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タグ:戒厳令 ( 4 ) タグの人気記事

乗り越えられるか・ハリリ暗殺以来の国家危機

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 ||| レバノン政府軍の大役・国家危機克服 |||
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大統領おき逃げ戒厳令の国家非常事態を中立保持の政府軍が治安制圧

米国時間 2007年11月26日 | ベイルート発/AP通信 | 『米流時評』ysbee 訳
前号「レバノン戒厳令2・権力の空白地帯」からの続き:
ラフード大統領は2期9年にわたる在任期間中、一貫して強硬なシリア派の立場を通したが、23日で任期を完了し退陣した。彼の政権の座からの退出は、国会の多数議席を占める反シリア派にとっては、首相職と同時に大統領職も反シリア派で固めたいという、長年の政局のゴールに一歩近づいた段階を迎えたわけである。反シリア親欧米派を率いるシニオラ首相の政権は、この空白の大統領の座も与党選出候補で埋め、最終的に「シリアのレバノン支配」に対してピリオドを打とうと画策している。
Lebanon PM Tries to Calm Presidentless Nation
Army leaders say they will stay out of politics, keep streets secure
NOVEMBER 25, 2007 EST | Associated Press — LEBANON | Translation by ysbee
Continued from the previous issue — The departure of Lahoud, a staunch ally of Syria during his nine years in office, was a long-sought goal of the government installed by parliament’s anti-Syria majority. The government has been trying to put one of its own in the post and seal the end of Syrian dominance of Lebanon.

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NOVEMBER 26, 2007 | 米 流 時 評 | ブログ雑誌『 楽園通信』デイリー版f0127501_6213945.jpg
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 A s s o c i a t e d P r e s s | L E B A N O N

05年ハリリ暗殺以来の国家危機に一大局面 反シリアが覇権か
米国時間 2007年11月25日 午後7時37分 | ベイルート発・AP通信 | 『米流時評』ysbee 訳


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6. Both sides are locked in
Opposition Christian politician Michel Aoun warned against the cabinet taking over the role of the presidency. The fight has put Lebanon into dangerous and unknown territory. Both sides are locked in bitter recriminations, accusing the other of breaking the constitution, and they are nowhere near a compromise candidate.
こう着状態の親米派・シリア派の対立
野党側のキリスト教政党代表ミシェル・アウン氏は、シニオラ内閣が(国民や議会の認証も得ずに)大統領職を兼任するのは違憲行為であると非難する声明を発表した。こうした与野党の激しい対立抗争によって、レバノンの政局はきわめて危険な未知の領域に突入したように見える。両サイドから相手側のとった措置(ラフードの戒厳令、シニオラの大統領職兼任)を違法行為であると糾弾する、険悪なこう着状態が続いている。この状態では、大統領候補者に関して意見の一致をみることは一朝一夕にはなさそうである。
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野党サイドのキリスト教政党代表ミシェル・アウン氏 シニオラ内閣が大統領職を兼任するのは憲法違反だと非難

7. National crisis after Hariri assassination
International pressure and mass protests after the assassination of former Prime Minister Rafik Hariri forced Syria to withdraw its troops from Lebanon in 2005 after 29 years. Many in Lebanon blamed Syria for Hariri’s killing but Syria denied it.
05年ハリリ元首相暗殺以来危機の続くレバノン
2005年に国民的英雄と敬愛されたラフィク・ハリリ元首相暗殺された直後、事件の背後で動いたと見られるシリアに対して国際的非難が集中し、数十万人規模の国民的抗議デモが首都ベイルートで繰り広げられた結果、シリアは最終的にそれまでの29年間の政治的軍事的介入に終止符を打って、レバノン領土内から軍隊を撤退した。レバノン人の多くはいまだに、シリアがハリリ暗殺の黒幕だと非難するが、シリア側はこの見方を真っ向から否定している。
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昨年11月に車を運転中にスナイパーの狙撃で暗殺された若手の工業相ピエール・ゲマイエル氏。右の写真中央はその父親。一番右あごひげの男性は一昨年車輛爆破テロで暗殺されたハリリ元首相の息子で将来を期待されるハリリJr.
レバノンではここ2年間で十数人もの閣僚や有力政治家がテロに倒れている「Assassins' Kingdom=暗殺の王国」でもある。犯人はシリアの諜報から送られたと推測されているが、不明のままお蔵入りになるケースが多い。


8. Army has kept nation together
On Saturday, army chief of staff Maj. Gen. Shawki al-Masri visited the Presidential Guards at Baabda Palace near Beirut and said the army command will strengthen security measures when needed as it “did in the past years.” The army will face a tough challenge maintaining the peace in the coming days and weeks amid the sectarian-charged atmosphere and persistent reports of proliferation of small arms among individuals and political parties.
戒厳令の軍隊出動で治安は一応安定
戒厳令施行翌日の24日土曜の段階では、レバノン政府軍の総司令官であるシャウキ・アルマスリ将軍自ら、ベイルート近郊のバアブダ地区にある大統領官邸を訪れ「軍隊の命令下で過去数年間実施してきたように、必要とあれば警戒態勢をさらに強化して時局に対応するつもりだ」と戒厳令下での軍部の態勢を明確にした。体制・反体制(親米対親シリア)の対立抗争で、この先数日か数週間か先の読めない時局にあって、国家の治安を維持するという難題に軍隊が直面することが予測されるため、警備にあたる軍隊は、個人や政党の如何を問わず小ぜり合いや銃の所持などを徹底的に取り締まる方針を継続すると伝えている。
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与野党の拮抗対立で大統領が決まらず、権力の空白状態が出現 こういう局面に軍部指導者は中立を保って治安を確保

9. United army surviving a series of crisis
So far, the 56,000-member military has successfully kept this tiny, fractious country together, surviving one crisis after another since the February 2005 assassination of Hariri. In the past two years, the army has emerged as a neutral force, protecting and separating pro- and anti-Syrian groups and maintaining order during angry protests and funerals.
国家危機の克服に5万6千の軍隊が一役
一応現在までのところ、5万6千名のレバノン軍を総動員して戒厳令の厳戒態勢にあたっているため、2005年2月のハリリ暗殺事件以来、この紛争の絶えない中東の小国に次々と継起した国家的危機も何とか乗り越え、市民戦争の分裂も見ずにサバイバルしてきた経過がある。
過去2年間のレバノンの「国土全域での治安維持」という難局で、シリアシンパと反シリア派との正面衝突を避け、暗殺に対して怒りを爆発させた数十万の抗議デモや、葬儀に参列した数万の群衆を「威圧ではなく保護する立場」で暴動を起こさせずに鎮圧する実績を重ねてきた結果、レバノン政府軍は中立公正な立場を貫く実質的勢力として一目おかれるようになってきた。
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昨年夏イスラエルの空爆により突発したレバノン戦争で、レバノン南部は大打撃をこうむった。写真はベイルートのダウンタウンで、ヒズボラの本部周辺も空襲による爆撃を徹底的に受け潰滅状態。しかしそのすぐ翌日には爆撃跡地に「Made in USA」のバナーを張るしたたかさもうかがえる。女性たちは被災者の救援に向かうヒズボラの女性党員。

10. Army general, 'Listen to the call of duty'
In January, the army imposed a curfew to quell Shiite-Sunni clashes that killed 11 people. Army commander Gen. Michel Suleiman has ordered his soldiers to ignore politics and “listen to the call of duty.” But the open-ended political crisis raises the question of how long the under-armed and over-stretched army can continue to hold.
軍総司令官「国防の任務に徹する」
今年1月には、シーア派とスンニ派の衝突で11人が死亡した事件があったが、軍隊は戒厳令の厳戒態勢の元に、両派の間にそれ以上の抗争が暴発するのを防いだ。今回の戒厳令に際しては、政府軍総司令官のミシェル・シュリーマン将軍が指揮下の兵士全員に「政治の動きは無視して動揺せず、兵士としての義務に忠実に対応せよ」と至上命令を下した。しかし、終局の見えない政治的危機にあっては、こうした軍隊による制圧と表面上の安寧がいつまで継続できるのか、疑問視する意見もあるのも事実である。
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ダウンタウンにはシリア派ヒズボラの本部もありテロ・暗殺と紛争が絶えないベイルート市内をパトロールする警備兵

11. Army united against sectarian violence
Experts say the army will be united unless Lebanon endures major sectarian violence — especially fighting between Sunni and Shiite Muslims — over an extended period. “Then it will start to fracture,” said retired Lebanese army general Elias Hanna.
軍の統一で国家危機は乗り越えられるか?
今回の国家的危機に対して、レバノン情勢の専門家は次のような見方をしている。「レバノンが市民戦争のような大規模な分裂抗争を防げれば、特にスンニ派対シーア派のイスラム教徒の宗派争いを長い期間避ることに成功すれば、レバノン政府軍も(パレスチナ軍とは違って)統一を保って存続できるだろう」という意見である。しかし、政府軍の退役将校であるエリアス・ハンナ氏は別の見方をとる。「スンニとシーアの争いを生き延びたとしても、そのあとでまた別の抗争が控えているだろう」と言うのである。
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昨年12月12日ベイルート市中央のアルアミン・モスク(左上ブルーのドーム)とその広場を埋めた反シリア派のデモ隊

12. Intrication of multi-layered sectarian confricts
He said the conditions today are different from those at the onset of the 1975-90 civil war, which pitted Christians against Muslims and saw the military splinter along sectarian lines. Unlike then, Lebanon political tensions are now fractionalized more along Sunni-Shiite lines, with Christians divided.
二重三重の対立抗争が控える政治危機の難局
彼はその推論を次のように説明する。「今日のレバノン情勢は、1975年から90年まで15年間続いたレバノン市民戦争とは状況が異なる。あの頃は単純に、レバノン国内のキリスト教徒とイスラム教徒の間の分裂抗争で、軍隊はその間隙が明らかだったので作戦が立てやすかった。しかし当時とはちがって、今日のレバノン国内の政局危機には、スンニ対シーアのイスラムの宗派抗争の上に、さらにキリスト教政党の分裂抗争が重なった、複雑で難しい問題が控えているので、混迷した政局危機の解決は一筋縄では行かないだろう。」[了]

【米国時間 2007年11月26日 訳『米流時評』ysbee】
»» 次号 「アナポリスの奇跡1・中東平和会議開幕」へ続く

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by ysbee-2 | 2007-11-26 11:21 | 中東のパワーラビリンス

レバノン戒厳令-2「大統領不在・権力の空白地帯」

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   ||| 大統領不在で権力に空白地帯 |||
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ラフード任期満了後任立たず、レバノン大統領不在で権力に空白地帯

米国時間 2007年11月25日 | ベイルート発/AP通信 | 『米流時評』ysbee 訳
前号「ベイルート・戒厳令の夜」からの続き |24日土曜レバノンでは次期大統領を選定できなかったため、国家元首不在のまま空転する政治危機を乗り越えようと、議員達が国会で悪銭苦闘していた。その間フアド・シニオラ首相は「政府軍が国家の治安にあたっているおかげで、レバノンの現状は無事である」と強調した。一方軍指令部は政治的紛争には一切かかわらないことを明らかにし、あくまで国家治安体制に専念した結果、軍隊が時局安定を維持する最良のつてとして、頼みの綱となっている。
前号:ラフード大統領任期満了の当日まで後継者選出の議会投票が行なわれたが、ヒズボラをはじめとする野党が棄権し次期大統領の座は文字通り空白のまま。混乱を予期したラフードは期限切れの2時間前に戒厳令を発して退位した。

Lebanon PM Tries to Calm Presidentless Nation
Army leaders say they will stay out of politics, keep streets secure
NOVEMBER 25, 2007 EST | Associated Press — LEBANON | Translation by ysbee
BEIRUT, Lebanon — Prime Minister Fuad Seniora assured his country Saturday that the military was in control of the streets while lawmakers struggled to overcome a political crisis that has left the country without a president. The army made clear it will stay out of politics, emerging as the country’s best hope for stability.

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NOVEMBER 25, 2007 | 米 流 時 評 | ブログ雑誌『 楽園通信』デイリー版f0127501_6213945.jpg
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 A s s o c i a t e d P r e s s | L E B A N O N

ラフード任期満了後、レバノン大統領不在で権力に空白地帯
米国時間 2007年11月25日 午後7時37分 | ベイルート発・AP通信 | 『米流時評』ysbee 訳


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1. Beirut calm after turmoil
Beirut remained calm Saturday and shops opened for business following a tumultuous day that intensified fears of street violence between supporters of Saniora’s U.S.-backed government and the opposition led by the Shiite militant group Hezbollah and backed by Syria and Iran.
ベイルート、政治的嵐のあとの静けさ
政局混乱のただ中で、退陣する大統領から最後に発令された戒厳令の夜。米国をバックにするシニオラ親米政権支持派と、シリアとイランを背後に控えるシーア派軍団ヒズボラが主導する反体制派との間で、市街戦が展開されるのではという極度の緊張がピークを迎えた日だった。しかし一夜明けた24日土曜のベイルートは落ち着きを取り戻し、市内のショップも通常通りの営業を再開した。
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ベイルート市内の高級ブティック街も戒厳令直後の政局不安による紛争を怖れて軒並み閉店状態

2. Seniora's first statement
After months of trying, the two rival camps were unable to agree on a compromise candidate to succeed pro-Syrian President Emile Lahoud who stepped down Friday night, leaving a political vacuum. In his first comments since Lahoud left office, Saniora defended his government, saying it will continue to function according to the constitution.
シニオラ首相、空白後最初の声明
与野党両陣営は親シリア派エミール・ラフード大統領任期満了後の後継者を指名するべく、今日にいたるまで数カ月にわたって画策していたが両者の歩み寄りは見られず、ラフード氏は権力の真空地帯を後に残したまま、金曜真夜中に大統領の座を去った。25日朝ラフード氏が大統領官邸を去って以来初めてシニオラ首相は所信声明を発表したが、その中で彼は自分の率いる内閣の立場を擁護し、今後も憲法の認める通り、大統領の臨時代行として執権機能を続けることを明らかにした。
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戒厳令発令直後の23日金曜の夜中から24日未明にかけては与党支持派の群衆が繰り出したが無事に終了

3. Cabinet takes executive power
In the absence of a president, Saniora’s cabinet, which the opposition considers illegitimate, takes executive power under the constitution. “Our main goal in the coming stage, which we hope will not take longer than few days, will be to exert all possible efforts ... to end this situation as soon as possible,” said Saniora.
親米派シニオラ内閣が執権を代行
大統領不在の状況では、野党は憲法違反だと看做しているにもかかわらず、憲法で定められた通りにシニオラ内閣には代理執行権が発生する。「数日以上は続かない事を期待しているが、次の段階におけるわれわれの主たる目標は、あらゆる努力を払って極力すぐにでも、この非常事態を終了することである。」シニオラ首相は、戒厳令後初の所信表明でこのように語った。
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親米・新仏派で知られるフアド・シニオラ首相(右) ベイルート駐在の米国大使と歓談

4. 'There is absolutely no need for emergency'
He dismissed a declaration by Lahoud, who before departing the presidential palace at midnight Friday said the country was in a “state of emergency” and he was handing over security powers to the army. “There is no state of emergency, and there is no need for that,” Saniora said. “There is absolutely no need for any Lebanese to be concerned about the security situation. The army is doing its work and is in full control of the situation on the ground.”
シニオラ「戒厳令の必要性は皆無」
ラフード前大統領が、23日金曜の真夜中に大統領官邸を去る直前に「我が国は非常事態にある。したがって治安の権限はすべて軍部に預ける。」と宣言した内容について、シニオラ首相はその有効性を認めようとせず、次のように発言した。
「非常事態などどこにも存在しないし、またその必要もない。現時点では、いかなるレバノン人も、治安状況について心配する必要はまったくない。軍隊がその任務をまっとうし、国内の治安は完全に制圧され無事である。」
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戒厳令の夜も明けようとしている24日土曜未明のベイルート市内 通りに繰り出した群衆も三々五々解散した

5. Accusation on Hezbollah of obstructing election
Hezbollah and its opposition allies have been able to stymie the government’s hopes by repeatedly boycotting parliamentary votes for a new president, as they did Friday afternoon, leaving it without the required quorum. Pro-government Christian leader Samir Geagea accused Syrian-backed Hezbollah of obstructing the election. “We will not let Syria control again Lebanese politics no matter what happens,” he warned at a news conference.
キリスト教与党、投票棄権のヒズボラを非難
ヒズボラを初めとする野党各党は、後継者の大統領を選定しようとあせる政府の思惑を、議会投票を何度も繰り返して棄権することによって、新大統領選出の可能性を打ち砕いてきた。金曜の午後も彼らはその常套手段を実行し、有効議席数に満たないまま投票は成立せずに終わった。
政府与党のキリスト教政党党首サミール・ギーギー氏は「シリアをバックとするヒズボラが今回の選挙妨害に対して責任がある」と非難した。
「われわれはたとえ何が起きようとも、シリアがレバノン政界を牛耳るような状況を二度と再び許してはならない。」ギーギー氏は記者会見で、国民に向けてこのように警告を発した。
»» 次号 「レバノン戒厳令-3「政局分裂で政府軍結束」へ続く
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レバノンの与党は北部の都市中産階級を票田とするキリスト教政党 シニオラ首相とベイルートキリスト教会枢機卿

【米国時間 2007年11月25日 訳『米流時評』ysbee】

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by ysbee-2 | 2007-11-25 15:12 | 中東のパワーラビリンス

レバノン政治危機・大統領不在で非常事態宣言

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    ||| 戒厳令の季節・レバノン編 |||
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 権力の真空地帯出現 政府軍の管理下で国家非常事態宣言発令
 レバノンのラフード大統領、後継者不在のまま任期終了し降壇


d0123476_18552829.gifまたもや戒厳令です。9月のビルマでの「軍事独裁政権・血の粛清」に引き続き、今月3日にパキスタンのムシャラフ大統領が発令して、国家的弾圧の端緒となった「独裁者の悪弊」。国家非常事態を宣言すれば、一時的に憲法を保留して軍事的制圧が可能な治安体制を優先できるため、政敵や反対派の基本的人権を省みる事なく弾圧できる、という「全体主義的警察国家」の最悪のパターンが現出します。
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パキスタンの一連のニュースは「戒厳令の季節」というタイトルの元に3週間特集しましたが、スタートしてたった4日後に、今度はコーカサス地方の小国グルジア共和国でも戒厳令。ここもまた、ブッシュの息のかかった親米派大統領サーカシヴィリの不祥事が国民の反感を買い、国会前の広場に数十万人の市民が連日連夜泊まり込みで、平和的な抗議のSit-inを継続。その結果政権側では最終的に、群衆弾圧目的の体制的裏付けでしかない万事休す的な処置として「国家非常事態宣言」を発し、その後はお決まりの暴力的弾圧と摘発の嵐。(記事は用意してありましたが、パキスタンの動乱の勢いに「負けて」保留にしてあります。来週遅ればせながら掲載予定。)
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また今週の週末には以前から危惧されていたレバノンの政界の分裂が深刻化し、後継者が決まらないままラフード大統領が任期満了で辞任。その後の権力の空白期間にヒズボラ勢力の蜂起などを怖れた大統領は、国家非常事態を宣言して治安の全権を軍司令部の手中に預けたまま降壇しました。しかしどの国の場合でも、戒厳令の厳戒態勢が弾圧体制にリンクして逆に騒擾を引き起す結果を招いており、今回のレバノンでの戒厳令でも、とりわけヒズボラという最強ゲリラが国会内部にさえ収まっている状況なので、一触即発で暗殺かテロか、何が起るか予断を許さない緊迫の政情です。まずは1日遅れですが、事実関係の把握をニュース速報から。

【米国時間 2007年11月24日 『米流時評』ysbee】


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NOVEMBER 24, 2007 | 米 流 時 評 | ブログ雑誌『 楽園通信』デイリー版f0127501_6213945.jpg
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 A s s o c i a t e d P r e s s | L E B A N O N

レバノン大統領任期終了 後継者なきまま国家非常事態宣言発令
米国時間 2007年11月23日 午前4時27分 | ベイルート発・AP通信 | 『米流時評』ysbee 訳


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Lebanon Leader: Nation in ‘State of Emergency’
President leaves post with no chosen successor, tells army to keep order

Associated Press—LEBANON | Translation by ysbeed0123476_1991642.jpg
NOVEMBER 23, 2007 EST | BEIRUT, Lebanon — Lebanon's political tumult intensified as President Emile Lahoud said the country is in a "state of emergency" and handed security powers to the army before he left office Friday without a successor. The rival, pro-Western Cabinet rejected the declaration.


▶首都ベイルート中央部のモスクのある広場にもレバノン政府軍のタンクが出動し、24時間の警戒体制にあたっている

2007年11月23日 |レバノン・ベイルート発
23日金曜をもって任期を終え、後任者の決まらないまま官邸を去るレバノンのエミール・ラフード大統領は、国家治安の全権を政府軍指導者に託し、レバノン全土を対象に「国家非常事態宣言」を発令した。しかし彼の政敵である親米派の内閣は、この戒厳令発効を拒絶している。

1. Pro-Western VS. Pro-Syriad0123476_9344743.jpg
Lahoud's final announcement created new confusion in an already unsettled situation, which many Lebanese fear could explode into violence between supporters of Prime Minister Fuad Saniora's Western-backed government and the pro-Syria opposition led by the Shiite militant group Hezbollah. The departure of Lahoud, a staunch ally of the Syrian regime during nine years in office, was a long-sought goal of the government installed by parliament's anti-Syria majority, which has been trying to put one of its own in the presidency.
▶親シリア派の代表エミール・ラフード大統領 2期9年の任期を終え官邸を去る

親米派与党対シリア派野党の対立する政局d0123476_9414749.jpg
ラフード大統領在位期間の最後の宣言は、すでに不安定な様相を示していたレバノンの政局に、さらに新たな混乱をもたらした。今日までのレバノンの政情は、西欧諸国が背後に控えるフアド・シニオラ首相支持派と、シーア派の軍団ヒズボラを筆頭とする親シリア派の野党との間で、対立が激化して武力衝突を引き起すのではないかと、多くのレバノン国民が危惧していた状況である。
したがって、強固なシリア派として9年間国家元首を務めたラフード氏が大統領の座を去ることは、とりもなおさず議会内の反シリア派与党が長らく待ち望んでいた、連立する元首の座を親欧米政権で独占するという、完全な国家覇権の目標に一歩近づいたことになる。彼らは首相だけでなく大統領も、反シリア陣営から立てようと狙っていたのであるから。
▶レバノンの親米・親ヨーロッパ派内閣の筆頭シニオラ首相

2. Nation into dangerous, unknown territory
Hezbollah and other opposition groups have blocked legislators from electing a new president by boycotting ballot sessions, leaving parliament without the required quorum. The fight has put Lebanon into dangerous, unknown territory: Both sides are locked in bitter recriminations, accusing the other of breaking the constitution, and they are nowhere near a compromise on a candidate to become head of state.
大統領不在で未知の危険な領域へ
ヒズボラを始めとする野党のシリア派各党は、国会での議会投票をボイコットして新しい大統領が選出されるのを阻止した。この結果、国会は必要とされる最小限の議員の出席数に充たず、流会となった。レバノンの政局における両派の対立抗争によって、この国はいまだかつて経験した事のない、危険な領域へと踏み込んでしまったようだ。
対立する両陣営ともお互いに双方の戦法を「憲法違反だ」とののしりあい、今回の危機を相手のせいにしようと汲々としている。この調子では、国家元首の候補者を指名する上で意見の一致が見られることは当分ありそうにない。
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11月23日のラフード大統領の任期満了までに立候補したが決定票を得られなかった、ドングリの背比べのレバノン次期大統領選候補者:上列左から ナシブ・ラフード/閣僚のひとりミシェル・アウーン/同じく閣僚ブツロス・アルブ/司法相シャルル・リツク/下列左から 閣僚ロベール・ガネム/前財務通商相ダミアノス・カタール/前閣僚ミシェル・エッデ/アラブ銀行連盟・レバノン銀行協会両方の会長ヨセフ・タラベイの各氏

3. Military generals remain neutral
The army command refused to comment on the developments. The military, under its widely respected chief, Gen. Michel Suleiman, has sought to remain neutral in the political chaos. The capital was calm, and all sides were vowing to avoid violence.
政治危機の渦中で中立を保つ軍司令部
一方、レバノン政府軍の首脳部は、今回の緊急な政局の危機に関しては沈黙を守っている。レバノン政府軍は軍部全体が、広く国民にも敬愛されるミシェル・シュリーマン将軍の指揮下にあり、今回の混乱の政局からは一歩引いて中立を保っている。どの党派に属する者も武力衝突は避けたいと表明しているせいもあり、首都バアブダは平穏を保っている。
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任期切れ直前の22日にラフード大統領官邸で軍首脳部と記念写真 左から2人目がシュリーマン政府軍総司令官

4. Military in place against aggressors from both sides
Even before the president’s vague announcement, the military was in place to guard against the two sides’ supporters taking the conflict to the streets. On alert for days, hundreds of soldiers stood with tanks, armored personnel carriers and jeeps in the area around the downtown parliament building as well as on roads leading into Beirut.
不穏分子はどちら側でも摘発の軍の警備体制
レバノン政府軍の治安部隊は、ラフード大統領が非常事態を宣言する以前からベイルート市内要所の警備について、市街地での武力衝突に加わる者はどちらの陣営であれ検挙する取締体制を敷いていた。戒厳令の敷かれる数日前から、バアブダ市中心部の国会周辺やベイルート市内へ通じる主要道路には、数百人の軍隊がタンクや装甲車、軍用ジープの傍らに立って、すでに警戒態勢をとっていた。
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5. Lahoud: Seniora's government 'unconstitutional'
Lahoud stepped down when his term expired at midnight, smiling as he reviewed an honor guard on the way out of the presidential palace in the Beirut suburb of Baabda. “My conscience is clear,” he told reporters. “Lebanon is still well.”
d0123476_19152539.jpgBefore getting into his car to go, he blasted Saniora’s government, calling it “illegitimate and unconstitutional. They know that, even if Bush said otherwise.” In the capital, some 2,000 government supporters gathered in a Sunni Muslim neighborhood cheered his departure, setting off fireworks, beating drums and shouting, “Lahoud Out!”

ラフード「シニオラ政権は憲法に反する」
ラフードは23日真夜中に大統領の任期が切れた時刻に退位を果たしたが、ベイルート郊外のバアブダ地区にある大統領官邸から最後の退出に向かう時点で、儀仗兵の閲兵を行なって退任の儀式を完了した。
「良心に誓って言うが、レバノンはいまだに健全だ」と、辞任にあたっての感想を記者団に述べた。しかし官邸から去る車に乗り込む際には、シニオラ首相の内閣について次のように不満をぶちまけた。「シニオラ内閣は非合法で憲法に反する。たとえブッシュがそれを否定しても、彼らはそのことをちゃんと承知している。」

6. Stepping down without successor
His departure left the presidency vacant after parliament failed again to convene earlier Friday to vote on a successor. Lahoud’s vaguely worded final statement, two hours before midnight, wasn’t a formal declaration of a state of emergency, but he enflamed tempers with his reference to a “state of emergency” in Lebanon. “Because a state of emergency exists all over the land as of Nov. 24, 2007, the army is instructed to preserve security all over the Lebanese territory,” the presidential spokesman, Rafik Shalala, said.
後継者なしの降壇で軍隊に管理一任
ラフードの出立は、レバノンの大統領の地位を空白のままに残した。23日金曜朝早くに行なわれた最後の後継者指名投票でも、またもや結論を出すにはいたらなかった。ラフードのあいまいな用語で埋まった非常事態宣言は、期限の切れる真夜中までわずか2時間というぎりぎりの土壇場で発令されたものだが、戒厳令としての公式宣言ではなく、辞任の声明文の中にレバノン国内にすでに敷かれている「非常事態」体制をもち出すことで、シニオラ内閣への憤懣を吐露した結果となった。
「2007年11月24日の時点で、国内全土に非常事態が存在しているために、政府軍はレバノン領土内全域で警戒態勢を維持するよう指示されました。」これが、大統領広報官ラフィク・シャララ氏から発表された声明である。
»» 次号 レバノン戒厳令-2「空転する政局、空白の大統領の座」へ続く
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【米国時間 2007年11月24日 訳『米流時評』ysbee】

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by ysbee-2 | 2007-11-24 18:48 | 中東のパワーラビリンス

英雄伝説1「戒厳令下のヒーロー イムラン・カーン」

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 ||| 戒厳令下のヒーロー イムラン・カーン |||
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イムラン・カーン:伝説のクリケット名手が英雄に生まれ変わる時
ムシャラフ独裁政権弾圧の手を逃れて逃亡中のヒーロー独占会見記


d0123476_18552829.gif【英雄伝説】 
独裁者が軍隊を駆って民衆を蹴散らすとき、勇気ある者は沈黙を破る。
闇の中に響く真実の声。
その声は光のごとく、闇の隅々までを照らす力となる。
声は光となり、閉ざされた者のこころを照らす。
光は民から民衆へと語り継がれ、ひとつのかたちとなる。
そのかたちが群衆の前に姿を現すとき、ひとはそれを、英雄と呼ぶ。


Interview with Imran Khan — Part-1
‘It’s Just the Beginning’ — The cricket legend, politician running for life
NOVEMBER 14, 2007 EST | Newsweek — Web Exclusive
By Ron Moreau/PAKISTAN | Translation by ysbee
In an exclusive interview with NEWSWEEK shortly before Pakistani police caught up with him, Imran Khan discusses the emergency, his plans to mobilize students and how the nation feels about Musharraf.

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米国時間 2007年11月14日 | By ロン・モロー/ニューズウィーク 独占インタビュー
ラホーレ・パキスタン | パキスタンのクリケット界伝説のヒーロー、イムラン・カーン。ニューズウィークが敢行した独占インタビューは、2週間逃亡生活を続けていた彼をパキスタン警察が逮捕する直前に行なわれたものである。現地特派記者のロン・モローの質問、今回の国家非常事態について、彼が巻き起こした学生の抗議運動について、そしてパキスタンの一般民衆はムシャラフをどうとらえているのかについて、カーンは忌憚なく語る。 【訳:『米流時評』ysbee】


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NOVEMBER 22, 2007 | 米 流 時 評 | ブログ雑誌『 楽園通信』デイリー版f0127501_6213945.jpg
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 N E W S W E E K | S P E C I A L

イムラン・カーン:伝説のクリケット名手が英雄に生まれ変わる時
2007年11月14日 | By ロン・モロー/ニューズウィーク サイト独占掲載 | 『米流時評』ysbee 訳


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A vociferous opposition politician
Imran Khan, the Pakistani cricket legend and now vociferous opposition politician, hardly looked like a hunted man. Sitting in a supporter's comfortable Lahore home and dressed in a freshly pressed white salwar kameez, Khan, 55, appeared and sounded confident.
反対派を代表する政治家のひとり
イムラン・カーン。パキスタンのクリケット界では伝説の名手、そして現在はムシャラフ政権に真っ向から対立する、反対派を代表する政治家であるが、どう見ても国家警察の目を逃れて逃亡中の人物には見えない。ラホーレの支持者のひとりである知人の閑静な自宅で、ぱりっとプレス仕立ての白いサルワール・カミーズ(パキスタン風のパジャマのような男性の衣服)を身にまとった今年55才のカーンは、インタビューに対して一貫して堂々と落ち着いて語ってくれた。
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Hero at large to organize the united front
He has been quietly meeting with members of the small Movement for Justice Party he founded 11 years ago, with some students and with other opposition politicians who remain at large in an effort to unite their fractious forces and kick-start a public protest movement against Musharraf and his emergency.
独裁に反対する統一戦線のヒーロー
彼は11年前に設立した小規模の自分の政党「Movement for Justice Party=正義運動党」のメンバーや、数人の学生運動のリーダー、反体制派のほかの政治家たちと密かに会合を持ち続けていた。反対派の政治家たちも、彼と同じく弾圧の手から逃走中の身であったが、これまでばらばらだった反政府側の政治活動をひとつにまとめて、ムシャラフと彼の取り巻き連中に対抗して、国民的な抗議運動を展開するきっかけを作ろうと努力しているそうである。
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Fugitive life of superstar for 11 days
For 11 days, ever since the police burst into his home early in the morning of Nov. 4, the day after Pakistani President Pervez Musharraf announced emergency rule, he had successfully eluded the security forces by surreptitiously moving to a different house daily and largely avoiding talking on his cell phone.
お尋ね者はスーパースター
パキスタンのペルヴェズ・ムシャラフ大統領が国家非常事態宣言を発令した直後の11月4日未明、彼の自宅を警官隊が急襲した。それ以来この11日間というもの、彼は発信地がばれる携帯を使うのを避け、毎日違う家で眠り転々と居場所を変えて、軍警察の厳しい捜索の網をくぐり抜けてきた。
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Exclusive interview with a running hero
In an exclusive interview yesterday, which turned out to be his last before he was arrested today at Lahore's Punjab University following an ugly encounter with Islamist students, he talked with NEWSWEEK's Ron Moreau about his plans to challenge the president. Excerpts:
逃亡中のヒーローへの独占インタビュー
昨日(11月13日火曜)実施できたニューズウィークの独占インタビューの中で、カーンはニューズウィーク誌のロン・モロー特派記者の質問に答え、今後の計画やムシャラフ大統領への挑戦などについて忌憚なく語ってくれた。以下その抜粋:
(もっともこの翌日14日にラホーレのパンジャブ大学で行なわれた、イムラン・カーンを支持する学生の反政府総決起集会の直後に、一部のイスラム急進派の学生の裏切り行為の密通で彼は警察に逮捕されてしまったので、結果的にこのインタビューがこれまでのイムラン・カーンに対する最後のインタビューとなってしまったことも付け添えておく。)
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このインタビューのまさに翌日、イムラン・カーンはラホーレ最大のパンジャブ大学で決起集会をひらき熱狂した学生の先頭を切ったが、裏切り者の密通で警察の手に渡された。この事件のユダ役は、ムシャラフが敵対していたはずのイスラム急進派の学生だったのが、皮肉な現実というか新しい疑惑の種である。

NEWSWEEK: How did you escape from the police [on Nov. 4]?
Imran Khan:
At 1:30 in the morning these cops suddenly burst in my house. They were very rough and rude with my 85-year-old father and me. I asked to see an arrest warrant, which they didn't have. I had a feeling they were going to take me in straightaway. That's when I took the decision that I'd better get out. I went out the back, jumped over two back walls and made it to a cousin's house.
Since then I've been moving everyday. Obviously he [Musharraf] had learned a lesson from the Burmese generals of severe repression: beat up and put everyone in jail, and then a few days later say everyone's with me because no one's in the streets.

ニューズウィーク: 11月4日の警察の逮捕からどうやって逃げたんですか?
イムラン・カーン: 
夜中の1時半に警察の連中が突然うちに押しかけて来たんですよ。私の父親は今年85才なんですが、彼らは親父と私に対して手ひどく乱暴に振る舞ったんです。むっときた私が「逮捕するなら令状を見せろ」とたずねたんですが、彼らはそんなもの持っちゃいなかった。
私はその場で「やつらは俺をこのまま連れてくに違いない」と直感したんで、とっさに逃げた方が良いとその場で判断しました。そこで彼らを入口で待たせたまま、私は自宅の裏庭へ走り出て、隣との境の塀を次々に2つ跳び越えて、従兄弟の家まで逃げたんです。
それ以来ですよ。こうやって毎日移動しながら、やつらから逃げている次第です。
やつ(ムシャラフ)がビルマの独裁将軍の過酷な弾圧から打つ手を教わったというのは見え見えですね。たてつく者はぶちのめして、一人残らず監獄にぶちこむ。それから何日か経ってからこう言うでしょう。誰もが自分の側についてるってね。そりゃそうでしょう、通りには反対派は誰も残っちゃいないんですから。
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What's your plan of action underground?
I've had a few narrow escapes. Lahore is such a big city I have so many places to go, because basically everyone is anti-Musharraf here. I'm organizing my own party and trying to launch a students' movement to fight for democracy.
I'm tying up with Qazi Hussain Ahmed [the leader of the Islamist Jamaat-e-Islami party] and [exiled former prime minister] Nawaz Sharif. We have decided to go into an electoral alliance, trying to get everyone to boycott the elections [which Musharraf has announced will be held under emergency rule before next Jan. 9].

地下に潜伏して計画しているこれからの活動はどんなものですか?
私はあぶなくもう一歩で捕まる目に何回か逢ってますが、かろうじて逃げられました。ラホーレは隠れる場所がそこらじゅうにありますよ。というのも、基本的にはこの街の誰もが反ムシャラフ派なんですから。
私は今自分の政党を組織して、学生の間に民主主義のために闘う運動を展開しようとしているところです。(イスラム政党ジャマアル・エ・イスラミ党のリーダー)カジ・フセイン・アハメドや(亡命中の前首相)ナワズ・シャリフとも、反ムシャラフで共闘しようと話し合っています。こうやってわれわれは、選挙に対して共同戦線を組織することに決めました。つまり、国民の誰もが選挙をボイコットするように運動を展開する予定です。(来年1月9日に行なわれる予定のこの選挙に関して、ムシャラフは当日まで戒厳令実施を続けると言っている。)
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To restore justice, protect human rights
This election will be a total fraud unless the emergency is lifted and the Supreme Court is restored. We don't recognize these present puppet judges. If the [former judges] aren't [reinstated] then Musharraf will have achieved his aim of the emergency; to install his own judges. With his own judges he can rig the elections and muzzle the media and finally get a puppet parliament.
司法の独立と基本的人権の復活を目指して
戒厳令が解除になって最高裁判所判事が元に戻らなければ、今度の選挙は完全な詐欺ですよ。われわれは、ムシャラフが勝手に選んだ現行の傀儡判事を認めません。もしも従来の正当な判事たちが復帰できないのであれば、そのとき初めてムシャラフは非常事態宣言を敷いた本来の目的を達成したことになるでしょう。つまり(テロリスト対策ではなく)最高裁判所を自分の息のかかった判事だけで固めるという目標です。法律を承認するのが傀儡判事であれば、選挙結果を操作したり報道を圧殺したり、最終的には傀儡内閣をでっちあげたり、好き勝手にやりたい放題になるでしょう。
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Can you bring in Benazir Bhutto to your alliance?
If Benazir joins us in boycotting the elections then the polls have no credibility. But there's a lot of suspicion here. What we don't want is for her to use us as a bargaining chip and then cut another separate deal for herself with Musharraf. We need to know what is the game she is playing, because her credibility with us is low.
ベナジール・ブット女史をあなたの味方につけることは可能ですか?
もしベナジールが選挙をボイッコットしてわれわれの戦列に加わるなら、そうなれば投票はまったく無効になるでしょう。しかし、その件に関しては沢山の疑問点があります。
われわれがそうなってほしくないと警戒するのは、彼女が我々を存続のための取引条件として利用して、そのあとで独自にムシャラフとの談合に走ったりしないか、という点です。
われわれは今回の運動で彼女がどんな役割を果たしたいのか、率直に知りたいです。これまでの実績では、彼女への信頼度は低いですから。
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Now she says her party will likely boycott the polls.
If Benazir makes a categorical statement about a boycott, then, of course, we have a tremendous opportunity of mobilizing Pakistanis, because people will get the impression this is a joint front. That will put a lot of pressure on Musharraf.
彼女は今や選挙投票をボイコットするとまで言っていますが
ただし、もしベナジールが選挙のボイコットに関して具体的な条件付きで声明を出したなら、その時にはもちろん受け入れて、パキスタン国民を動かすとてつもないチャンスが実現できる可能性を、われわれもつかむことになります。なぜなら、国民は「これは民族統一戦線だ」という印象を受けるでしょうから。そうなれば、ムシャラフにとって大打撃になることは間違いないです。
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But can the opposition get together in the face of Musharraf's emergency?
We have to. He is in control because opposition parties do deals with him. Qazi, Nawaz and I have been saying that without a street movement this guy is not going to go. Everything he [Musharraf] has promised he has reneged on.
ムシャラフ政権の戒厳令下の弾圧に会いながら、それでも反対派を統一することは可能ですか?
そうしなくては。彼は反対派それぞれと個別に談合していたから、制圧できていたんですよ。カジやナワズ、私が今まで言ってきたのは、大衆が通りに出て反対運動を展開しない限り、あいつは絶対に辞めようとはしないだろう、ということです。やつ(ムシャラフ)は約束した事を片っ端から破ってきました。
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Lesson from the history of dictators' regime
He is clearly not going to leave power voluntarily, so that's why we need a street movement. That's the only thing that dictators in the past have been affected by and what the army looks to. When the army realizes that he has become a liability, it will get rid of him.
歴史上の独裁者の運命からの教訓
やつが自分から進んで権力の座を離れる、なんてことがないのははっきりしてます。だからこそ、われわれは街に出て運動を展開する必要があります。それが唯一、歴史上の独裁者が脅威を抱く効果があり、軍隊の目を醒ます現実だったのです。軍隊が独裁者は彼らにとっても足枷でしかないことに気がつけば、その時には暴君を見捨てるでしょう。
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Sudden surprising oppression
But he took us by surprise and put everyone in jail. There's no leadership left. And they've really beaten up people this time. The workers have really been thrashed. There have even been broken bones. Even women human rights workers were shoved around.
前例を見ない突然の過酷な弾圧
しかし、やつが我々をびっくりさせたのは、突然に誰もかもを一斉に投獄したことです。だから、反対運動のリーダーシップをとる者が一掃されてしまった。おまけに今回は、彼らは実際にひとびとを暴力的にぶちのめしてますよ、運動家は文字通りずたずたに暴行されたし。骨が折れるまで打ちのめされた者もいますよ。女性や人権擁護主義者のおとなしい運動家まで、強引に引きずり回されたし.....。
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»» 次号「イムラン・カーン インタビュー」後編へ続く
【米国時間 2007年11月22日 訳『米流時評』ysbee】

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by ysbee-2 | 2007-11-22 15:48 | パキスタン戒厳令の季節
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