦で有利な高位置を確保するために、国連パレスチナ難民救済事業機関(UNRWA: United Nations Relief and Works Agency)によって運営されていた食料配給施設の数カ所を急襲し占拠した。この銃撃戦で、現地職員のうち二人が死亡、二人が負傷。
その結果、UNRWAではガザ地区の診療所と食料配給センターのほとんどで、臨時的に操業を保留している。ニューズウィーク誌がコンタクトした難民たちは、数日中に食料が底を尽きるだろうと予測している。ガザ地区のUNRWAセンター所長のジョン・ギン氏は、悲観的観測をこう述べる。「配給センターに食料がないとなれば、ガザのどこにも食料がないのと同じことです。われわれは彼ら難民にとっての最後の頼みの綱でしたから。」

【米国時間 2007年6月21日 『米流時評』ysbee訳】
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国連パレスチナ難民救済事業機関のガザ地区食料配給センターは難民への唯一の食料配給機関 現在は操業停止


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by ysbee-2 | 2007-06-21 08:21 | 中東のパワーラビリンス

ガザ・エクソダス-1・パレスチナの悪夢ガザ市街戦

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     ||| パレスチナの悪夢・ガザ市街戦 |||
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アッバース連立政権崩壊でハマスのガザとファタハのウェストバンクに分裂
内戦状態のガザを逃れて国外脱出する百万のパレスチナ人を待つ暗黒の未来


ニューズウィーク米国版 6月25日号 ガザ特集 | By ケヴィン・ペレイノ/N.Y. ジョアンナ・チェン/イエルサレム ヌハ・ムスレー/ウェストバンク ダン・エフロン/ワシントン | 訳:ysbee
先週のハマス蜂起以前でさえ、中産階級のガザ市民はこの地を離れ、ヨーロッパやカナダへ、あるいはカイロやアマンといったアラブ世界の都市へ向けて旅立った。今後は数万人がそれに続くだろう。すでに戦火で荒廃したこの国を再建するのに必要な知識や技術をたずさえて....

'Back to the Stone Age'
By Kevin Peraino from New York/Joanna Chen from Jerusalem / Nuha Musleh from West Bank / Dan Ephron from Washington
GAZA Special | Newsweek — June 25, 2007 issue | Translation by ysbee
Even before last week's violence, Gaza's middle class had begun to flee from the territory to Europe, Canada and Arab cities like Cairo and Amman. Thousands may follow — and take with them the skills needed to rebuild the already war-torn country.


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JUNE 20, 2007 | 米 流 時 評 | ブログ雑誌『 楽 園 通 信』デイリー版f0127501_6213945.jpg
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N E W S W E E K | M S N B C .com
        ||| パレスチナの悪夢・ガザ市街戦 |||
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ガザの内戦を逃れて国外脱出する百万のパレスチナ人を待つ暗黒の未来
1. Lawless war zone, Gaza
Sana Dahman only dared peek out her window at night. The men with guns in the street looked like shadows. In the glow of the flames from the burning city, she could see grenade tubes on shoulders and ski masks on faces. Her neighborhood, like the rest of Gaza City, smelled like smoke. She was trapped in her house and food was running low. A friend tossed a loaf of bread through her window and then dashed away. Before the power failed for the night, she typed Hotmail instant messages to her husband: THEY'RE ASSASSINATING PEOPLE. THEY'RE BURNING HOUSES. WE CAN'T SLEEP.

略奪・放火・殺戮の無法地帯
サーナ・ダハマンは、夜になっても自宅の窓からかろうじて外をのぞき見るのが精一杯だった。通りに跋扈している銃で武装した男たちが、まるで影法師のように見えた。炎上する市街地の炎の照り返しで、男はスキーマスクで覆面し、背負ったロケット式手榴弾特有の百合の蕾のような先端が、肩先からのぞいているのが見えた。自宅の隣近所は、ガザシティの他の地区と同様に、硝煙の匂いに満ちていた。突然に始まった市街戦のおかげで、彼女は自宅に閉じ込められ食料は底をつきかけていた。やがて友人がやってきて、窓越しにパンを一斤投げ入れるが早いか脱兎のごとく走り去った。
夜になり電気が切れる前に、彼女はホットメールで夫に送るインスタントメッセージをタイプした。「やつらは皆殺しにしている。やつらは家を焼き討ちしている。私たちはとても眠れない。」

▼イスラエルの爆撃、ファタハの掃討、ハマス蜂起で荒廃を呈したガザ市内/イスラエルに捕虜収監中のパレスチナ人
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2. Unknown fate of Palestinians
Her husband, Mohammad Dahman, moved to Norway six months ago. He says he's never coming back to Gaza. Both Dahmans had been raised in Gaza's refugee camps, alongside roughly 1 million other Palestinians. After college, where Mohammad studied business management, he took a job as a trade-union leader and human-rights activist. His $700-per-month salary let the couple and their five children eventually move to a red-roofed condo with a balcony overlooking the sea.

パレスチナ100万の暗澹たる未来
彼女の夫であるモハッマド・ダハマンは、6カ月前にノルウェイへ引っ越していた。彼はガザへはもう2度と帰らないつもりだと言う。
ダハマン夫妻は、およそ100万人を数える他のパレスチナ人同様、共にガザの難民キャンプで育った。大学に入って経営学を学んだモハッマドは、卒業後貿易組合でリーダーの職につき、人権運動にもたずさわった。月700ドルの給料のおかげで、夫妻と5人の子供たちは、運良く地中海を見下ろすバルコニーがついた赤い屋根のコンドミニアムへ引っ越すことができた。
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3. Stranger in homeland
But after the Islamists in Hamas won power 18 months ago, Mohammad decided he couldn't stay. "He started feeling like a stranger," says Sana. "I'm glad he's out." She and the kids are still waiting for their Norwegian visas. In the meantime, she says, "I'm losing my mind."
All Gaza seemed to be losing its mind last week, as legions of Hamas fighters fanned out across the 25-mile strip of sand along the Mediterranean coast.


パレスチナ漂泊の岸辺ガザ
しかし、1年半前にハマスのイスラム強硬派が選挙で勢力を得て以来、モハッマドはもうここにはいられないと覚悟した。その時の様子をサーナはこう説明する。
「その頃から、彼は自分が浮いてると感じ始めたようです。彼が脱出できてよかったわ。」夫のあとを追って出国するため、彼女と子供たちもノルウェー渡航のビザを心待ちしている。しかし出発を期待する一方で、彼女は本心をもらした。「気がへんになりそう。」
たしかに先週はまるでガザ全体が、気が狂ったように見えたのは事実である。地中海の海岸沿いに細長く伸びる、たった25マイル(約40km)の巾の細長い砂地の国。その狭い国のそこいら中に、ハマスの殺気立った兵士たちが武器を手に繰り出したのだから。

▼キューバ革命の英雄チェ・ゲバラのTシャツを着たパレスチナの子供/カラシニコフを手に市街を征服するハマス
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4. Hamas seized, executed Fatah
By Friday the Islamists had seized control over almost the entire territory, storming the police and intelligence complexes that were once the most powerful symbols of Yasir Arafat's secular Fatah party. Masked gunmen threw one another off high-rises, executed rivals at close range and torched party compounds. More than 90 Gazans died and dozens more were wounded.

ファタハ幹部を公開処刑
金曜までにイスラムの武装集団ハマスは、ガザストリップと呼ばれる細長い領土のほとんど全域を制圧してしまった。その間敵対していたファタハ政権の警察や諜報機関の建物に乱入したが、これらの施設はかつて、今は亡きヤッサー・アラファトPLO議長が率いるファタハ政党が最大の権力を誇ったシンボルだった。スキーマスクで覆面をした武装集団は、これらの高層建築の上階からファタハの幹部をひとりずつ地面へ突き落としたり、至近距離で射殺したりして党の建物を焼き討ちした。その結果ハマス、ファタハ両派合わせて90人以上のガザ市民が死亡。100人以上が負傷した。
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5. 'Islamic rule has arrived'
For the Islamists, the conquest seemed a natural denouement to their surprise election victory last year. "The era of justice and Islamic rule has arrived," crowed Islam Shahawan, a Hamas military-wing official. Fatah leaders were despondent. Palestinian President Mahmoud Abbas called the fighting "madness" before disbanding the government and declaring a state of emergency.

「イスラム統治時代の到来」
イスラム急進派にとってガザ制圧は、昨年の選挙での勝利で世界を驚かせた序章からすれば、当然のなりゆきと言える終幕と思えただろう。「イスラム法が統治する復讐の時代がやってきた」ハマス軍の幹部、イスラム・シャハワンはこう雄叫びをあげた。ファタハ首脳部の凋落ぶりは見るも哀れだった。パレスチナの正規大統領マムード・アッバースは、それまで存続していた連立政府を解体し非常事態宣言を発する前に、このハマスの襲撃を「狂気」と決めつけた。
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6. Fatah administration in Ramalah
The rapid reversal of fortunes for Abbas's forces in Gaza poses tough new dilemmas for U.S. policymakers. Secretary of State Condoleezza Rice tried to cast events in a positive light, noting that the United States could now openly support the Fatah-led government based in the West Bank. Abbas smartly appointed former Finance minister Salam Fayyad, a technocrat well liked in Washington, as interim prime minister. (Reached the day before his appointment, Fayyad sounded harried and emotional. "I'm really disoriented right now," he said.)

ラマラーにファタハの臨時政権設立
今回のガザ闘争では、当初アッバースのファタハ軍が攻勢をかけたが、途中からハマスが猛烈な逆襲に出て、形勢は一挙に逆転した。その結果、ガザは米国の外交政策にたずさわる者にとって、新たな手強いジレンマと化してしまった。コンドリーザ・ライス国務長官は、この事態になんとか肯定的な見方を与えようと懸命にトライしている。「米国は今や、ウェストバンクに本拠地を移行したファタハ主導のパレスチナ政府を公然と支持できる立場になった。」というのが、その必死の理屈である。
実際ウェストバンクへ逃げたアッバースは、ワシントンとつながりの深い官僚のサラム・ファイヤド元蔵相を、手際よく暫定内閣の首相に抜擢した。(首相に任命される前日に取材した際には、ファイヤド氏はひどく慌てて感情的になっていた。彼は「今はまるで迷子になったような気分だ」と率直に述懐した。)
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▶次号 【ガザ・エクソダス 第2章】 永遠の難民パレスチナ人のガザ出国記 へ続く
▶前号 【ガザ・エクソダス 序 章】 ガザの悲劇・4千年の民族抗争 を読む

【米国時間 2007年6月20日  『米流時評』 ysbee訳】

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by ysbee-2 | 2007-06-20 18:30 | 中東のパワーラビリンス

中東のフルハウス・パワーアラベスクの解読

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||| 中東のフルハウス・パワーアラベスクの解読 |||
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中東フルハウス:イラクのマフディ、レバノンのヘズボラ、ガザのハマスとファタハ

昨日の記事へのコメントでレバノンに関する質問への回答を書いていたら、非常に大雑把ではありますが端的で判りやすいのではないかと思われ、今日の冒頭に再録することにいたしました。この一節は、最近の中東各国の大要を、これ以上省略しようがないほど極めて大まかに把握することを目的とする、言わば「中東のアンチョコ」であります。詳細記事にいきなり入る前に、概略を把握したい方へおすすめします。

長いこと拙ブログを読んでいただいている方にはお分かりのように、私自身は自説の主張や政治的思想にとらわれず、あくまで欧米のメディアが報道している詳細記事を、なるべく生のままみなさまにお伝えするという作業を続けております。日本の新聞やニュースサイトの記事があまりにもお粗末なので、ネットで欧米の週刊誌並みの内容をお届けすることが目標です。

対訳を比較していただければ納得されると思いますが、本文記事は極力原文にそって訳しております。しかし時には冗長で不要と思われる文章は割愛します。また各段落の小見出しは、英語も日本語も私が勝手につけたタイトルであり、原文にはついておりません。その意図は、お忙しい方のために「つかみ」で理解していただくためです。日本語は英語とは基本的にニュアンスが違うので、日英でタイトルが異なることが頻繁にありますことをご了解ください。

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前置きがやけに長くなりましたが、最近の中東情勢をあらためて端的に整理しますと、
2003年の侵攻以来米軍が駐留している、イラクの親米政権代表はシーア派のアルマリキ首相。
これを武力の圧力で陰で操っているのが、同じくシーア派のムクタダ・アルサドルで、
サドルシティを本拠地とする彼のシーア派武装軍団が、マフディ軍。
叛徒に対する米軍の取締が厳しかったこの春は、ムクタダはイランに潜伏していたが、
先月サドルシティへ戻ってきた。
爾来スンニ派と合同の反米デモを呼びかけたりして、政治的に練れてきている。

d0123476_13262176.jpgイラクの西隣がシリア。世襲ではないけれど2代目のアサド大統領が元首。彼は若いけれど、ヨーロッパ諸国や米国民主党とも外交の窓口を保つしたたかなやり手。3月末〜4月のイラン海域侵犯で英国水兵15人が捕虜になった際には、シリアが英国とイランの間に入って釈放の交渉をしたと伝えられている。

イラクの東隣が、アフマディネジャド大統領のイラン。核兵器開発停止をめぐって、ここ数年国連安保理の問題児。米国とは79年のテヘラン駐在米国大使館員の人質事件以来国交を断絶。しかしつい先月、27年ぶりに外交交渉を持ちバグダッドで会談。この時の立役者が「国務省のアラビアのロレンス」と呼ばれる、新任大使のライアン・クロッカー。この人物の来歴が小説のように面白いので、近々に書く予定です。

シリアとイラン、どちらもシーア派で、イラン政権は特に
ブッシュの「悪の枢軸」国家に指定されてからますます反米色が濃い。

シリアの西隣の地中海岸の国が、かつてはフェニキアと呼ばれたレバノン。
ここも親米政権のシニオラ(シニョーラと読む人もあり)首相が、弱体ながら一応は元首。
昨年夏のレバノン紛争では、レバノン国内のヘズボラ(英語ではHezbollah、あるいはHizbullah
「ヒズボラー」と表記される)を掃討するという名目で、空港からベイルート市街区、
さらには南部全域まで、イスラエルのオルメルト首相から徹底的に空爆を受けた。
その惨状を国連で訴えて、世界の人道主義者の紅涙をしぼった指導者。

d0123476_13273087.jpgしかしレバノン内部では、ナスララー師の率いるヘズボラが、軍事・行政・治安・教育・福祉にいたるまで、中央政府のいたらない部分をパッチする地元密着型の実質的政治力で市民の支持を集め、国会の議席も確保している。5/20以来のレバノン正規軍のトリポリ攻撃に対して、ヘズボラが無言のままなのが不思議。(一連のガザレポートのあとでお伝えします)

そして、今回お伝えしている中東のピボタルポイントとなりそうな、肝心のパレスチナ・ガザ地区の紛争ですが、ここでもムスリム武装集団はご多分に漏れず、雨後の筍のように乱立。
あえて擁立者の数で他をしのぐ二大勢力を挙げれば、米国の庇護を受け連立政権をかろうじて樹立した、穏健派アッバース大統領の率いるファタハと、本来の頭目はイランに亡命している強硬派ハマスとに大別できたわけです。先週までは。

ところが、今回のハマス蜂起で、ファタハはもうひとつのパレスチナである、
イスラエルをはさんで東の死海西岸にある飛び地のウェストバンクへ遁走した。
これで、イラクの敗北よりも先に、ライス長官以下米国国務省(日本の外務省に相当)の
中東平定政策は、傀儡政権のアッバース以下が潰走したことで、ものの見事に失敗した訳です。
だから、ハマスの勝利で勢いに乗り、反米反イスラエルという同じ旗印の元に
イスラム過激派が結束するのではないか、という怖れが急浮上してきた。

と、以上ざざざっとですが、中東の対立抗争に関連した国の色分けと
これまでの大まかな経過を、文字通り走り書きさせて頂きました。
それでは、この次の記事「中東の黙示録・後編 反イスラエル連合の予兆」へどうぞ。


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上の写真は今回のガザ紛争の発端となった、イスラエルのガザ地区へのミサイル攻撃です。たしかに年がら年中小ぜり合いを繰り返し、パレスチナゲリラもイスラエルへ向けて自家製のお粗末なロケット弾を散発的に発射していますが、イスラエルはいつもビーチや子供の遊び場あるいは一般市民が密集する市街地に、ジェット戦闘機で「無差別の空爆」を強行します。その非人道的な暴虐ぶりは、昨年夏のレバノン紛争でも毎日いやとうほど見せつけられました。

特にこの写真はミサイルが地面で炸裂する直前と直後を撮った決定的瞬間として、世界中のブログ界にあっと言う間に広まったものです。単に「爆撃で何人死亡」という新聞の見出しが、実際にはこんなにも野蛮で非人道的な行為だということを銘記するためにもと思いあえて掲載しました。コピーして使っていただいてもかまいません。ベトナム戦争時のソンミ村の少女の写真のように、これは歴史を目撃した貴重な写真としてブログ界の共有財産になりつつあります。戦争と言う愚かしい行為をストップさせるために鳴らし続ける警鐘として。

【米国時間 2007年6月18日  『米流時評』 ysbee】

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by ysbee-2 | 2007-06-18 12:24 | 中東のパワーラビリンス

中東の黙示録後編・反イスラエル連合の予兆

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||| 中東の黙示録後編・反イスラエル連合の予兆 |||
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ハマス反米・反イスラエル戦線のガザ制圧が示す中東の混沌と不気味な行く末
イスラム軍団の台頭:イラクのマフディ、レバノンのヘズボラ、ガザのハマス


By マイケル・ハーシュ | ニューズウィーク米国版 6月25日号掲載 | 翻訳:ysbee
台頭する中東のイスラム軍団
米国政府がかつて拡大民主主義国家と呼んだ国々(あえてこの地域で言えばイランやシリア)の市民は、現在では彼らの母国周辺で、民主主義の息吹すら感じられない3つの事例に遭遇している。
レバノンでは、イランが後ろ盾となるヘズボラ(ヒズブラ)が人口の大部を占めるイスラム系民衆の圧倒的支持を受け、勢力的にはレバノン政府の上に君臨している。

イラクでは、イスラム教の「スンニ対シーア」の対立宗派を基盤とする政党が、2005年の総選挙でシーア派主流のバランスの悪い連立政権を樹立して以来、血なまぐさい悪夢のような惨劇を繰り返している。この国では、真に国民の合意を築こうとする試みはすべて徒労に終わった。

また地中海側のパレスチナの領地ガザ地区では、アッバースのファタハ政権を軍事的・政治的に増強して、反米・反イスラエルのイスラム強硬派軍団ハマスを放逐しようとする米国政府の施策は、一昨年の選挙結果でいともたやすく拒絶されてしまった。そして今日、ガザはハマスが君臨する反米勢力の砦と化してしまった。
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Apocalypse Middle East-2: Fullhouse of Anti-israel Militias
Hamas and Fatah battle over control of the Palestinian territories
By Michael Hirsh | Newsweek — June 25, 2007 issue | Translation by ysbee
9. Islamist risen
Citizens of countries where Washington has called for greater democracy—Iran, say, or Syria—now have three less-than-inspiring examples close to home. In Lebanon, Iranian-backed Hizbullah reigns as a power unto itself. In Iraq, the sect-based parties that came to power in the 2005 elections have created a bloody nightmare, and stymied any attempts to forge a truly national consensus. And in the Palestinian territories, Washington simply rejected the election results.

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JUNE 17, 2007 | 米 流 時 評 | ブログ雑誌『 楽 園 通 信』デイリー版f0127501_6213945.jpg
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N E W S W E E K | M S N B C .com
     ||| 中東の黙示録・反イスラエル連合の予兆 |||
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反米・反イスラエル戦線ハマスのガザ制圧が示す中東情勢の不気味な行く末
10. Two-state nation splits again
Optimists in Israel and America argue that Abbas, having dismissed the Hamas-led Palestinian government, is now free to receive millions in aid money and customs revenues that had been held back. The idea seems to be to bolster the wealthier, less radicalized West Bank and starve Gaza (of attention and respectability, if not food).
ガザとウェストバンクに再分裂したパレスチナ
イスラエルやアメリカ政界の楽観主義者は、05年の総選挙当時の現地の政情ではハマスがパレスチナ人の間で支持者が急増していたものの、この軍事政党がパレスチナ政府の主権を握るという考えを、はなから拒絶していた。米国は欧米側の意向を受け入れる穏健派のアッバースを擁立していたが、今回のガザ抗争の結果ハマスがガザ地区を制覇。今やアッバース以下のファタハはガザから放逐され、ウェストバンクのラマラーに臨時政府の開設を余儀なくされた。
しかし逆に「以前はハマス連立政権であったがために棚上げとなっていた米国からの数十億の援助金や税関収入が、半亡命政権とはいいながらも米国受容の穏健派で一本化したために、逆に援助金や物資をスムーズに受けとれるようになったではないか」と現実肯定論を説く者もいる。
こういった経済面のみを重視した考え方は、ガザ地区よりは比較的裕福でより穏健なウェストバンクを支援テコ入れし、ガザを(食料援助など人道的にではなく観念的にと受けとりたいが)見限ろうとしているように見える。
▼親米穏健派のファタハ、アッバース大統領はガザから逃亡しウェストバンクへ/イランに亡命中のハマス首領
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11. '2-state solution' failed
But simply walling off Gaza, and more than a million Palestinians, will bring the region no closer to peace. In a recent interview with NEWSWEEK, Rice said that establishing the idea of a "two-state solution" was one of her proudest achievements. "You now have a broad international consensus," she said. "That's a conceptual breakthrough." What she's left with now, at best, is a one-and-a-half-state solution.
ライスの「二都物語」のシナリオ潰滅
しかし端的に言って、今やハマスの手に陥落したガザとその地に住む百万人以上のパレスチナ人が中東にもたらすものは、平和とはほど遠い状況である。
ニューズウィークのつい最近のインタビューでライス国務長官 (日本の役職では外相) は、パレスチナの「2-state solution/連立政権方式」の概念を具現化したことは、国務長官として彼女自身誇りうる業績のひとつであると述懐していた。「国際的にも広汎な同意を得たのをご存知でしょう、コンセプトの勝利ですよ」と彼女は自慢していたものだった。しかしその結果として彼女が残したものは、どうひいき目に見ても今や「1.5国家方式」でしかない。

▼左の2葉はアッバース率いるファタハ正規軍 後半ハマスの圧倒的攻勢で連立政府は崩壊 路上で連絡を取る閣僚
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12. Knell of 21st C. imperialism
d0123476_6342531.jpgGaza also poses a lesson in the limits of imperial power in the 21st century. Let's face it: Americans have always made crummy imperialists. A century ago Teddy Roosevelt complained that "America lacked the stomach for empire." A senior White House official echoed that lament early in the Iraq occupation, noting that America has the power of a true empire, like Rome or like Britain in the 19th century, but not the taste for acting like one.
21世紀の帝国主義も中東で挫折
ガザはまた「21世紀における帝国主義勢力の限界」という良い教訓を示している。
忌憚なく言おう。アメリカ人はいつの時代にも性懲りもなく、お粗末な帝国主義者を世界のあちこちにつくってきた。1世紀前にはテオドア・ルーズベルトが「アメリカは、帝国となる肝がすわっておらん」と愚痴をこぼしたくらいだ。ルーズベルトの嘆きは、現政権のホワイトハウストップ高官がイラク占領の初期にもらした、次のような慨嘆と呼応する。「アメリカは、ローマ帝国や19世紀の大英帝国のような真の帝国となる実力を備えているのに、そう振る舞う体質を持ち合わせていない。」
▶聖書時代からの仇敵イスラエルをはさんで2つの飛び地で形成するパレスチナ:地中海沿岸の片隅にかろうじてへばりつくガザ地区と東部の死海西岸を占拠するウェストバンク 

13. Alienated democracy
"Look at us in Iraq—how much difficulty we have in saying we will anoint people to run the country. Does anyone think the Romans or the Brits would have been deterred?" he grumbled. Nor did many hard-liners in Washington ever fully understand that using raw power to "impose" democracy on peoples who were not ready to seize it for themselves was a chimera. By insisting on cure-all elections in countries and territories that had no institutions of justice and security, or a politically aware economic middle class, to sustain democracy, the Bush team clearly seems to have overreached.
移植した民主主義の失敗
「イラクでの米軍をごらんなさい。万一われわれがこの国を運営する人々を洗礼しようと言ったところで、(ローマ帝国や大英帝国時代と比べて)どれほどの困難があると言うのですか。ローマ人や英国人が同じ状況で中東におかれたら、怖じ気づいて帝国を拡張しなかったと誰が考えますか?」
これが帝国主義を推進するこの高官の、悲憤慷慨の意見である。ブッシュ政権内タカ派の多くもまた「戒律の厳しいイスラム教徒のイラク人に対して、欧米型の自由と民主主義を押し付けようとする帝国のパワーを行使することは、頭と胴体が別物の怪物チメラを形成することに他ならない」という事実が判っていないようである。
もともとサダム独裁下では正義や治安すらなかった地域、政治的に目覚めた個人主義の中産階級が存在しなかった国家で、お仕着せの民主主義を維持するために統治の万能薬でもあるかのように総選挙の成功にしがみついてみても、真の民主主義が定着する基盤は所詮存在していなかったのだ。ブッシュ政権は明らかに実力以上に手を伸ばして、イラクで文字通り墓穴を掘ったようである。

▼左から米軍から訓練を受けたファタハの軍隊/女性もファタハ支持デモへ/しかし結果はハマスがガザ全域を制圧
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14. Worth than Pre-9/11 era
The next American president will have to grapple with a Middle East that is messier and quite possibly angrier than before 9/11. But also, in a larger sense, he or she will have to confront anew a harsh lesson in the limits of power. America can only be, at best, a guiding hand behind an international system that is disposed to democracy and open markets.
9/11以前より険悪化した中東情勢
来年選出される米国の次期大統領は、中東と素手で闘わねばならない。この地域は今や、9/11以前よりも険悪で、当時よりも米国に対する憎悪感を増しているという事実はきわめて確定的である。そればかりではない。新しく選出される大統領は大局的に見ても、世界のいたるところで地に落ちた「米国の権力の限界」という、新たなる厳しい教訓に対面しなければならない。
アメリカは、国際社会から最善に対処されたとしても、民主主義と自由貿易市場に投じられる国際機構活動の、縁の下の力持ち的役割を果たすくらいしか期待されないだろう。

▼叛徒が空になったアッバースのデスクにつくハマスのガザ制圧を象徴する写真 壁面の写真はイスラエルの寺院
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15. Success in far, far away
Bush is himself coming to acknowledge this, especially by maintaining a multilateral front with the Europeans to deal with the nuclear threat from Iran. Rice, in her NEWSWEEK interview, acknowledged that the administration had scaled down its hopes for "transformational" policy. "We're laying the foundations for someone else to succeed in the future, and I think that's fine." But right now, success looks very far away indeed.
日暮れて道遠し
ブッシュ自身がこの状況を身にしみて知っている。特にイランからの核の脅威を対処するにあたって、欧州諸国と連合戦線を組むことを通して身につまされた現実である。
ライス国務長官はニューズウィークの最近のインタビューに対して「ブッシュ政権は、次期大統領へ委譲する『過渡的政策』として、中東民主化計画をスケールダウンしました」と認めている。
「我々は近い将来政権を引き継ぐ方に対して礎石を敷いているわけで、現状としてはそれで充分だと思います。」しかし目下のところその成功さえ、実にはるか彼方にあるように見えるのだが。

▼イスラエルの空爆で始まったガザ市街戦 後半ハマスが親米のファタハを討伐 爆撃やタンクの砲撃で家屋が崩壊
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【米国時間 2007年6月17日  『米流時評』 ysbee訳】

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by ysbee-2 | 2007-06-17 14:27 | 中東のパワーラビリンス

中東の黙示録前編・ガザ陥落

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     ||| 「中東の黙示録」前編・ガザ陥落 |||
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アッバース政権崩壊で潰滅したブッシュの中東逆ドミノ理論
ハマスのガザ制圧が示す反米・反イスラエル戦線の中東覇権


By マイケル・ハーシュ | ニューズウィーク米国版 6月25日号掲載 | 翻訳:ysbee
▲当初ファタハの攻撃で始まったガザの市街戦が2週間続き、先週ついにハマスが政府の建物を占拠してガザを制圧
危機を警告していたアッバース
2006年1月に挙行されたパレスチナの総選挙を、イスラエルは実行してほしくはなかった。パレスチナの大統領マムード・アッバース自身でさえ、選挙の行方を懸念し実行を遅らせたかったというのが本音である。思い返してみると、最初にそういう思惑を示したのは2005年の春の時点であり、アッバースは米国国務省高官に対して、ハマスを武装解除できるほどの国民の支持は受けていないと伝えていた。ハマスは、自爆テロをイスラエル攻撃の常套手段にする過激派イスラム軍団であり、アッバースもイスラエル政府も、当時ハマスが勢力を増してくるのを目の当たりにして危機感を抱いたからである。
The Gaza Effect
U.S. calls it harassment, noting ‘disturbing pattern’ against dual citizens
By Michael Hirsh | Newsweek — June 25, 2007 issue | Translation by ysbee
1. Abbas warned
JUNE 16, 2007 — The Israelis didn't want Palestinian elections back in January 2006. Even Mahmoud Abbas, the Palestinian president, had been worried about them and kept asking for delays. As early as the spring of 2005, Abbas had warned American officials that he did not have the popular support to disarm Hamas, the Islamist party that turned suicide terror bombings into a standard tactic in Israel and which both Abbas and the Israelis saw was growing in power.

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JUNE 16, 2007 | 米 流 時 評 | ブログ雑誌『 楽 園 通 信』デイリー版f0127501_6213945.jpg
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      ||| 中東の黙示録前編・ガザ陥落 |||
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ハマスのガザ制圧が暗示する反米・反イスラエル戦線の中東覇権
2. Bush ignored
But Bush administration officials insisted, confident of the curative powers of democracy. Later, after Hamas stunned the world by winning control of the Palestinian Parliament, Secretary of State Condoleezza Rice claimed: "Nobody saw it coming."
The line could describe much of what has resulted from George W. Bush's efforts to transform the world—or at least one part of it, the Middle East. As long as the Islamists of Hamas refused to recognize Israel, the United States refused to deal with the Hamas-dominated Palestinian government.

警告を無視したブッシュ政権
アッバースの箴言にもかかわらず、ブッシュ政権高官はパレスチナ紛争がデモクラシーで解決できると過信し、本来の方針を曲げなかった。しかし後日選挙の結果ハマスがパレスチナ議会の主導権を掌握して世界を唖然とさせたとき、国務省のコンドリーザ・ライス長官はこう述懐した。「誰もこんなことになるとは思いもよらなかったわ」
この台詞は、ジョージ・W・ブッシュが世界を変えようと試みた結果生じた、多くの事象をそのまま言い得ているとも言える。少なくとも彼が中東においてしでかしたことには当てはまるはずだ。

▼イスラム強硬派のハマス、穏健派のファタハ混成のパレスチナ連合政権は崩壊した 左から二人目がアッバース
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3. Strategy backfired
The hope was not that ordinary Palestinians would suffer, but that they would realize such a government was not in their best interests.
At the same time Washington tried to bolster Abbas and his Fatah movement—the secular Palestinian party founded by Yasir Arafat. The strategy backfired. America was seen to be taking sides. Hamas, under pressure, built up its own paramilitary forces to counter those controlled by Abbas (and trained by the United States).

裏目に出た米国の戦略
イスラム強硬派のハマスがイスラエルの存在を認めることを拒否する限り、米国はハマス主導のパレスチナ政府との交渉は拒否した。一般のパレスチナ市民の意向とは関係なく、パレスチナにおいて米国の利益にそぐわないそのようなハマス主導政権が実現することを、米国は希望しなかった。
それと同時に、米国政府はアッバース大統領と彼の支持政党であるファタハの活動勢力を増強しようとした。ファタハは、PLOパレスチナ解放戦線の故ヤッサー・アラファト議長によって創設された、パレスチナの派閥政党である。この戦略も結果的には裏目に出ることになる。アメリカは当然ファタハの側につくと見えた。そこでアッバースに率いられ米軍に訓練を受けたファタハ主導の軍部に対抗して、ハマスはその軍事的圧力をはね返すために独自の軍隊を組織する結果となった。

▼米国は穏健派ファタハの代表アッバースを支持したが、パレスチナ市民は反イスラエル強硬派のハマスに傾いた
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4. Gaza exploded
Then, last week, as tit-for-tat killings in Gaza spiraled out of control, those Hamas fighters in Gaza turned out to be far more fierce than their better-funded opponents. The result: the radicals are now in charge of Gaza, a 140-square-mile strip of land on the Mediterranean Sea along Israel's western border that is packed with 1.4 million Palestinians, most of them desperately poor.
Until late 2005 Gaza was occupied by Israeli troops, and until last week Bush still saw it as part of the new Palestinian state he wanted to create along with the larger West Bank. Now Gaza may become Hamas's private enclave and perhaps even an ungovernable font of terror.

ハマスの手に陥落したガザ
その後先週(6/10〜6/16)になってから、ガザ市内での両派のこぜり合いが過激化して手が付けられなくなった。特にガザ市内のハマスゲリラは、彼らよりも十全の装備を持つファタハ正規軍に比べ、格段に激しい闘いぶりでその戦意を証明した。
戦闘結果:今や過激派のハマスがガザ地区を制圧している。この街はイスラエルの西南端に位置し、地中海沿岸に沿って南北に細長く伸びる140平方マイルの地域で、140万人のパレスチナ人が住んでいるが、大半が極貧状態である。2005年後半までは、ガザ地区はイスラエル軍によって占領されていたが、先週ハマスが制圧するまでは、ブッシュはいまだにガザよりも大きいウェストバンクとともに、彼が望むところの新生の統一パレスチナ国家の一部と見なしてきたの地域である。しかし今やガザはハマスの孤立した領土となり、近い将来には多分手のつけられないテロリスト集団の最前線となるかもしれない危険性をはらんでいる。

▼ファタハが権限を握る保安省(警視庁)を襲撃するハマスの一団 このあと一連の政府機関もハマスが制圧
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5. Peace trashed
The violent takeover of Gaza by Hamas is not just a death knell for Israeli-Palestinian peace, splitting Bush's dream of a Palestinian state into two armed camps. It is also, along with the quagmire in Iraq, a historic rebuff. In his second Inaugural Address, the president embraced the promotion of democracy as his top priority, declaring: "The survival of liberty in our land increasingly depends on the success of liberty in other lands."
うち砕かれた平和協定
ハマスによるガザの暴力的制圧は、パレスチナをウェストバンクとガザという2つの軍用キャンプに転用しようとしたブッシュの軍事的夢想を引き裂いたという意味で、イスラエルとパレスチナ間の和平交渉にとってはまさしく弔鐘であるだけではない。これはまたイラクの泥沼化とともに、歴史の逆襲でもある。ブッシュ2期目の就任演説の中で、大統領は民主主義の推進を最優先目標に掲げ、こう表明した。「我が国における自由の存続は、ますます他の国での自由の成否にかかってきている。」
▼今回のガザ紛争はイスラエルの無差別空爆で始まった 憤慨した市民が反米反イスラエルのハマスを一挙に支持
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6. Chaos rules
But in Iraq and the Palestinian territories, as in Russia, Pakistan and other places, liberty is retreating. And the fact remains that those places where Washington has most actively and directly pushed for elections—Iraq, Lebanon, the West Bank and Gaza—are today the most factionalized, chaotic and violent in the region.
70年代の混沌に帰した中東
しかしイラクとパレスチナの領域においては、ロシアがパキスタンやアフガニスタンで経験したように、自由は敗北した。しかもこれらの地域は、米国が自由選挙をもっとも強力かつ直接的に推進してきた場所に他ならないという事実が、歴然としてある。
イラク、レバノン、パレスチナのウェストバンクとガザ...... これらの地域は、今日では中東の中でも最も分裂し混沌とした、暴力が渦巻く国に帰してしまった。
▼ガザ市内を制圧するハマスゲリラの若者 アッバースのファタハは殺害を怖れ死海西岸のウェストバンクに逃亡
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7. Why Gaza matters?
Why does the disaster in Gaza matter? In part because the defeat of the secular—and more moderate—Fatah forces could, along with the insurgents' success in Iraq, inspire Islamist radicals in the region and around the world. Hamas is not the Taliban, and it knows that an uptick in rocket attacks against Israel will be met with a harsh response.
ガザ陥落の意味するもの
ガザの崩壊がなぜそんなに重要なのか。ひとつには、より穏健な宗教臭を持たないファタハ勢力の敗北は、イラクでのシーア派軍団の台頭と同様に、中東だけでなく世界中のイスラム過激派に対して、成功例としてのヒントを与えるからである。ハマスはタリバンではない。彼らはイスラエルに向かってミサイルで攻撃すれば、手痛い反撃を受けるのは百も承知している。
▼ハマスがガザ市内を制圧した結果、ファタハ関係者が逃げ無人となった政府機関の建物が盗難・放火の対象に
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8. Radicalism swarm
But, as Bush said in his second Inaugural, the whole point of promoting freedom is to blunt the hopelessness and anger that breed radicalism. Gaza faces 50 percent unemployment in the best of times. Qaeda-like splinter groups that have carried out kidnappings of foreigners have already begun to appear. Further isolating the territory is not likely to fill its residents with faith in the future.
蝟集するイスラム過激派
しかしブッシュが再任演説で述べたように、いかなる観点であれ自由を推進するという意義は、そのままそっくり過激派の絶望や怒りを鎮めるためでもあったはずだ。しかしガザはもっとも景気の良い時でさえ、失業率が50%という有様だった。外国人を誘拐したりするアルカイダのような新興ゲリラグループが、すでにちらほら出現してきている。今以上にこの地域を孤立化すれば、将来をこの地域に託しているパレスチナ住民を失望させる結果となることだけは確かである。

▼パレスチナ・ガザ地区でのハマス対ファタハの抗争は、一般市民も巻き込む市街戦となり100人以上が犠牲者に
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▶「中東の黙示録後編・反イスラエル連合の予兆」へ続く 【米国時間 2007年6月16日 米流時評・ysbee訳】

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by ysbee-2 | 2007-06-16 14:25 | 中東のパワーラビリンス

ガザの黙示録・中東恐怖の未来

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   ||| 中東の未来を暗示するガザの黙示録 |||
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アッバース政権崩壊で潰滅したブッシュの中東逆ドミノ理論
ハマスのガザ制圧が示す反米・反イスラエル戦線の中東覇権


d0123476_18552829.gif日本のみなさんは、先月来中東に起きている重大な変化に気が付かれただろうか。イラクでは相変わらず毎日死者の数をふやしている。イランは相変わらず国連の指示を受け入れず、核兵器開発に邁進している。どちらも悪しき方向は変わらずで、「出口なし」の懸念はいやますばかり。

しかし先月は中東の重要な要衝2カ所で、今後のこの地域の運命を左右するような抗争がほとんど同時に勃発したのだ。ひとつはレバノン。5月20日に親欧米派のシニオラ政権が、レバノン正規軍を動員して北部トリポリに数十年放置していたパレスチナ難民部落を襲撃。叛徒以外の一般市民数千人も居住する市街区域に空爆を挙行。メディアは一切立入禁止となっているので、詳報は包囲を脱出した避難民からしか伝わって来ないが、現状は「今世紀のワルソーゲットー」のような悲惨さである。このレバノン北部トリポリの難民キャンプ、ナルエルバレド抗争のレポートは、いまだ状況進展中なので、態勢が一段落した時点でまとめて報告したい。
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もうひとつは、イスラエルの南端に身を寄せる地中海沿岸のパレスチナ難民地区、ガザである。
先月のレバノンの難民キャンプ襲撃とまさに時を同じくして、イスラエルのガザ地区への爆撃が始まった。元々パレスチナ人が住んでいたこの地域に、米国主導の国連パワーをバックにユダヤ人がイスラエルを建国したのが、1948年。この時以来、地中海沿岸のガザ地区と死海西岸のウェストバンク地区に二分されて押し込められたパレスチナ人は、その後反イスラエル・祖国奪還を標榜したPLOパレスチナ解放戦線を結成して、今日までの60年間常に中東問題の火元となってきていた。

90年代のクリントン政権時に、米国がイスラエルのバラク大統領とPLOのアラファト議長をキャンプデービッドに呼び寄せ、両者の和解握手まで漕ぎ着けたのは奇跡的瞬間だったが、その後のアラファトの翻意で、和平条約などの恒久的解決までにはいたらなかった。
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新しいミレニアムを迎え米国にブッシュ政権が誕生し、2001年9月に9/11のテロが起きて以来、世界は一変した。アジア・アフリカを問わず、ムスリム過激派の主導する反米反イスラエル抗争が、世界中の政情不安定なあらゆる地域で頻発してきている。21世紀に入ってからだけでも、めぼしいテロ事件は優に数百件を数える。
これは単に、欧米民主主義対イスラム革命主義というイデオギーの対立だけではなく、近代から近未来へと発展し続けた欧米先進諸国がおきざりにしてきた、いまだに中世以来の生活様式と貧困に甘んじる後進諸国の貧民層からの、悲痛な叫びと手痛い反撃にほかならない。
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当ブログ『米流時評』でも、この大きな二極対立の構図を再三とりあげてきたが、ここ数週間の中東の激変は、まさにその縮図を見る思いがする。米国が(特にネオコンが)よかれと思ってこの地域にばらまいてきた「中東の民主化」という絵に描いたモチは、ものの見事にカラシニコフ銃で粉砕されてしまった。
欧米社会がこの地域で相対しているのは、同じ時代に生きる人々ではない。たしかにPCやネットという新しい武器を駆使して、反米・反イスラエルのネットワークを形成してはいるが、彼らのマインド設定はいまだに近代ヒューマニズムの洗礼を受けていない、中世以前の野蛮な戦闘時代のままである。血で血を洗う復讐を是とする、ネブカドネザルの民。ここにはミレニアム分の時代の断層が横たわっている。
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しかし諦観と絶望に終始する前に、どこかに未来へ打開できる突破口はないだろうか。それにはまず彼らの意向を探るべく、歴史に耳を傾けることからだ。今日までの状況にいたる関連国家の時流の必然を、きわめてコンパクトにまとめた秀逸な時評コラムがあるので、ぜひ紹介したい。米流時評5/17号の『ネオコン世界改造計画の終焉』でも掲載したニューズウィークの俊英コラムニスト、マイケル・ハーシュの中東論評『The Gaza Effect』を、次号から全訳して前・後編に分けお届けします。
                   【米国時間 2007年6月15日 『米流時評』ysbee】

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▶ 米国式濃縮ニュース解説/風に聴け精神よ何処へ
▶ 西暦2003年のコマーシャル/広告と戦争のはざまで

by ysbee-2 | 2007-06-15 20:50 | 中東のパワーラビリンス
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世界の動きがよくわかる!激動する国際情勢を、欧米メディアでディープに読む…世界の「今」と真実探求に関心ある知的冒険者へ送るグローバル情報満載ブログ


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