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タグ:メドベージェフ ( 9 ) タグの人気記事

アフガンとオバマ/カイバー峠の戦場にかける橋

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    ||| カイバー峠の戦場にかける橋 |||

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 米軍3万名増兵で中央アジアの平定を図る、オバマ新政権テロ戦争の戦略転換
 タリバン掃討戦の焦点はア・パ国境の前線へ、鍵を握るロシア参戦の可能性は?


d0123476_18552829.gif前号「メドベージェフとオバマ/ユーラシア防衛とキルギスタン」のあとがき:
古代マケドニアのアレキサンダー大王が、ローマ帝国時代には皇帝カエサルのローマの歩兵が、東方大遠征の際にいずれも通った歴史的要衝、カイバー峠。西方からオリエントへとエキゾチックなスパイスや宝石を求めて、インドへの危険な旅路を目指した冒険家たちも、東洋と西洋をつなぐ天下の嶮カイバー峠を越えなければ、エキゾチックな王侯たちの都へは辿り着けなかった。
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この東洋と西洋の世界の狭間に立ちはだかるドアの鍵穴のようなカイバー峠は、米軍が展開するテロ戦争の戦略ステージでも、歴史の故事に倣ったかのように、陸路の重要な関門となっている。歴史のターニングポイントとなった2001年の9/11同時多発テロと、それに続くテロ戦争の第1幕であるアフガン侵攻。この時以来、トラボラをはじめとするタリバンの拠点を攻撃するため、米軍はさらに中央アジアの要所に補給用の空軍基地を設置して、ドイツやイタリーの米軍駐屯基地から、物資や兵力を輸送する中継基地として利用してきた。
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その中に、中央アジアの小国タジキスタンの首都ビシュケク郊外の、マナス空軍基地がある。しかしつい最近、これまで7年間ストップポイントとして利用してきた米国に対して、タジキスタン政府からは契約更新を拒否する動きが出ている。イエスかノーかは、タジキスタンの国会で決定されるが、昨日の決議は案件が重要すぎるのか、延期となった。

【追記】その後6日金曜のニュースでは、タジキスタンの国会決議でマナス空港の米軍へのリースは継続中止に決定。すなわち将来的に立ち退きを迫られる事態が予測される。近々にアフガン戦線へ3万名の増兵を予定しているペンタゴンの将校たちは、今頃は総立ちで蒼白のはずだ。
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その陰には元々、ロマノフ王朝の帝政時代から中央アジアの高原一帯を配下に治めてきた、歴史的執着を捨てきれないロシアの思惑が働いている。ソ連邦時代のアフガン侵攻で、国費を使い果たして国庫破綻しソ連の国家崩壊につながった史実は、前号でも述べた通りである。また、ロシアの国境に沿って首飾りのようにユーラシア大陸に連なる、コーカサスと中央アジアの国々「ユーラシアの回廊の資源戦争と戦略外交」については、米国の東欧MD計画が暴露され、ブッシュとプーチンの間が急速冷却して「新冷戦開幕か」と囁かれた、2007年の夏のエントリーで解説した。

▶ユーラシアの回廊・帝政ロシアの首飾り 『米流時評』2007年6月10日号 再掲出
d0123476_14302471.jpg第1章 ロシアと米国の新冷戦 /第2章 ロシア・グルジア・アゼルバイジャンの三すくみ /第3章 ロシアの首飾りからユーラシアの回廊へ /第4章 資源外交と侵略戦争 /第5章 ユーラシアの長い暑い夏

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ソ連撤退からユーラシアの弧包囲網を構築しようとした米軍とNATOだが、アフガンとパキスタンでの叛徒グループの反撃がしぶとく、いまだに平定すらできていない。そこへもってきて、戦線撤退を最終目的に掲げるオバマ政権が樹立した。ロシア側から見れば、まさに10年に1度のチャンスである。ソ連時代の雪辱を果たす、というよりも、この地域に眠る貴重な地下資源に対する固執が優先しているように伺える。
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ロシアのメドベージェフ大統領は、オバマ新政権に対して「(アフガン・パキスタンを含めた)中央アジアの安全保障は、歴史と経験豊富なわが国に任せなさい」と申し出たのである。
ポーランドとチェコに設置予定だった米軍ミサイル防衛計画(東欧MDSプラン)のレーダー施設やミサイル打上げ施設をめぐって、プーチンとブッシュが「新冷戦」開幕と危惧される衝突を起こしたのは07年来で、米ロ間の外交関係の急激な冷却と、関係諸国間の外交の緊張につながった。
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そこで、メドベージェフからの申し出の交換条件として出されたのは、案の定「東欧MDS」の撤廃である。当然、チェコやポーランドの計画に直接関連する国からは、猛烈な反対がくるだろう。
しかしそもそもは、東欧ミサイル防衛網計画を立案し推進したのは、イスラエルと密着したネオコンタカ派とその傀儡のブッシュ政権であって、オバマ新政権ではない。オバマは、そうした世界へ覇権の軍備を拡大するタカ派のプロジェクトは、国家としてのアメリカを崩壊へ招くものと解釈するハト派の国民の支持を集めて、ホワイトハウスへの道を拓いた。
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世紀に一度の大不況のさなかに生まれたオバマ新政権は、否が応でも内政と経済を最優先させる運命にある。政治のベクトルが国政充実に内向すれば、軍事費は大巾に削減せざるをえない。戦線は縮小、あるいは首尾よく行けば撤退がゴールである。
一方ロシアは、米国の覇権への野心が足をすくわれたこの機を、中央アジアへの影響力を奪還する最大のチャンスと見たのだろう。ロシアからのサイは投げられた。中央アジアという賭博場のテーブルについているのはメドベージェフだが、背後から指示を囁いているのがプーチンであるのは、誰の目にも明らかである。
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この、のるかそるかの大転換の流れを、紛争と衝突の繰り返しに戻すのか、
あるいは、奇跡的な平和をもたらす交渉の場に変えることができるのか?
人種の壁を越えた新しい時代の指導者は、東西の宗教の峡谷への架け橋となりえるだろうか?

決断のときが、オバマを待っている。
米国の未来だけでなく、西欧諸国とイスラム世界との融和を賭けて。

【米国時間2009年2月5日『米流時評』ysbee】
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◀前号「メドベージェフ vs オバマ/ロシアのアフガン回帰」
▶次号「パキスタンとオバマ/タリバン戦線の共闘戦略」
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d0123476_11564496.jpg記事リンク http://beiryu2.exblog.jp/9306903
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米流時評 特集 ||| オバマの時代 |||
第1章 オバマ時代開幕 Road to White House
▶11/01(1)世界が待ち望む オバマ時代の夜明けd0123476_19284774.jpg
▶11/02(2)世界危機に挑戦する 21世紀のニューリーダー
▶11/04(3)アメリカの再生を賭けた明日へのカウントダウン
▶11/07(4)オバマの第一声「アメリカの大いなる挑戦」
▶11/13(5)オバマの初仕事・ホワイトハウスの組閣人事
▶11/14(6)オバマ紳士録・後編 クリントンが国務長官?
▶11/16(7)オバマのチャイナフリーFDA改革・禁中国汚染食品!
▶12/08(8)ウォール街復活? オバマのNewニューディール効果


第2章 オバマの百日革命 Revolutionary Road
▶1/19(1)勝者なき闘い・ガザの終りとオバマの始まり
▶1/23(2)ブッシュとオバマ/スーパーマンの仕事始め
▶1/24(3)カストロとオバマ/キューバとアメリカの新しい海峡
▶1/25(4)旧体制とオバマ/レボルーショナリーロード
▶1/27(5)中東とオバマ/カウボーイ外交からピース外交へ
▶1/28(6)アラブとオバマ/アルアラビアTVインタビュー対訳
▶2/01(7)金正日とオバマ/狼少年の歓迎のテポドンd0123476_1936736.jpg
▶2/03(8)テロ戦争とオバマ/アフガン戦線と東欧MD計画
▶2/04(9)メドベージェフとオバマ/ユーラシア防衛とキルギスタン
▶2/05(10)アフガンとオバマ/カイバー峠の戦場にかける橋
▶2/06(11)パキスタンとオバマ/タリバン戦線の共闘戦略
▶2/07(12)アルカイダとオバマ/パキスタン ISIのCHANGE
▶2/08(13)ビンラディンとブッシュ/テロ戦争内幕の危険な関係
▶2/09(14)イスラエルとオバマ/タカ派三つ巴のイスラエル総選挙
▶2/10(15)ネタニヤフとリブニ/イスラエルの2月体制
▶2/11(16)タリバンとオバマ/首都カブール同時多発テロ攻撃
▶2/12(17)カルザイとオバマ/アフガン増兵とアフ・パキ戦線
▶2/13(18)クリントンと日本/拉致被害者家族と東京で会談
▶2/14(19)クリントンと北朝鮮/核と平和のアメとムチ
▶2/15(20)パレスチナとオバマ/絶望と希望のはざまで
▶2/17(21)アフマディネジャドとオバマ/テヘランの春
▶2/18(22)IAEAとオバマ/イラン核外交のCHANGE


||| 『米流時評』 特集シリーズ |||
次世代冷戦時代  |  グローバルウォー  |  イラク戦争  | テロとスパイ陰謀d0123476_1746245.jpg
アルカイダ2.0 核のテロ | パキスタン戒厳令の季節  |  アフガン・タリバンの復活
中東のパワーラビリンス | プーチンのロシア | ユーラシアの回廊 | ダイハード中国
2008年米大統領選 | ブッシュと米国政治 | サルコジのフランス | トンデモ北朝鮮
ビルマの赤い川革命 |  欧米の見る日本  | 世界不思議探検 | グローバルビジネス


by ysbee-2 | 2009-02-05 12:35 | ユーラシアの回廊

メドベージェフとオバマ/ユーラシア防衛とキルギスタン

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    ||| メドベージェフのプロポーザル |||

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メドベージェフ大統領、オバマ新政権に中央アジア防衛上の全面的協力を声明
キルギスタン米軍基地撤退など、旧ソ連盟邦国へのロシア防衛力浸透を意図か


d0123476_18552829.gif前号のまえがき「オバマの戦争と平和・テロ戦争とロシアのUターン」からの続き
地政学上ロシアと中東・南アジアの間に横たわる中央アジアは、ユーラシアの回廊として常に覇権攻略の対象となってきた。

カザクスタンの地政学上の重要性と埋蔵地下資源を認識してクリントン元大統領が強力なコネクションを結んだのは記憶に新しい。カザクの南方のウズベクスタン・トルクメニスタン・キルギスタン・タジキスタン。この中央アジアの高原の国々は、アフガニスタンとパキスタンにおける米国のテロ戦争のロジスティックベース(戦略上の拠点となる輸送基地)として、2001年以降重要な役割を果たしてきた。
▲トップ:クレムリンにメドベージェフ大統領を訪問し20億ドルの借款を取り決めたキルギスタンのバキエフ大統領
▼ 左図のブルーの部分がキルギスタン /右は左の拡大マップ
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しかしロシアから見れば、どの国も帝政ロシア時代から旧ソビエト連邦時代までは、盟邦国として配下にあった。軍事上は「中央アジアにおけるロシアの包囲網」と受け止められるのも、当然のポジショニングではある。年が明けて、8年間のブッシュの覇権体制から新しいオバマ政権へと、米国政権は移行した。しかし、ブッシュ政権の無謀な放漫財政の結果、国庫財政は破綻しつつある。

その危機を見越したかのように、米空軍基地を提供していたキルギスタンが、契約更新を断る態勢である。その態度変更の裏には、ロシアからの20億ドルの借款があった。以下の記事は、そうした関連各国の一連の動きが、カドリールのように相手を代えて覇権抗争の中で生き残ろうとする小国のステップとともに、歴史の1ページへ刻まれる瞬間の記録である。
【米国時間2009年2月4日『米流時評』ysbee】

参照 ▶ユーラシアの回廊・帝政ロシアの首飾り『米流時評』2007年6月10日号 再掲出
d0123476_14302471.jpg第1章 ロシアと米国の新冷戦 /第2章 ロシア・グルジア・アゼルバイジャンの三すくみ /第3章 ロシアの首飾りからユーラシアの回廊へ /第4章 資源外交と侵略戦争 /第5章 ユーラシアの長い暑い夏

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FEBRUARY 4, 2009 | 『米 流 時 評』 |  時事評論ブログ雑誌・デイリー版 2009年2月4日号
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    Associated Press | B R E A K I N G
ロシア、オバマ新政権に中央アジア防衛上の全面的協力を申し出
米国時間 2009年2月4日午後0時38分 | AP通信・ニュース速報 | 訳『米流時評』ysbee

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どう見ても米軍か国連軍だが、これがANAアフガニスタン政府軍兵士。戦後の日本が急激にアメリカナイズされていったように、アフガンの一般民衆もサングラスから脱イスラム化するのか? トラックは地球上どこでもTOYOTA

Russia: We'll Help U.S. Stabilize Afghanistan
Comments follow move by Kyrgyzstan to evict U.S. forces from key air base
FEBRUARY 4, 2009 | Associated Press — BREAKING | Translation by ysbee
MOSCOW — President Dmitry Medvedev said Wednesday that Russia and its ex-Soviet allies want to help the United States stabilize Afghanistan, saying Moscow wanted "full-fledged" cooperation with Washington. He spoke a day after the ex-Soviet republic of Kyrgyzstan announced it would evict the U.S. from an air base key to the Afghan war.

ユーラシア防衛で米国に全面的協力
モスクワ発 |ロシアのドミトリ・メドベージェフ大統領は「ロシアと旧ソ連盟邦国は、アフガニスタン平定を目指す米国を援助するために、米国政府に対して『全面的に協力』する意向である」という声明を4日水曜発表した。この声明は、アフガン戦争における物資輸送の重要な拠点であるメナス米空軍基地の存続をめぐって、契約更新をしない方針をとろうとしているキルギスタン共和国(旧ソ連邦盟邦国)のバキエフ大統領と、メドベージェフ大統領がモスクワで会見した翌日に公表されたが、オバマ新政権に対するロシアの外交姿勢の急変を物語るものである。
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中央アジア空路の米軍補給ルートの要衝、キルギスタンの首都ビシュケクから郊外へ30キロにある米空軍マナス基地

2. Russia promised $2 billion to Kyrgystan

Kyrgyzstan made the move after getting a promise for $2 billion in loans from Russia — which resents the American presence in a region Moscow regards as part of its traditional sphere of influence.
キルギスタン、ロシアから20億ドルの借款
問題の国キルギスタンは、ロシアから20億ドルの借款契約をとりつけたあとで、この動きに出たものである。カザクスタンやタジキスタン、キルギスタンなど、ロシアを囲繞する中央アジアの一連の国家は、コーカサスの小国家群とともに、長い歴史の中でも伝統的にロシア的世界に包括される地域「帝政ロシアの首飾り/ユーラシアの回廊」として認識されてきた。
そうした身内のような地域に、テロ戦争以来米国の出先機関が顕在化する現象は、ロシアにとってはたしかに目障りであったにちがいない。
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キルギスタンの米空軍マナス基地は、アフガニスタンの駐留米軍へ物資・兵器・燃料を輸送するロジスティック基地

3. Base closure affects Afghan surge

The possibility of the base closure poses a serious challenge to the new U.S. administration and President Barack Obama's plan to send up to 30,000 more American forces into Afghanistan this year.
3万名のアフガン増兵計画にも支障
しかし、首都ビシュケクの郊外30キロにある米空軍駐屯マナス基地に対して、万一キルギスタンが借地契約の更新を打ち切って米軍が使えなくなれば、オバマ新政権が今年予定しているアフガン戦線への3万名派兵計画にも支障をきたすことになる。
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米軍の戦車や車輌に補給するガソリンや重油などの燃料を運ぶS-371輸送機と防火服を着た作業員

4. 'Ready for full-fledged cooperation w/U.S.'

"Russia and other (alliance members) are ready for full-fledged comprehensive cooperation with the United States and other coalition members in fighting terrorism in the region. This fight must be comprehensive and include both military and political components. Only in the case will this have a chance to succeed," Medvedev said.
米軍のテロ戦争アフガン戦線を代行
「われわれロシアと盟邦国は、この地域(アフガニスタンとパキスタンの国境地帯)でテロリズムとの戦いを続けている米国とその友軍国家に対して、全面的な協力体制で臨む用意はできている。この地域での戦闘においては、軍事的および政治的な戦略を統合したときに初めて完遂できるという特殊事情があることを、肝に命じなければならない。」アフガン侵攻時の苦い軍事的経験に裏打ちされたロシア軍の教訓を込めて、メドベージェフ大統領はアフガン戦争での戦略をこう語った。
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アフガニスタンの政府軍ANA/Afghanistan National Army の実戦演習場 米軍が軍事指導を担当

5. What is the exchange of 'full-fledged' cooperation?

It was not clear if Medvedev's reference to "full-fledged" cooperation was an attempt to reassure Washington or an indication that Moscow would seek concessions in exchange for helping keep the Manas air base open.
全面的協力の見返りは何?
メドベージェフ大統領が公言した「全面的協力」が具体的には何を指すのかについては明確ではない。果たしてモスクワのロシア政府が、オバマ新政権との友好的外交関係を模索して発した社交辞令なのか、あるいはマナス米空軍基地を継続して使えるようキルギス政府と交渉する代わりに、その代償として何らかの見返りを期待するという含みなのかは、現在のところ定かではない。
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アフガニスタンの首都カブールでの軍事パレードを終え、基地へ戻る陸軍のコンボイ=トラック輸送部隊

6. Alternative logistics to Pakistani supply lines

Russia has appeared open to aiding the U.S. and NATO in Afghanistan by facilitating attempts to find northern alternatives to Pakistani supply lines increasingly threatened by militant attacks.
パキスタン補給ルート代行のロジスティックス
今回の申し出の表向きでは、アフガン国境に近いパキスタン側にある米軍の補給ルートに対して、昨今タリバンシンパゲリラの攻撃が頻発していることから、アフガン北方地域へ通じる代行の輸送経路を探し出して、アフガンで闘う米軍とNATO軍を表立って援助しよう、という外交姿勢の方針変更に見える。
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戦場にかける橋:アフガンの米軍基地へ物資を補給する山岳部隘路カイバー峠の橋はタリバンによって3日爆破された

7. Vehement opposition against U.S. MDS plan

But Moscow also wants to protect what it says as its strategic backyard by blocking the possibility of NATO membership for Ukraine and Georgia. Russia has also vehemently opposed U.S. plans to put a missile defense system in the Czech Republic and Poland.
米国の東欧ミサイル防衛計画に鉄槌
しかしながらロシア政府はまた、自国の守備範囲の防衛体制を崩したくないので、お膝元のウクライナとグルジア両国がNATOに加盟する可能性は何としても阻止したい、と以前から公言してきたのも事実である。また、ブッシュ政権時に米国がチェコとポーランドに計画した東欧ミサイル防衛網/MDSの建設に関しては、プーチン大統領の時代から猛烈に反対し、一時は米国との間に「新冷戦開幕か」と危機感が表面化した時期もあった。
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ブッシュ政権1期目の国防長官ラムズフェルド。ネオコンのニューワールド計画の軍事上の推進者だった。

8. 'Democracy cannot be forced'

Medvedev appeared to criticize U.S. efforts on stabilizing Afghanistan, saying it would be impossible to defeat terrorism there only using military means."It is necessary to form a full-fledged political system, keeping in mind, cultural and historic traditions. Democracy cannot be forced upon (a country). It must grow from within," he said.
「民主主義に強制はない」
メドベージェフはまた、米国がアフガニスタンを平定しようとする努力に対して、批判的な意見も明らかにした。その理由として、彼の地(アフガンとパキスタンの国境地帯にあるパシュトン民族の自治州)では、軍事的手段だけではテロリズムに勝つことは不可能だと主張し、次のように発言した。
「あの地域のパシュトン族を治めるには、彼らの心情や伝統ある文化と歴史をそっくりそのまま包含するような、政治形態そのものから全面的に統合する必要があるのです。民主主義とは、決して国家が押し付けるものではないはずです。それは、国家の内なる人民の間から、自然に芽生えてくるものでなければなりません。」
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キルギスタンの主要産業は中央アジア小国の例にもれず放牧農業。冬場に閑をもてあます首都ビシュケク郊外の農民。

9. Mixed signals for Obama administration

"It's not the number of bases that matters. It would be good if that would help reduce the number of terrorists, but the fight against terrorism is not limited to building up military forces." Russia, which waged its own bloody and unsuccessful attempt to control Afghanistan, has sent mixed signals about working with the Obama administration, after years of political clashes with the administration of George W. Bush.
オバマ新政権への変化球
「平定へのこだわりは、基地がいくつあるかではないでしょう。もちろん、テロリストの数が減ればそれに超したことはありません。しかしテロリズムとの闘いは、なにも軍事力増強だけで解決のつく問題ではないはずです。」
ロシア自身、ソ連時代の末期にアフガン侵攻で辛酸をなめ、数千の戦死者を出し国庫が疲弊した苦い経験を持っている。またジョージ・W・ブッシュの前政権とは、外交政策と軍事戦略で正面から衝突した数年間を過ごした後だけに、オバマ新政権に対しては玉虫色の外交姿勢を見せ、様子を伺っている段階だと受け取られる。
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ビシュケクの国立歴史博物館 高く建立された銅像と国旗掲揚塔がソ連邦時代のモスクワ様式

10. Enforcement on ex-Soviet alliance

On Wednesday, Medvedev hosted presidents from seven-member Collective Security Treaty Organization — a loose, Moscow-dominated alliance made up of several ex-Soviet states. After Kremlin talks, the group announced the creation of a joint rapid reaction force that would boost the military dimension to the alliance, which until now has served mostly as a forum for security consultations.
CSTOで旧ソ連盟邦国との結束強化
4日水曜メドベージェフ大統領は、Collective Security Treaty Organization(CSTO=総合安保条約機構)に加盟する7カ国の元首をモスクワに迎えた。この組織は旧ソ連邦盟邦国の数カ国からなる、明文化してはいないがロシアが主導権を握る安全保障の共同機構である。クレムリン宮殿での本会議の後、出席したメンバーは共同声明を発表したが、その内容は次のようなものであった。

「共同安全保障の加盟国間では、その中の一国でも有事に際した場合には(=紛争発生時)、他の加盟国はただちに共同戦線を結成して、友軍としての軍事力を行使する。ただし現時点では、平時にあっては安全保障のコンサルテーションを専らの機能として、関連課題のフォーラムを開催する機構として発効するものである。」 <了>

【 米国時間 2009年2月4日 『米流時評』ysbee訳 】
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キルギスタンの首都ビシュケクにある合衆国設立の中央アジア大学 University of U.S. Central Asia

◀前号「テロ戦争とオバマ/アフガン戦線と東欧 MDS 計画」
▶次号「アフガニスタンとオバマ/カイバー峠の戦場にかける橋」
▶予告「エルドアンの直言/ガザ侵攻のイスラエルを堂々糾弾」
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▼米流時評 特集『オバマの時代』記事リストへ続く
by ysbee-2 | 2009-02-04 12:24 | ユーラシアの回廊

オバマの戦争と平和・テロ戦争とロシアのUターン

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   ||| オバマとロシアの テロ戦争と平和 |||

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オバマ政権のテロ戦争対策に援軍の名乗りを上げた、ロシアのアフガン・リターン

d0123476_18552829.gif昨日の記事では、北の金殿が健在ぶりをアピールするような核の脅しを発声し、相変わらずの狼少年ぶりを発揮したレポートだったが、今日はロシアからのプロポーズである。言わずもがなで、オバマ新政権に対して。
どういうことかという詳細はこの次のエントリー記事でお読みいただくが、端的に平たく言うと、「アフガンはロシアにまかせろ」と切り出したのだ。
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これはこの地域のこれまでの経緯を多少なりとも振り返れば、少なからず意外な発言である。そもそもがロシアの前身ソビエト連邦は、アフガン侵攻で10年間アルカイダの前身のアフガンゲリラと闘った末、初志貫徹できずに撤退した。その10年間で巨額の戦費を使い果たした経済逼迫が引き金となって、母体のソビエトの連邦体制そのものが、瓦解するきっかけになった戦争である。
骨の髄まで懲りているはずのロシアが、なぜまたアフガニスタンへ出かけて、米軍の代行としてこの地の平定を買って出ようとするのだろうか?
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表面的には、財政の屋台が傾きつつある米国の新しいオバマ政権に対して、難役を肩代わりするから苦境を乗り切ってほしい、という友好的アピールに見えるだろう。しかしその外交のオブラートを通して、ロシアが米国に対して基本的に要求したかった本音が突出している。

▶ユーラシアの回廊・帝政ロシアの首飾り 『米流時評』2007年6月10日号 再掲出
d0123476_14302471.jpg第1章 ロシアと米国の新冷戦 /第2章 ロシア・グルジア・アゼルバイジャンの三すくみ /第3章 ロシアの首飾りからユーラシアの回廊へ /第4章 資源外交と侵略戦争 /第5章 ユーラシアの長い暑い夏

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ロシアが米国の新政権に対して真っ先に手をつけてほしいと願っているのは、ブッシュ政権下で着々と進行していた米国の「東欧ミサイル防衛計画/MDSプラン」の撤廃である。オバマ政権からはMDSに関する新たな変更案や撤廃案はまだ発表されておらず、財政再建の巨大な難問に注入資金を投入する議案を可決へ持ち込むだけで四苦八苦の現状である。

防衛に関しては、以前から主張してきたイラク駐留米軍撤退案を推進し、来年中にはほとんど全ての部分でイラク自衛軍が国家治安を担当する。先月末に実施された新生イラクとして2度目の総選挙も、投票率も高く国民の支持を得て、米軍撤退も思惑通りに進行するような兆しが見えてきた。
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オバマ自身は選挙戦の前から主張してきたように、テロ戦争に対しては米国民が9/11の仇と執着するアルカイダのオサマ・ビンラディンやアル・ザワヒリなどのテロ組織のトップを倒せば、それで完了と思っている節がある。軍事に関してはたしかにアマチュアなのかも知れない。

肝心のペンタゴンは、ブッシュ時代と同じロバート・ゲイツ長官が居残ったままなので、外交政策ほどの大転換は、まだ戦略上の方針転換としては現れてきていない。ただブッシュ時代のような、やみくもな軍備拡張や戦線拡大に走らないことだけは確かだろう。なにしろイラク戦争とテロ戦争終結は、オバマの選挙戦で最たる公約のひとつだったのだから。戦費をカットできれば、財政の穴が少しは縮まる。戦線縮小による米軍撤退は、財政立て直しの鍵でもある。
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ブッシュからオバマへのテロ戦争の戦略的転換は、何も戦場がイラクからアフガン/パキスタンへ移動するだけではない。戦術的には天と地ほどの開きがある。
ブッシュ政権下では、彼のパトロンである軍需産業に貢献するための兵器と関連産業の「消費」が主目的だった。テロ戦争は、ネオコンの御用産業である警備代行のブラックウォーターから死体処理ビジネスのKenyonにいたるまで、Bush Co.と呼ばれる軍需産業ネットの完璧なフローワークで、巨額の利益を国庫から無尽蔵に吸い尽くす「ウォーマシン」と化していた。

▶ユーラシア大連邦と第三次世界大戦の兆候 米流時評 2007年10月16日号 再掲出
d0123476_14302471.jpg1. イスラエルとパレスチナ「エルサレム二都物語」/2. プーチンのイラン訪問とカスピ海サミット
3. アルメニア人虐殺とトルコのイラククルド地区侵攻/4. 国連安保理でカダフィのリビアが理事国
5. 世界同時多発のグローバルウォー

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オバマはこうした軍産一体化のネオコン体制に真っ向から斬り込んだ候補として、大統領選で勝利を収めたのだ。この肝心な点を日本でも誤解なさっている方が多いので、強調して言わねばならない。
オバマの主眼は、米国の覇権ではない。
外部からは想像もつかないほど腐敗したワシントンの国政と破局一歩手前の財政を立て直す政策・議案が、一刻を争って成立し実施されなければ、アメリカが立ち直るチャンスはない。そこまで追い詰められているのだ。
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ローマ帝国末期の症状を思い返せば、状況は容易に飲み込めるだろう。国家としての守備範囲が余りにも拡大膨張したがために、辺境でくり返される異民族との果てしない戦闘に巨大な戦費と兵力を使い果たし、帝国は内部崩壊した。
アメリカの政治家は、ローマ帝国や、大英帝国や、ソ連の膨張策の結末に待っていた巨大なる転落を忘れたわけではないだろう。その陥穽は、いつも戦争だ。
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アメリカ国民の一般感情としては、もう、ビンラディンさえどうでも良くなっているのかも知れない。9/11の年に生まれた子供は、すでに小学生である。その年代の親であれば、将来の学費を心配する方が先行するはずだ。アフガンやパキスタンでのテロ戦争は、正直なところ誰かに肩代わりしてほしい...... というのが本音だろう。ましてや社会全体が空前の不景気へと傾いている昨今、戦争どころではない。そこへ、降って湧いたようなメドベージェフからの申し出である。
「アフガンはまかせろ」
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さて、オバマがこのプロポーズに「Yes, You Can!」と言うかどうか、来週には回答が出るだろうか? オバマの支持者のコアを形成していたリベラル派は、当然「Peace=いのち」であるから、さっさと撤兵してロシアに肩代わりしてもらいたい。
だが、オバマが合衆国統一のかすがいとして取り込んだ保守中道の国民の大半は、ロシアへのアフガン戦線委譲はアメリカに負け犬の烙印を押すことになると受け止め、反対するだろう。彼らには「負けるが勝ち」という美学はない。キリスト教徒に仏教の諦観は通用しないのだ。
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オバマが本来の使命を貫いて、内政重視型の合衆国再建の道を取るならば、メドベージェフの申し出を飲むだろう。そうなれば、アラブ諸国やイスラム圏で必要以上に喧伝されていた、合衆国の帝国幻想も否定できる。弱者の勝利をとるか、強者の敗北を選ぶか。結論はすでに半分見えている。

【 米国時間 2009年2月3日『米流時評』ysbee 】f0127501_6213945.jpg

▶次号後編「メドベージェフ vs オバマ/ロシアのアフガン回帰」
〜メドベージェフ大統領、オバマ新政権に中央アジア防衛上の全面的協力を申し出
1. ユーラシア防衛で米国に全面的協力 /2. ロシアからキルギスへ20億ドルの国債 /3. 米軍のテロ戦争アフガン戦線を代行 /4. 全面的協力の見返りは何か? /5. パキスタン補給ルート代行のロジスティックス /6. 米国の東欧MDS計画に鉄槌 /7. 「民主主義に強制はない」/8. オバマ新政権への変化球 /9. 旧ソ連盟邦国との結束強化
▶予告「エルドアンの直言/ガザ侵攻のイスラエルを堂々糾弾・独占会見」
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米流時評 特集 ||| オバマの時代 |||
第1章 オバマ時代開幕 Road to White Housed0123476_19284774.jpg
▶11/01(1)世界が待ち望む オバマ時代の夜明け
▶11/02(2)世界危機に挑戦する 21世紀のニューリーダー
▶11/04(3)アメリカの再生を賭けた明日へのカウントダウン
▶11/07(4)オバマの第一声「アメリカの大いなる挑戦」
▶11/13(5)オバマの初仕事・ホワイトハウスの組閣人事
▶11/14(6)オバマ紳士録・後編 クリントンが国務長官?
▶11/16(7)オバマのチャイナフリーFDA改革・禁中国汚染食品!
▶12/08(8)ウォール街復活? オバマのNewニューディール効果


第2章 オバマの百日革命 Revolutionary Road
▶1/19(1)勝者なき闘い・ガザの終りとオバマの始まり
▶1/23(2)ブッシュとオバマ/スーパーマンの仕事始め
▶1/24(3)カストロとオバマ/キューバとアメリカの新しい海峡
▶1/25(4)旧体制とオバマ/レボルーショナリーロードd0123476_1936736.jpg
▶1/27(5)中東とオバマ/カウボーイ外交からピース外交へ
▶1/28(6)アラブとオバマ/アルアラビアTVインタビュー対訳
▶2/01(7)金正日とオバマ/狼少年の歓迎のテポドン
▶2/03(8)テロ戦争とオバマ/アフガン戦線と東欧MD計画
▶2/04(9)メドベージェフとオバマ/ユーラシア防衛とキルギスタン
▶2/05(10)アフガンとオバマ/カイバー峠の戦場にかける橋
▶2/06(11)パキスタンとオバマ/タリバン戦線の共闘戦略
▶2/07(12)アルカイダとオバマ/パキスタン ISIのCHANGE
▶2/08(13)ビンラディンとブッシュ/テロ戦争内幕の危険な関係
▶2/09(14)イスラエルとオバマ/タカ派三つ巴のイスラエル総選挙
▶2/10(15)ネタニヤフとオバマ/イスラエルの2月体制
▶2/11(16)アフマディネジャドとオバマ/テヘランの春
▶2/12(17)IAEAとオバマ/イラン核外交のCHANGE
▶2/13(18)パレスチナとオバマ/絶望と希望のはざまで


||| 『米流時評』 特集シリーズ |||
次世代冷戦時代  |  グローバルウォー  |  イラク戦争  | テロとスパイ陰謀d0123476_1746245.jpg
アルカイダ2.0 核のテロ | パキスタン戒厳令の季節  |  アフガン・タリバンの復活
中東のパワーラビリンス | プーチンのロシア | ユーラシアの回廊 | ダイハード中国
2008年米大統領選 | ブッシュと米国政治 | サルコジのフランス | トンデモ北朝鮮
ビルマの赤い川革命 |  欧米の見る日本  | 世界不思議探検 | グローバルビジネス


by ysbee-2 | 2009-02-03 13:12 | ユーラシアの回廊

新冷戦から平和へ!米ロの意外な軍事シフト

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  ||| 米ロ新冷戦から平和へのシフト |||

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グルジア戦争は米・ロに何を残したか? 両国外交のヘルシンキシフト
ブッシュ/プーチン覇権の体制からメドベージェフ/オバマ繁栄の体制へ


d0123476_18552829.gif 昨日のエントリーを読んで「米ロが和平会談?」ととまどわれた方も多いと思う。従来の方程式にはあてはまらない進展だからである。まず第一に気がつくのは、ロシア側では少数民族の保護とか、グルジア側ではテロリストの掃討とか、いくら奇麗事を言っても「グルジア紛争はやはり米ロ新冷戦の代理戦争だった」という点。

物理的に砲弾を撃ち交わしたのは、南下した側のロシアと侵略された側のグルジア両国なのだから、本来ならば仲介役をはさんでも、この当事国の間で解決を話し合うのが筋だったはずだ。そもそものいきなりの開戦が、8月の9日。その後は各国のテレビニュースが刻々とレポートする悲惨な映像を、呆然とみつめるばかりだった。(歴史チャンネルの第二次大戦やベトナム戦争の回顧録のようなドキュメンタリー以外では、ただ今この時点で進行中の「生の空中戦」をテレビのニュースで見るという体験は初めてで、恐怖と恍惚の入り交じった不思議な心理……開高健が「輝ける闇」と表現したのはまさしく。)

▶関連記事:8/10 オセチア紛争勃発!南オセチア攻撃で住民1600名死亡!
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それから19日の一時停戦までにも、フランスのサルコジ大統領やドイツのメルケル首相は直接首都トビリシを訪れ、ロシアの侵攻占領による亡国一歩手前のサーカシビリ大統領を激励する立場を明らかにし、小国グルジアに対するロシアの脅威にクッションを入れたことは確かである。

またその後2か月経つ現在までにも、米国のライス国務長官は元よりチェニー副大統領も同国を訪問。ロシアと国境を接しながらも対抗する姿勢を崩さないグルジアのサーカシビリに対して、両者ともロシアとの紛争解決というよりは、旧ソ連邦のコーカサス地方で民主主義を推進する「親米国家の優等生」に対する慰労の印象が強かった。

▶関連記事:8/26 メドベージェフの新冷戦宣言 ポストグルジア戦争のコーカサス
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しかしこれでは、事態は少しも快方へ向かわない。無差別の空襲による爆撃で、家を焼かれ家族を失い命からがら故郷を捨てて避難してきた、オセチア住民だったグルジア人が、今や数十万の難民と化し人道問題になっている。ヨーロッパ各国でのロシア侵攻に抗議するデモや、難民支援運動も活発だった。

しかし、ロシアの銃口をへし折るのに一番効果があったのは「中国のロシア不支持」だったように思える。国連の安保理事会で、軍事演習まで共同で実行する兄弟分だったはずの中国が、最終票決でロシアの侵攻を非難する側に回ったのは驚きだった。

▶関連記事:8/28 中央アジアの逆風|グルジア侵攻で米露対決
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もちろんその裏には、ロシアからの燃料供給を反古にしても大丈夫、という中国側の計算があったのだろう。代替エネルギーは、フランスと提携して開発中の原子力なのか。あるいは米国が直接ニューエネルギー計画の推進協力を申し出たのだろうか。利益のない選択はしない中国だから、某かの巨大な保証を取り付けた上で、ロシアに反旗を翻したのだろうことは想像に難くない。

ロシアの「オセチアを発火点としてグルジアからアゼルバイジャンへ」というコーカサスの資源戦争の戦略は、侵攻以前の思惑に反して、ガスプロの偉大な顧客であり共産主義国家としての兄弟分である、ロシアがもっとも頼りとする中国の同意が得られない、という思いがけない結末を招いた。

▶関連記事:9/29 上海「非協力」機構|中国離反でロシア孤立化へ
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かくして、旧ソ連邦の同盟国家圏を復活するというプーチンの野望は叶わず、その後ベネズエラへロシア艦隊を出動してミサイル設置をほのめかし「キューバ危機の再来か」と米国の肝を冷やす一幕もあった。しかし、しかしである。嵐の去った後の奇跡的な青空のように、青天の霹靂とも思えるような一陣の風が、極北のフィンランドから吹いてきた。

噂ではなく、現地駐在米国大使館の広報官からの事後通達である。AP通信の記事のタイトル「Unannounced Talks=非公表の会談」からは、「特ダネ」に近い雰囲気が漂う。しかも会談の主役は、大方の予想を裏切って、国務省の外交官同士ではない。米国もロシアも、全軍を総括する最高責任者同士の「将軍会議」である。ヘルシンキという国際外交の表舞台で、これほど意外な配役でいきなり開幕した展開というのも珍しい。

▶関連記事:8/11 ユーラシア大連邦と第三次世界大戦の兆候(再掲出)
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案の定、日本のマスメディアではまったく触れてないようだ。ブログでさえ扱っている記事はほとんどみつからない。みなさん、これはひょっとしてどころか、ちょっとやそっとじゃない大事/おおごとですよ!
その理由:
・まず第1に、米国とロシアがここ3年間で乖離してきた溝を埋めようとしている事。
・第2に、国務省という外交の正式機関ではなく、国防省が会談の第一線に出てきた事。
・第3に、米国もロシアも軍の中枢部では、従来の好戦的なタカ派が後退して和平派がトップに立っているのではないかと言う事。
・第4に、任期あと100日を切ったブッシュは論争の対象圏外としても、メドベージェフの手綱を握っていたプーチンの、これまでの強気の攻略戦略が「手控え」の状態になっているのではないか、ということ。


特に4番目の「プーチンとメドベージェフの間に、グルジアでの失敗をめぐって微妙なパワーバランスのシフトがあったのではないか?」と言う点が、私にとってはもっとも興味を引く疑問である。今後注目すべきは、ロシアの持ち駒であるチャベスのベネズエラ、特にカストロの病状如何で急変するだろうキューバの社会状況、コーカサスのオイルリッチ国アゼルバイジャン、ウラニウム資源や宇宙開発委託で破竹の勢いのカザクスタン、それに東欧ミサイルシステムの建設現場、ポーランドとチェコである。

▶関連記事:8/11 ユーラシアの回廊・帝政ロシアの首飾り(再掲出)
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昨日のエントリーの続きの記事にちょっとした説明を補足するつもりが、すっかり長々と書いてしまった。これはこれで、『米流』のオリジナルな時評としてエントリーすることにしよう。ともかく言いたかったことの核心は、これまで8年間の、正確に言えば9/11以来の世界がひたすら破滅に向かっているのではないかという重苦しい不安の雲が、ヘルシンキからの一陣の風で去りつつある、ということである。これはきっと、オバマの勝利に確実性が見えてきた事と無縁ではあるまい。

メドベージェフが大国の元首としての自覚に目覚め、大統領就任後のオバマとともに平和的建設の方向へ歩みだすならば、テロ戦争も経済危機も乗り越えられるだろう。ブラウンもサルコジもメルケルも、自ら戦場を造り出すような無謀なカウボーイではない。そうなれば、中国だけが国際倫理の問題児として取り残される。
戦争で笑うのは、戦争産業の悪のビジネスマンと投資家だけである。死者の復讐は、さらなる死者を呼ぶばかりだ。猿の祖先から幾千万の月の出と日の出を眺めてきた人類よ、ここらでいい加減、成人しようじゃないか。
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【米国時間 2008年10月22日『米流時評』ysbee】
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»» 次号「冷戦は終わった!ヘルシンキ会談に見る米ロ関係のシフト 」へ
«« 前号「特報!ヘルシンキ会談・グルジア紛争で米ロが軍事的解決 」へ


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||| 『米流時評』グローバル恐慌レポート |||
第1章 ウォール街金融危機

9/14 号外!メリルリンチを500億ドルでBOAが買収
9/15 ウォールストリート大暴落、9/11以来のメルトダウン
9/16 号外!AIGに8.9兆円連邦救済ローン、恐慌脱出か?
9/17 経済危機と大統領選・ペイリンは共和党の自爆装置?

第2章 米国金融危機
10/01 号外!80兆円金融経済救済案、上院を通過!
10/02 下院でも通過!73.8兆円の経済救済案ついに成立!
10/06 ウォール街暴落1万ドルの大台を割る 大恐慌2.0?
10/07 2日目も暴落のウォール街・前日比 ▼508ドル

第3章 グローバル金融危機
10/08 アイスランド国家破産の危機・前編
10/09 アイスランド国家破産の危機・後編(翻訳中)
10/10 号外!GMがクライスラーを吸収合併交渉!
10/12 ダウ記録的サージで危機脱出? IMF・EUの緊急サミット効果
10/13 底が見えた!グローバル・メルトダウンからの Uターン
10/14 ウォール街実録・暗黒の7日間(翻訳中)

第4章 ポスト恐慌のニューパラダイム(予定)
10/15 堕ちた偶像アメリカの救済・オバマ対マケインの政治学(予定)
10/16 堕ちた偶像アメリカの救済・オバマノミクスと米国経済再建案(予定)

by ysbee-2 | 2008-10-22 12:32 | 次世代冷戦時代

メドベージェフの新冷戦宣言 ポストグルジア戦争のコーカサス

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  ||| メドベージェフの新冷戦宣言 |||

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グルジアとの"5日間戦争"後、コーカサスは世界大戦の導火線に
メドベージェフの新冷戦発言に現れた、ロシアのNATO対抗姿勢


d0123476_18552829.gif新冷戦は、今日始まりました。たった今、米国東部時間で26日火曜午後3時45分 (日本時間で27日水曜の午前4時45分) 民主党大会のライブ中継を見ていた最中に臨時ニュース。全米の空のインターアクションを管理するFAA(Federal Aviation Administration:連邦航空局)のネットワークがダウンしたと伝えました。

テレビを横目に新冷戦の記事を翻訳していた最中だったので、「ロシアのサイバーアタック!」と瞬速で了解。後続のニュースでは、FAAのネットワークが本部を置くアトランタのシステムがダウンした模様とのこと。航空機事故のないことを祈ります。(この1週間でスペインやらキルギスタン、ガテマラで旅客ジェットがボンボン墜落して、数百人の乗客が亡くなっていますから……)
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画面はコロラド州デンバーで開催中のDNC(民主党全米大会)2日目。会場のステージでは、今日のキーノートスピーカーのヒラリー・クリントンがリハーサル中。明日はビル・クリントンと副大統領候補指名のジョー・バイデンが登壇。(私の予想通りの正副候補になりました、Yey! I told you so...)民主党大統領候補の正式指名は最終日木曜の夜なので、大会主役のバラク・オバマの指名受諾演説/acceptance speechは大トリ/final appearanceです。

開幕日の昨日は、ファーストレディ候補のミシェル・オバマと、脳腫瘍で安静中にもかかわらず登壇した長老エドワード・ケネディ上院議員が、初日にふさわしい素晴らしい演説で話題をさらったところ。アンクル・テディ(ケネディの愛称)は、来年2月の大統領就任式の際には必ず上院に出席すると力強く約束。(それまでなんとか存命してほしい……会場は涙・なみだ;;;)
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開催地となったコロラド州には米軍のNORAD (北米航空宇宙防衛司令部) がありますが、昨日遅くにはオバマ暗殺謀議未遂で極右のチンピラ3人が逮捕されたり、クークラックスクランもどきのネオナチのデモがうるさかったり、会場の外も騒然としています。オバマはまだ現地入りしていないので不安が募ります。が、まずはともかく2週間ぶりのエントリーをアップしましょう。
お詫びの挨拶が後回しでなんですが、コメントでも書いた通り先を急いでお伝えしたいニュースが山積状態でもありますので、最重要問題/the most concerning issue のグルジア戦争からシリーズで詳説していきます。ますます本気を帯びてきたロシアとNATO/米国の抗争に要注目です!

【米国時間2008年8月26日『米流時評』ysbee 記】

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AUGUST 26, 2008 | 米 流 時 評 | ブログ雑誌『 楽園通信』デイリー版f0127501_6213945.jpg
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 Associated Press | B R E A K I N G
メドベージェフの新冷戦宣言 グルジア侵攻後のロシア対NATO体制
米国時間 2008年8月26日午後2時15分 | AP通信・ニュース速報 | 訳『米流時評』ysbee

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Medvedev: We're Not Afraid of 'New Cold War'

West fumes as Russian president OKs recognition of rebel Georgia areas
AUGUST 26, 2008 2:15 p.m. | Associated Press — BREAKING | Translation by ysbee
MOSCOW, Russia — Russian President Dmitry Medvedev, speaking in the midst of one of the lowest points in the Russia-West relationship since the breakup of the Soviet Union 17 years ago, said Tuesday that his country did not seek a new Cold War — but neither was it afraid of one. "We are not afraid of anything, including the prospect of a new Cold War," Medvedev was quoted as saying Tuesday by the ITAR-Tass news agency.

メドベージェフ「新冷戦なんか怖くない」
モスクワ発緊急報 |26日火曜、ロシアのドミトリー・メドベージェフ大統領は、17年前のソ連崩壊以来最悪の危機を迎えたロシア対西側諸国の対立関係の真最中に「ロシアは新冷戦を起こそうとしている訳ではない。しかし万一起きても、ロシアは新冷戦を恐れはしない」と発言。「われわれロシア人は、何ごとも怖れはしない。もちろん、新冷戦が起こると想定される事態であっても」ロシアの国営メディア ITARタス通信の報道によると、ロシア現地時間で26日火曜、メドベージェフ大統領はこう宣言した。
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1. Following the intense war with Georgia
"But we don't want it and in this situation everything depends on the position of our partners." The statement comes hours after Medvedev recognized the independence of two Georgian rebel provinces, defying the West.
南オセチア・アブハジア両州独立宣言の翌日
「しかしながら、われわれは冷戦を望んでいる訳ではなく、現在のような状況にあっては、万事が我が国のパートナー(相手側=NATO加盟国)の立ち位置如何にかかわってくる。」メドベージェフは、グルジア戦争後のロシアの態勢をこう述べた。今回の宣言は、25日月曜に「5日間戦争」の焦点となったグルジア領土内の2つの民族自治州、南オセチアとアブハジアの両州が、グルジアを後援する西側自由主義諸国の和平説得に反旗を翻して発した独立宣言を、ロシアの元首であるメドベージェフ大統領とプーチン首相が承認してから、わずか数時間後の公式声明である。
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2. Rice: 'extremely unfortunate' recognition
The recognition — which Secretary of State Condoleezza Rice described as "extremely unfortunate" — follows a short but intense war with Western-allied Georgia earlier this month.
グルジア侵攻後のロシア対NATO体制
米国のコンドリーザ・ライス国務長官が「きわめて不運な見解」と呼ぶ、ロシアの公式声明に見られるこうした認識は、今月早々に西側の友軍国家であるグルジアとの間に、短期間に集中的に行われた侵攻作戦(通称:Five Days war/グルジアの「5日間戦争」、ロシアのグルジア侵攻)に続く一連の好戦的路線を示している。
[注:グルジアはイラク戦争へ常時2千名派兵協力する米国の友軍で、サアカシビリ大統領は米国の大学で国際法の修士課程を修了した大の親米派として知られる。今回の5日間戦争の直前、サアカシビリはグルジアのゲリラ制圧に関してロシアのプーチンと電話で会談したが、プーチンから直接「アメリカの犬」「ブッシュの男妾」と罵倒されたという経緯がある。]
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3. Russia's prospect of 'New Cold War'
"If they want to preserve good relations with Russia in the West, they will understand the reason behind our decision," Medvedev said. Medvedev said that he had signed a decree on the decision to recognize the separatist regions of Abkhazia and South Ossetia. Few other nations are likely to follow the move.
ロシアの剛胆な「新冷戦」展望
「もしも西側諸国がロシアとの友好関係を保ちたいと望むのなら、彼らは我が国がなぜ今回の決断を下したかという理由をわかってくれるだろう。」今回の声明では、メドベージェフはまた「アブハジアと南オセチア両民族自治州を独立した政体として承認する」というロシア議会の決議に(大統領として議会決議の有効性を最終的に発揮させる)署名をしたと公表した。
[注:ロシア議会は25日南オセチアとアブハジア両州の独立宣言を承認する決議案を通過させた]
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4. Rice: 'Two regions in the world at risk'
Rice said the United States continued to regard both breakaway regions as "part of the internationally recognized borders of Georgia." Speaking in Texas, White House spokesman Tony Fratto on Tuesday said Russia is making a number of "irrational" decisions that puts its place in the world at risk. Fratto said the U.S. will use its veto power on the U.N. Security Council to make sure any effort to change the provinces' international status is "dead on arrival."
米「コーカサスは新冷戦への導火線」
ライス長官が表明した旧ソ連邦領土だったアブハジアと南オセチア両地域に対する米国の見解とは、あくまで従来の国際世論で認証されていた通り、グルジア領内の辺境自治州として解釈するというものである。ホワイトハウス広報官のトニー・フラット氏は、26日火曜ブッシュの私邸のあるテキサス州クロウフォードから、ブッシュ政権の見解を表明。その声明は次のようなものである。
「ロシアは(コーカサス地域での)途方もない断行を重ねた結果、世界を危機に陥れるような立場に立ってしまった。米国は、国連の安全保障理事会(UNSC)で、当該地域の国際的立場を独立国家として認めさせようとするロシアが、いかなる手段を行使したとしてもその議案が『死産』になるように、拒否権を発動するだろう。」

[注:「途方もない断行」と言うよりも「無茶苦茶な蛮行」と言いたかったのが本音だろう。ロシアはグルジアが先に手を出したと非難するが、グルジアの侵攻は、あくまで紛争の発火点 南オセチアからグルジア領内へ「狼藉」を働きにちょろちょろ出てくる独立派ゲリラの討伐が目的で、その本拠地を急襲した。が、ロシア側はグルジアがそう出てくるのを見越して、すでに国境地帯に数千台の大戦車隊を集結させていたと言う。一説には、ロシアは黒海側のアブハジア侵攻が当初の目的だったらしいが、グルジアが南オセチアに踏み込んだのを機会に、待ってましたとばかり急遽逆襲に出た訳である。このプロットは、ちょうどイスラエルがゴラン高原でヒズボラに襲われるように2名の兵士をおとりに出し、計画通りヒズボラが兵士を捕虜にしたのをきっかけに、膨大な陸海空全軍の総攻撃でレバノンへ侵攻した2006年夏のレバノン戦争を彷彿とさせる戦局展開だった。]
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5. Russia's first post-Soviet invasion
On the heels of Russia's first post-Soviet invasion of a foreign country, recognition was another stark demonstration of the Kremlin's determination to hold sway in lands where its clout is jeopardized by NATO's expansion and growing Western influence. Meanwhile, the the United States dispatched military ships bearing aid to a port city still controlled by Russian troops.
ソ連崩壊後初の他国への侵略行為
翻訳中
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6. Merkel ‘Absolutely not acceptable’
Rice also accused Medvedev of failing to honor his nation's commitments under an internationally backed cease-fire. German Chancellor Angela Merkel said Russia's recognition of the breakaway areas was "absolutely not acceptable." She insisted Medvedev's decision violates international agreements.
メルケル、ロシアの国境見解を一蹴
翻訳中
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7. '5 Days War' between Russia and Georgia
Medvedev said Georgia forced Russia's hand by launching an attack targeting South Ossetia on Aug. 7 in an apparent bid to seize control of the breakaway region. In response, Russian tanks and troops drove deep into the U.S. ally's territory in a five-day war that Moscow saw as a justified response to a military threat in its backyard and the West viewed as a repeat of Soviet-style intervention in its vassal states.
ロシアとグルジアの「5日間戦争」
翻訳中
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8. 'The only chance to save their lives'
"This is not an easy choice but this is the only chance to save people's lives," Medvedev said Tuesday in a televised address announcing Russia's recognition of the breakaway territories. Russian forces have staked out positions beyond the de-facto borders of Abkhazia and South Ossetia. The two territories have effectively ruled themselves following wars in the 1990s.
メドベ「コーカサス存続の唯一の手段」
翻訳中
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9. Russia's presence to weaken Georgia
"Georgia chose the least human way to achieve its goal — to absorb South Ossetia by eliminating a whole nation," Medvedev said. Russia's military presence seems likely to further weaken Georgia, a Western ally in the Caucasus region, a major transit corridor for energy supplies to Europe and a strategic crossroads close to the Middle East, Iran, Afghanistan, Russia and energy-rich Central Asia.
ロシア軍駐留でグルジアにさらなる脅威
翻訳中
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10. Support independence of two regions
Medvedev ignored Western warnings against recognizing the independence claims of the two regions, which broke from Georgian government control in early 1990s wars and have run their own affairs with Russian support. After Russia's parliament urged the move in unanimous votes Monday, the U.S. State Department said recognition would be "unacceptable" and President Bush urged the Kremlin against it.
南オセチア・アブハジア両州の独立支持
翻訳中
[了]

【米国時間2008年8月26日『米流時評』ysbee 訳】
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by ysbee-2 | 2008-08-27 08:48 | グルジア紛争

メドベージェフ当選でプーチン時代第2幕へ

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  ||| 米流時評 続・明日のプーチン序章 |||

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ロシア大統領選にメドベージェフ当選でプーチン時代第2幕が開幕
プーチン時代の、昨日を回顧・今日を分析・明日を探るロシア特集


d0123476_18552829.gifロシアの、そして世界の評論家の予測通り、プーチンの後継者メドベージェフが新しいロシア大統領として選出された。プーチンの指名から選挙まで、それはあたかも新幹線のレールを新しい車体が走るように、軌道も発車時刻も昨日と寸分の違いもなく、予定通りに進行表を進めた結果である。しかし、5月以降の新政府体制に移行してから明確な違いが出てくるのではないか、と私は読んでいる。
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それは、プーチンの指導力に余裕が出てくるからに他ならない。彼は大統領の実権をメドベージェフに手渡した後は、首相として一歩退いた体制を執るかに見える。しかし、それは新幹線の運転手席から、もっと全体を見渡す余裕のある管制司令室に席を移したようなもので、これまでよりもさらに、時間軸でも地理的統括においても格段の指揮力を発揮できる、理想的指令塔に納まる結果になるのではないだろうか。一般の企業で言えば、毎日のミクロな判断を要求され全ての責任を負う社長職から、絶対的指導力とマクロな権限を持つ会長職へと昇格したような状況になるだろう。
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こうした新しい二頭立ての指導体制から予測されるのは、睡眠時間5時間で「ワシ以上のハードワーカーはいない」と断言したプーチンに、時間的・精神的余裕ができて、「現在よりももっと大局的な見地で洞察した長期の覇権計画」が出てくるのではないか、という推論である。プーチンはまだ55才。国際政治外交の手腕にも磨きがかかって、これからますます新生ロシアの勢力を、経済面だけでなく軍事面でも拡大するに違いない。
私はプーチンを、東から西へと経済遠征する「現代ロシアのナポレオン」と解釈しているので、フランスの「エコノミック・ナポレオン」のサルコジと、近いうちにきっと角突き合わせる日がくるのではないかと睨んでいる。しかも、中国との貿易摩擦問題と国境地帯紛争をめぐって。
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そうした場合に、世界を大戦の危機から救う人物として第一に期待されるのは、来年2月就任の米国の新しい大統領であり、そうした状況での平和的解決を提案できる指導者は、世界平和を究極の目標に掲げるバラク・オバマしかいないと、ここでもまた認識せざるをえないのである。
今日実施され、開票後2分で当確となったロシアの大統領選の報道は、前回の総選挙での経過とまったく同じで、変化のないことおびただしい。予め予想された候補者が予め予想された高得票率で当選し、予め予想された反対派の抗議とデモがあった。人名と地名を差し替えれば、前回の総選挙の報道をそのまま使える経過である。なんともつまらない。これではまるで全体主義である。
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反対派の抗議デモに備えて、警察と軍隊の機動隊が総勢50万人以上が出動 だが大きな事件もなく投票は無事終了

選挙結果の報道はこうした理由でわざわざお知らせするほどのことでもないので、ロシアの一時代を築き上げた人物の興隆期から全盛期へと移行する今の時点で、今回はあえてプーチンその人にスポットライトを当てた評論を紹介したい。タイトルは単刀直入に『Putin Era/プーチン時代』。ロシアの昨日の歴史を足早に、しかし見落としなく振り返る秀逸な記事である。読者の評価も珍しく驚異的な5.0だった(通常はよくて4.0)。かなり長いので全3編に分けてお届けします。

【米国時間 2008年3月2日 『米流時評』ysbee記】
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ロシア土産品のトップ、マトリューシュカに「メドベージェフはプーチンだった」版が登場。この程度の自由はアリ?

【追記】大統領選結果のニュース記事の冒頭も、念のためこの下に一応付記しておきます。
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MARCH 2, 2008 | 米 流 時 評 | ブログ雑誌『 楽園通信』デイリー版f0127501_6213945.jpg
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  A S S O C I A T E D P R E S S

ロシア大統領選でプーチンの後継者にメドベージェフ当選
米国時間 2008年3月2日 午前7時02分 | AP通信・ニュース速報 | 訳『米流時評』ysbee

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Putin’s Handpicked Successor Medvedev Wins
1st official results show wide margin; Putin expected to retain much power

MARCH 2, 2008 EST | Associated Press — BREAKING | Translation by ysbee
MOSCOW, Russia — Vladimir Putin's handpicked successor Dmitry Medvedev was cruising to an easy victory in Russia's presidential election Sunday, a result expected to give significant power to the outgoing president.

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ロシア大統領選でプーチンの後継者にメドベージェフ当選
モスクワ発・速報 |3日日曜行なわれたロシアの大統領選全国投票で、ウラジミール・プーチン指名の後継者ドミトリー・メドベージェフが、圧倒的多数を得票して予想どおり楽勝した。選挙の結果は、現行のプーチン大統領の執権体制に、さらに「次期首相と大統領の両権掌握」というめざましい権限を付加するものと受け止められている。

»» 次号「プーチン時代 第1章 ロシアン・ミレニアム」本文記事へ
1. エリツィンの後継者は元KGBスパイ /2. 第二次チェッチェン戦争の泥沼 /3. ロシア政府の欠点を認めたプーチン
4. 原潜爆発沈没事故 /5. 生粋のホモ・ソビエティクス /6. メディア支配への触手 /7. ロシア報道体制の完全掌握
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»» 米流時評 特集「2008年米国大統領選の早読み・深読み
連載予告「ドリームボーイ」バラク・オバマ*
3/01  終幕へのベルが鳴るヒラリー最後の舞台d0123476_10413398.jpg
3/01  土壇場のヒラリー最後の秒読み
2/19  ウィキウィキ チューズデー予備選開票速報
2/17  オバマ口説けるか?エドワーズとキングメーカー会談
2/14  ロムニーのバレンタインギフト、マケイン支持表明
2/12  ポトマックチューズデー予備選開票速報実況ブログ
2/09  予備選ウィークエンダーLIVE速報
2/07  共和党ミット・ロムニー大統領選から撤退
2/06  グローバルウォッチ予備選レポート・後編
2/06  グローバルウォッチ予備選レポート・前編
2/05  スーパーチューズデー"LIVE"開票中継ブログ
2/04  'Yes We Can' なぜオバマなのか?のメッセージビデオ
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1/31  究極のキングメーカー ジョン・エドワーズ
1/30  米流時評「キングメーカー 予備選で淘汰される支流候補」
1/30  第三の男 ジョン・エドワーズの決断 大統領選から撤退
1/29 フロリダの回答 マケイン対ロムニーに絞られた共和党
1/27  米流時評「ミラクルメーカー バラク・オバマ」*
1/12  米流時評「米大統領選の先読み・共和党編」
1/11  米流時評「米大統領選の先読み・民主党編」
1/06  米流時評「墓穴を掘ったヒラリー」意地悪婆から泣き婆へ
1/05  米流時評「バラク・オバマはケネディの再来か」*
1/03  オバマ予備選で歴史的勝利!次点エドワーズ、クリントン3位
07/08/09  オバマの問題発言「パキスタン派兵」とイラク戦争批判*
07/04/28  堕ちた偶像アメリカの復権に賭ける民主党大統領選候補*
06/10/28  バラク・オバマ フィーバー/08年大統領選のスーパースター*


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by ysbee-2 | 2008-03-02 13:08 | プーチンのロシア

「ユーラシア連邦の野望」ポストプーチン時代の予測

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 ||| ポストプーチン・ユーラシア連邦の野望 |||
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総選挙圧勝・後継者指名・首相に逆指名の プーチンが抱く真の野望
EU・NATOに対抗する大ロシア構想を実現? ユーラシア連邦結成か


米国時間2007年12月10日午前9月29分 | モスクワ発・AP通信  | 『米流時評』ysbee 訳
プーチンの未来についての憶測は「もしかしたら憲法を改定して、大統領の三期目を可能にしようとするかも知れない」という仮説まで含まれていた。その可能性は、10日月曜のメドベージェフの後継者指名で、いっそう強まったように思える、とロシアリベラル派の代表的政治家であるウラジミール・リシュコフ氏は解釈する。
【訳者注:このコラム記事は、今週月曜10日プーチンがメドベージェフを後継者に指名した直後にサイト掲載され、プーチンが次期首相に逆指名される前日の記事なので、内容的にタイムラグがあることを予めお断りします。】
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Putin Backs Medvedev as Presidential Candidate
Russia’s Communist Party vows to contest results; U.S. urges investigation
DECEMBER 10, 2007 EST | Associated Press — RUSSIA | Translation by ysbee
MOSCOW — The speculation about Putin's future has included the possibility that he could try to return as president. That possibility seemed potentially strengthened by the announcement about Medvedev, said Vladimir Ryzhkov, a prominent liberal politician.


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DECEMBER 13, 2007 | 米 流 時 評 | ブログ雑誌『 楽園通信』デイリー版f0127501_6213945.jpg
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 A S S O C I A T E D P R E S S | B R E A K I N G

第3章 「ユーラシア連邦の野望」ポストプーチン時代の予測
米国時間 2007年12月10日午前9月29分 | モスクワ発・AP通信 | 『米流時評』ysbee 訳


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1. Putin's 'Medvedev strategy'
"The strategy is as follows: Medvedev is a compromise choice because he will allow Putin to keep a free hand. If Putin wants to gradually leave power Medvedev guarantees him comfort and security and will continue to listen him," he said on Ekho Moskvy radio. "If Putin wants to return in two, three years ... Medvedev will be the person who will without a doubt give up the path for him."
プーチンのメドベージェフ戦略
上述のリシュコフ氏は、エコーモスクワのラジオ放送でこう語った。「プーチンの後継者選びの戦略は次のようなものだ。すなわち、メドベージェフは謀略的選択である。なぜなら、彼はプーチンが権力を自在に操るがままにさせるだろうから。プーチンが段階的に徐々に権力を移行しようとする場合でも、選ばれたメドベージェフはプーチンに対してその間の余裕と安定の政権を保証し、今後もプーチンの意見に傾聴する体制が約束されるだろう。また、万一プーチンが数年後に大統領職に返り咲きしようとする場合は、メドベージェフは疑いなくプーチンのためにいさぎよく道を譲る人物である。」
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ライバル候補だったイワノフ副首相(左)と後継者に指名されたメドベージェフの剛柔のバランスを操るプーチン

2. Putin to lead Russia, Belarus
Communist Party leader Gennady Zyuganov suggested another possibility, noting that Russia has recently shown increased interest in long-dormant plans to form a union state of Russia and Belarus. If a new country were formed, that could allow Putin to return to power as leader.
ベラルーシをロシアへ統治併合する案
ロシア共産党リーダーのゲンナジー・ジュガーノフ氏は、もうひとつの可能性を示唆する。その理由として、ロシアはここ最近になって長いこと棚上げになっていた「ベラルーシをロシアに吸収合併して統一した国家形態を作る」という統治案に、強い関心を示すようになったことが上げられると説明する。つまり、もしも統合後に新しく合体した国家が形成されるならば、その時こそプーチンが新しい連合国家の指導者として返り咲く可能性がある、という説である。
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プーチンの率いる統一ロシア党の圧倒的な与党体制に押される、国会少数野党のロシア共産党ジュガーノフ党首

3. Leader of the United States of Russia?
"Putin may become president of the union state by the end of the year," Zyuganov was quoted as saying by the news agency Interfax. "The nomination of Medvedev that was orchestrated from the Kremlin and the possible accelerated development of the union state are to Russia's great misfortune." Putin is to travel to Minsk for meetings with Belarusian President Alexander Lukashenko on Thursday.
「統一ロシア連邦」誕生?
インターファックス社のインタビューに答えて、ロシア共産党ジュガーノフ党首の予測はさらに続く。「もしかしたらプーチンは年末までに、ロシアとベラルーシが連合した国家の大統領になるかも知れない。プーチン政権によってうまく操作されたメドベージェフの指名と、今後予測されるベラルーシとの連合国家形態へと急激に展開する可能性が実現すれば、ロシアにとってはとんでもなく不運な時代が始まることになるだろう。」しかしこうした危惧をよそにプーチンは13日木曜には現地へ向かい、ベラルーシのアレクサンドル・ルカシェンコ大統領と今後の展開を討議する予定である。
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4. Tradition of 'Russian classic' in St. Petersburg
Both Medvedev and Putin worked under St. Petersburg's reformist mayor Anatoly Sobchak in the early 1990s. After Putin became prime minister in 1999, he brought Medvedev to Moscow to become deputy chief of staff of the Cabinet.
サンクトペテルスブルクのロシア伝統主義
1990年代前半には、メドベージェフとプーチンは両者ともサンクトペテルスブルクで改革派のアナトリー・ソブチャック市長の下で自治体行政に与っていた。その後1999年にプーチンが首相になった際には、メドベージェフも一緒にモスクワへ同行し、内閣の副主要補佐官に任命されてクレムリン入りを果たした。
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左から今夏の戦勝60周年記念でウィーンの無名戦死の墓に献花するプーチン/赤の広場での演説/クレムリン宮殿内

5. Gazprom head to presidential chief of staff
He then moved up to become deputy chief of staff for the president, became Gazprom board head in 2002 and full presidential chief of staff in 2003. In 2005, Putin named him a first deputy prime minister and almost immediately Medvedev began to receive extensive television coverage — even more than that accorded to the prime minister.
国営ガスプロム代表から側近のトップへ
メドベージェフはその後も、プーチンの昇格にともなって出世街道を伴走し、02年にはロシア経済興隆の鍵となったトップエネルギー産業「ガスプロム」の役員会会長職に就き、03年には大統領の第一補佐官に任命されてクレモリンに戻った。05年にプーチンから第一副首相に任命されるや否や、メドベージェフはたちまち国営テレビを通じて、その回数はむしろズブコフ首相をはるかにしのぐほどの、過剰気味のメディアの取材対象となった。
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6. Jockeying for influence among Kremlin factions
The disproportionately lavish coverage raised speculation that Putin even then saw Medvedev as his preferred successor. But Ivanov later was appointed to another first deputy premiership and began to receive equally wide TV coverage, suggesting that Putin was conducting an unstated competition or that there was jockeying for influence among Kremlin factions.
仕掛けられた?副首相同士の後継者争い
05年当時のメディアの取材放映が、余りにもメドベージェフに偏っていたために、巷間にはプーチンがメドベージェフを後継者としてひいきしているのではないかという、疑惑が持たれたほどである。しかしながら、その後イワノフがもうひとりの第一副首相に任命され、メドベージェフと同等の広汎なテレビ取材が放映されるに及んで、関係者の噂はむしろ「プーチンは無言のうちに二人を後継者候補として争わせている」とか「クレムリンの政府内部の派閥争いに対する影響力を競い合っている」という内容に転換するようになったというのが実状である。
【米国時間 2007年12月13日 『米流時評』ysbee 訳】
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»» 米流時評 特集「ポスト・プーチンのロシア」
d0123476_1746245.jpg序 章 「プーチンの過ぎゆくままに」米国とロシアの『戦争と平和』
第1章 「メドベージェフ登場」プーチン次期後継者を指名
第2章 「明日のプーチン」メドべージェフ、プーチンを首相に逆指名
第3章 「ユーラシア連邦の野望」ポストプーチン時代の予測
第4章 「クレムリンの暗闘」プーチン王朝内部のパワー闘争
第5章 「プーチニズムの踏襲」次世代ロシア時代の到来


»» イラン問題緊急特集「NIE衝撃の諜報レポート」d0123476_1023580.jpg
時 評  「NIEレポートで暴かれたブッシュの大嘘」
Part-1 「嘘から出た真実 さらば、イラン戦争」
Part-2 「暴かれたブッシュ政権の戦争体質」
Part-3 「大統領選にまで波及するNIEシンドローム」
Part-4 「米外交のUターン・金宛ブッシュ親書の謎」
Part-5 「半島平和?ブッシュ最終章外交の突然変異」

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by ysbee-2 | 2007-12-13 19:16 | プーチンのロシア

「明日のプーチン」メドべージェフ、プーチンを首相に逆指名

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 ||| 「明日のプーチン」逆指名でロシア首相に |||
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後継者に指名されたメドベージェフ、速攻で新首相にプーチンを提案
総選挙圧勝から1週間で次世代ロシア体制の基礎を確立したプーチン


米国時間 2007年12月11日 午前7時31分 | モスクワ発速報 |『米流時評』ysbee 訳
ウラジミール・プーチン大統領が自ら選んだ子飼いの後継者ドミトリー・メドベージェフ第一副首相は、その翌日11日火曜には、来る3月2日の選挙にはプーチンが選出されて首相となるように呼びかけた。
Putin's Chosen Successor Calls for Him to Be PM
Medvedev's proposal would secure powerful role for current president
DECEMBER 11, 2007 EST | Associated Press — RUSSIA | Translation by ysbee
MOSCOW — Dmitry Medvedev, the hand-picked candidate to succeed President Vladimir Putin, called Tuesday for Putin become prime minister after the March 2 election.


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DECEMBER 12, 2007 | 米 流 時 評 | ブログ雑誌『 楽園通信』デイリー版f0127501_6213945.jpg
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 ASSOCIATED PRESS | R U S S I A

「明日のプーチン」メドべージェフ、新首相にプーチンを逆指名
米国時間 2007年12月11日 午前7時31分 | AP通信/ニュース速報 | 『米流時評』ysbee 訳


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1. Proposal for Putin as extended role
Putin is prohibited by law for running for a third consecutive term, but clearly wants to retain a powerful role once he steps down. Medvedev's proposal would provide such a role, especially if the constitution were amended to increase the prime minister's powers — which could be done readily with the new parliament dominated by pro-Putin politicians.
首相職の権力拡大も視界に
プーチンは、大統領の三期目に立候補することは(二期までという制限を超えるため)憲法で禁止されているが、いったん大統領の座から降りても、明らかに強大な権力を振るう役割にとどまりたいようである。メドベージェフの今回の提案は、特にもしも首相の権限が拡張するように憲法を改訂するならば、プーチンにそのような役割を与えるものである。この場合は、新しく選出された国会の議席がプーチン支持派の国会議員によって寡占されたために、その体制はすでに整ったと言えよう。
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10月22日 モスクワ郊外ノヴォ・オガレヴォの首相の私邸で密談?するプーチンと現行のズブコフ首相

2. Just a day after Putin endorsement
Medvedev, 42, has spent most of his career as a loyal comrade of Putin, and his proposal for him to become prime minister almost certainly was made with prior consultation with the president. "Having expressed my readiness to run for president of Russia, I appeal to (Putin) with a request to give his principal agreement to head the Russian government after the election of the new president of our country," Medvedev said in televised address a day after Putin endorsed his candidacy.
プーチン後任指名の翌日に提案
今年42才のメドベージェフは、これまでの経歴の大部分をプーチンの忠実な側近として過ごしてきており、大統領指名を受けた翌日に、今度は逆に彼がプーチンを首相に推すよう提案したという経過を見れば「ほとんど確実にプーチン大統領との事前協議で指示を受けた」と解釈するのが当然であろう。
「ロシアの大統領に立候補する私自身の心構えをはっきりと表明するためにも、わが国の新しい大統領を選出する選挙が終わった暁には、私はプーチン大統領に対して、彼が『ロシア政府を統率することに同意する趣意書』を国会に提出するよう求める提案書を渡しました。」メドベージェフは、プーチンから次期大統領候補の指名を受けた翌日に、テレビ中継でこう語った。
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上と同じ私邸の会議室で地図をバックにしたプーチン ロシア地図にしっかり日本列島が入っているのが不気味

3. "Pursuit of Putin Policy"
Putin's support for Medvedev virtually ensures that he would win the election. Medvedev also said that after the election, Russia must continue to pursue the policies driven by Putin in the past eight years. Medvedev's support for Putin's policies and his proposal that he become prime minister were sure to raise questions of whether he would be a genuinely independent president or essentially a figurehead, doing Putin's bidding.
「プーチニズムの踏襲と完成を目指す」
プーチンがメドベージェフを後継者に指名したことで、彼が大統領選で勝利を掴むことは実質上確実となった。メドベージェフはまた「ロシアは過去8年間プーチンによって推進されてきた政策を、選挙後も継続して遂行するべきである」と今後への抱負を述べた。
メドベージェフのプーチン政策への支持と、プーチンが大統領任期満了後は首相になるように提案した事によって、「果たして彼は純粋に独立した大統領でありえるだろうか?それとも基本的にはプーチンの言いなりの傀儡になるのだろうか?」という疑問を投げかけたことは疑うべくもない。
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11月の選挙運動中に氷雨降るサンクトペテルスブルクの広場に集まったプーチン支持派の若者たち 子供まで参加

4. Much milder face than Putin
Medvedev, who projects a milder and more sympathetic image than the steely and often sardonic Putin, nonetheless echoed the prickly national pride and distrust of the West that characterize Putin's public statements.
威圧的プーチニズムを緩和するソフトパワー
従来プーチンは公式の場では、ともするとロシア流ナショナリズムの推進者としてのプライドを必要以上に誇示するあまり、強面(こわもて)な印象を与えがちだった。プーチンの見せるこういった特徴が災いして、とりもなおさず欧米諸国からは危険人物視される傾向があったことは否めない。それにひきかえ後継者に指名されたメドベージェフは、威厳はあるがややもすると近寄り難く冷徹に見えるプーチンに比べて、はるかに穏健で親しみやすいイメージを与えている。
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ミサイル・シールドならぬ本物のシールド(楯)をかまえるプーチン ドイツ訪問先のバヴァリア地方で

5. 'Russia returned to its overwhelming position'
"The world's attitudes toward Russia has been changed. They don't lecture us like schoolchildren. They respect us and they reckon with us. Russia has been returned to its overwhelming position in the world community," Medvedev said in a three-minute statement broadcast on state television.
「世界に冠たるロシアが復活」
「ロシアに対する世界の態度は変わった。彼らはもう昔のように、我々を小学生扱いして教えを垂れるようなことはしない。彼らはわれわれに敬意を表し、優遇するようになった。ロシアは国際社会において、ふたたび偉大なる地位に復活することができた。」メドベージェフは、国営テレビ局の放送でわずか3分間ではあったが、このように最近のロシアに対して抱く思いを語った。
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93年モスクワ赤の広場で気炎を上げる今は亡きイェリツィン プーチンは彼の抜擢でクレムリン入りを果たした

6. Stern contrast with hardliner Ivanov
He also praised efforts under Putin to restore the country's armed forces after years of post-Soviet neglect and underfunding, saying "Our military defense and security have been increased." Despite the assertion of surging military might, Medvedev is not considered a Kremlin hard-liner, in contrast with the others who had vied for Putin's endorsement, chiefly fellow First Deputy Prime Minister Sergei Ivanov.
軍事威圧型タカ派イワノフと対照的
メドベージェフはまた、ソビエト連邦崩壊後、予算のつけられないまま何年も放置されてきたロシア政府軍を再建するために、プーチン大統領の指揮の下に続けられた防衛力復活の努力に対して賛辞を惜しまない。「わが国の防衛と安全保障体制は、プーチン大統領の下で格段に増強された。」
しかしながら、このような軍事力強化への手放しの信念を表明しているにもかかわらず、メドベージェフ自身はクレムリンのロシア政府内では、軍事体制重視の強硬派とは見られていない。むしろ、プーチンの後継者と看做されていた、メドベージェフと同じ地位のセルゲイ・イワノフ第一副首相に代表されるような、タカ派とみなされる他の閣僚メンバーとは対照的である。
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プーチンと密談するイワノフ この人に決まらなくて良かったと思わせる陰険な雰囲気 KGB出身の強硬外交派

7. All the way from St. Petersburg to Moscow
Both Medvedev and Putin worked under St. Petersburg's reformist Mayor Anatoly Sobchak in the early 1990s. After Putin became prime minister in 1999, he brought Medvedev to Moscow to become deputy chief of staff of the Cabinet. He then moved up to become deputy chief of staff for the president, was appointed to head the board of state natural gas giant Gazprom in 2002 and became full presidential chief of staff in 2003. In 2005, Putin named him a first deputy prime minister.
サンクトペテルスブルク時代からの子飼いの側近
メドベージェフとプーチンの両者は、1990年代初頭には、ともにサンクトペテルスブルクで、改革主義者のアナトリー・ソブチャック市長の指揮下に、市の自治体に勤務していた。その後1999年にプーチンが首相になった時点で、プーチンはメドベージェフをモスクワへ引き連れ、内閣側近のトップの地位に就けた。その後もメドベージェフは、プーチンの大統領就任と対応して大統領直属の副参謀官へと昇格し、2002年には天然ガス供給の国営公社ガスプロムの取締役会長に任命された。2003年には大統領補佐官となり、2005年には第一副首相を任命され今日に至っている。 [了]
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かなり険しい表情のふたり メドベージェフは20代半ばから自治体弁護士としてプーチンの補佐役の側近中の側近

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【米国時間 2007年12月12日『米流時評』ysbee 訳】

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d0123476_1746245.jpg序 章 「プーチンの過ぎゆくままに」米国とロシアの『戦争と平和』
第1章 「メドベージェフ登場」プーチン次期後継者を指名
第2章 「明日のプーチン」メドべージェフ、プーチンを首相に逆指名
第3章 「ユーラシア連邦の野望」ポストプーチン時代の予測
第4章 「クレムリンの暗闘」プーチン王朝内部のパワー闘争
第5章 「プーチニズムの踏襲」次世代ロシア時代の到来


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時 評  「NIEレポートで暴かれたブッシュの大嘘」
Part-1 「嘘から出た真実 さらば、イラン戦争」
Part-2 「暴かれたブッシュ政権の戦争体質」
Part-3 「大統領選にまで波及するNIEシンドローム」
Part-4 「米外交のUターン・金宛ブッシュ親書の謎」
Part-5 「半島平和?ブッシュ最終章外交の突然変異」

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||| 『米流時評』 特集シリーズ |||
次世代冷戦時代  | グローバルウォー | イラク戦争 | 中東のパワーラビリンス | テロとスパイ陰謀
ユーラシアの回廊 | プーチンのロシア | ブッシュと米国政治 | サルコジのフランス | EUとNATO
アルカイダ2.0 核のテロ | パキスタン戒厳令の季節 | アフガン・タリバンの復活 | ビルマの赤い川革命
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by ysbee-2 | 2007-12-12 15:42 | プーチンのロシア

プーチン次期後継者にメドベージェフを指名

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 ||| ポスト・プーチン、メドベージェフ登場 |||
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国営巨大産業ガズプロム元代表で中道穏健派プーチン路線の若手代表
プーチン体制安定継続の視点で選択 今後国会信任投票で最終決定へ


d0123476_18552829.gifここ1・2年とみに噂されていた次期ロシア大統領候補だが、プーチンが自らの後継者を決めたようである。先週の総選挙での圧倒的な勝利を背景に、国民の信任を任せられる現体制継続の命を仰せつかったのは、プーチンと同時期にサンクトペテルスブルクの自治体行政を担当した、ロシア統一党の若手官僚ドミトリー・メドゥヴェディエフ。(日本では多分舌を噛まないようメドベージェフと表記か?)
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彼以外にもプーチン体制の側近閣僚の中から多々名前があがっていたが、国民のLikability=好感度でメドヴェディエフ(メドベージェフ)が突出したようである。プーチン内閣の第一副首相となる前は、ロシアきってのエネルギーコングロマリット、ガズプロムの代表をこなした国営企業の辣腕経営者でもあった。プーチンのこの人選は、現時点でのロシア経済を存続発展させていこうという、軍事外交よりも内政経済に重心をおいた閣僚内の方針確認を背景にして、対立抗争を生まないような協調性と統率力のある人物、という点で同意がとれたように見受けられる。

今月初めにロシアの総選挙が期待通り与党の圧勝で終わり、次期大統領の人選も終えたプーチン。さてこの次の計画は? 私の予測では、旧ソビエト連邦に負けずとも劣らない、強大な「統一ロシア連邦=United States of Russia」の結成を構想しているにちがいないと見るのだが、その点に関する分析は次号でお届けしたい。まずはモスクワからの、後継者内定の速報ニュースからお読みください。
【米国時間 2007年12月10日 『米流時評』ysbee 記】

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DECEMBER 10, 2007 | 米 流 時 評 | ブログ雑誌『 楽園通信』デイリー版f0127501_6213945.jpg
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 ASSOCIATED PRESS | R U S S I A

ポストプーチン第1章 次期後継者に穏健派若手メドベージェフ指名
米国時間 2007年12月10日午前9月29分 | AP通信/ニュース速報 | 『米流時評』ysbee 訳


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Putin Backs Medvedev as Presidential Candidate
Russian leader's endorsement likely ensures official's election

d0123476_11332771.jpgAssociated Press — RUSSIA | Translation by ysbee
DECEMBER 10, 2007 EST — MOSCOW, Russia
President Vladimir Putin on Monday expressed support for First Deputy Prime Minister Dmitry Medvedev as his successor — a move likely to ensure Medvedev's election.


10日月曜、ロシアのウラジミール・プーチン大統領は、現閣僚のひとりドミトリー・メドベージェフ第一副首相(42)を、彼の後継者として指名する支持表明をした。この決定によって、メドベージェフ氏が次期大統領に選出されるのは確実と見られる。

1. After the wide speculation on his successor
There have been months of intense speculation on whom Putin saw as his likely successor in the March 2 voting, along with the wider question of what Putin himself will do once he steps down. Putin's popularity and steely control is so strong that most observers expect that whomever he supports would be a shoo-in.
クレムリン内部の熾烈な後継者争い
来年3月2日に予定されている次期大統領候補者として、プーチンが誰を指名するのか、という話題をめぐって、ここ数カ月ロシア内外で熾烈な予想合戦が繰り広げられていた。候補者と同時に関係者の興味の焦点だったのは、任期満了で大統領職から降壇したあとで、プーチン自身は一体何をするのか?という疑問であった。ロシア国内でのプーチンの絶大な人気と覇権の体制があまりにも強大なため、彼が支持を表明した人物であれば、右へ倣えでそのまま大統領の座に就くものと、ロシア情勢専門家のほとんどが予測している状態だ。
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官邸でズブコフ首相と討議するプーチン大統領 公職での全行動がプレスを通して国民に喧伝されるゲッベルス的体制

2. Medvedev gained three parties supports
He made the statement in a meeting with representatives of the United Russia party — which is his power base and dominates parliament — and of three other parties. The parties told Putin they all supported Medvedev. "I completely and fully support this proposal," Putin said, according to footage shown on state television.
プーチン推薦で与党4党の支持を獲得
プーチンは、彼の権力基盤であり議席を独占している統一ロシア党と、他の三党の国会議員との会議の席上で、今回の後継者指名の声明を発表した。集まった各党議員は、プーチンの意向に添って全員がメドベージェフ支持を表明した。「私はこの提案書をいついかなる場合でも完全に支持することを表明します」国営テレビの報道でプーチンはこう述べ、メドベージェフに対する自らの固い支持を明らかにした。
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プーチンのブレーンのひとりで次期候補としてメドベージェフの最有力ライバルだったイワノフ副首相(右)

3. With Putin's view of how to achieve continuity
Putin had long been seen as trying to choose between Medvedev, a 42-year-old business-oriented lawyer and board chairman of state natural gas giant Gazprom, and Sergei Ivanov, another first deputy premier who built up a stern and hawkish reputation while defense minister. "Medvedev is not an extremist. He is not known for any kind of harsh views on politics, and apparently Medvedev better suits Putin's view of how to achieve continuity," said Lilia Shevtsova, an analyst at the Carnegie Moscow Center.
プーチン体制継続の視点で選択
プーチンの後継者として長らく二人の名前が噂にのぼっていた。ひとりはビジネス感覚のある法律家で、国営の巨大石油企業ガズプロムの役員会会長を務めた、42才のメドベージェフ。そしてもうひとりの副首相であるセルゲイ・イワノフである。イワノフは、プーチン政権での前職の国防相時代には、タカ派の強硬路線を敷いたことで知られていた。
「メドベージェフは外交の強硬論者ではない。彼はロシア政界のいかなる極端な見地にも陥いったことがない。そういう意味でも、いかに現体制の繁栄を持続させるかというプーチンの観点からすれば、メドベージェフはまさにぴったりの人物と言えるでしょう。」カーネギー財団モスクワセンターのロシア政治専門家リリア・シェフツォヴァ女史は、プーチンの人選をこう分析する。
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従来からのロシアナショナリストはもちろん、わずか7年間でソ連崩壊後の若い世代にロシア人としての誇りと新しいナショナリズムを植え付けた、国家元首としてのプーチンの業績は大きい Nashiと呼ばれるプーチン・ユーゲント

4. Post-Putin: a 'national leader' ?
Although Putin is banned by the constitution from seeking a third consecutive term in office, he has indicated a strong desire to remain a significant power figure. He has raised the prospect of becoming prime minister, and his supporters have called for him to become a "national leader" with unspecified authority.
プーチン、次のポストは国家統合元首?
ロシア憲法で制定されている大統領の任期制限によって、プーチンの大統領三期目は禁じられているが、彼自身は絶大なる権力の象徴として踏み止まりたいと強く願望しているらしい。消息筋によれば、首相になるという展開も想定しているらしく、その一方では彼の熱烈な支持者たちは、プーチンに対して、いまだかつて前例のない「National Leader=国家元首」にぜひなってくれという呼びかけを行なっている。
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決断力に裏付けられた自信は、KGBでのエージェント経験とサンクトペテルスブルクの自治体行政実績に立つ

5. Mild-mannered public image
Although he holds powerful positions, Medvedev projects a mild-mannered public image and has been widely seen as a functionary devoted to Putin rather than as an independent thinker.
Putin reinforced that perception Monday by saying that electing Medvedev would pave the way for a government "that will carry out the course that has brought results for all of the past eight years."

中道穏健派の安定したイメージ
d0123476_11272031.jpgプーチン大統領の執権体制は、強大な権力を誇示する帝王型であったが、これまでにメドベージェフが手がけてきた政策は、公けには中道派の穏健なやり方で知られている。また彼は独断の専制君主的判断よりも、プーチンに対して助言する実際的機能を果たしてきたと一般には広く理解されている。
プーチンは月曜の議会で彼の人選に了解を取り付けた事で大いに自信を得て、こう感想をもらしている。「メドベージェフを選んだことで、過去8年間にわたって積み重ねてきた実績をなにひとつ損なうことなく、次の段階へ継承していけるような政府へと続く道が敷かれるだろう。」
驚異的ロシア経済の発展を損ねることなく内政充実型の堅実な政治を継承すると見られる、若手中道派のメドベージェフ

6. Russian stock market surged
The Russian stock market surged on the news, led by Gazprom, whose shares jumped 1.6 percent within a few minutes. The market also apparently was boosted by the end of long uncertainty over whom Putin would designate as successor. The speculation about Putin's future has included the possibility that he could try to return as president.
政権安定を見越してロシア株式市場高騰
月曜の後継者指定のニュースを受けて、ニュース発表後ものの数分で1.6%も上昇した(メドベージェフが元会長職を務めた)ガズプロムの株価を筆頭に、ロシアの株式市場は軒並み急騰した。プーチンが後継者に誰を選ぶか、という話題をめぐって際限なく繰り返されてきた議論にも結論が出たことで、株式市場が活況を呈したのは明らかな事実である。
【米国時間 2007年12月10日『米流時評』ysbee 訳】
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モスクワの中心街には写真のバーバリーを始め世界のトップブランドブティックが剣を競って売上を伸ばしている

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by ysbee-2 | 2007-12-10 11:48 | プーチンのロシア
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